ちびだいず様のお話とは大分放れているかもしれないので気分を害した方はブラウザバックをお願いします
「……行ってきます」
「文香、お弁当!」
これは、夢…………なのかな? 文香の格好が違うし、文香のお兄さんの尚文さんの口調も違うもんね。
「尚兄、何時までもあたしのお弁当なんて……」
「俺がやりたいだけだから」
「…………あんがと」
文香は柔らかく笑いながら尚文さんからお弁当を受け取る。
…………場面が急速に変わる。
「なんだよ、これ…………なんなんだよ!」
大きな口に飲み込まれる人達、そんな人達を救うべく立ち向かうも倒れ伏す男の人、そして…………
「残念ね、岩谷さん。私達……良い関係だったのに」
「あ……」
文香のお腹が貫かれて……光が巻き起こる。
「これは……『ブレイク』!? 『カリュブディス』!」
文香から巻き起こった光を大きな口が取り込んで…………
また変わる……
「取り戻そうぜ、先輩達。みんなも、『
文香がそう言うと、倒れていた男の人、両手に鎌を持った女の人、杖を持った女の人、両手にフォーブレイで開発された銃を持った女の人、金色の鎧を身に纏った男の人の全員が顔を見合わせてから苦笑いをする。
「…………ああ!」
男の人がそう言って、ドアを開けて…………
「……ん」
私……『メルティ・メルロマルク』はゆっくりと目を開ける。
何時も隣で寝ていた文香はいない。
「…………文香」
私は文香がいないことに寂しく思いながら文香の名前を呟いた…………
────────────────
「…………で、なんで今すぐにでも殴り込みに行きたいのにこうして足止めされてるんだよ?」
「妹を死に急がせるか、バカ」
「そうですよ、幾らなんでも急ぎすぎですよ。ひょっとしたら厳戒態勢で迎え撃つ気満々かもしれませんよ?」
私達は文香の衝撃的な発言からすぐにガエリオンに乗って飛び立とうとした文香を全員で縛り上げて椅子に拘束していました。
「………いわた……んん! 文香、誰が文香の暗殺を企んだか知ってるか? それから何が起きたかを話してくれると助かるのだが」
何時の間にか眼鏡をかけた理奈(?)さんが文香にお茶を差し出しました。
…………理奈さんの今の人格って、名前呼びはあんまりしない性格なんでしょうか?
「…………本当は言いたくなかったんだけど、黙っててついてこられても嫌だから言うよ。あたしの暗殺の首謀者はミリティナ、『ミリティナ・アールシュタッド』っていう嫌な女だよ。例えて言うなら
「oh…………」
「まんまかよ」
「ミリティナ…………懲りてなかったのね」
『…………やっぱり記憶にない。ミリティナなんて敵役居たっけ?』
「(流石は
「あたしが爪の勇者として1ヶ月間戦ってる時にあいつの親父がパトロンになろうとしたんだけどさ、マルティからは娘について良い噂を聞かされてなかったし一匹狼の方が性に合ってたから断ったんだよ。そしたら1回目の波を静めた時のパーティーでミリティナの方から因縁つけられてさ…………メルをバカにするわ、仲間を虚仮にするわ、尚兄の悪口を言うわであたしの地雷の上でタップダンスをやられたもんだから、あいつの服を爪で切り刻んで裸にしてやったんだわ」
「…………そう言えば、パーティーの時に男の人達の黄色い歓声と女の人の悲鳴が聞こえましたね」
「完全に…………とは言えなくても逆恨みだな」
まあ、確かに。恥をかかせた文香も文香ですが、仲間や肉親である尚文さんの悪口を言われて怒らない文香ではありません。寧ろ良く耐えた方だと思います。
「んで、何が起こったかって言うと……」
────────────────
「錬、次はどんな魔物が相手なんだ?」
あたしは一緒にいると確実におっさんに対して険悪な雰囲気になるので、席を外していたんだ。
「ああ、次の依頼は『ミルソ村』でのドラゴン退治だ。本来はギルドの依頼などでレベリングをする必要があるんだが……文香のパーティーを含めて全員で掛かれば勝てるだろう」
「ミルソ村? そこって確か……あ」
「なにかあるの?」
あたしが思い出したことに反応したメルが声をかける。
「錬、たぶんそのドラゴンとはあたしと錬の2対1で戦った方が良いと思う」
「どうしたんだ急に?」
「うん、そのドラゴンさ……香の仲間のウィンディアの親代わりのドラゴンだと思う。前に話を聞いたときにミルソ村で時折買い物をしてたって言ってたし、確かな情報だと思う」
「だからと言って勇者達が真っ向勝負をせずとも良いではないか」
そう言ったのは鎧野郎の『マルド』。一言で言うと、『力無き正義は無力』を履き違えた糞野郎で歪んだ正義感に酔いしれる偽善者野郎だ。
…………尚兄が追い出された時に「正義は果たされた!」だのとほざいた為にあたしのジャーマンスープレックスで地面に叩き付けられ、犬神家状態で一晩放置されてからは犬猿の仲だ。(元々こいつがメルロマルクの騎士だった頃から反りは合わなかったけど)
「だからって、作業的に倒したらあたしらを恨んでアンデッドになって復活して村に余計な被害が出るかもしれないだろ」
「あー…………あり得るね」
「誇り高きドラゴン故に倒されるのはしょうがないとも考えているのだろうが…………誇りもへったくれもない機械的な倒され方をしたら成仏出来んかもしれん…………」
あたしがそう言うと、クーフィリアとアルシオがそれを想像したのかそう言いながら頷く。
「なるほど、文香様の提案って今後の事も考えての事だったんですね」
「錬様や文香様がドラゴンを倒しても、ミルソ村に悪影響が出たら意味がありませんものね」
「流石は勇者様の慧眼です!」
そう言ったのは錬の仲間である『ウェルト』、『テルシア』、『ファリー』の3人だ。
ちょっとばかり錬とあたしを盲信しすぎる傾向があるけど…………尚兄が追い出されて怒り狂ったあたしがおっさんに飛び掛かった時も必死に押さえ込もうとするガッツがあるし、なによりおっさんや教王の命令とはいえ盾の勇者である尚兄を庇えなかった事を謝ってくれたからマルドよりも信頼度は高い。
「ま、最終的にはパーティーリーダーである錬次第だけどな。で、どうする?」
「…………わかった、ドラゴンとの戦闘では俺と文香が戦う。他のメンバーは援護と周囲の警戒だ。ドラゴンが倒れた後でそれを知ってやって来た魔物に襲われたら大変だからな」
「うっし、そうと決まればさっそく行こうぜ! 『ポータルクロー』!」
「ちょっと、文香!?」
あたしはドラゴンを恐れてミルソ村の周囲に逃げ込んだ魔物を討伐した際に登録しておいたポータルに全員で飛ぶ。
「よっと! とっととドラゴン退治に……「えい!」あだ!?」
あたしが歩き出そうとすると、メルに頭をぶん殴られた。
「幾らなんでも急ぎすぎだよ! みんなの準備が整ってないんだよ!?」
「あ……」
あたしが周囲を見ると、何故かまた犬神家状態になってもがいている
「…………ごめん」
「文香、他の人が苦しむのを減らす為に頑張ってるのはわかるけど…………他の人の事も考えないとダメだよ」
「うん……ごめんな」
あたしがそう言うと、メルは微笑みながら「さ、買い物や情報を集めようよ」と言ってあたしの手を引いた。
「おのれ、盾の悪魔の妹の偽勇者が…………!」
後ろから来る悪意に気付かないまま…………
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「まさかウィンディアの親父さんの縄張りを獲るために別のドラゴンが来るとはな……」
「魔物も結局は動物だからな、そういうのは必要なのだろう」
あたし達は現在、森の中を突っ走っていた。
理由は村人からもう1頭ドラゴンがドラゴンの住処かに向かっていったという情報を聞いたからだ。
「…………文香!」
「おわ!?」
あたしが錬に抱き抱えられると…………
「錬を殺るか」
「尚文さん、落ち着いてください!」
「シスコンも大概にしろ!」
「元康も大概だろ」
あたしは殺気を纏う尚兄に苦笑いをしながら話を続ける。
「いでで…………あいつらか!?」
あたしが起き上がると、そこには今しがた墜落したと思わしきドラゴンを押さえ付ける迷彩色の鱗を持つドラゴンだった。
「ゆ、『
「え、
「ユザーパーだ! 姉さんのやってたシャンフロのボスモンスターの1体だ。ただ……面倒臭いんだよなぁ…………」
「つっても助けるしかねえだろ……メルとファリーの2人はドラゴンの治療。前衛メンバーはユザーパーを牽制、後は遠距離で攻撃だ。…………行くぜ!」
あたし達は各々の武器を構えて飛び出した。
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「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 降りて来い、この野郎!」
「ええい、喧しいわ!」
「てめぇの方が……げ!? 退避ー!」
「へ…………? ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
あたしが横っ飛びに回避すると、鎧野郎はユザーパーから飛んできた火炎弾を諸に受けて吹っ飛ばされた。
「だから面倒臭いんだ、あいつは!」
「あんまり地面に降りてこないからなんですね!?」
「なるほど、これは面倒臭いな!」
近くにはユザーパーから撒き散らされる火炎弾を必死に避ける錬、ウェルト、アルシオの3人がいる。
「動き回るから弓の狙いが……!」
「狙いづらい……!」
後衛組のテルシアとクーフィリアも空中を飛び回るユザーパーを狙いにくいのか苦虫を噛み潰したような表情で呻く。
「くそ、面倒臭い……」
『爪の勇者、あの竜帝の力を借りろ』
「って、どうしたんだよ急に」
『空を飛ぶ相手には此方も空を飛ぶのが最適解だろう? 最初の『
「…………それもそうか。錬、あのドラゴンと交渉してみてくれ!」
「なんで俺が……そういうのは文香がするもんじゃないのか?」
「四聖勇者が交渉した方が通りやすそうだし……なにより竜騎士には『爪』よか『剣』だろ?」
あたしがそう言うと、錬はふっと笑って「それもそうだな」と言ってドラゴンの下に向かった。
「ガエリオン……ヘタレ竜帝の癖に良く戦うのを承知しましたね」
「お義父さんもドラゴンだもの、縄張りを荒らされて黙ってる訳にはいかなかったんでしょ?」
「あー、あり得ますね」
あたしは香とウィンディアにガエリオンがヘタレだのなんだの言われる度に爆笑しているヴァレリアに溜め息を吐いていると、続きを話す。
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(注)ぐだぐだな為にちょっとダイジェストでお送りします。
「いやー! 文香助けて!」
「メル!? この、首を攻撃して……だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 飛ぶな、揺れる!」
「ガエリオン、突っ込むぞ!」
『おお!』
「錬、今のタイミングで突っ込まれると……おうわ!?」
「うわっと!? すまない文香、大丈夫か?」
「あ、ああ……って、メルを助けねぇと!?」
「ぐはははは! くらいやがれ……ああ、我輩の斧を返せ!」
「落ち着け! 地上に降りてきた時に取り返せる!」
「そんなことは良いから早く助け……ほえ?」
「げ……」
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「め、メルぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
「あぶなーい!?」
「しゃあ、翼を斬った!」
「もうこれで奴は飛べない! 一気に畳み掛けろ!」
「ガハハハ! 我輩が最後の一撃を……」
「いや、止めを指したのは錬と文香だぞ……」
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「つ、疲れた……」
あたしはユザーパーの焼かれた肉を頬張りながらそう呟いた。
なんせあの後ガエリオンに騎乗した錬が奴を地面に叩き落としたから袋叩きに出来る様になったものの、奴が大回転をかましたお陰でウェルト達がぶっ飛ばされて戦闘不能になるわ、口にくわえられたメルが落下死しかけるわ、鎧野郎が手柄を横取り仕掛けるわで大変だったからな…………
後、錬が突っ込んだ時に落下しかけたあたしをお姫様抱っこで…………だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! それは、なし!
因みにユザーパーの肉で焼肉パーティーをしているのはユザーパーの素材を手に入れた後で、村がユザーパーの死体を管理することになったんだけど…………確実に肉の方は腐らせそうだったので、勿体ないからドラゴンの肉を食って村の活性化に役立てようとあたしが錬に提案したからだ。
「旨い旨い」
若干固くて噛み千切りにくいけど弾力はあるし、味も濃い…………うん、十二分に商品として使え…………!?
「…………文香?」
「あ~…………錬、あたしちょっとトイレ」
「そうか、早めに戻って来いよ」
「ん」
あたしは感じた気配を刺激しないようにそう言うと、そそくさと錬達から離れる。
「…………さて、と」
あたしはトイレ……ではなく、殺気を駄々漏れにしている気配に告げる。
「出てこい、入るのはわかっているぞ」
「ふむ、気付いていたか。ならば……ミリティナを辱しめた罪を悔いながら、美しき僕の手にかかって死ぬと良い!」
答えは……あたしに向かって飛んできた
「ルハバート様の仇! 覚悟!」
「爪の偽勇者に死を!」
「「「「「
四方八方から襲い掛かってきた黒衣に身を包んだ亜人達と人間達、それから訳の解らないことを吠える純白の衣装に身を包んだ人間達だった。
…………いや、これは予想外過ぎるだろ!?
次回『死闘の果て、神速と黄金』
お楽しみに!
…………遅れてすいませんでした!