ガールズ&パンツァー ~捨てられた男の娘~   作:ニキ・ラウダ

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みなさんようこそ。
たまたま見た方も荒らしに来たぜぇ!という方もこんにちわ。

こんな小説ですが楽しんでください。


3分間待ってやる!流行りの服は嫌いですか?


第1話 苦悩と葛藤

みほは、いきなり教室へ押し掛けた生徒会3人組に廊下へ連れて行かれた。

ここでセナの特殊能力を紹介しよう。彼はかなり耳が良い。神経を集中させれば数キロ先の会話まで聴くことが可能なのだ。

自分の席から雑音を掻き分け、廊下に居る彼女達の会話を聞く。まず最初に杏の声が聴こえてきた。

 

「必修科目なんだけどさぁ~戦車道取ってね~」

 

セナは、戦車道という言葉に驚いた。何故ならばこの学校の戦車道は大分前に廃止されたはずだからだ。セナは大洗の情報は入学する際に調べていた為、知っていた。

 

みほは少し戸惑った。何故ならみほは戦車道が嫌で戦車道がない学校に逃げて来たのだから。

 

「えっ!?この学校戦車道はないんじゃ・・・」

「今年から復活したのだ」

 

今年から復活したと広報である少女は言ったが、セナはいきなり戦車道が復活したというのが気になって仕方がない。

 

「私この学校に戦車道がないから転校してきたんですけど・・・」

 

みほは暗い表情をしており、あまり乗り気じゃないようだ。

 

「とにかくよろしく~」

 

杏は手を上げながら、廊下を去って行った。

 

セナは、不自然に思った。戦車道が復活するのは良いとして、嫌がるみほを強引に戦車道をやらせるのはおかしい。まるで何か焦っているような感じがした為、セナは生徒会が何かを企んでいるか隠していると予想した。

 

沙織と華は廊下からみほの様子を心配そうに見ている。そして、セナは神経を集中させ遠くの音を聞いた為に疲労感に襲われた

 

「うっ・・・しかしこの技はかなり疲れますね・・・戦車道・・・私はどうしましょう?」

 

セナも戦車道をまた始めるかどうかで迷っているようだ。

 

授業中みほは、上の空状態であまりにも酷い顔をしていた為、先生に保健室に行くように指示され、みほは保健室へと向かった。その後を追うように沙織と華が仮病を使い保健室へ向かった。

 

すると授業中に、突然セナの携帯に父親からメールが入った。セナはキョトンとしながら携帯を開いた。そこにはこんなメッセージが送られてきていた。

 

"文科省が大洗を潰しにかかっている"

 

と書かれていた為、セナは目を見開いた。これで何故生徒会がみほに戦車道をやらせようとしたのか予想が付いた。恐らく・・・戦車道で名を挙げ廃校を阻止しようという考えだろう。セナは焦った、このままではみほが逃げてきた学校が廃校になり、廃校を避けるためには戦車道で名を刻む必要がある。戦車道に再び身を預け、みほを守りたいという思いが強くなったが、セナは戦車道をするのが辛くなっていた。色々考えていると、急に猛烈な熱と倦怠感に襲われた。そしてセナの記憶に捨てられた頃の記憶が甦る。

 

1人の男性の声が聞こえる。

 

(男なんていらない!西住家から追放しろ!

こんなポンコツ居ても一緒だ!みほとまほだけでいい!)

 

セナは"やめて"と繰り返し言いながら、汗だくで耳を塞ぎながら泣いている。

 

中学時代の戦車道をしていた時の思い出もフラッシュバックする。

 

「やりました!勝った!私!命中させた!」

 

セナが敵戦車を撃破した事を喜んでいると、少女が外に向かって喜んでいた。

 

「やったー私が撃破したー!」

「すっごーい!」

「あのチビが足手まといだったけどねー」

「うっそー!なんで戦車道始めたんだろ!」

 

少女達はセナの手柄を横取りした挙げ句、ゲラゲラと笑いながらセナを馬鹿にしていた。

 

「私が命中させたのに・・・」

 

セナが泣いていると、少女がセナを笑いながら見下した。

 

「ばっかじゃないの?アンタの手柄は私のもの私の手柄は私の物!アンタは私の奴隷としてがんばってね?」

 

そう・・・やっと見つけた居場所で嫌がらせを受けた。

こんなの酷い・・・なんで・・・なんで・・・『もう人間とはあまり関わりたくない』この学校から出ていく!

 

 

 

「はっ!?」

 

気付くとセナは保健室のベッドに寝ており、窓の外を見るともう夕方でほとんどの生徒が下校していた。

 

「帰らなきゃ・・・」

 

セナは起き上がり帰ろうとするがフラフラして思うように歩けない、ドア付近でドスンと盛大に倒れた。

 

「身体が・・・」

 

身体が思うように動かない中、這いずりながら帰ろうとしていると、みほと沙織と華が保健室にやってきた。

 

「セナちゃん!?ダメだよ!寝てなきゃ!!」

「セナさん!ベッドに戻って!」

「そうですよ!もの凄い熱じゃないですか!」

 

セナの目は虚ろで汗を沢山掻いていたが、微笑みながらみほを見た。

 

「大丈夫・・・」

「全然大丈夫じゃないよ!いいからベッドへ戻って!」

 

みほは慌ててセナを抱えベッドへ寝かせた。

 

「どちらにしろ家に帰らないといけません。」

 

セナは再び起き上がろうとするが上手く力が入らない。無理やり起き上がろうとするセナを見たみほはセナの両腕をベッドに押さえつけた。

 

「ダメだよ!寝てなきゃ!」

 

すると沙織と華があっ!と声を上げた。

 

「いけない!私帰らないと!」

「私も帰らないといけません。ですが・・・」

 

沙織と華は帰りたかったが、無理やり帰ろうとするセナを見て心配で仕方なかった。

セナは汗だくで顔が真っ赤の状態で沙織達に微笑みかけ、自分の事はいいから帰るように促す。

 

「私の事は気にしないで下さい・・・」

「あんな無茶してたんだから気にするよ!」

 

沙織はセナが心配で気が気じゃない。

 

「じゃあ私がセナさんを看病して送って帰るよ。」

 

みほが自分が看病し、家まで送ると沙織と華に言い聞かせた。

 

「みぽりん1人で大丈夫?」

「うん。平気だよ。」

「じゃあ私達帰るけど・・・セナちゃん!みぽりんに迷惑かけないようにね?」

「ではセナさんお大事に。」

 

沙織と華はセナを心配しながら保健室を出ていき、保健室にはみほとセナの2人きりになった。

2人きりになった時、セナはみほに戦車道をしたいのかどうか聞くチャンスだと考え、みほに本音を聞き出す事にした。

 

「みほさん何か悩んでいらっしゃるんですか?私で良ければお話をお聞きいたしますよ?」

 

セナの問いに、みほは俯きながら悲しそうに過去の事をセナに語った。

 

「私ね、前の学校で戦車道をやって色々あって戦車道が嫌になったからこの学校に来たんだ・・・そしたら生徒会長に戦車道が復活するから必修科目は戦車道を取るように言われて・・・沙織さんや華さんに相談したら自分達も戦車道を取るから一緒にやろうって・・・私・・・どうしたらいいんだろう・・・」

 

みほは今にも泣き出しそうな表情を浮かべている。

 

「みほさんはどうしたいのですか?」

「戦車道やりたい・・・やりたいよ!けど!」

「昔のチームメイトにどう思われるのか怖いのですね?」

「うん・・・」

「言わせておけばよろしいのではないでしょうか?」

「えっ?」

 

みほはセナの答えにキョトンとした顔をした。セナの顔を見ると汗だくになりながら真剣にアドバイスをしていた。

 

「みほさんがやりたいようにすればよろしいかと・・・何かあった時は周りを御覧になってください・・・みほさんには側で支えてくれるお友達がいらっしゃるはずです。共に悩み、共に笑い、共に泣いてくれる友達が・・・この先なにがあろうとみほさんなら必ず乗り越えられます。ですから・・・自分のやりたいようになさってください。自分に嘘を付き続ければ後悔しますから・・・ねっ?」

 

セナは優しく微笑みかけゆっくりとみほの頭を撫でた。

 

「うっうぅ・・・ありがとうセナさん・・・私戦車道!やる!やりたい!」

 

みほは涙を流しながらセナにお礼を言った。しばらく2人の時間を過ごした後、セナは帰る事にした。

 

「では、帰りましょう。」

 

セナは起き上がろうとするが中々起き上がれない。それを見たみほは自分の背中に乗るようにセナを促す。

 

「私の背中に乗って。」

「けど///」

「いいからっ!」

 

セナは恥ずかしく、おんぶされるのを躊躇ったが、みほはセナを強引におんぶした。みほはセナをおんぶしながら帰路を歩く。

 

「セナさんの家ってどこ?」

「この道を真っ直ぐ行ってください」

 

セナはみほにおんぶされ恥ずかしさもあったが同時に実の姉におんぶされ嬉しくもあった。

(暖かい・・・みほお姉様・・・なんだろうこの安心感)

セナはみほの背中で少し笑っていた。セナの住んでいるアパートに着くと、みほには見覚えのあるアパートだった。

 

「あれ?ここって・・・」

「どうかされました?」

「ここ私のアパートなんだけど・・・」

 

セナとみほは顔を見合せびっくりした。更にセナの部屋まで進むと更に驚いた。

 

「あっ私の部屋はここです。」

「えぇ!?となりの部屋!?」

 

なんとみほとお隣さんだった。これにはセナもみほも腰を抜かしそうになった。

 

「あらまぁ・・・」

 

みほはセナの部屋に入るとセナをその場に下ろす。

 

「ありがとうございます。みほさん」

 

セナは笑顔でみほにお礼を言った。

 

「ううん!友達だから当然だよ!御布団はどこかな?」

「布団でしたらみほさんの後ろの襖にありますよ」

 

みほは床に布団を引くとセナをゆっくりと寝かせる

 

「セナさん・・・一つ質問していい?」

 

みほもセナの本音を聞き出す為、語りかけた。

 

「なんでしょう?」

「あのね?セナさんと1日居てわかったんだけど私や沙織さんや華さんを自分から遠ざけようとしてない?」

「・・・」

 

セナは少し俯く、確かに会話はするものの、深く関わっていた感じではなかった。

 

「よかったらその理由を教えて欲しいかな?なんて・・・」

 

みほは苦笑いをしながらセナに話しかけた。セナは話すのを一瞬躊躇ったがみほには一部の過去を話そうと決意する。

 

「私は・・・人と仲良くするのが怖くなってしまったんです・・・」

 

セナは悲しそうな表情を浮かべながら語り始め、みほはセナの話しに真剣に耳を傾ける。

 

「中学生の時に戦車道をしていて、その時に周りにいじめられたんです。自分の活躍を横取りされたり暗い小屋に閉じ込められて一週間放置されたり、私が乗っていた戦車にわざとブレーキがかからないように細工されたり・・・そんなことをされていくうちに人を信用できなくなり、無意識に人を遠ざけるようになっていたんです・・・」

 

セナは元西住家であることはまだ話す時では無いと考え、あえて話さなかった。

 

「酷い!酷すぎるよ!そんなのおかしいよ!」

 

みほはセナの事を自分の事のように受け止め、涙を流した。

 

「みほさん・・・」

 

みほは泣きながらセナをギュッと抱き締めた。セナは素直にみほは良い匂いだと思った。少し頭がボーっとしている。

 

「セナさんは何も悪くないよ!私は許せない!セナさんをこんな風にした人達を許せないよ!私達がセナさんを守るから!もうそんな悲しい顔しないでっ!」

 

みほの叫びを聞いて、セナはみほ達だけは信用してみようと思えた。

 

「お姉ちゃん・・・ありがとう」

 

小さな声でお姉ちゃんと言ったが、みほには聞こえていなかった。

 

「えっ?」

「いえ・・・なんでもありません。みほさん達と出会えて本当に良かった」

 

セナは嬉し涙を流しながらみほに満面の笑顔を見せた。

みほに慰められたセナはある決意をする。

(私は戦車道をもう一度する・・・もう逃げない!)

 

その決意は戦車道に「走るコンピューター」二木セナが復活することを意味していた。

 

次の日の朝、みほは生徒会に呼び出された。

 

「私も付いて行く!」

「落ちついてくださいね?」

 

華は沙織に落ち着くように言い聞かせる。みほと華と沙織は教室を出て行き、セナは廊下でその姿を見送る。セナも一瞬みほに付いていくか考えたが返答の答えを知っていた為付いていかなかった。みほが後ろを振り向くと笑顔でみほに手を振るセナの姿が見えた。みほも笑顔で手を振り返す。

 

「いよいよ生徒会がしびれを切らし、みほさんを呼び出しましたか・・・私も希望必修科目に戦車道と書きましょう」

 

戦車道を取ると言うことはみほもセナもこの先西住家と対峙することを意味する。




見た目は子供!頭脳は子供!お○○はくさーい!その名も名探偵コシン!

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