なんやかんや艦これありでなかなか書く気が起きなく放置してました。
ちまちま書きながら。
目指すは優勝、求めるのは勝利。
欲するは好戦、望むのは強者。
ただーーーそれだけである。
ただ、それだけをそれだけを目指し、求め、欲し、望む。
ーーーさぁ、いい試合にしよう。
悔いがないように
後悔がないように
文句が出ないように
弱音が溢れないうちに
互いの今出せる力を持って、挑み受けよう、相手の全てを。
「すぅぅ、はぁぁぁ、すぅぅぅ、はぁぁぁぁ」
第一アリーナの待機室で鈴は深呼吸を繰り返しながら、作戦を確認していた。
まず、やることは全力をもって、相手に接近すること。
遠距離戦は絶対に避ける、理由は簡単。
鈴本人も鈴のIS《甲龍》も遠距離戦に対応は出来るがそれは回避のみで武装はないし、そもそも鈴は遠距離戦はお世話にも得意とは言い難い。故に遠距離戦は避けるのが必須だ。
次に中距離戦、これも避けなければならないし、遠距離戦以上に注意が必要でもある。理由は相手のIS《ケンプファー》は遠中近戦に対応可能で鈴の《甲龍》以上に武装が豊富で中でも中距離戦は《ケンプファー》の距離だ。ほとんどの武装の有効射程内であり、また中距離戦というのはその気になれば遠距離戦にも近距離戦に即時変えることができるポジションでもある。
何より、相手の神楽坂幸の最大の持ち味は異常なまでに高い対応能力だと鈴は考えていた。
何度も神楽坂の訓練映像などを見返していた鈴が気付いたのは神楽坂の状況把握能力とそれに対する対応能力の高さだった。状況を把握する能力に長けている人間は多いし、何よりISに乗り、その国の国家代表を目指す代表候補生にとって状況把握能力は必須であり、それに対する高い対応能力が求められるのが当たり前である。
敵の攻撃、攻撃に対する民間人の行動、気候の状況などなど今自分がいる状況を瞬時に把握し対応しなければならない。そうしなければ場合によるが死傷者を出す危険性があるからだ。それ故に高い対応能力が求められるのだがその高い対応能力というのは簡単に身につくものでもないし、会得できるものでもない。長い年月をかけ、様々な状況を経験し、それらに対応し続けてはじめて高い対応能力が得ることができる。
だから、神楽坂の異常なまでに高い対応能力は異常である。
自分と同じ年齢で普通の生活を送ってきただろう神楽坂幸が何故ここまで高い対応能力を持っているのか、かなり疑問ではあるが今はそれどころではない。
問題はその高い対応能力にどう対抗するかである、こればかりは戦ったことのない相手では対策が出来ない。なら、自分がもっとも得意とする近距離戦、格闘戦に持ち込むしかない。それでも勝ち目は薄いかもしれない、だが諦めたらそこで終わり、諦めずに突き進む、それがーーー。
「あたし、凰鈴音よ!」
鈴はIS《甲龍》を身にまとい、足をカタパルトに接続させ、その時を仁王立ちで待った。
ーーー何だ、この嫌な予感は?
ケンプファーの最終点検を行っていたときに突然感じた、悪寒と嫌な予感だ。
コウは昔からそういったものに鋭い、ニュータイプとかではなく、純粋な生存本能による物だった。
コウは溜息を吐いたーーー昔から嫌な予感とかは当たるからだ。昔、一年戦争の最終決戦で嫌な予感がし、その嫌な予感がした方を向くと5機のガンダムとガンダムもどき数十機以上がこちらに向かってきていたことがあった。
ーーーアレほど自分の運の無さを呪ったことはない。G3ガンダムにFAガンダム、ヘビーガンダムと何でいるのかかなり疑問なガンダムアレックスとガンダム6号機の5機だった。
嫌々ながら戦うことになり、ガンダム6号機を除く4機は撃破できたが6号機には逃げられてしまった・・・・。
この後、宇宙水泳していたアホにそのことを話したら「コウって本当に運がないな」と笑う姿が癪にさわったのでもう一度宇宙水泳を楽しませてやった・・・・再度回収したアホがギャン泣きしたのはかなり引いた。
「はぁ、何も起きませんように」
コウはISを装備しながら、そんなことを祈るばかりだった。
しかしーーーコウはすっかり忘れているが昔に今回と同じように嫌な予感と悪寒が走り、先程と同じことを言ったときだ。たまたま近くにいた部下が「隊長、それフラグですよ」とケラケラと笑われ、その後に嫌な予感が的中し、その部下が死んだことがあったのをコウはすっかり忘れていた。
そして、戦いの時が来た。
『全世界中から集まった将来IS乗りを目指す学生達が集う学び舎のがここIS学園!』
『そして、将来有望な学生達の中から今日はその中でも各クラスで最も優秀なIS乗りを代表として選ばれたクラス代表同士が戦うIS学園の目玉行事の一つ!』
『それがクラス代表戦だぁぁぁ!!』
ワァァァァァ!!とアリーナの中が大歓声で包まれる。アリーナの中にはIS学園の生徒や教師といった学園関係者や各国家の大臣などの政治の大物から各IS開発関連の重役や研究員、そして多額の金額をIS学園に《寄付》した有力者達が今かと今かとクラス代表戦を待ちわびていた。
『司会は、IS学園新聞部の射命丸蒼葉がお送りしてまーす!!』
『と、ここまでの前振りは一度やりましたがもう一度!』
『そして、今日の第一試合は中国代表候補で一年二組の代表で、しかもあの流派東方不敗流を受け継ぐと言われている天才格闘少女凰鈴音選手!』
アリーナの大画面に鈴が映し出されると同時にカタパルトから鈴が射出され、アリーナ内に現れ、歓声が響き渡る。鈴は手を振り、その歓声に応える。
『その鈴選手の対戦相手はなーんと!世界初の男性ISパイロットであり、所属国無しで成績優秀容姿端麗でMな方々に大人気の神楽坂 幸選手!』
若干悪意があるような紹介にコウは苦笑いをしながらも颯爽と登場した。
すると歓声というよりも黄色の声援が聞こえてきた。
「きゃー、神楽坂さーん、踏んでー!」
「罵ってー!」
「見下してー!」
「コウー、調教してくれー!」
・・・・何か聞いたことのある声が聞こえた気がしたが気のせいだ、気のせい。
コウは聞こえてきた
それでは戦闘にすらならない。
何度か箒がオルコットに頼んで織斑と模擬戦をしたが織斑が近づく前にオルコットのブルー・ティアーズの攻撃で蜂の巣にされ、簡単に撃墜されたり接近してもミサイルを叩き込まれて爆散したりと一度も織斑がオルコットに勝ててないのはもちろん技量の差もあるが何よりも対する機体の相性の悪さだ。
織斑の機体は近接特化の中でもかなりの近接特化、むしろ特化し過ぎの特化機体である。
対するオルコットの機体は射撃特化の機体ではあるが対近接戦をちゃんと心がけており、自分との試合後はブルー・ティアーズの武装に新しくハンドガンとショットガンを追加したらしく扱いもうまいため、近接戦は対応可能になっている。ハンドガンやショットガン、マシンガンはそれぞれの銃によっては近接戦が対応し易かったり、逆にし難い物ある。
オルコットが選んだのはマシンピストルタイプとソードオフショットガンタイプ。
マシンピストルとはピストルようはハンドガンをマシンガンみたいに連射できるハンドガンのことを大体さす、有名なのはグロック18だろう。ただしマシンピストルはその連射力の故に起きるブレはハンドガン程度では緩和などできないため、至近距離ではないと全弾当てることが難しいと言われている。
次にソードオブショットガンは簡単に言えば短いショットガンである。銃底が取り払われ、銃全体も短く作られていることが多く片手でも使えることは一応できる。ただし銃全体が短いためショットガンによっては装填数が1だったり2だったりと少ない問題がある。
オルコットは自分の欠点である接近戦を自分が得意な射撃で克服しようと努力していると布仏から話を、聞いた。
それはともかく今気にするべきは凰の機体が凰自身がどうやって遠距離戦などを対応してくるか見るべきである。
さっそくコウはマシンガンを持ち、凰に照準を合わせ躊躇いも躊躇もなく引き金を引いた。
鈴はこの日を待っていた、この瞬間を、この刹那を、この戦いを待っていた、待っていたのだ。
神楽坂 幸という強敵であろう存在と戦うためにわざわざ来たのだ。
だからーーー。
「がっかりさせないでよね!」
迫り来る弾丸の嵐に鈴は自ら突っ込んだ。
「なっ!?」
これには流石のコウも驚いた。
流石に攻撃を避けながら突っ込んでくる奴はいたが・・・・。
「どりゃぁぁぁぁぁぁ!!」
まさか、弾丸を受けながら突っ込んでくる゛馬鹿゛はいなかったからだ。
鈴はコウの攻撃を甲龍の腕に新たに付けられた追加装甲であり、武装である『鋼鉄撃』という名のスパイクシールドである。ザクⅠやザクⅡなどが装備していたスパイクシールドを可変式に改良した物である。
鈴はマシンガンの弾丸を鋼鉄撃で受け止めながら可変させ、スパイクナックルでコウに殴りかかるが鈴が拳を振り下ろす頃にはそこには居らず、砂塵が舞う。そして、砂塵の向こうから再びスパイクナックルが飛び出す。しかし、コウはそれをありえない速度で跳ばずに横に避ける。
「・・・・ふーん、それがサイドブースターねー」
「・・・・」
鈴は先程からコウが鈴の攻撃を跳ばずに避けていたのは鈴が言った『サイドブースター』のおかげである。
サイドブースターとは名前の通りにサイドについているブースターでそれはケンプファーの肩に付いているブースターのことだ。これを使い、瞬間的に横に加速し避けるのがサイドブースターだ。というか性質上横にしか避けれない。
しかし、このサイドブースターにはデメリットがある。それは簡単なことだ、サイドブースターは肩に付いており、パイロットの肩のことをあまり考えてない装備である。セシリア戦でセシリアの最後の一撃を避けたのもサイドブースターであり、その時はサイドブースターを連続で使用したため、後で肩が大変なことになった。
「ちっ、流石に調べるか」
「当たり前よ!」
再び鈴が鋼鉄撃を使い、殴りかかるがコウはサイドブースターをうまく使いながらそれを避ける。
「なら、コレはーーー」
「!?」
コウは感じた。
「どう!」
サイドブースターの出力を上げ、鈴から離れる。
次の瞬間には先程までコウがいた辺りで砂塵が舞うが鈴はその場から動いておらず、拳すら振っていない。
「ちょ、初見で避けないでよ!?」
「なるほど、衝撃砲か」
「しかも、一発でバレてるし!?」
マジかよ、当たりかよとコウは思った。
ぶっちゃけ、当てずっぽうであったし何となく思ったのが衝撃砲だった。薬莢の排出等もないし弾丸も見当たらない不可視の弾となったら衝撃を使った衝撃砲または空気砲が妥当であると思ったからだ。
「くっ、あたしの必殺技パート1からパート5まで見抜いたからいい気にならないことね!」
「わりと見抜いているな」
「あたしの必殺技は108パートまであるわ!!」
長いな、おいとコウが心の中でツッコミを入れた瞬間、コウは違和感を殺意を今自分が立つ砂中から感じた。
ーーーその刹那である砂中から眩い暴力的な光がコウと鈴を襲った。