ガールズ&パンツァー ~捨てられた男の娘~   作:ニキ・ラウダ

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戦闘描写を甘くみてました・・・かなり難しい。理解不能な点が多々あると思いますがご了承ください。

あとセナの生年月日に不備がありましたので変更をしております。

では良い旅を




第7話 走るコンピューターVSサンダース大付属高校

いよいよ迎えた全国大会1回戦大洗女子学園は、戦車のメンテナンスを行っていた。

セナは1年生に試合前の手入れの重要さを教えている。

 

「試合前の手入れを怠ってしまうと、重要な場面の時に故障してしまう恐れがあります。ですから、必ず試合前は砲塔 ハンドル 履帯 は必ず点検を行って下さいね?」

 

「はーい!」

 

1年生達は手を上げながら笑顔で元気よく返事をする。セナがボーッとしていると、みほが作戦の最終確認をする為セナの所へやってきた。

 

「セナさん。作戦の最終確認をしたいんだけど・・・」

「はい!わかりました。」

 

みほが、セナに作戦の流れを事細かに説明をしていると

、セナは急に真剣な顔になった。みほは不安だった、もしかして何かおかしな点があったのかと・・・しかしそれは考え過ぎだった。セナは笑顔でみほを見た。

 

「この試合・・・絶対に勝ちましょう。」

「うん!!」

 

みほは笑顔で返事をした後、桃が整備が終わったかどうかの確認を取る。

 

「全員整備は終わったか!」

 

各チーム、整備完了を桃に報告した。

 

「よし!終わったら試合まで全員待機!」

 

試合まで待機と桃が言うと、1年生チームの1人宇津木優季が何かを思い出したように声を上げた。

 

「あっ!砲弾忘れてた!」

 

宇津木の発言に対し大野あやがツッコミを入れた。

 

「それ一番重要じゃん!」

「ごめ~ん」

 

皆が宇津木のうっかりに笑っていると、サンダースのアリサとナオミがやってきた。

 

「呑気なものね」

「それでよくのこのこと全国大会に出てこれたわね?」

 

優花里はサンダースの2人が来た瞬間、2人にバレないために麻子の後ろに隠れた。

 

「貴様ら!何しに来た!」

 

桃が2人に対し、敵意を表す。

 

「試合前の交流も兼ねて食事でもどうかと思いまして。」

 

ナオミがそう言うと、杏がニカッと笑った。

 

「あぁ!いいねぇ~」

 

そしてサンダース陣営とやって来た。そこには屋台などが沢山並んでおり、皆その光景に驚いた。

 

「すご!」

 

沙織は、目を真ん丸にして驚いており、優花里と華もリッチさにビックリしている。

 

「救護車にシャワー車!ヘアサロン車まで!」

「本当にリッチな学校なんですねー」

 

皆が驚いていると、サンダースの隊長であるケイが杏の元へと歩いてきた。

 

「ヘイ!アンジー」

 

ケイの呼び方に対し、小山柚子は首を傾げる。

 

「角谷杏だからアンジー?」

「馴れ馴れしい!」

「やぁやぁ!ケイ!お招きありがとう!」

 

杏はケイに対し、お礼を言った。

 

「なんでも食べて行ってね!オーケー?」

「オーケー!オーケー!おケイ!だけに!」

「あはははっ!ナイスジョーク!」

 

ケイが杏の冗談に笑っていると、麻子の後ろに隠れている優花里に気付きこちらへ向かってきた。

 

「ヘイ!オットボール三等軍曹!」

 

ケイに見つかった優花里はしまったという様な顔をした。

 

「あっ!見つかっちゃったぁ!」

「怒られるのかなぁ?」

 

沙織が不安そうにしているのを見たセナは、大丈夫と笑って言い聞かせた。

 

「この前は大丈夫だった?」

 

優花里はケイの発言に対し、少し戸惑ったような表情を浮かべ、「はい」と返事をした。てっきり、学園に忍び込んだ事を怒られると思ったからだ。

 

「またいつでも遊びに来てね!うちはいつでもオープンだから!じゃ!」

 

ケイが、戻ろうとした時何かを思い出したようにセナの方を向いた。

 

「そうだ!セナ?」

「はい?」

 

セナは首を傾げながら返事をすると、ケイは笑いながらセナを見た。

 

「ウチに転入して来ない?」

 

セナはケイからの突然のお誘いに驚いた。

 

「えぇ!?あっあの!それは!」

「待ってください!セナさんは!」

 

みほが勧誘を止めようとした所でダージリンとオレンジペコがやってきた。しかし、何故か怖い顔をしていた。

 

「ケイ・・・私達のセナにちょっかいを出さないで頂きたいですわ。」

 

セナはダージリンとオレンジペコが来た事に驚いた。

 

「ダージリン様!それにペコちゃんも!どうして!」

「セナと大洗の皆様に激励を送りに来たのよ。」

 

ダージリンが少し微笑んでセナにそう言うと、ケイは少し慌てたように先程の発言を否定した。

 

「ジョークよ!ジョーク」

 

ケイはそう言ったが、オレンジペコは疑いの目を向けている。

 

「どうでしょう?ジョークには見えませんでしたが・・・」

 

オレンジペコがそう言うと、ダージリンがみほの方を向いた。

 

「それとみほさん。少しお時間を頂けるかしら?」

「は・・・はい」

 

そしていよいよ試合が始まる。試合前の挨拶の為、各学園の代表が握手をするのだが・・・

 

「これより!大洗女学園対サンダース大学付属高校の試合を開始する。」

 

試合前の挨拶は各チームの代表がやるはずなのだが・・・何故かセナが・・・

 

「はっ・・・恥ずかしい」

 

セナはスカートを両手で隠すようにモジモジしている。

杏曰く、セナの特注のユニフォームをお披露目する為だとか・・・セナの姿を見たケイは少し顔を赤くしていた。

 

「///っ!とっ!とっても可愛いわよ!セナ!今日の試合よろしくね!」

「はっ・・・はい///」

 

一方観客席にいるダージリンとオレンジペコはセナのユニフォーム姿を見た途端、ティーカップを2人同時に落とした・・・

 

「あっ・・・あぅ///」

「・・・ ///」

 

2人共顔が真っ赤で破壊力はバツグンで、父親であるラウダはスマホのカメラを構えパシャパシャとシャッターを押していた。

 

「ふむ・・・似合ってるじゃないか・・・かなえも喜ぶぞ。」

 

そして試合開始前に、みほは作戦の最終確認を皆にしていた。

 

「説明した通り、相手のフラッグ車を戦闘不能にした方が勝ちです。サンダースの戦車は攻守共にこちらより上ですが、落ち着いて戦いましょう。機動性を生かして常に動き続け、相手を分散させて!三突の前へ引きずり出して下さい!セナさんはもし相手の動きがおかしかったりしたら直ぐに報告、万が一の時はセナさんがウサギさんチームの指揮をお願いします!」

 

何故みほがセナに対してこんな指示を出したかというと・・・ダージリンに、『セナは戦局をきちんと見て状況を判断出来ますので、ある程度自由にさせて大丈夫ですわ。』と言われた為だ。

 

『試合開始!』

 

試合の合図が鳴ると、両者一斉に動き始めた。まず最初にみほは、偵察に行くように指示を出す。

 

「ウサギさんチームは右方向の偵察をお願いします。アヒルさんチームは左方向を!カバさんチームは私達と一緒に亀さんを守りつつ前進します。パンツァーフォー!」

 

ウサギさんチームは指示通り森に偵察に向かうが、森をしばらく進んだ所で、セナが異変を感じ戦車を停止させた。

 

「桂利奈さん!ストップ!」

「はい!?」

 

桂利奈は慌てた様子で急ブレーキを掛け停車させると、セナは戦車から身を乗りだし周囲を確認した。丘の上に3両、森に3両戦車がこちらへと向かって来ていた。セナはみほに無線を入れる。

 

『みほさん・・・こちらウサギさんチーム・・・B085S地点にて、シャーマン6両に囲まれました。』

『了解!増援を送りますので、慎重に対応してください。』

 

みほに無線を入れた後、一年生達に真剣な顔を向けた。

 

「シャーマン6両に囲まれました。」

「えぇ!」

 

セナの発言に対して、一年生は怯えた表情になった。セナはこの状況を打破する為、桂利奈とポジションを入れ替える事にした。この試合では、一年生達に経験を積んで貰うため、セナは介入しないようにしようとしていたが、この敵戦車6両に囲まれた状況は一年生達には荷が重すぎる。

セナは迷わず砲撃準備を指示し、フルスロットルで

戦車を前進させると、シャーマン6台が追ってきた。

その映像がモニターに映され、映像を見ている聖グロリアーナの2人がこの状況に対し話していた。

 

「さすがサンダース・・・数に物を言わせる戦い方をしますね。」

「こんなジョークを知ってる?アメリカ大統領が自慢したそうよ?我が国には何でもあるって、そうしたら外国の記者が質問したそうよ?地獄のホットラインもですか?って」

 

ウサギさんチームはシャーマン6両に追われており、セナは砲撃を避けながら反撃の機会を待っていた。

 

「皆さん!そろそろこちらから仕掛けますよ!」

「はい!」

 

木の数が増えてきた所で、セナは突如左にドリフトさせ、森の中へ急旋回をする。セナは木の数が多い場所へ行き、木を盾にしながら戦うのが狙いの様だ。

M3リーの変則な動きにケイは目を見開き、驚いていた。

 

「嘘!?」

 

セナは戦車をドリフトさせ、副砲の狙いを修正しながらながら砲撃を指示する。

 

「副砲撃て!」

 

爆音と共に撃った弾は、木と木の間をすり抜け後方のシャーマン一台の履帯に当たり一台走行不能となった、セナは尽かさずシャーマン5台の後方に回り込み、セナが細かい軌道を修正し、主砲を発射させる。

 

「主砲!撃て!」

 

M3リーの前にいたシャーマンを1両撃破し、シャーマンからの砲撃を避けつつアッサリとシャーマン計4両を撃破した。聖グロリアーナの2人は、少し微笑みながらセナの活躍を見ていた。

 

「サンダースもセナに対して、無駄な事をしますわね。」

「ふふっ」

 

オレンジペコが横を見ると、ダージリンは不適な笑みを浮かべていた。

 

「もしかしてダージリン様・・・大洗に何かアドバイスを?」

「えぇ・・・"最強の切り札"の使い方を伝授したまでですわ。」

 

試合を見にやって来ていた黒森峰の2人は、セナの圧倒的な戦いぶりを見て唖然としていた。

 

「一気に4両撃破・・・」

「あぁ・・・」

 

サンダースでは、M3リー1両にシャーマン4両が撃破された事で、ケイは軽くパニック状態になっていた。

 

「たった敵戦車1両にシャーマン4両を撃破された上に後方に回り込まれるなんて!こんな強いチームだなんて聞いてないわよ!」

 

ウサギさんチームは、無線でシャーマン4両撃破した事を無線で連絡した。その無線を聞いた沙織は歓喜し、みほ達に報告する。

 

「ウサギさんチームが、シャーマン4両撃破したって!」

 

沙織の報告に、優花里と麻子は喜んだ。

 

「さすがセナ殿です!」

「やはり、味方になると頼もしい」

 

桂利奈は、続けてセナがシャーマン3両がみほ達の方へ向かっていくのを察知した事を沙織に報告し、沙織はそれをみほ達に報告した。

 

「セナちゃんがこっちにシャーマン3両来てるって!」

 

沙織からの報告に優花里と華は驚愕する。

 

「えっ!?ってことは全10両中9台この森に投入ってことですか!」

「随分大胆な事をしますね」

 

報告を聞いたみほは、うさぎさんチームにこちらへ合流するように指示を出す。

 

『ウサギさんチーム!私達とこのまま合流しましょう!南東へ進んで下さい!』

 

サンダースのアリサは、通信傍受機を使い大洗のほぼ全ての無線のやりとりを傍受していた。先程のあんこうチームとうさぎさんチームのやりとりを聴くと、直ぐに隊長であるケイに指示を送った。

 

「南南西に2両回して下さい」

 

アリサが指示を送るが無線の奥からケイのイライラしたような口調の返事が返ってきた。

 

「こっちは6両中4両撃破されてるから回す余裕ないよ!」

 

アリサは、ケイの返事を聞いて唇を噛んだ。4両撃破された際の大洗の無線が聞き取りづらくアリサは、シャーマンが4両撃破されたとは知らなかったのだ。さらにこちらは、通信傍受機を使い戦車道のルールのグレーゾーンを突いて戦っているのに、相手車両に全く歯が立たない・・・アリサはとても焦った表情になっていた。

 

一方セナは、操縦手を桂利奈に戻した後、M3リーの横のハッチから身を乗り出して周囲を警戒していた。セナは先程のサンダース側の動きが気になっていた・・・この森にいきなり9両の戦車を投入するのは現実的な作戦では無い・・・敵陣地に9両の戦車を送り込み総攻撃を仕掛けるという作戦は、相手の動きが完璧に分かっていなければ成立しない・・・何故なら、相手の作戦によって投入した9両の戦車が全滅する可能性があるからだ。そして自分達の動きをわかっていたかのように、ピンポイントの地点に戦車を送り込んで来たという事は、サンダースに自分のように周囲の動きを把握できる人間が居るか・・・または、無線のやりとりを傍受している人間がいるかだ。セナでも正確に動きを把握する事は出来ない、となると通信を盗聴されている可能性がある。セナは通信傍受機が打ち上げられているか確認する為、上空を確認していると、森の奥からみほ達がこちらへ向かってきているのが見えた。みほは、セナ達と合流すると周囲を見渡し始めた。どうやらみほもセナと同じ考えで通信傍受機が打ち上げられていると考え探しているらしい。セナが上空を確認していると、通信傍受機らしき物が打ち上げられているのが見えた為、みほに上を見るようにジェスチャーする。みほは、わかったとセナに頷き、バレないように森の傍らに戦車を止め臨時作戦会議を開始した。

 

優花里は、ルールブックを確認し通信傍受機を使って良いのかどうかを調べていた。

 

「確かに・・・ルールブックには、通信傍受器を打ち上げちゃいけないとは書いてないですね。」

 

優花里の話を聞いた沙織はサンダースの戦い方に激怒した。

 

「酷っどーい!いくらお金が有るからって!」

 

華はしばらく考えた後、セナに通信傍受機を主砲で撃ち落とせないかと尋ねた。

 

「セナさん・・・通信傍受機を撃ち落とす事は可能ですか?」

 

華の質問に対し、セナは口に手を当て少し微笑みながら答えた。

 

「撃ち落とす事は可能ですが・・・通信傍受機を使って貰った方がこちらから攻めやすいと思いますよ?」

 

セナの言葉に沙織は驚いた。

 

「でも!相手にこっちの無線は全部聴かれてるんだよ!?」

 

セナはニッコリと笑い、手をパンと叩いて沙織にクイズを出した。

 

「通信機器は・・・戦車に付いている無線と後もう1つは何でしょうか?」

 

セナの言葉に、みほはハッとした。

サンダースのアリサは大洗の無線を傍受していた。

 

『全車0985の道路を南進!ジャンクションまで移動して!敵はジャンクションを北上してくる筈なので!通りすぎた所を左右から狙って』

 

大洗の無線を傍受したアリサは直ぐにケイに指示を送る。

 

「目標はジャンクション!敵は左右に伏せてるわ!囮を北上させて!本体はその左右から包囲!」

 

それを聞いたケイは首を傾げた。何故詳しい事まで分かるのかと・・・

 

「オーケー!オーケー!でも何でそんな事もわかっちゃう訳?」

「女の勘です。」

「あはははっ!そりゃ!頼もしい!」

 

 

 

大洗では、あんこう アヒル ウサギ チームは丘の上で待機し、カバさんチームは敵がやって来る予定の場所の茂みに隠れ、大木を括り付けたカメさんチームが近くで待機していた。みほは双眼鏡で敵の動きを確認した後、指示を送る。

 

「囲まれた!全車後退!」

 

38tがフルスロットルで大木を引っ張り砂埃を上げ移動した。何故そんな事をするのかというと、3両の戦車は丘の上で待機している為、砂埃で全車両がそこに居ると敵に思わせる為だ。

 

「見つかった!みんなバラバラになって待避!38tはC1024r地点に隠れてください!」

 

サンダースでは、大洗の無線を傍受したアリサが、ニヤッと笑い、指示を送っていた。

 

「38t?敵のフラッグ車ね!貰った!チャーリー!ドック!C1024Rに急行!見つけしだい砲撃!」

「はい!」

 

敵戦車1台が目標地点に到着すると、そこには38tではなく草影に隠れて身を潜める三突がいた。エルヴィンが砲撃指示を出す。

 

「撃てぇーい!」

 

三突の放った砲撃は見事シャーマンに的中し撃破した。

先程の敵が北上してきたら左右から狙い打つというのはフェイクで、実際は通信傍受を逆手に取り、こちらのフラッグ車が茂みに隠れたと嘘の情報を流し、敵がこちらへ向かって来た所をその地点で予め待機させていた三突で狙い打つという作戦だった。

 

サンダースでは、撃破された車両より無線が飛んでいた。

 

『チャーリー!ドック!戦闘不能!』

 

その言葉にアリサとケイは驚いた。

 

「嘘!?」

「Why!?」

 

大洗ではしてやったりというよなムードが流れていた。何故なら、無線のやりとりは全部嘘で実際は携帯電話で連絡を取り合って居たからだ。

優花里と華は作戦が成功した事を喜んでいた。

 

「やった!作戦成功です!」

「まさか私達が先に5両も撃破するなんて!」

 

しかし、沙織にはある疑問をみほに言った。

 

「でもこれはフラッグ車を倒した方が勝ちなんでしょう?」

「うん」

「次はどうする?」

 

麻子がそういうとみほは、次の作戦を実行する事にした。

アリサは大洗に撃破された事でイライラしていた。

 

「いい気になるなよ!」

 

そして大洗の無線を再び傍受する。みほとセナがやりとりをしているようだ。

 

《全車荒地に集合してください!ファイアフライがいる限り私達に勝ち目はありません。危険ですが、荒地で陣取って上から一気に叩きます。》

《やめましょう!危険すぎます!》

《お願いセナさん・・・》

《わかりました。》

 

セナとみほのやり取りを聞いたアリサはガッツポーズをした。

 

「捨て身の作戦に出たわね?丘の上に上がったらいい標的よ?」

 

アリサはケイに荒地に向かうように言った。

 

「荒地に向かって下さい。」

「どういう事?」

「敵の全車両が集まる模様です。」

 

アリサの情報にケイは目を見開いて驚いた。

 

「ちょっとアリサ!それ本当?どうしてわかっちゃう訳?」

「私の情報は確実です。」

「オーケー!」

 

サンダースのフラッグ車を除く全車両が大洗が居ると思われる荒地へと向かったのだが、そこには戦車1両すら居なかった。それを確認したケイはアリサに連絡する。

 

「何も無いよー!」

「そんな筈ありません!」

 

アリサは、自分の使っていた通信傍受を逆手に取られたと今認識した。

 

「もしかしてバレてた・・・まさかハメられた?じゃあ!大洗の車両は何処に!」

 

するとアリサの後ろにいつの間にかM3リーが来ており、満面の笑顔のセナが顔を出していた。

 

「あなたのハート♪撃破しちゃうぞ♪ばきゅーん!」

 

セナが両手で銃を打つ真似をした後、2人の間に少し沈黙が流れた。そして・・・セナに挑発された為か、アリサの怒りのボルテージはマックスへ昇った。

 

「あんの!チビを撃破しろぉぉぉお!」

「連絡する?」

「するまでも無いわ!撃て!撃てぇぇぇえ!」

 

M3リーの車内は、アリサの怒号でみんな怯えていた。桂利奈に関しては悲鳴を上げている。

 

「いぃぃ!?怒ってるぅぅぅ!」

 

桂利奈は必死に敵フラッグ車から逃げる。梓も泣きそうになりながら、セナに文句を言った。

 

「もーう!セナさんが挑発するからぁぁぁ!」

 

しかし、皆怖がっているのとは裏腹に、優季はセナの笑顔にメロメロだった。

 

「でもセナさん可愛いかったぁ~」

「ありがとうございます。みほさぁ~ん♪敵フラッグ車 0765地点にて発見しましたぁ♪」

 

セナは、みほに敵フラッグ車を発見した事を連絡したが、みほはセナの甘えたような声に戸惑っていた。

 

「セッ・・・セナさん?えっと・・・0765地点ですね!」

 

すると無線の奥からアリサの怒号が聞こえて来た。

 

『このロリが待ちやがれぇぇぇえ!』

 

その怒号にみほ達は苦笑いをしていた。みほは気持ちを切り替えると、セナ達に指示を出す。

 

「そのまま敵を引き付けて下さい!0615地点へ!武部さん!メールをお願いします!」

『了解』

 

M3リーの車内では、怒涛の砲撃ラッシュにみんな怯えていた。

 

「当たったらどうしよぉぉ!」

 

桂利奈は不安そうにそう言ったが、セナは少し微笑んだ。

 

「大丈夫です。敵は心を乱していますから、当たる確率は低くなります。」

 

セナはそう言ったものの、車長の梓は納得がいかないようだ。

 

「でも!あの怒ってた人は砲撃手じゃありませんでしたよ?」

 

セナは紅茶を飲みながら、梓の方を見た。

 

「はい。あの人は車長です。梓さん車長の役割を覚えてますか?」

 

梓はセナの質問を少し考えた後、セナが前に車長の役割を教えてくれた言葉を思い出した。

 

「チームの司令塔って・・・あっ!司令塔が崩れたらチームの統一性が乱れる!」

 

梓の回答にセナはウィンクをした後、チームの士気を上げる為気合いを入れた。

 

「そうです。今のシャーマンはチームとしての統一性は皆無です。そして!今がこれまで練習を続けてきた成果を見せる時です!

私は知ってます!あなた達が放課後血の滲むような練習をしてた事も!最初のグロリアーナ戦の後!悔しくて泣きそうになってた事も!あなた達はあの時逃げ出したチームじゃない!あなた達を指導している先生として言います。この戦い自信を持って挑んで下さいっ!」

 

セナの言葉に一年生達は元気良く返事をした。

 

「はい!!!セナさん!」

 

アリサ達は、急に前を走るM3リーの動きが良くなった事に驚いていた。

 

「くっ!チョロチョロと!っ!?M3リーの動きが変わった!」

 

M3リーとシャーマンはそのまま大洗の車両が待機している場所へと走っていた。

みほ達が待機していると、遠くからM3リーがこちらへ向かって来ているのが見えた為、みほは全チームに指示を出す。

 

「先程偵察に行っていたウサギさんチームが来ました!突撃します!ただしカメさんは!アヒルさんとカバさんで守って下さい!」

 

M3リーが急旋回した後、アリサ達の目の前にはⅣ号と38tを守りながら三突と89式が来ていた。それを見たアリサは慌てて車両を止める。

 

「ストップ!ストップ!大洗女子全車両が前方から向かって来ます!」

 

アリサからの無線にケイは戸惑った。

 

「ちょっと!話が違うじゃない!」

「無線傍受を逆手に取られたのかと・・・」

 

アリサが無線傍受をしていた事を白状すると、無線越しからケイの怒鳴り声が聞こえてきた。

 

「ばっかもぉぉぉん!」

「すみません」

「戦いはフェアプレイでって!いつも言ってるでしょ!いいから!とっとと逃げなさい!」

「イェス!マム!」

 

シャーマンは大洗全車両から逃げ、まるで鬼ごっこをする形になった。

聖グロリアーナのダージリンとオレンジペコはその光景をみて微笑んでいた。

 

「大洗も大胆な事をしますね。」

「ふふふっ・・・まるで鬼ごっこね。」

 

運営側の蝶野は大洗から逃げるM4シャーマンを見てお腹を抱えて笑っていた。

 

「あはははっ!壮大な鬼ごっこね!」

 

大洗から逃げるアリサ達は、砲撃をしながらケイ達が待つ場所へと荒野を走っていた。

 

「このタフなシャーマンがやられる訳ないわ!なにせ!50000も造られた大ベストセラーよ!丈夫で壊れにくいし!おまけに操縦性も高い!馬鹿でも扱えるマニュアル付きよ!」

 

アリサの言葉にチームメイトがツッコミを入れる。

 

「お言葉ですが!自慢になってません!」

「うるさいわよ!」

 

アリサは砲撃が大洗の車両に一発も当たらない為、イライラしていた。

 

「なによ!あの戦車!小さすぎて的にもならないじゃない!当たれば一ころよ!どうせ直ぐに廃校になるくせに!さっさと潰れればいいのよー!」

 

顔を出しながら大洗に向かって叫んだのだが、みほ達は何を言ってるか分からず首を傾げているのだが・・・その言葉は耳の良いセナにはハッキリと聞き取れていた。セナは険しい顔になりあやに砲手交代をお願いする。セナはアリサの『さっさと潰れろ!』という言葉に怒っていた・・・今戦っているみんなは大洗が好きだ。廃校になると知っている生徒会はそれを打破すべく必死に戦っている・・・それに、みほがやっと見つけた居場所を潰れろと言われた事がセナには我慢できなかったのだ。

みほは、M4シャーマンとの距離が縮まっているを確認すると全チームに指示を送る。

 

「敵との距離詰まって来てます!60秒後再開予定!順次発砲を許可します。この先は登り坂!迂回しながら目標に接近して下さい!」

 

みほが指示を出した直後、物凄い砲撃音がフィールドに響いた。その音に華、優花里、沙織の3人は驚いた。

 

「今のは!?」

「ファイアフライの17ポンド砲です!」

「今物凄い音がしたよ!?」

 

そう物凄い砲撃音の正体はファイアフライの17ポンド砲の音だったのだ。ファイアフライの砲撃音を聞いたセナは、さっきのアリサの発言で怒り心頭だったのに、うるさい砲撃音でさらに怒りが込み上げた。

 

「うるさい砲撃音ですね・・・しかし冷静さを掻いては相手の思う壺です・・・一撃で仕留めます。風は・・・上の方だと瞬間風速20m/s程でしょうか。」

 

セナは後ろから風が強く吹いているのを確認すると、遠距離砲撃をする為、桂利奈に後方にある丘の頂上まで行くように指示を出した。

 

 

 

 

聖グロリアーナでは大洗の戦況を見ているオレンジペコとダージリンが会話をしていた。

 

「大洗ピンチですね」

 

オレンジペコがそう言うと、ダージリンは急に変な話をした。

 

「サンドイッチはね?パンよりもキュウリの方がおいしいの」

 

ダージリンの意味不明な言葉にオレンジペコは眉間を寄せた。

 

「はい?」

「挟まれた方がいい味だすのよ?」

 

一方セナは、丘の上からM4シャーマンに狙いを定めていた。M4シャーマンがセナの射程圏に入った瞬間、セナは風向きが追い風になっているのを確認すると、セナは丘の上から砲弾を風に乗せシャーマンに向け砲撃を行った。映像でセナが後方にいるのを確認したダージリンとオレンジペコは、大洗の勝利を確信した。

 

「終わりですわね」

「セナの砲撃からは逃げられません。どんなに逃げようと・・・セナの砲弾は追ってきます」

 

セナが砲撃し終わりかと思われたのだが、少し遅れてⅣ号も砲撃をした。セナはⅣ号がほぼ同時に撃ったのを確認すると、中学の頃にチームメイトに手柄を横取りされた苦い過去が甦ってきた。皆固唾を呑んで見守る中2つの弾がM4シャーマンに当たりコールが鳴る。

 

『大洗女子学園の勝利!』

 

大洗女子学園が勝利したと確認した観客から大歓声が上がった。

Ⅳ号の中では、自分たちが勝利した事に喜んでいた。

 

「やった!みぽりん!」

「やりました!みほさん!」

「ありがとう華さん」

「みほさんが励ましてくれたお陰です。」

「私は何も」

 

皆が喜んでいる傍らでセナは落ち込んでいた。それはそうだろう・・・皆Ⅳ号とシャーマン軍団との戦いに夢中でセナが砲撃した事に気付かなかったのだから。

大洗の皆がⅣ号へと集まりみほ達を祝福し、セナはM3リーに寄りかかって泣きそうになっていた。

セナの表情を見ていたダージリンとオレンジペコはセナの精神状態を心配し、セナを慰める為一目散にセナの元へと向かった。

そして試合終了の挨拶が終わりケイがみほの元へやってきた。

 

「あなたが?キャプテン?エキサイティング!」

 

ケイはみほに抱き、みほは少し難しそうな表情を浮かべる。

 

「こんな試合が出来るとは思わなかったわ!盗み聞きみたいな真似をして悪かったわね」

「いえ・・・私は」

 

一方セナはオレンジペコの元へと走っていき、セナはオレンジペコに一目散に泣きついた。

 

「ペコちゃぁぁぁぁあん!私!頑張ったのに!またあの時みたいにー!」

 

セナは皆から自分の戦果が認められず、ワーン!ワーン!とオレンジペコの胸の中で泣いている。それを見たダージリンは優しい笑顔でセナの顔をそっと撫でた。

 

「今日の勝利はあなたがほとんど貢献したようなものよ。」

「セナは良く頑張りました。最後のフィニッシュを決めたのがセナだったのをダージリン様と私はきちんと見てましたから。泣かないで」

「うん・・・」

 

ダージリンとオレンジペコはセナの頭をヨシヨシと撫でた。そして夕方 セナ みほ 沙織 麻子 華 優花里の6人は帰ろうとしていた。沙織が何か食べに行こうと提案する。

 

「さぁ!こっちも引き上げるよー!お祝いに特大パフェを食べに行く?」

「行く」

麻子がそう言うと、突然麻子の携帯が鳴る

 

「携帯鳴ってるよ?誰?」

「知らない番号だ・・・はい・・え?はい・・・」

 

麻子が電話に出ると表情が暗くなった。

 

「どうしたの?」

 

麻子の表情を見た沙織が心配して聞いたが、麻子は泣きそうな顔をしながら首を横に振る。

 

「何でもない」

「何でもない訳ないでしょ!」

 

麻子は肩を震わせながら電話の内容を喋った。

 

「おばぁが倒れて・・・病院に」

「えぇ!?」

「早く病院へ!」

 

華は病院に行くように言うが、大洗まで帰る手段が無い。

 

「大洗までどうやって・・・」

 

沙織は、帰る手段を考えたが何も思い浮かばない。みほはうつ向きながら帰る手段を述べた。

 

「学園艦に帰還してもらうしか・・・」

 

セナは当てがあるのだが・・・セナはみほ達にラウダ航空の娘(息子)だと知られる可能性があるから嫌だった・・・どう思われるかわからないからだ。しかし、友人が家族の事で困っているのに・・・それを、見過ごすという行為はセナは出来ない。

 

「私に任せて」

 

セナは麻子の背中を優しく撫でた。

 

「セナ・・・」

 

セナは携帯で父親であるラウダに電話を掛ける。

 

『セナか?どうした』

『ラウダ航空のヘリ1台試合会場まで飛ばして頂けますか?』

 

ラウダ航空というワードにその場に居た全員が驚いた。

 

「ラウダ航空ぅ!?」

 

ラウダからセナに予想外の返答が来た。

 

『丁度上空に居るから今から着陸する』

『えっ!』

 

セナが驚いて上を見上げるといつから近くに居たのか、ラウダ航空のヘリが着陸してきた。着陸すると操縦席から父親が手を招いていた為、セナは駆け寄る。

 

「セナが友人の前でラウダ航空の名前を出してまで呼ぶということは余程の緊急事態なんだろう?」

「うん。お父様・・・大洗まで」

 

セナは父親と話した後、麻子の元へ駆け寄った。

 

「麻子さん・・・行きましょう・・・お婆様の元へ」

「セナ・・・あの・・・ありがとう」

 

麻子は悲しそうな表情でお礼を言った。

 

「お礼はお婆様の元へ行った後で・・・麻子さん乗って下さい。」

「私も行く!」

 

沙織も麻子とセナに続いてヘリコプターに乗り込む

そしてラウダはみほ達にも乗れと声を掛けた。

 

「そこにいるお友達3人も乗ってくれ!うちの娘が世話になっているから!大洗まで一緒に送る!」

 

皆乗り込むとヘリは会場を飛び立った。

そこには、騒ぎを聞きつけやって来ていた西住まほが居た。内容を聞いていたまほは、自分がどうにかしようと考えていたが、セナが代わりに助け船を出してくれた為、その必要は無くなった。まほはセナが呼んだヘリコプターのラウダ航空のマークを見て、昔西住家が養子に出した自分の弟ではないかと疑った。

 

「・・・セナ・・・礼を言う。」

 

試合後 サンダースは学園でM4シャーマンの傷跡を確認していた。試合後に戦車を確認した所、砲弾の痕が2つあった為だ。ケイは2つの内1つの砲弾を撃った戦車を探っていた。

 

「どういうこと?アリサ!確かにⅣ号に砲撃されたわよね?」

「はい・・・私にもサッパリ」

 

ケイは机をバンと叩く。

 

「じゃあ一体どの戦車が撃ったの!?」

 

真相は謎に包まれたままであった。




好評のコメントと共に小説の不備をご指摘までして頂き感謝しております。未熟者ですがこれからも宜しくお願いします。
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