聖杯戦争が終わって既に二十年経った。
あの時から僕達の環境も大きく変わり、後見人をしている真優も中学三年生まで進級し、
今日から修学旅行でイギリスを観光中らしい。
ちょうどいい機会だからこのノートに聖杯戦争が終わった後の僕達の軌跡を書いておこう。
士郎と凛が生きていたという証を残すためにな。
Epilogue「そして始まる物語」
聖杯戦争の後も現界しているサーヴァント達の行方
キャスター:葛木 メディア
今回の聖杯戦争の勝利者。
彼女が現界していなかったら聖杯の穢れを浄化できず、この冬木市は壊滅していただろう。
ただ、裏でアーチャーが交渉していなかったら共倒れになっていたのは確実だ。
今は元マスターである葛木先生と結婚して二人の子供を授かって、今でも熱々の夫婦として冬木市で有名だ。
ちなみに二人の兄妹がたまに僕のところまで遊びに来て熱すぎる夫婦に対して愚痴っている。
ちなみに二人とも魔術の才能に関しては母譲りのトンデモっぷりで一度魔術教会や別の巨大な組織に攫われてホルマリン漬けにされそうになったけどマジギレした夫婦と助太刀に行ったランサー達によって救助され、魔術教会にはもう一度手を出したら完全に滅ぼすと警告してきたらしい。親の愛ってすごいね。
…ちなみに年齢の割に見た目は二十代前半のままという現象は冬木の七不思議のひとつに認定されているらしい(残りの七不思議も見た目関連だけどね)。
ランサー:クー・フーリン
凛のうっかりの被害者一号。
いつの間にかバゼットさんと結婚していた(本人曰く俺が面倒みていないと悪い男に騙されそうだからとのこと)。
今は穂群原学園の近くに喫茶店を開いて学生達の憩いの場を提供している。
また、兄貴分として結構学生達から人気らしい。
ちなみに真優達はこの喫茶店の常連だ。
聖杯戦争の結果には不満があったらしいけど葛木夫婦の助太刀で大暴れしたことですっきりしたらしい。
アサシン:佐々木小次郎(今は冬木小次郎と名乗っている)
凛のうっかりの被害者二号。
最初は冬木市を歩き回っていたけど冬木市を一通り回った後は現代の日本の姿を見たいと言って諸国漫遊の旅に出た。
回った場所の絵葉書をよく送ってきていた。とりあえず日本全国の旅は終わったらしい。
最後に贈られた絵葉書はどこかの道場が書かれていた絵葉書でその時将来有望な剣士を四人ほど見つけて鍛えたらしい。
その鍛えた人物の一人が真優の親友である箒ちゃんとだということに驚きだ。世の中狭いもんだね。
今は地元の元警察官と一緒に簡単な剣術を教えているらしい。
アーチャー(第四次の):誰かはわからない
聖杯戦争が終わった後に気がついたサーヴァント。
どうやらセイバーとの婚儀を結びに来たようだけどセイバーがもういないと知ると消息を絶った。
まあ、死んではいないだろうけどいったい何者だったんだろうか…?
聖杯戦争が終わった後のマスター達の行方
葛木宗一郎
聖杯戦争が終わった後も教師を続けている。
今でもキャスターとの熱々っぷりは変わっておらず彼の子供が愚痴りにくるくらいだ。
でも子煩悩という新たな一面が見つかった。
まあ、そのきっかけとなった出来事があまりにも恐ろしすぎて良くも悪くも記憶に残る出来事だったけどね。
ちなみに真優が中学二年生だった時の担任でもあった。
今も頼れる教師として穂群原学園の二大名物教師として活躍している。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
聖杯戦争が終わる直前にこの世を去ったらしい。
その後、彼女の両親が弔われている墓と同じ場所に弔われている。
士郎達が死ぬまでは士郎達が良く墓参りに行っていたけど士郎達が死んでからは僕達があの墓を管理している。
バゼット・フラガ・マクレミッツ
聖杯戦争に関する報告をしたあとなんやかんやあって冬木市に在住している。
今はランサー…クー・フーリンと結婚している。
ちなみに冬木市に住むようになってから藤村組の用心棒として雇われているらしい。
まあ、強さに関してはサーヴァント並みだから天職だと思う。
ちなみに冬木市に住むことになった理由は葛木夫婦の子供の救助に手を貸して色々と派手に暴れたせいで魔術教会に居辛くなったかららしい。あれだけ暴れれば当然だよね。
真優の話だとちょくちょく真優の家に顔を出しているとか。
岸波桜(間桐桜)
聖杯戦争が終わった後に士郎へ告白しようとしたところに凛が士郎へ告白してつき合うようになって直後だったためにショックでしばらく寝込んでいた。介抱が大変だったけどなんとか学校に連れ出すことができたけどその時に今の僕の相棒に出会ってしばらく会っていくうちに恋人になって遂には凛よりも早く結婚して一児を授かっている。
士郎と凛があの事件で死んでしまった時に最もショックを受けていたけれどあいつの必死の介抱のおかげでなんとか持ち直した。
今はなんとか立ち直って穂群原学園の校長になったあのタイガーの秘書をしている。
間桐慎二
ぶっちゃけ魔術師から足を洗った。
あの【根源】とやら見てしまったせいであんなにも焦がれていた魔術師への情熱は急速に冷めてしまった。
で、今はいつの間にか居なくなったお爺様の代わりに間桐家の当主となって僕が働いていた町工場を今では世界有数の大企業である間桐グループになるまで成長させた。
今はなぜか行き倒れて死にかけていた篠ノ之束を社員として雇用してISに関する研究に力を入れている。
真優の親友である箒ちゃんといい、今は家の社員になっている篠ノ之束といい、どうやら僕達は篠ノ之家との縁があるらしい。
衛宮士郎
僕が記録を残すきっかけとなった奴の一人だ。
聖杯戦争が終わってからすぐに凛と恋人になってその四年後に結婚した。
それから一年後に真優という一人娘を授かった。
あれから魔術の力で人を救える数は少ないと悟ると自衛隊に入隊して色々と活動していたけど十年前の白騎士事件で白騎士の強奪を狙おうとする世界各国の軍の攻撃から白騎士を守るために身体を張って盾になり、命を落とした。
そのあと士郎の乗っていた戦闘機のサルページの際に明らかに場違いな鞘も引き上げられ、士郎の遺言書に従って僕が引き取った。
おそらくこの鞘はあのセイバーの物だと僕は推測している。
衛宮凛
士郎と同じく僕がこの記録を残すきっかけになった奴だ。
【根源】に辿りついたことで遠坂家の悲願が叶ったらしく、真優の子育てをしながらただの冬木市のセカンドオーナーとして生きていた。
でも、白騎士事件でミサイルが凛達の住む家に直撃した時に崩れ落ちてくるがれきから真優を庇って下敷きになってしまったせいで命を落としてしまった。
凛の残した遺品は全て僕と桜で管理している。
白騎士事件について
あの事件は何者かがISの完璧性を証明するために起こしたマッチポンプだと僕は推測している。
そして、あの時凛達の家にミサイルが直撃したのは偶然じゃない。
何者かが凛と真優の命を奪うために狙って撃ったに違いない。
でなければあのミサイルだけ他のミサイルと軌道が違った理由にならない。
それにあの後国連は士郎と凛の死を無かったことにしようとしていた。
遺体も僕があの手この手で確保しなかったら何者かに遺体を奪われていたはずだ。
何とか遺体を確保した後は2人の遺体をキャスターの力を借りて火葬して衛宮家の墓に弔っている。
新型ISの開発について
おそらくこの白騎士事件と関係がありそうだからここに書いておく。
僕は今、僕の企業のIS開発チームで開発しているISのコンセプトをあのセイバーが使うことを前提にした機体の開発をしている。
なんとなくだけどこの機体を作る必要があると思ったからだ。
武装はイギリスの僻地で発掘された名も無い黄金の名剣と士郎の遺体と共に引き揚げられた鞘のふたつだけ。
あとの調整は本人がいないと出来ないけれどこのコンセプトならばもしセイバーが再びこの世界に現れたとしても力になることができるはずだからね。
◆ Side 慎二
冬木市 間桐グループ本社 社長室
「ふぅ…とりあえずこんなもんでいいかな」
僕は手書きで書いたノートを見ながら大きく息を吐いた。
資料としての量は少ないけれど夜勤明けに書いていたから夜勤での疲れが残っている。
まあ、僕の下に居る社員達はそれ以上に働いているわけだけどね。
そんなことを考えていると社長室の扉が乱暴に開かれた。
「慎二!大変だ!!」
「はぁ、どうしたんだよ白野…。僕は夜勤明けに資料を作成していて眠いんだけど…」
この部屋の扉をこんな風に空けるのは僕の知る限りでは一人しかいない。
僕の相方であり、桜の夫である岸波白野だ。
一見地味だけどとてつもなく優秀で会社の重要な役割を任せられるほど僕は信頼している。
だけどなんだか非常に焦っているようだけど一体何があったのだろうか?
「真優ちゃんと箒ちゃんがイギリスで発生したテロに巻き込まれた!!」
「なっ!?」
「一応無事らしいけど下手したらイギリスの政府に拘束させられそうらしい!!」
なんてこった!!
まさかあの二人がテロに…いや、あの二人のことだから絶対に厄介事に巻き込まれるはずだ。
一応無事らしいけどイギリスの政府は二人を拘束するつもりだろう。
ならばこっちも色々と動かなくてはいけない。
おそらく二人は否が応でもISを使った権力争いに巻き込まれるはずだ。
「…白野、しばらく激務続きになるけど覚悟は出来ているか?」
「…ああ。桜にも連絡しておく」
「そうか。それじゃあ始めようか」
あの二人がISと大きく関わっていくのなら僕は二人を影から守らなければならない。
さて、また忙しい日々が始まるけど頑張るとしますか。
◆ Side ギルガメッシュ
とある邸宅 ベランダ
セイバーが居なくなってから二十年も経った。
この世界は穢れに満ちているがその分様々な可能性に溢れている。
IS…まったくもって滑稽な玩具よな!
あの程度の玩具でつけあがる女どもは気に食わんがそれに反抗しようとする者達の足掻く姿はなかなかに見所がある。
あの慎二という男も昔のあの小物ぶりからは想像ができない程に我を楽しませている。
だが、もっと我を楽しませることがおこったようだ。
「ほう…。この気配はあの二人が召喚されたか」
あのセイバーが再びこの世界に現界したのだ。
もうあの男の女になったあやつに興味はないがその人生はなかなかに見応えがある。
あの時臣の孫もなかなかに面白そうな女よな。
セイバーと共に現界したあの男も俺を楽しませるだろう。
さて、世界がどう動くのか楽しみよな!
ぬ?何やら外が騒がしいな。
どうやらこの安宿の入口に侵入者が現れたか。
どこかの邸宅 入口
「ほう…。ここに行き倒れる者が来るとは今日は珍しいことが起きるものよな」
「うぅ…」
どうやら侵入者は年端もいかぬ子供のようだな。
ここに行き倒れが来るとは珍しい。
ふむ。見たところ顔はかなり良い。だがこの気配は人間のものではないな。
「…大…ちゃん…」
「…む。こやつが持っているこの剣は…」
ククク…まさか世界の一部が我の許に現れるとはな!!
この子供が持つ剣こそあのセイバーが使っていた聖剣!!
まさかこのような形で我の前に現れるとはこれだから世界は我を飽きさせない!!
これだから人の世というものはいつになっても面白きものだ!!
「気に入ったぞ。小娘。本来ならば貴様を手討ちにしているがその無礼、今回は許そう!!」
この小娘は世界を大きく変える一因になるであろう。
そして、この小娘ならばさぞ我を楽しませるであろう!!
さあ!!世界はこれからさらに大きくうごくであろうな!!
フフフ…フハハ…ハーハッハッハッハッ!!!
どうも明日香です。
はい。今回でFate/stay nihgt 0は完結となりました。
話の形としては慎二がそれぞれの軌跡を記録として残すという形になりました。
このような小説を読んでいただいた皆様にお礼申し上げます。
さて、物語は凛達の世代から真優達の世代へ移っていきます。
そして、最後にギルガメッシュの許へ流れ着いた少女は何者なのか?
何故彼女が湖の妖精の返却された約束された勝利の剣を持っているのか?
彼女はIS衛宮娘の一学期編のラウラ達が編入される時期と同じ時期に真優達の前に現れます。
それでは、IS~衛宮の娘は遥か高き宇宙を目指す~でお会いしましょう!