ガールズ&パンツァー ~捨てられた男の娘~   作:ニキ・ラウダ

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いよいよクライマックスに近付いて来ましたね~。このプラウダ戦でセナの能力が光ります。


第17話 走るコンピューターの覚醒

みほと生徒会の3人は作戦会議を開き、麻子 そど子 優花里 エルヴィンの4人は戦車の位置を確認する為偵察に行っていた。セナは今、ペール缶に火を起こして、焼き芋を作っている。美味しいものを食べて貰い、皆に英気を養って貰う為だ。全員に焼き芋を配り終えると、次にありったけのお菓子と缶詰を出し、グループ毎に配って行く。それを見た桃は感心していた。

 

「色々持ってきているんだな。」

 

セナは桃を見るとニッコリと笑った。

 

「もちろんです!食べ物の他にもトランプとかオセロとかもありますよ?」

 

それを聞いたみほは若干呆れた。

 

「もう・・・遊びに来てるんじゃないんだから」

 

みほがそう言うと、杏は大笑いした。

 

「あはははっ!いいじゃん!いいじゃん!士気を上げるのは大事だよ!」

 

一方観客席では、聖グロリアーナの2人が試合を観戦しており、オレンジペコは、心配そうに画面を見つめていた。

 

「天候が悪くなってきましたね・・・セナのモチベーションが下がらなければ良いんですが・・・」

 

オレンジペコの不安そうな声を聞いたダージリンは、少し笑いながら紅茶を口に付けた。

 

「こんな格言を知ってる?全てを今すぐに知ろうとは無理なこと。雪が解ければ見えてくる。」

 

そして、みほの試合を見に来ていたしほは、プラウダに囲まれている大洗の絶望的な状況を見てイライラしていた。

 

「こんな試合見ても無駄よ!帰るわ!」

 

同行していたまほにそう言って立ち上がり帰ろうとした時、ある人物が引き止めた。

 

「どこへ行くんですか?」

「!?」

 

しほが声をした方を見ると、セナの義理の父親であるラウダが居た。

 

「まだ試合は終わっていない。それに・・・子供の試合を最後まで見届けてあげるのが私達親の責務でしょう?」

 

ラウダにそう言われたしほは、再び観戦席に腰掛けた。

 

プラウダ高校の隊長カチューシャは、待機場所で焚き火を起こし、簡易カプセルの中に座って温かいスープを飲んでおり、たった1両の戦車に5両も撃破された事に腹を立てていた。

 

「何であんな低スペックな車両1台に5両もやられた訳!?」

 

カチューシャの質問にノンナは冷静に答えた。

 

「あの戦車の乗りこなしといい、あの建物と建物の狭い隙間を最高速度で抜ける技術・・・走るコンピューターがあの戦車に乗っていたのは間違いありません。」

 

ノンナの発言を聞いたカチューシャはますますセナが欲しくなった。

 

「なんとしてでもこの試合勝つわよ!」

 

大洗の方は、降伏するための猶予である3時間が近付くと、降伏しないことをプラウダの遣いに伝えた。

そして、時間になると一斉にエンジンを掛け隊列を作り勢い良く建物を出て行く、作戦は守備が硬い所にあえて突っ込み敵を動揺させ、フラッグ車である八九式を38tとRENAULT B1で守りつつ、敵がそちらに集中している間にⅣ号と三突がフラッグ車を探し叩くというもので、M3リーはあえてフリーな状態にして、周りの敵を出来るだけ撃破してくれという指示だった。その為、セナは砲手として乗り込む。

M3リーは建物から出た途端、砲撃を開始し、後方から来ていた1両を撃破し、しばらく雪原を進むと横から2両現れた為、そちらへ方向転換して行った。

そして最後方RENAULT B1の後ろからはプラウダの車両6両が砲撃をしながら迫って来ており、みほはカモさんチームにフラッグ車の有無を確認した。

 

「フラッグ車は居ますか!?」

 

そど子は双眼鏡で確認するが、フラッグ車は確認出来なかった。

 

「フラッグ車!確認出来ません!」

 

それを聞いた杏はみほに先に行けと指示を出した。

 

「こっちは引き受けるから!フラッグ車を探して!」

 

みほは少し考えた後、フラッグ車を探す事を決断した。

 

「わかりました。そちらはお願いします!」

 

そして、M3リーは周りに居たT34 2両を撃破し、直ぐにみんなの後を追う。セナは桂利奈に急ぐように言った。無線連絡によると、カメさんチームとカモさんチームが、敵車両を3両撃破した直後にやられたと連絡が入ったからだ。

 

「急いで下さい!今38tとRENAULT B1が撃破されました!フラッグ車が撃破されれば我々の負けです!」

 

観客席から見物していたオレンジペコは、ソワソワと落ち着きが無く、不安そうな顔でセナ達の戦いを立って観ていた。

 

「ダッ・・・ダージリン様!セナが大ピンチです!」

 

オレンジペコは慌てた様子でダージリンに言ったが、ダージリンは少し笑いながら戦いを見つめていた。

 

「ペコ・・・落ち着きなさい。淑女らしくありませんわよ?」

「ですが!ダージリン様!」

 

ダージリンは紅茶を一口飲むと、微笑みながらオレンジペコを見た。

 

「確かに、雪で視界も悪くて大洗の戦車の数も残り少ないけれど・・・こういうピンチな時こそ、セナの怖さが出てくるのよ?」

 

セナ率いるM3リーは、フラッグ車である八九式の元へ向かっていた。セナがハッチから身体を出し、神経を集中させ周りの音から情報を集める。

 

(雪で視界が悪く目視では前方を確認不能・・・1000m先の10時の方向で、敵車両2両と八九式1両が交戦中・・・風は10時の方向に向かって吹いており、上空の風速はおよそ19m /s~21m/s。敵車両は射程範囲内)

 

そして、その前方ではIS-2に乗るノンナとT34に乗るカチューシャが八九式を捉えようとしていた。ノンナは前方に居る八九式をロックオンすると、引き金を引いた。放たれた砲弾は八九式へと向かって行く・・・ノンナとカチューシャは勝ったと確信し少し笑ったが砲弾は八九式に届く事は無く、途中で爆発した。その光景を見たカチューシャとノンナは目を見開いて驚いた。

 

「ちょっと!何が起こったの!?」

 

そう・・・セナが放った砲弾がノンナが放った砲弾にぶつかり相殺されたのだ。

カチューシャが周りを見渡すが、雪で視界が悪く、どこにも敵車両は確認出来なかった。するとT34の横に居たIS-2に見えない彼方から放たれた砲弾が着弾し、白旗が上がった。カチューシャは怯えて周りを改めて見渡すが、敵車両は見えない・・・増してや風音のせいで、戦車の走行音も良く聞こえないため、車両がいる方角もわからなかった・・・カチューシャは見えない敵に恐怖した。

 

「どこに居るのよっ!?このカチューシャを倒そうなんて100年早いわよ!」

 

そして、カチューシャが戸惑っていると、真後ろから戦車の走行音が聞こえてきた。カチューシャが気付いた時には砲弾が着弾し撃破されていた。

しばらくすると試合終了のアナウンスが聞こえてきた。

 

「試合終了!大洗女子学園の勝利!」

 

みほ達がフラッグ車を撃破したのだ。

そして、負けたと知ったカチューシャは涙を流した・・・。M3リーが拠点に戻り、セナと一年生達がみほ達を祝福していると、そこへカチューシャとノンナがやってきた。

 

「まさか、守備が厚い所を狙って来るとは思わなかったわ!べっ・・・別に悔しい訳じゃないからっ!」

 

みほは、少し笑いながらカチューシャを見た。

 

「こちらも、もし一気に攻撃されていたら負けていたかもしれません。」

 

みほがそう言うと、カチューシャが首を横に振った。

 

「いや・・・それでも勝てなかったと思うわ・・・」

 

カチューシャはそう言うと、試合で疲れ椅子に座っているセナを見た。

 

「多分、観客とかはⅣ号のあなた達に注目するんでしょうけど、一番のMVPはそいつよ!全ての逆境を覆したんだから・・・ちゃんと褒めてあげなさいよ!」

 

カチューシャはそう言うと、みほに握手を求めた。

 

「あなた達は、最高のチームだったわ。」

 

カチューシャがそう言うと、みほは笑顔で握手をした。その後、カチューシャが握手を終えるとセナの元へ歩いて行き、セナの前で立ち止まった。

 

「正直・・・カチューシャはあなたの事を舐めてたわ。」

 

セナは返事する気力も無かった為、優しく微笑んで手を上げた。別に良いですよと言いたいのだろう。

 

「だから・・・」

 

カチューシャは少し顔を赤らめると、セナの頬にキスをした。セナは柔らかい感触が頬に当たるのを感じて顔が若干赤くなった。少し汗を掻いて目がトロンとしている状態なので、物凄く色っぽい状態になっている。

 

「だから!あっ・・・あなたはカチューシャの物なのっ!」

 

キスシーンを見た周りの女の子達は唖然とし、恥ずかしくなったカチューシャはノンナを呼んだ

 

「ノンナっ!」

 

そう言うとカチューシャはノンナに肩車をされ、その場を去って行った。




遠くからジワジワ狙うセナたん恐るべし・・・
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