ガールズ&パンツァー ~捨てられた男の娘~   作:ニキ・ラウダ

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更新が遅くなり申し訳ございませんでした。仕事多忙により、中々書く時間が出来ませんでした。


第24話 決着の時

大洗の戦車5両が市街地へ到着すると、そこには超重戦車マウスが待ち構えて居た。マウスを見た優花里は、冷や汗をかきながら興奮していた。

 

「あれがマウス!動いている所を初めて見ました!」

 

マウスの登場に観客席に居るカチューシャとダージリンが声を上げた。

 

「ついに来ちゃった・・・超重戦車・・・」

「マウス・・・」

 

マウスは砲塔を大洗の方へ向けると、即座に砲撃を開始した。けたたましい爆発音と威力で大洗を威嚇する。大洗の戦車では歯が立たないと思ったみほは撤退の指示を出した。

 

「全員撤退してください!」

 

しかし、カモさんチームのRENAULT B1に乗るそど子はやられてなるものかと、無謀にもマウスに真向勝負を挑んだ。

 

「でかいからって!いい気になるなよっ!」

 

カモさんチームの放った砲弾はマウスに当たるもびくともせず、逆にマウスの砲撃でカモさんチームは宙を舞い大破した。カバさんチームの三突も、カモさんチームの仇を取ろうとマウスと応戦するが、撃破されてしまった。そしてマウスは標的をセナ率いるポルシェティーガーへと移す。セナは焦らず後退の指示をツチヤに出した。

 

「ツチヤさん。全速力で後退してください。」

「オーケーッ!」

 

ツチヤはセナを信頼しその通りに動いた。ポルシェティーガーが一気に後退するのと同時に、マウスも砲撃を開始する。マウスが砲撃を始めた瞬間、観客席もみほ達も流石に終わったと思った・・・しかし、マウスの砲弾は当たるどころか、ポルシェティーガーに届いてすらいなかった。何故ならセナが後退しながらマウスの砲弾に砲弾を当て相殺するという神業を使っていたからだ。

しかも一発だけではなく全弾相殺しており、その光景を見て皆大歓声を上げた。あんこうチームの優花里は声を上げて喜んでいる。

 

「忘れていました!ポルシェティーガーの砲手は走るコンピューター!セナ殿ですよ!何を我々は弱気になっていたんでしょう!」

 

沙織と華もセナの技術に驚きを隠せない。

 

「待って!?一度あの技見たことあるけど!何回も使えたの!?」

「あそこまで、正確に砲弾を当てれる人この世界に居るのでしょうか・・・?」

 

華の質問に対して麻子が答えた。

 

「世界中探してもセナ程の人材はいないだろうな・・・」

 

みほは、気を取り直し指示を出した。

 

「ウサギさんチーム!アヒルさんチームは私たちに続いて下さい!レオポンチームはそのまま敵を私が指定する場所まで引き付けて下さい!」

 

観客席では何が起こったかわからないと言うような感じで騒然としていた。

 

「何で弾が当たってないんだ?」

「俺にもさっぱり・・・ミスしたんじゃないのか?」

「こんな何回もするか!?」

 

ダージリンとオレンジペコはセナの技術はわかっているが、マウスの動きが妙だった。ポルシェティーガーに執着しているのだ。ダージリンは紅茶を飲みながら画面を眺める。

 

「どうしてあそこまでポルシェティーガーに執着するのかしら?」

 

オレンジペコもダージリンの発言に頷く。

 

「えぇ・・・確かにポルシェティーガーは装甲も強く、一番倒しておきたい敵ではありますが、マウス程の火力と装甲があれば、真っ先にフラッグ車を狙った方が良い筈です。何故ポルシェティーガーばかり・・・」

 

しばらくマウスとポルシェティーガーが打ち合いをしていると、マウスから銀髪の目が青い少女がハッチから顔を出した。セナはその顔に見覚えがあった・・・聖グロリアーナの中等部時代に、自分を倉庫に閉じ込め、自分の功績を全て我が物にしていた少女だ。セナはその顔を見た瞬間・・・昔の記憶がフラッシュバックし、吐き気に襲われた。慌ててナカジマがセナの背中を擦る。少女の顔を見たダージリンは驚き、オレンジペコは怒り心頭である。

 

「まさか・・・黒森峰にいたなんて・・・」

「どこに行ったのかと思ってましたが・・・あんなのが黒森峰に居るだなんてっ!」

 

マウスから顔を出している少女が声を張り上げて言った。

 

「あら!私の為に尽くしてくれていた奴隷さん♪お久しぶりですわね!あなたが私に功績をくれたおかげで黒森峰にヘッドハンティングされて、マウスの砲手を任されましたわ!今回も私の"踏み台"となって頂きますので、よろしくね~」

 

少女を見たレオポンチームの一同は嫌悪感を露にした。ツチヤはマウスを睨み付けた。

 

「うわ~嫌な奴!」

 

ナカジマはセナの背中を心配そうに擦っている。

 

「セナ大丈夫?」

 

セナは吐き気を堪えると指示を出した。

 

「あんなのを相手にしている暇はありません・・・ツチヤさん!旋回してみほさんの指定する地点へ急いで下さい!砲撃は私とナカジマさんでなんとかします!」

 

ツチヤはニコッと笑い親指を立てた。

 

「オーケー!」

 

ポルシェティーガーはマウスの砲撃を避けながらみほの指定する地点へと向かった。

一方あんこうチーム、アヒルさんチーム、うさぎさんチームは道路沿いの土手からポルシェティーガーがマウスを引っ張って来るのを待っていた。土手からマウスの上部の弱い所を集中放火し、撃破する作戦だ。

土手下の道路の先から2両のエンジン音が聞こえてきた。みほはポルシェティーガーとマウスがこちらに向かって来ているのを確認すると・・・Ⅳ号 、M3リー 、八九式が土手下から走ってくるマウスに標準を定め、みほが砲撃合図を出す。

 

「撃てっ!」

 

3両の放った砲弾はマウスへ集中放火され、マウスは撃破された。その光景を見た観客席からは大歓声が上がる。しかし、そう悠長にしている暇は無い。直ぐ後ろに黒森峰の戦車9両程迫ってきているのだ。みほは市街地戦で終わらせるには、フラッグ車と一対一に持ち込む必要があると考え、敵フラッグ車を学校の敷地内へと誘導し、その他のチームには他の戦車の足止めをお願いすることにした。みほは、レオポンチームに指示を出す。

 

「学校の敷地内に敵フラッグ車を誘導し!一対一の勝負に持ち込みます!他の戦車に邪魔されない為にはレオポンチームの協力が不可欠です!」

 

セナはみほに元気良く返事をした。

 

「わかりました!」

 

黒森峰の一団が市街地へ到着すると、ウサギさんチームとアヒルさんチームが敵を挑発し、ある程度分散させた。あんこうチームは敵のフラッグ車を引き付け、1つしかない学校の敷地内への入口へと入っていく。そして敵のフラッグ車の後方を走っていた3両の戦車が続いて入ろうとした時、ポルシェティーガーがその入口を塞ぐ形で登場した。ティーガーⅡに乗る逸見エリカは苛立ちを隠せないでいる。

 

「この!欠陥戦車の癖に!」

 

エリカがそう言った瞬間、ポルシェティーガーから煙幕が放たれた。

 

「また煙幕!?」

 

すると、ポルシェティーガーの砲弾が敵車両3両に命中し、あっという間に撃破された。ポルシェティーガーは白旗が上がっているのを確認すると、フラッグ車同士が一騎討ちしている学校の敷地内へと入っていった。

 

一方敷地内では激しい攻防戦が繰り広げられていた。

Ⅳ号に乗るみほと、ティーガーⅠに乗るまほとの一騎討ちだ。そこにセナも加わろうとしていた。

 

その光景を観客席から見ていたラウダはハッハッハ!と笑っていた。

 

「まるで姉弟喧嘩だな。」

 

みほは、車両の損傷状態を考えて、至近距離まで詰めて一発で仕留めるしかないと考え皆に指示を送った。

 

「優花里さん!装填速度を上げる事は可能ですか?」

「もちろんです!」

「華さん!至近距離まで接近しますが、一撃で仕留められますか!?」

「はい。ですが0.5秒程静止時間を下さい。必ず仕留めてみせますので。」

「麻子さん!ターンしながら一気に敵車両の真ん前まで行って下さい!」

「履帯が千切れるぞ・・・」

 

みほは真剣な顔で麻子を見た。

 

レオポンチームでも同じようなやりとりが行われていた。ナカジマはセナに弾の数を告げる。

 

「セナ・・・弾は後一発だよ?」

 

セナはクスリと笑いナカジマを見た。そしてみほとセナは同時に同じ事を言った。

 

「大丈夫・・・この一発でしとめるから。」

「大丈夫・・・この一発でしとめます。」

 

セナは狙いをティーガーⅠに定め1足速く砲撃し、Ⅳ号はドリフトをしながらティーガーⅠへと接近して、ゼロ距離まで詰めほぼ同時に砲撃された。

 

結果は・・・両者から同時に白旗が上がった。その為、ビデオ判定となり、どちらが先に撃破したか確める事となった。

皆祈るように結果を待っていた・・・そしてアナウンスが流れる。

 

『先程の両者の砲撃を確認致しました所・・・ほぼ同時でしたので・・・この試合は引き分けとし後日・・・』

 

そのアナウンスが流れた途端、観客席や黒森峰、大洗からはため息が漏れていた。しかしアナウンスが慌てて結果を訂正した。

 

『失礼致しました!先程の両者が砲撃される少し前に後方からポルシェティーガーからの砲撃がティーガーⅠの急所に着弾していた事が確認されましたので!勝者!大洗女子!』

 

その途端、観客席からは大歓声が上がり、大洗の皆は泣いて喜んでいた。

セナは結果を聞いた後、魂が抜けるようにゆっくりと倒れた。




皆様お疲れ様でした。またお会いしましょう。
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