ガールズ&パンツァー ~捨てられた男の娘~   作:ニキ・ラウダ

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オレンジペコはセナよりも年下なのに呼び捨てなのか理由が明らかに・・・


第19話 セナとオレンジペコ

セナはみほと2人で商店街へ遊びに来ている。

今日は土曜日で練習は休みだ。本来なら今日は練習の予定だったのだが、「あまり根を詰め過ぎると、余計に疲れて練習の効率が下がるので、土曜日の練習は廃止しましょう。」というセナの進言により土曜日は休みとなったのだ。何故セナにここまでの発言力があるかというと、生徒会の3人にこれまでの功績が認められ副隊長へ昇格した為だ。

セナとみほは、雑貨屋でアクセサリーを見ている。

 

「色々なアクセサリーがあるんですねー。」

 

セナは女の子物のアクセサリーを興味津々に見ており、みほもセナに似合いそうなアクセサリーを手に取りながらセナに身に付けてはしゃいでいた。

 

「可愛い!セナさん可愛いよ!」

 

みほがセナに身に付けたアクセサリーは、桜の花びらが付いているヘアピンだった。セナもヘアピンを身に付けている自分の姿を鏡で見て、クルクル回ってはしゃいでいる。

 

「可愛い~♪お姉様も♪」

「えっ!?ちょっと!?」

 

セナは笑顔でそう言うと、しゃがんでいるみほにヘアピンを付けた。

 

「お姉様も可愛い!」

 

みほとセナがイチャイチャしていると、誰かに話かけられた。

 

「決勝戦が近いのに、練習しなくても大丈夫ですの?」

 

セナとみほが声がした方を見ると、そこにはダージリン

が少し心配そうな顔をして立っており、その後ろには、セナとみほの仲の良さに嫉妬して、膨れっ面をしたオレンジペコが居た。

 

「セナ~?休日に女の子とデートなんて良いご身分ですねっ!それに!プラウダの隊長まで恋に落とすなんて!」

 

オレンジペコはそう言うと、セナの頬っぺたを両手で軽く引っ張った。

 

「痛いですぅ!そんなつもりは無かったんですー!うぅ・・・」

 

セナが頬っぺたを押さえていると、オレンジペコがセナに抱き付いた。

 

「あぁ~♪会いたかったです!セナ~♪」

 

セナはオレンジペコの胸の中でジタバタしながら恥ずかしそうな顔をしている。

 

「ちょっとペコちゃん恥ずかしいですっ!こんな人前で~!」

 

みほは、セナとオレンジペコの絡みを見て嫉妬で少し不機嫌な顔になり、みほの表情を見たダージリンは、少し微笑みながらみほに話しかけた。

 

「ふふっ・・・妬いてしまっているのかしら?」

 

ダージリンにそう言われたみほは慌てて否定した。

 

「いっ!いえっ!そういう訳じゃ・・・」

 

ダージリンは少し微笑むと話を始めた。

 

「みほさんは、何故ペコ・・・オレンジペコはセナより年下なのにセナの事を呼び捨てにしていると思います?」

 

みほは、ダージリンにそう言われ少し考えた。

 

「えぇっと・・・セナさんが可愛いから?」

 

みほの回答にダージリンは少し微笑んだ。

 

「みほさんもセナが好きですのね?」

 

ダージリンにそう言われたみほは顔が真っ赤になった。

 

「えっ!?えっ!?あっ!あのっ・・・」

 

ダージリンはふふって笑うと昔話を始めた。

 

「あの2人は・・・中等部の時、苛められていましたのよ。」

 

ダージリンの話にみほは真剣に耳を傾けた。苛めの内容は、酷いものだった。オレンジペコは、トイレで水を掛けられ、靴を隠されたり、体操着を隠されたりされ、セナに関してはセナ本人から聞いた物より酷い内容だった。戦車のブレーキホースに細工をされ、わざとブレーキを効かない状態にされたり、ハンドルに小さな針を仕込んだりされ怪我をしたりしていたのだと言う。

その話をしているダージリンの顔は怒っていた。

 

「今考えても許せませんわ・・・私の可愛い後輩にあんな事をするなんて・・・」

 

ダージリンは1拍置くと、話を続けた。

 

「そして・・・ある日事件が起きましたの・・・」

「事件?」

 

みほが真剣な目でダージリンを見ると、ダージリンは顔をセナに向けた。

 

「セナが行方不明になったのですわ・・・」

 

みほはそれを聞くとセナから聞いた物置小屋に閉じ込められた話を思い出した。

 

「それって・・・確かセナさんが一週間、物置小屋に閉じ込められていたんですよね?」

 

みほがダージリンにそう尋ねるとダージリンは目を閉じて頷いた。

 

「えぇ・・・全く使われていない旧校舎の物置小屋に一週間も閉じ込められていましたわ・・・」

 

みほは疑問に思った事をダージリンに聞いた。

 

「でもどうしてセナさんがそんな目に・・・」

「セナがペコへの苛めをわざと自分に仕向けたのよ・・・結果ペコへの苛めは無くなったけど、元々苛められていたセナの苛めは倍になり、結果苛めがエスカレートしてしまったのですわ・・・。」

 

みほははしゃいでいるセナに目を向けた。

 

「セナさん・・・昔から自分1人で抱え込んでたんだ・・・」

「えぇ・・・あの娘の悪い癖ですわ・・・そして私とペコとアッサムは物置小屋に閉じ込められていたセナを発見しましたわ・・・痩せて、衰弱していましたのよ?病院で回復した後、セナはペコの苛めを被り、苦しいのを我慢していた事を私とペコに話しましたわ・・・それを聞いたペコは泣いてセナに謝った・・・そうしたら、セナはペコにこう言ったの『ペコちゃんはあんな悲しい顔より笑顔が似合います。私はあなたの笑顔を取り戻したかった・・・私の方こそ心配をかけてごめんなさい。』ってね・・・それからセナとペコは仲良くなり、今の関係が出来上がりましたの・・・」

 

ダージリンが話終えるとセナとオレンジペコが店の入口付近から満面の笑みで手を振って2人を呼んだ。

 

「みほさん!お昼ご飯食べに行きましょう!」

「ダージリン様も早くいらしてください!」

 

ダージリンとみほはお互いに顔を合わせると笑い合った。

 

「行きましょう!」

「えぇ・・・」

 

4人は仲良く話しながらファミレスへと歩いて行った。




暗いお話になっちゃいました・・・

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