ガールズ&パンツァー ~捨てられた男の娘~ 作:ニキ・ラウダ
ネタが思い浮かばず時間を置いておりました!
待っていただけた事を感謝申し上げると共に、最終話に向けて小説を書いて参ります。
Niki Lauda
今日セナは、みほ、優花里、沙織、麻子、華の5人と決勝戦前という事で、決起会を開いていた。
皆笑顔なのだが、セナは浮かない表情をしている・・・セナの表情を見たみほは、セナを気にかけ話しかけた。
「セナさん・・・何か悩みでもあるの?」
みほは心配そうな表情でセナに聞いたが、セナの表情は変わらない。セナは人差し指を顎に当て、語り始めた。
「ポルシェティガーの改良も行った・・・一年生も完璧に仕上がり、黒森峰戦には万全な状態な筈なのですが・・・」
5人はセナにズイッと顔を近付け、口を揃えて言った。
「「「「「ですが?」」」」」
「何か忘れているような気がして・・・」
セナは目を瞑りながら、「うーん・・・」と考え込んでいる。皆セナから顔を遠ざけると、華が微笑みながらセナを見た。
「美味しいデザートでも食べたら、その内思い出しますよ。」
セナは華が発した"デザート"と言うワードにピンと反応した。
「デザート・・・」
優花里はセナを見ながら首を傾げた。
「セナ殿?何か思い出したんですか?」
セナが机をバンッと叩き、勢い良く立ち上がると、セナの横に座っていた沙織は驚いた。
「きゃぁっ!急にどうしたのセナちゃん!?」
セナは、絶望したような表情で、皆を見た。
セナのただならぬ表情に皆不安を覚えた・・・一体何を忘れていたのだろうと・・・セナは言いにくそうに口を開いた。
「今日は・・・」
5人は戸惑いながらセナの言葉を復唱した。
「「「「「今日は・・・?」」」」」
「今日は・・・商店街で期間限定!大洗牧場の絞りたての牛乳を使った!プレミアムソフトクリームの発売日ですぅぅぅう!」
セナがそう言うと、セナの予想外の発言に5人はズッコケた。沙織は驚いた表情をしながらセナに言った。
「忘れていた大事な事って!ソフトクリームの事!?てっきり試合で重要な事と思ったじゃん!」
セナは沙織を見ると、少し舌を出しウィンクしながら謝った。
「ごめんなさい♪」
沙織は、セナの笑顔を見ると怒れなくなった。麻子はセナを見つめた。
「セナ・・・期間限定なら、売り切れるのも早いんじゃないか?」
セナは麻子にそう言われてハッとした表情を浮かべた。
6人はデザートのケーキを食べ終えると、商店街にあるソフトクリーム屋にやって来た。セナは店の張り紙を見て崩れ落ちた。
「売り切れ・・・」
セナは涙を浮かべながらみほを見た。たまに出る甘えん坊セナたんである。この表情に対しては、みほは滅法弱い。みほはしゃがんでセナの頭を撫でた。
「またお姉ちゃんと来よ?」
みほがセナを慰めていると、店の奥から綺麗な黒髪のスタイルの良いお姉さんが出てきた・・・どうやら店主のようだ。
「やっと来たのね?安心して?ちゃんとセナちゃんの分取ってあるわよ♪」
その言葉にセナの表情は晴れやかになった。
「本当ですか!?」
セナの笑顔に店主であるお姉さんも笑顔になった。店主はセナについて語り始めた。
「この子・・・頻繁に店に来てソフトクリームを買ってくれるの♪たまに3個くらい買ってくれるのよ?」
皆驚いて声を上げた。
「「「「「さっ・・・3個ぉ!?」」」」」
みほは心配そうな表情でセナを注意した。
「もう・・・一気にそんなに食べたら、お腹壊しちゃうよ?」
セナは「大丈夫♪大丈夫♪」と言いながらソフトクリームを受け取るのを見たみほは、額に手を当てため息をついた。
その後皆でソフトクリームを食べた後、温泉へとやって来た。セナは断ったのだが、麻子に引っ張られる形で強引に連れて来られた。セナは浴場の入口の前で止まり、顔を真っ赤にしながら、麻子を見た。
「やっぱり入らないと駄目ですか?」
麻子は少し笑うとセナを見た。
「女として大洗に居る以上避けては通れない道だからな・・・」
セナは心配だった・・・一緒に温泉に入るのはまだ良いとして、身長が低い自分から見えるアングルが非常にまずいのだ。色々考えていると更に顔が真っ赤になる。日頃見れないセナの表情を見て麻子はいたずら心が刺激され、少し笑っていた。それを見たみほは苦笑いしていた。
「麻子さん?あまりセナさんをからかわないであげてね?」
みほも一緒に入るべきかどうか悩んでいた。セナは性別は男だが、見た目は女の子なので男湯に一人で行かせるのは心配だった。かと言って女湯に入ろうとするとこの様に顔が真っ赤になり動けない・・・。みほの表情を見た優花里は何か閃いたようで、みほに言った。
「セナ殿は身長が低いので子供だと言えば問題ありませんよ!」
優花里の発言に沙織と華も頷いた。
「確かに男の子を女湯に連れてくるお母さんも居るし!」
「大丈夫ですよ!」
みほはセナの顔を自分の胸に当てる形で抱っこし女湯へと入った。抱っこされたセナは慌てふためいていた・・・みほの柔らかい何かが自分の顔に押し付けられているからだ。みほがセナを隠す形で着替えさせ、セナにバスタオルを巻かせた状態で浴場の近くまで行かせると、みほがセナの下半身を身体で隠し、バスタオルを脱がせた。
セナは浴槽に浸かると気持ち良さそうに目を瞑った。セナ自身温泉と言うものは初めてで新鮮だった、まるで今まで溜まっていた悪いものが削ぎ落とされ行くような感覚に陥った。
セナが目を瞑っていると左肩にピトッと人の肌が触れたような感触がしたので、ビクッとして横を見るといたずらっ子のような笑みをした麻子がセナに密着する形で座っていた。セナ自身女の子とお風呂に入るのも初めてなのに、女の子の肌に触れるのがプラスされ、顔が真っ赤になり顔を反対方向に向けると・・・裸で湯船に浸かっているみほが見え、慌てて正面を向くと優花里と華と沙織の裸が目に入った。困った・・・目のやりどころがない・・・セナが困っていると、みほがセナの目をふさいだ。その瞬間セナは安心した。
麻子はやり過ぎた事を反省した。
「さすがにまだ刺激が強すぎたか・・・」
沙織は呆れながら麻子に言った。
「そりゃあ、セナちゃん箱入り娘みたいな感じで、こういう事も初めてなんだから刺激が強いに決まってるでしょ・・・」
みほはセナに優しく話しかけた。
「でも・・・一緒にお風呂に入りたかったのは本当だよ?だってセナさん、戦車道全員で大浴場に入る時必ず居なかったから・・・」
「それは・・・」
セナが男だからと言おうとした所で、みほが言葉を被せた。
「知ってるよ?でもね・・・なんだかセナさんだけ仲間外れになってるように見えちゃって・・・」
みほと事情を知っている4人はセナが来ない理由はわかっていたが、それでもセナが居ない事を寂しく思っていた。それはそうだろう・・・毎回試合の裏でサポートを行い、目立たないながらも活躍していたセナが当然のごとく決起会に居ないというのは寂しい気がする。セナは少し考えると、口を開いた。
「わかりました・・・なるべく出るよう善処します・・・」
セナの言葉に5人は微笑んだ。
一方文科省では・・・1人の男が机に座り笑みを浮かべていた。
「馬鹿な奴らだ・・・全国大会で優勝した所で廃校は決定事項・・・覆る事は無い・・・それに、全国大会で優勝したら廃校にしないとは、私は一言も口にして居ない・・・」
そこへある男がドアを開け入ってきた。
「ならば・・・今から取り付ければ良いだろう。」
「誰だ?」
男が顔を上げるとそこにはラウダ航空取締役社長の二木ラウダが立っていた。
「初めまして、ラウダ航空取締役社長の二木ラウダだ。」
「・・・」
男はいきなりの大物登場に戸惑っていた。
「ここは、関係者以外立ち入れない筈ですが?」
男がそう言うとラウダは笑みを浮かべ、ソファに座った。
「ある人のコネでね」
男は、ラウダの正面のソファに腰をおろした。
「そのラウダ航空の社長である二木ラウダさんが何の御用ですか?」
ラウダは笑いながら男を見た。
「もちろん、大洗の廃校について話し合いに来た。」
男は掛けているメガネを人差し指でクイッと上げるとラウダを真っ直ぐに見た。
「私は廃校を覆すつもりはありません。お引き取りください。」
男がそう言うと、ラウダはビジネスバックから沢山の書類が入ったファイルとボイスレコーダーを取り出し、目の前にあるテーブルに置いた。
「これは?」
ラウダは少し笑うと、ファイルに入っている書類の説明を始めた。
「これはあなたが横領しているお金を記録した物だ。もちろん今回大洗女子学園を廃校にした理由を決定付けるものも入っている。」
ラウダは立ち上がると男の周りをゆっくりと歩き始めた。
「廃校にするのであればこれを公にする・・・」
男は慌てて、声を荒げた。
「そんな事をしてみろ!文科省は大混乱に陥るんだぞ!」
ラウダは、睨み付けるように男を見た。
「私には関係ない事だ。」
男は勢い良くファイルに飛び付いたが、ラウダに手首を掴まれた。ラウダは元F1ドライバーなので、筋力は通常の倍以上はある。そこへ、白髪の禿げたおじさんがそのファイルを目にした。
「これは・・・辻くん・・・どういう事かね?」
この男は辻というらしい。
「あっ・・・あなたは!須賀総理大臣!」
ラウダは須賀を見ると、ファイルについて説明をした。
「これが、総理が怪しんでいた物の正体です。」
須賀はボイスレコーダーを聞くと怒りを露にした。そこには大洗を廃校にし、浮いたお金を自分のお金にする計画が録音されていたからだ。さらに須賀はファイルに目を通した。
「辻君!政府に報告している金額と違うようだが・・・どうなっている?」
「こっ!これは!」
須賀は辻を見ると吐き捨てるように言った。
「君は解任だ・・・どうやら君は文科省に相応しい人間ではないらしい・・・それに・・・自分の金を得るために未来ある子供達から大切な物を奪うなど政府の恥さらしだ。こいつを引っ捕らえて警察に連れていきなさい。」
須賀がそう言うと警備員5人が辻を捕まえ引きずるように引っ張った。
「総理!もう一度チャンスを!」
「君にチャンスなどない。あるのはどん底の人生だけだ。」
須賀が辻にそう言うと、辻は魂が抜けたように崩れ落ちた。
須賀はラウダを見ると手を差し出し、お互い握手をした。
「ラウダさん・・・ご協力感謝致します。」
「これも息子を守る為です。」
「歳はいくつに?」
「16歳になりました。」
「あの小さい男の娘がもうそんな歳になりましたか。」
「えぇ・・・時の流れは早いですね。それでは、私はこれで」
ラウダが出ていこうとした時、須賀に引き留められた。
「ラウダさん」
ラウダが振り向くと須賀が笑っていた。
「セナちゃんに何かあったら私が後押しします。何せ・・・あの西住家に"捨てられた男の娘"ですからね。」
ラウダと須賀は笑うとお互い手を振り、ラウダはその場を後にした。
スランプに陥ってしまいました・・・あと眠る前に書いたので誤字脱字多いかもです。