ガールズ&パンツァー ~捨てられた男の娘~ 作:ニキ・ラウダ
私の予想を上回る沢山の方々に読んで頂けた事にとても驚いております(笑)
今後も、誤字脱字報告、小説への評価、そしてセナたんをよろしくお願い致します。
では始めましょう。
プラウダ戦当日を迎え、学園艦は北部にある雪原のフィールドへと到着した。
セナがフィールドへ降りると、凍るような寒さに身体が震えた。
「さっ・・・寒い・・・」
セナが周りのチームメイトを見ると、雪合戦をしたり、侍型のゆきだるまを作ったりして遊んでおり、新しく導入されたRENAULT B1に乗るそど子率いる風紀委員3人は緊張のあまり硬直している状態で、何やら麻子達とふざけ合っているようだった。
セナは寒さを凌ぐため、みほに抱き着いた。みほは急に冷たい感触がお尻から脚にかけてあった為、びっくりして声を上げた。
「きゃっ!冷たっ!って・・・セナさん?どうしたの?」
みほが驚いた表情でそう言うと、セナは泣きそうな顔でみほに訴えかけた。
「みほ・・・さん・・・寒い」
みほは、「もう・・・」と言うと、しゃがんでセナをギュッと抱き締めた。
「もう寒くないでしょ?」
「うん♪」
セナはみほに温められ、笑顔を見せた。その様子を見ていた麻子はムッとした表情でセナの元へとやって来た。
「麻子さん?」
麻子は無表情でみほが居る反対側からセナを抱き締めると、その行動を見たみほは戸惑った。
「麻子さん?何してるの?」
麻子は少し満足した様な表情をした。
「私も寒いから・・・セナに温めてもらおうと思ってな・・・」
女の子2人の顔が至近距離にある状況で、セナは逆に熱くなり過ぎて体温がオーバーヒートしていた。それはそうだろう・・・みほを抱き締めに行く時、かなり恥ずかしかったのに加え、麻子が後ろから抱き締めている状況でサンドイッチ状態になっているのだから・・・そして皆忘れているかも知れないが、セナは男なのだ・・・それは興奮状態になる。
すると雪原の向こうから1台のトラックがこちらへやって来た。トラックから降りてきた2人を見て、沙織はキョトンとした顔をした。
「誰?」
みほが降りて来た2人の事を話す。
「あれは・・・プラウダ高校の隊長と副隊長・・・」
優花里がみほの説明に補足を入れる。
「地吹雪のカチューシャとブリザードのノンナですね!」
カチューシャはこちらまで歩いて来ると、馬鹿にしたような笑い声を上げた。
「あははははっ!カチューシャを笑わせる為にこんな戦車用意したのね!」
杏がカチューシャの前へと出て、挨拶をした。
「やぁやぁカチューシャ!よろしく!生徒会長の角谷だ!」
杏がかがんで握手を求めると、カチューシャは見下ろされるのが嫌いなのか不機嫌な顔になった。
「ノンナ!」
カチューシャはノンナに肩車をさせると、ノンナの肩の上で腕を組んで見下ろした。
「あなた達は全てがカチューシャより下なの!戦車も技術も身長もね!」
セナは自分より身長が低いと言っているカチューシャに思わずツッコミを入れた。
「肩車をしていますし・・・私より身長が2cm高いだけじゃ・・・」
セナがそう言うと、カチューシャは不機嫌な顔でセナの方を向いた。
「よくも!カチューシャを馬鹿にしたわね!?粛清してやる!行くわよ!ノンナ!」
カチューシャとノンナがトラックへ戻ろうとした時、カチューシャの目にみほが止まった。
「あら?あなたは西住流の・・・去年はありがと?あなたのお陰で私達優勝できたわ?今年もよろしくね?家元さん?じゃーねー!ピロシキ~」
カチューシャがそう言って立ち去ろうとした時、セナがロシア語でカチューシャとノンナにこう言葉を投げ掛けた。
《見えない敵に気を付けて下さいね?》
ロシア語が理解できるノンナは、セナを睨み付けると、トラックへと帰っていった。
試合開始前、皆円陣を組んで最終的な会議を行っていた。みほが作戦内容を話している。
「とりあえず相手の車両の数に呑まれないで、冷静に行動してください。今回はフラッグ戦です。フラッグ車を守りながらゆっくり前進して、相手の動きを見ましょう。」
みほが作戦を話すと、歴女達が異を唱えた。
「ゆっくりも良いが、ここは一気に攻めてはどうだろう?」
「うむ・・・妙案だ。」
「先手必勝ぜよ。」
みほは、自分の意見とは反対に攻めようと言われた事に戸惑った。
「皆さん気持ちはわかりますが・・・リスクが・・・」
皆口々に「攻めたい!」「勢いは大事!」「いけそうな気がする!」など発言したが、セナは違った。
「やめましょう!危険過ぎる!初めての雪原のフィールドで攻めに行くのは、あまりにも無謀です!積もった雪が崩れて怪我する事もあるんですよ!?」
セナがそう言うも、賛同してくれるメンバーはほとんどおらず・・・それどころか、行け行けムードが漂っていた。みほは長考の末、守るよりも皆の意見を尊重して、攻める事を選んだのだった・・・。
試合開始後、カチューシャ率いるプラウダ高校は隊列を組み前進していた。
「良い!?あいつ等にやられた車両は!シベリア送り!25ルーブルよ!」
カチューシャの発言をノンナが言い直した。
「日の当たらない教室で25日間の補習って事ですね?」
「行くわよー!フラッグ車だけあえて残して、後はみんな殲滅してやる!力の違いを見せつけてやるんだからっ!」
プラウダ高校は掛け声と共に雪原を行進して行った。
一方大洗は、プラウダが居る方向へ隊列を組み突撃しており、セナはこの試合で最後になるであろう、ウサギさんチームの通信手として、M3リーに乗っていた。水筒に容れてきた紅茶を一年生達に差し出しながら、ハッチの外から周囲を警戒している。しばらく進むと、遠くから物音が聞こえた為、音がした方向を見ると、崖から2人双眼鏡でこちらを偵察しているのを発見したので、みほに連絡を入れた。
《みほさん。こちらウサギさんチーム・・・崖の上にプラウダ高校と思われる2人組が偵察をしているのを発見・・・敵が前方に待機している可能性があります。》
《わかりました。引き続き周囲を警戒してください。》
《了解しました。》
しばらくして坂に差し掛かると、カモさんチームのRENAULTB1が雪でスリップし、坂を登れなくなってしまった。
それを見たみほは、無線でセナに指示を送った。
《セナさん。カモさんチームの方へ行って指導してあげてください。》
セナは、「わかりました。」と言うとM3リーから降りてRENAULT B1へと移動した。ハッチを開けると、ゴモヨと呼ばれる少女が泣きながら困っていた。セナは笑顔で優しく声を掛けた。
「運転・・・変わりましょうか♪」
セナが運転を変わると、ゴモヨに優しく雪道での運転の仕方を教えた。
「この戦車は重く馬力がある為、雪道で一気にアクセルを踏んでしまうと、履帯が空転して前に進まなくなってしまうんです。なので坂道では、ゆっくりとアクセルを踏んで、ハンドルは真っ直ぐに持ち・・・徐々にアクセルを踏んでいく。」
ゴモヨは、セナの説明を真剣に聞いているのだが、そど子は敵意剥き出しだった。
「いきなり人の戦車に乗り込んでどういうつもりよ!」
セナは微笑みながら、そど子を見た。
「隊長命令です♪」
セナがそう言うと、そど子は口を閉じ、セナはM3リーに帰って行った。
しばらく進むと、前に居るⅣ号が積もっている雪を榴弾で弾き飛ばし道を開け、隊列を保ったまま前進した。すると前方にプラウダ高校の戦車2両が待ち伏せており、セナは周囲を警戒した・・・待ち伏せて居るのが2両だけというのはおかしい・・・相手は15両居るのに、待ち伏せているのはたった2両だけ・・・明らかに罠に誘っている、セナにはそう思えてならなかった。
みほは、三突とⅣ号で前方に居るT-34、2両を撃破した。皆前回の優勝校の車両を撃破したという事もあり、皆舞い上がっていたが、セナは引き続き警戒をしていた・・・相手車両はアッサリと撃破された為、あの2両は捨て駒だと読んでいた、セナも何も調べて来なかった訳じゃない、プラウダの戦い方を徹夜で研究していたのだ。プラウダは、相手を高い所まで上げて、一気にどん底に叩き落とすような作戦を取る・・・この舞い上がっている状態から叩き落とすとなると狙いは1つだ。セナは直ぐにみほに連絡を入れようとした所、陰から1両の戦車が飛び出し逃げた。それを皆追撃した為、慌ててみほに連絡を入れた。
《みほさん!明らかに誘導されてます!このまま突っ込むのは危険です!》
《そうだね・・・全車両一旦止まって下さい!》
みほは、停止命令を出したのだが、M3リーとⅣ号を除く4両が命令を無視して市街地の方まで突っ込んで行ったのだ。みほは、慌てて指示を送り直すが時既に遅かった・・・周りにプラウダの車両13両が大洗を囲っていたのだ。セナは、桂利奈と操縦を変わるとフルスロットルでその場を飛び出し周りに居るプラウダの車両へと向かって行った。その頃みほは、全チームに指示を出し、建物の中へ避難するように指示していた。プラウダに一斉砲撃され、主砲は故障し、履帯は壊れ戦車はボロボロになっていたが、満身創痍で建物の中へ入るとみほは、M3リーが居ない事に気付いた為、セナに連絡をした。
《セナさん!今どこですか!?》
《皆さんが居る建物の直ぐそばです!》
《では!早く建物の中へ入って下さい!》
《了解!》
セナが何故ずっと戦っていたかと言うと、戦車で建物の周りを走りながら、プラウダの戦車5両を撃破し皆が逃げる時間を稼いでいたのだ。M3リーも建物の中へ入ると皆気分が沈んでいた。理由を尋ねると、この大会で勝てなければ、大洗が廃校になると知らされていたからだ。そこへ、プラウダ高校の生徒2人がやってきた。カチューシャの使いだと言う・・・降伏して土下座し、セナをこちら側に引き渡せば、馬鹿にした事を許すと言う条件を提示しに来たのだ・・・2人はそれだけ告げると去って行った。みほは、この絶望的な状況で究極の選択を強いられていた。このまま、負けを認めるか、負けが確定しているような状況で戦うか、みほが迷っているとセナが少し寂しそうな表情で、みほの元へとやって来た。
「私は、みほさんの為にこの大洗を守るつもりですが・・・もし・・・みほさんが降伏するのであれば・・・」
セナが降伏するのであればそれでも構わないと言おうとした所、みほが泣きながら抱き着いて来た。
「ダメ!絶対ダメっ!」
「みほさん・・・」
みほは、泣きながらセナを見た。自分の弟で、誰よりも私を気にかけてくれた大事な人・・・私が不安な時、優しい笑顔で慰めてくれた・・・ここで降伏したら、セナを失ってしまう・・・それは嫌だ!
「私・・・あなたが居ないと駄目なのっ!」
みほの告白にセナは優しい顔でみほの頭を撫でた。
「わかりました。では降伏しないという事ですね?みほさん?」
「うん・・・」
「なら・・・皆に降伏しない事を伝えなければいけませんね?」
みほは頷くと、涙を拭いて皆の方を向いた。
「私達は!降伏せずに戦い!勝ちます!」
みほの宣言と共に「オー!」という掛け声が建物に響いたのであった。
どうでしたか?上手く書けていましたでしょうか?時には甘えるセナたん可愛いと、私ラウダも思っております(笑)