また俺を呼ぼうとする者の声が聞こえる。
今度の要件はなんだ?
テロリストの集団を殲滅することか?
本来救われるはずの集落を焼き払うことか?
民間人を乗せたシャトルを撃ち落とすことか?
どれも俺が召喚されたころには全部終わっているだろ?
俺に嫌がらせをするくらいなら別の方に当たるんだな。
なんだって?異世界?
…本来参加する筈であった英霊がいないから俺が代わりに参加しろと?
…くだらない。こんな「役立たず」を呼ぶくらいなら自由の使者か正義の執行者に任せるんだな。
…俺しか適任がいない?
わかったよ。俺が行けばいいんだろう?
なに?その英霊が使っている能力を移植する?
そんなことをしても使えるのはその英霊が使っていた知識と経験だけだろ。
世界の目を誤魔化すため?
ああ、そうかい。
この身の所有権はアンタが持っているんだろ?
だったら勝手にしろ。
もう出発か?って、うわああああああああああ!!!?
ドンガラガッシャーンッ!!
「アンタって人は…」
いつの間にか俺はどこかの邸宅の庭に頭から落着していた。
おい、勝手にしろとは言ったけどこんな呼び出され方は聞いてないぞ…。
第1話「落ちてきたサーヴァント」
◆ Side 凛
日本 冬木市 遠坂邸 聖杯戦争開始まで一日前…
遂にこの時が来た。
【聖杯戦争】…。
全ての願いを叶える【聖杯】を手に入れるために魔術師たちが殺し合う戦争。
そして、十年前にお父様が挑み、敗北して命を落とした原因である魔術儀式だ。
聖杯戦争がどれだけ恐ろしいものなのかは十年前に経験している。
「素に銀と鉄。祖には我が大師シュバインオーグ――」
体調も万全だし儀式も前もって準備がしてある。
あとは触媒だけ…だったのだけど。
その触媒が用意できなかった…。
触媒なしの召喚はギャンブルになるけどこうなったらやるしかない。
もちろん、狙うのは最優のサーヴァントとである【セイバー】だ。
「降り立つ風には壁を四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ 閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ」
さあ!来なさい!!
この私が呼ぶんだから最上級の英霊なんだからね!!
――――――
あれ?
召喚されない…?
ここにきて召喚失敗!?
いやいやそんなわけがない!
御三家である遠坂家がサーヴァントの召喚失敗で脱落するはずが…。
ドンガラガッシャーンッ!!
「!?」
な、なに!?
何かがウチの庭に落ちてきた!!
まだ聖杯戦争は始まっていないけど敵襲!?
と、とにかく確認しないと…。
「アンタって人は…」
ナニコレ。
人型のようなナニカが頭から地面に刺さっている。
これが私の召喚したサーヴァントじゃないわよね?
うん、とりあえず見なかったことに…。
「ふぅ…。俺を呼び出した奴はとんでもない奴だな。触媒無しでサーヴァントを呼ぶなんて」
へー、私以外にも触媒無しでサーヴァントを召喚した魔術師がいるのね。
また無茶なことをするわね~。
まあ、私には関係ないよね。
私が呼んだのはセイバーのクラスの…。
「………(ジー」
あ、サーヴァント(仮)が私を見ている。
しかも恨みが籠った眼でガン見している。
…落ち着くのよ、凛。こういう時こそ遠坂の家訓よ。
遠坂たるもの優雅たれ。遠坂たるもの優雅たれ。遠坂たるもの優雅たれ。遠坂たるもの…
「そこのヘッポコ魔術師。現実逃避していないで現実を見ろ」
頭にきた。
私がヘッポコ魔術師ですって?
ええ、いいわ。認めるわ。この男は私が召喚したサーヴァントだ。
ならマスターとして自分の立場を確認させないとね。
私は令呪を掲げて目の前の自身の立場を弁えないサーヴァントを従わせようとして…
「いいから私のいうことを…」
「そういうところがヘッポコだって言っているんだろ」
パシッ
「あら?」
いつの間にか私は目の前のサーヴァントに腕を掴まれていた。
動きが全く見えなかった…。
これがサーヴァント…。
人間をはるかに超えた力を持つ英霊…。
「目先のことにとらわれて三つしかない令呪を使うんじゃない」
「あ」
「その様子だと後のことを全く考えていなかったんだな?」
目の前に居るサーヴァントに指摘された私はついさっきまでの自分を殴りたくなった。
こんなしょうもないことで三つしかない貴重な令呪を使ってしまうところだった。
…もしかしてこのサーヴァントは私が失敗をする前に私を止めてくれた?
目の前のサーヴァントはそんな私を見ながらやれやれと言わんばかりに肩をすくめていた。
「どんなに才能豊かだとしても感情で動くことは魔術師としては三流でヘッポコなんだろう?」
「ぐっ」
うん。目の前のサーヴァントの言動は物凄く腹が立つけど今回は私の失敗だ…。
感情で動いてしまっては三流だのヘッポコだの言われても文句は言えない。
魔術師というのは人間性を排して【根源】に至るために研究をする者だ。
だから人間性を捨て切れていない私はまだ一人前の魔術師じゃない…。
だけど目の前のこのサーヴァントは逆に安心しきった表情をしていた。
なに?もしかして逆境とかに燃えるタイプとでも言うの?
「もし俺を呼んだマスターが外道な奴だったのならその場ですぐに殺害していたからな」
「ゑ?」
「少なくともアンタはそんな奴じゃなさそうだから安心したよ」
「はあ…」
なるほど、そういうわけね。
つまりこのサーヴァント(仮)からしてみれば立派な魔術師のほとんどは
殺害対象になってしまう。
まったく、とんだハズレサーヴァントだわ…。
まあ私は殺さないと言っているから問題ないけど…。
「今更だが部屋の中で話すべきだ。周りには聞かれたくない内容が多いんだろう?」
「あ」
しまった…。
目の前のサーヴァントがあまりにもあれだったからここが外だと忘れていた!
人に見られていなくて良かった…。
とにかく、居間でこのサーヴァントの話を聞きましょう…。
10分後…
日本 冬木市 遠坂邸 居間 アーチャー召喚から10分後…
「とりあえずこれを飲んで落ち着け」
「ありがとう…」
サーヴァントを召喚した私はサーヴァントから紅茶を受け取り、カップの中の紅茶を飲んだ。
あ、私が淹れている紅茶よりもおいしい…。
ん?でもちょっと待って。
この紅茶はいつ淹れられたものなの?
もしかして…
「ああ。勝手ながらここにあった茶葉を使って淹れさせてもらった」
「ちょっ!?なにを勝手に…」
「冷静ではない状態で話を聞いても大して覚えられないだろ?」
「うっ」
まさか勝手に茶葉を使うとは…。
色々言いたいけどこのサーヴァントが言っていることも正しい…。
確かに今の私は冷静さが欠けている。
冷静さを欠いた状態ではまともに情報が頭に入らないわ。
…まあ、せっかく淹れてくれたのだからいただきましょ。
本当においしい…。
同じ茶葉のはずなのにこんなにも差が出るものなのね。
「どうやら落ち着いたようだな」
「ええ。だいぶ落ち着いたわ」
「そうか、ならカップを洗い次第俺に関する情報を説明する」
「わかったわ」
このサーヴァントは空になったカップを回収して洗い始めた。
本当にサーヴァントなのかしら?
少なくともこのサーヴァントは家事が得意なのは確かね。
動きにまったく無駄がないしもしかして執事とかのサーヴァントじゃないわよね?
あ、どうやら洗い終わったみたい。
カップを洗い終えた彼は私と向かい合いになる椅子に座って真剣な表情で自分のことを説明し始めたわ。
「まず俺のクラスは【アーチャー】、マスターが望んだクラスではないがそこは了承してくれ」
「…ええ。わかったわ」
アーチャーか…。
出来ればセイバーのクラスの英霊を呼びたかったけれどこの際召喚出来ただけでも良しとしよう。
「ただ、俺はサーヴァントの中でも特殊らしくてな、霊体化が出来ない」
「は?」
霊体化出来ない?
それはかなりマズイ。
霊体化が出来ないということは大きなダメージを受ければそのまま
戦闘不能になることを意味し、自分の持っている手札を常に見られるということにもなる。
更に言うと食事や睡眠が必要となるため費用も高くなるし睡眠しなければ能力が落ちる。
これは非常に大きなハンデだわ…。
「おそらく召喚の際に起こったトラブルだな。例えば時間がずれていたとか」
「その根拠はどこから来るのよ?」
「時計だ」
「時計?」
「この屋敷にある全ての時計が全部一時間早くなっている。気が付かなかったのか?」
「あ」
「…おそらく時計の時間を早めた犯人は身の回りのことに気がつけないようならば
聖杯戦争に参加するにはまだまだ早すぎると考えて時計の時間を早くしたんだろうな…」
「お父様ぁ(ヨヨヨ」
シンに指摘されるまで気が付かなかった…。
私が持っている懐中時計を見てみると私の懐中時計は1時間前の1時25分を指していた。
こ、こんなことに気が付かなかったなんて…。
うぅ…これは私のミスだ。
どうして私は大一番の時に限って失敗してしまうんだろう…。
ま、まあ弱いサーヴァントかは限らないからステータスを見せてもらいましょ。
筋力 B
耐久 B+
俊敏 B
魔力 B
幸運 C
宝具 ?
ナニコレ。ふざけているの?
幸運と宝具以外の最大値が全部B以上なんだけど?
こいつ本当にアーチャー?セイバーの間違いなんじゃないの?
セイバーとしても十分呼べるほどのステータスよ。これ。
「あと、現在俺が持っている宝具は全部で四つある」
「はあ!?」
ちょっと待った!!
宝具を四つも持っているとかどんだけなのよ!?
確かに宝具を六つも持っている英雄はいるけれどそれを差し引いても十分多い。
えっと、宝具とスキルの詳細は…
天使を葬りし者の剣【エクスカリバー】
ランク A+
種別 対人宝具
レンジ 1
最大補足 ひとり
自由の名の許に暴虐の限りを尽くした天使を討伐する際に使用された魔剣。
神性を持つ者が対象の場合、ランクがA++にアップする。
正義を断罪せし者の剣【アロンダイト】
ランク A++
種別 対人宝具
レンジ 1
最大補足 ひとり
正義の名を持つ裏切り者を葬った時に使用された魔剣。
巨人殺しにも使用されており、この魔剣によって多くの巨人が葬り去られた。
全てのステータスを2ランクアップさせる。
また、秩序・善を相手にしている場合、全てのステータスが3ランクアップする。
深淵を穿つ者の槍【ディアファント】
ランク B
種別 対人宝具
レンジ 1
最大補足 ひとり
深淵と名を持つ者を屠った槍。
即死属性あり。
??????????????
ランク ?
種別 不明
レンジ 1
最大補足 ひとり
心眼(真)B
単独行動B
対魔力B
千里眼C
騎乗B
直感A
???? EX
なにこれ、どれもこれも強力な宝具とスキルばかりじゃない。
どっちも最後の欄いたってはまったく詳細が分からない宝具だったし…。
というかエクスカリバーとかアロンダイトとかなんで普通に所持しているのよ!!
確かどっちも星が生み出した神造兵器だったはずよ!!
どうして目の前のこいつが両方を使えるわけよ!?
「俺が生きていた時代ではそれくらいできなければ生き残れないような時代だったんだ。
まあ、宝具が多いのはその武装を使って戦果を上げたことが原因だな」
「これだけの宝具を使いこなせなければ生き残れないとかどんな人外魔境よ…」
「少しでも気を抜いたら世界が滅亡する戦争を平気で始める世界だ」
「なにそれこわい」
これだけの宝具を使いこなさなければ生き残れないとかいったいどんな人外魔境よ…。
もしかしてこのサーヴァントは神代のサーヴァントなのかしら?
だけどこんな英霊は聞いたことないわよ。
というか少しでも気を抜いたら世界滅亡レベルの戦争が起こるってなにそれこわい。
「何か勘違いしているだろうから言っておくが一緒なのは宝具の名前だけだ。
俺の宝具の名前は当時の軍部が元になった武器の名前にあやかって名付けられたものだからな」
ますますわけがわからないわ…。
そんな英霊なんて存在するの?
もうこの際だからこいつの真名と正体を聞いておこう。
「ねぇ。アンタの真名ってなんなの?」
「真名か…まあ、その程度なら知られてもまったく問題にならないし教えよう」
「は?真名を知られても問題ない?どういうことよ」
「俺の真名を知ったところで弱点を突けないということだ」
ちょっと待った真名を知られても問題ない?
それはどういう意味よ?
聖杯戦争において真名を隠すのは重要なことだ。
敵のサーヴァントの真名を知る=敵のサーヴァントの弱点を知るのと同意義だからだ。
つまり、目の前の英霊は真名を知られても弱点がないのね。
「それじゃあ真名を教えてもらおうじゃない」
「わかった。俺の真名はシン・アスカ。遥か未来に生まれた男だ」
「ええ。未来から来たのなら真名がばれても問題ないわね…」
「俺の真名を聞いたのだったら隠れていたスキルの詳細がわかるはずだ」
シン・アスカ…。
なるほど、未来の英雄なら知っている人間なんていないわね。
これなら真名がばれても問題ないわね。
一応英雄に関しては非常に詳しいつもりの私でも知らないのなら他の連中も知らないわね。
あ、アーチャー…シンの名前を知ったから隠れていたスキル見えるようになってる。
えーとなになに…。
第二魔法 EX
数多に存在する平行世界を移動し、運営することができる能力。
また、時間旅行も可能。
ただし、彼自身は時間旅行に力を使うことを嫌がっている。
って、ちょっ!?第二魔法!?
第二魔法が使える人物なんて宝石翁だけしかいないんじゃ…。
これはシンに確認をとる必要がある。
平行世界の運営は遠坂家の悲願だからだ。
その第二魔法を使える者が私の前に現れたんだから確認しないわけがないじゃない!
「シン!第二魔法ってどういうことよ!?ことと次第によっては…」
「…俺が初めて参加した戦争が終わってからから会った変な爺さんに無理矢理習得させられた。
失敗したら廃人になると聞いてしまったらいやでも必死になるだろ…」
「変な爺さん…もしかしてそのお爺さんの名前って
キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグって名前じゃなかった?」
「ああ、確かそんな名前だったな」
「アンタって人はーッ!!!(ガクガクガクガクッ」
「うわっ!?お、落ち着け!(ガクガクガクガクッ」
「これが落ち着いていられるかぁ!?」
あ、何かプッツンと切れる音がした。
うん。これは堪忍袋の緒が切れる音だわ。
私達が必死になって宝石翁に弟子入りしようとしているのにこいつは楽々と弟子入りしていたのだ。
もし私以外の魔術師が聞いたら殺してでも奪い取ろうとする。
あたしだってシンが私のサーヴァントじゃなかったらそうする!絶対にする!!
そして、なによりもこいつは魔術師の本懐である根源へ到達していることなんだから!
「とにかく落ち着け!このままだと説明できないだろ!」
「………あの紅茶のおかわりで許してあげる」
「…わかった。淹れてくる」
…そうだった。
今はシンの情報を少しでも手に入れるのが目標だ。
第二魔法はとてつもなく重要だけど今は聖杯戦争の直前だ。
生き残る為には少しでも自分のサーヴァントの情報を知っておかないと…。
そう考えると少しは冷静さが戻った。
でも、このままだと負けた気がするからシンにさっきの紅茶のお代りを要求した。
とんでもない爆弾を落としたんだからこれくらい当たり前よね?
私の要求にシンは肩をすくめながら紅茶のお代りを淹れに向かった。
なんだろう。やっぱり負けた気がする…。
十五分後…
「落ち着いたか?」
「…ええ」
シンが淹れてきた紅茶を飲んでだいぶ冷静さを取り戻すことが出来た。
うん。こいつが淹れる紅茶は一級品だわ。
この状態なら冷静にシンの話を聞くことができそうだわ。
「ならいい。夢の中であの爺さんの修業を受けていた頃の俺の姿が見えるだろう。
そうすればマスターが望む第二魔法への手がかりが掴めるはずだ
さ、今日はもう遅い。今は休むべきだ」
「…そうね。おやすみ、シン」
「ああ。マスター」
サーヴァントと魔力のラインがつながっている状態だとサーヴァントが体験してきたことを
夢で見ることがある。
つまり私は目の前に居る第二魔法を使えるサーヴァントが経験してきた
第二魔法を習得するための修練を私の夢で見られるという寸法だ。
まあ、見られるかどうかわからないから賭けだけど。
それでもこれは遠坂家の悲願を果たすまたと無い機会だわ。
…なぜかシンが悲しそうな顔をしていたきがするけど気のせいね。
さて、最後の一騎が召喚されていないらしいから始まるまでの間に準備を進めておきましょう。
それじゃあ、おやすみなさい…。
◆ Side アーチャー
日本 冬木市 遠坂邸 シンの部屋 情報公開から10分後…
「ここが俺の寝室か…。なかなか良い部屋だな」
ここが今日から俺の拠点になる部屋か…。
ここまで良い部屋はディオキアで泊まったホテル以来か。
その後はミネルバの自室、戦後は野宿が多かったな…。
魔術的なトラップはしっかりと張られているから敵襲にもすぐに対応できるはずだ。
俺としては魔術以外にも機械を使ったトラップを張っておきたいところだ。
まあそれは明日以降に準備をするとして今は自身の能力を再確認するか。
「トレース、オン」
パァァ…
「…やはりか」
やはり本来参加する筈であった英霊のように能力の行使はできないか…。
物の解析や強化も出来ない。
投影は出来るが投影で作った物はほんの二、三分で消えてしまうし強度も威力もない。
なんとか効果だけは残せるようだから投影で大量に展開して弾幕を張ることが出来そうだ。
威力が足りないなら壊れた幻想でまとめて吹き飛ばすという手段もある。
だが、このままでは圧倒的に手札が足りない。
明日の朝から昼までは宝具の辞典で投影できる種類を増やし、
昼から夜までは拠点に張るトラップの製作をするか。
しかし、俺が乗っていたMSの武装をダウンサイズして宝具化するとは考えたな。
第二魔法は…あの時、何もかも失って彷徨っていた時に会ったあの爺さん…
マスターの話だとこの世界にとってとんでもなく偉い人物だったなんてな…。
俺からすれば気に入ったからって俺がいた世界とは別の世界へ強制的に転移させて
魔法の習得を強要させてきた悪魔のような爺さんだったがな…。
あの時、修行の集大成として俺が元居た世界に戻った直後に一瞬だけ見えた【根源】というのも
まったく碌でもないものだった。
魔術師というのは【根源】を目指す者だと聞いているが俺から見れば自殺行為そのものだ。
できれば俺はマスターに【根源】なんて物に関わらずに生きていてほしい。
魔術師の教育の中で自分の信じていることが全くの無駄になると言っているが
あれはそんな次元じゃない。
おそらくこの時代で魔法使いが5人くらいしかいないのは世界が人々を守るために設けた
検閲のおかげなのだろう。
あれは…あんなものは人が見て良いものじゃない。
例え精神が強いマスターだったとしても一人で根源へ至ってしまったら
アイデンティティークライシスを引き起こして自殺をしてしまいかねない。
最悪、俺がこの世界に現界している間のうちに根源を見せておく必要があるかもしれないな。
ま、なんにせよ今日はもう寝るか…。
どうも明日香です。
今回はIS~衛宮の娘は遥か高き宇宙を目指す~の前日談に当たる物語を始めさせていただきました。
この物語ともうひとつ、答えを得て月の聖杯戦争に参加するアーチャーの物語を本編と並行していく形で書く予定です。
こんな文ですが楽しんでいただけたら幸いです。