西住みほの舎弟が往く!ーたとえ世界が変わっても貴女についていくー 作:西住会会長クロッキー
引き続きお楽しみください!
副隊長たる大友のE-25をはじめとする計六輌の戦車が超重戦車マウスが隠れているであろう団地へと進んでいた。
楔形隊列を組んで走行していると、明らかにこの六輌をマウスのもとへと誘き出そうとしているⅢ号戦車J型が現れたと思えば蛇行運転をしながらその場を去って行った。
「俺達を誘い込んであのでか物の前に引きずり込む腹だろうな。彰、雄飛、英雄。今度は逆にこっちがこの先にある道の両脇を土手に挟まれた道に誘い込んでくれ。俺は勇武と桔平と一緒に誘い込んだ先で待っている」
『了解!!』
六輌の戦車の内、比較的に機動力が高いT50-2や五式軽戦車・ケホ、Strv/m42の三輌がマウスを大友達の方へと引きつけるべく。
この三輌が速力を上げてⅢ号戦車の追跡を続けていると、Ⅲ号戦車が角を曲がってから少し進んだ先で停止した。
「来るぞ……雄飛、黒木の兄貴……全速後退する準備をしてくれ」
「おちょくり担当なら俺と英雄兄ぃに任せて叔父貴はⅢ号戦車を仕留めてもらってもいいですか?」
「おう任せとき。Ⅲ号をしばいた後は急いで合流するようにするわ」
三人がマウスを誘き出す段取りをした直後、持ち名に相応しくないほど巨象にも比肩する巨体を持つ超重戦車・マウスがその姿を現した。
三輌の戦車の搭乗員達はその威容に呆気を取られそうになったものの、マウスの砲塔が旋回した途端に三輌は後退をしながらマウスの主砲から放たれてくる砲弾を回避する。
それから三輌の戦車によるマウスの誘い込みが始まった。無論、マウスの車長は高火力な主砲と重装甲を頼り切っており。
これから思わぬ形で撃破されると思ってもいなかったのだ。それに加えて主砲の俯角が取りずらいことを良いことに車体前面装甲に密着寸前まで車間距離を詰めたり離したりしながら煽って来る二輌の戦車に苛々していたためか、途中で姿をくらましたT-50-2の存在に気付くことなく二輌の戦車の追跡を続けている。
「Ⅲ号戦車、お前の相手はこっちや。撃てぇ!!」
「くそっ!こっちにも機関砲さえあれば……」
黒木は安倍の頼み通りにⅢ号戦車を仕留めるために動いており。m/42とケホを撃破するために団地の出口付近で待ち伏せていたⅢ号を発見すると至近距離まで接近し、車体の背面装甲に四発ほど砲弾を叩き込んでその場から去って行くのだった。
「こらーっ!そこの二輌の戦車。男の子なんだから正々堂々戦いなさい!!」
「そう言われても。マウス硬すぎるし」
「どこも貫通できないし……もうちょっと柔らかくしてくださいよ」
「何ですって。マウスのこと馬鹿にして……覚悟なさいっ!!左手に居るケホをサンドイッチにしちゃいなさい!右手のm/42に砲撃準備っ!!」
「あ、兄ぃ!マウスが幅寄せしてきてるぞっ!おっかねぇ~」
「雄飛。もう少しの辛抱だぞっ!と言ってる傍から平形本部長が来たからそのまま逃げるぞ!」
マウスの車長は苛立ちが最高潮に達したのだろう。キューポラから身を乗り出して木村と安倍の二人に対して軽く怒鳴りつけるが。
二人は彼女の一言に対して呆れながらマウスの特徴を揶揄う。これを聞いたマウス車長は再び彼らに対して怒鳴りつけると同時に車内に戻って搭乗員達に指示を出す。
マウスは左側のケホに幅寄せしつつ右側で微速で走り続けるm/42に照準を合わせるために砲塔を旋回した瞬間。マウスの車体の上に平形率いるクマさんチームのKV-122が乗り、後ろから来たT-50-2が燃料タンクを撃ち抜いたのであった。
唐突な出来事に対処できなかったマウスの操縦手がアクセル踏みっぱなしだったこともあってか。そのままエンジンから黒煙が上がって戦闘不能となってしまった。
「よくやったな。このままみほ姉貴達と合流するぞ」
『はいっ!!』
それから六輌の戦車が楔形隊列を組んで市街地に向けて走り出した。しばらく走ったところにある交差点でみほ達と合流しようとしたところ。一輌のパンターⅡに率いられた黒森峰女学園のチーム(パンターⅡやパンターG型×二輌、ヤークトパンター×二輌)と鉢合わせてしまった。
この時に何輌かがフラッグ車のⅣ号戦車を守りつつ反撃に出たのだが、今までのチームとは打って変わって火力と装甲よりも機動性と隠蔽性を重視したこともあってか。中々撃破出来ずにいた。
追い打ちをかけるかのように民家の間を縫うようにして現れたヤークトパンターがⅣ号の後ろにいたアリクイさんチームを撃破した次にカモさんチームを撃破したのだった。
黒森峰女学園戦車道チーム副隊長補佐・赤星小梅は、一年前の事故とみほの後継者争い以降。
己のトラウマの克服や実力の向上から逸見エリカや小島エミといった戦友達と共にその地位を確固たるものとした。
それもあってか。黒森峰女学園戦車道チーム内の実力者の象徴一つと言っても過言ではないパンターⅡに搭乗し、中戦車小隊の指揮を執りつつ第六十三回戦車道大会における一回戦から自身の小隊でチームに貢献してきたのだ。
その実力を今日行われている第六十三回戦車道大会決勝戦でも発揮するのだった。
「エミちゃんが率いる十一号車、十二号車はフラッグ車の背後にいるチヌ改とB1bisを。私と後の二輌はE-25もしくはフラッグ車を。エリカさん達が到着するまで持ち堪えるかなるべく早く仕留めましょう」
『了解』
Ⅴ号戦車・パンターの機動性の高さと火力を活かして曲がり角などを利用しつつ。
当初はみほ達を圧倒していたが、市街戦は不慣れということもあってか繰り出している攻撃がパターン化してしまったことが彼女か大友のいずれかに見抜かれてしまい。
混乱に乗じて指示を受けたであろう大洗側の戦車達が後方から現れた後に小梅が率いていた中隊は瓦解し、彼女が乗るパンターⅡはウサギさんチームのM3Leeによって撃破され、ヤマネコさんチームが残りのパンターを撃破した。
それでも撃破される直前まで小梅達は健闘しており。チヌ改やB1bisだけでなく。途中で撃破されそうになったアヒルさんチームとレオポンさんチームを庇ってこの二輌の盾代わりとなったコヨーテさんチーム(Strv/m42)とサメさんチームは、刺し違えるようにして二輌のヤークトパンターを撃破した。
「撃破された四チームの皆さん。怪我はありませんか?」
「みんな怪我は無いよ。西住さん。あとはよろしくね」
「私やゴモヨ、パゾ美は元気でーすっ!」
「心配ご無用。コヨーテさんチームは平気です。慎司も妙子ちゃんを守れてよかったと言っています」
「こちらサメさんチーム一門。同じく平気だよっ!桃さんや他の皆の事を頼んだよ。みほっ!」
「分かりました。皆さんの分まで頑張ります!それでは、最後の作戦。ふらふら作戦を開始します!」
みほが撃破された四チームの安否を確認すると、撃破されたチームから健気な返事や励ましの言葉が返って来た。彼女は撃破された仲間たちの期待に応えるために渾身を込めて作戦の開始を口にする。
「やっぱり。あの人には敵わないな……」
「そうだね。戦車の性能なんかに頼らず。思いもよらない戦い方するよね……」
小梅とエミは、自身が搭乗する戦車を降りてその場を走り去って行くみほ達の戦車を見つめながら彼女の戦い方に感心する様子を見せていた。
しばらく経った後に隊長のまほが搭乗するフラッグ車のティーガーⅠに率いられた本隊が彼女達二人の前を通過していくのだった。
その後の両者の動向は黒森峰女学園の本隊がフラッグ車を護衛するレオポンさんチームのポルシェティーガーやクマさんチームのKV-122、、カバさんチームのⅢ号突撃砲、大友のE-25を追跡するという形となり。
包囲殲滅を図ろうとした何輌かの戦車が住宅地の生活用道路から回り込もうとしたものの、カメさんチームの指揮下に入った残りの各チームのゲリラ戦に遭い。ことごとく撃破されていったのである。
なお、この際にも黒森峰側からの反撃によって撃破されたチームの戦車も存在し。撃破されたのはヤマネコさんチームのT-40やマーモットさんチームの五式軽戦車・ケホ、キツネさんチームのT-50-2、ワニさんチームの特三式内火艇の四輌だった。
この四輌は共に行動していたカメさんチームやアヒルさんチーム、ウサギさんチームの三輌が撃破されそうになった時に先ほどのコヨーテさんチームとサメさんチームのように盾代わりとなりつつ敵と刺し違える形で撃破されたのだった。
「水野君、黒木先輩。二度も助けてくれてありがとう……」
「男だったらこうして女の子を守りたくなるもんなんだよ。梓ちゃん。それに黒木の叔父貴や他の皆もそう思うだろ?」
戦車から降りて水野や黒木達に感謝を続ける梓に対して彼ら戦車道男子達は彼女達ウサギさんチームの面々に優しく微笑み掛ける。
「すまないな。長瀬君、安倍君。敵を撃破してくれた上に私達アヒルさんチームとカメさんチームの盾代わりになってくれてありがとう」
「お、お前達怪我は無いのか?!結構激しかったぞ」
「磯辺先輩、河嶋さん。ご心配なく。俺をはじめとする他の皆平気です。それよりも早く親分やみほさん達のもとに向かってあげてください。親分は今、一対一で逸見さんが乗るティーガーⅡと交戦中ですし。もし親分が撃破されたらフラッグ車と交戦しているみほさんあんこうチームが危ないです。さぁ、早く」
「みんな。ありがとうね!すごいかっこよかったよ。いや、かっこかわいいか。さぁ、西住ちゃん達のもとへ向かうよ!」
こちらの二チームも戦車道男子達が操る戦車が盾代わりになった上、敵戦車を撃破したのであった。典子や桃、杏の三人が戦車から降りて長瀬と安倍に対して感謝しながら彼らの身を心配している。
彼らはみんな平気な様子を見せており。安倍が三人に優しく微笑み掛けながら大友やみほ達のもとへ向かうように促すと。
それに応えるように杏が改めて感謝の言葉を彼らに掛けつつ生存した三チームを率いて廃校跡で戦闘を続けている大友やみほ達のもとへと向かって行った。
廃校跡では、合わせて四輌の戦車が戦闘を繰り広げていた。みほがまほと校舎内の中庭で戦闘を繰り広げている中。その外では大友とエリカも戦い始めようとしていた。
彼のE-25と彼女のティーガーⅡが向き合っている傍ら。撃破された六輌の戦車の前で大友とエリカはキューポラから身を乗り出して静かに語り合っていた。
「外は私達だけになったわね誠也。こうすることであんたとやり合うのに余計な茶々を入れられないわね。入り口でバリケード代わりになったポルシェティーガーやKV-122、三突は私の小隊と刺し違えたみたいね。あんたはあの子に花を持たせる為にここにいる。そんなあんたほど厄介な相手は居ないわ。あんたをぶちのめしてどっちが王者に相応しいか白黒つけてやるわ……」
「ああ。あんたの言う通りだよ逸見さん。今の言葉で良い感じに熱を整えることが出来たぜ。あんた達黒森峰女学園に勝ってみほ姉貴やみんなで勝利を手にさせてもらう。さぁ……決着をつけさせてもらうぜ逸見さん」
「「戦車前進っ!!」」
二輌の戦車が前進すると同時に車体が火花を散らしながら擦れ合い始めた。それからはお互いを撃破すべく二輌の戦車は距離を詰め合っている。
E-25は高い機動力と貫通力を持つ75mm砲を持ち合わせている代わりに砲塔を持たない駆逐戦車だ。その特徴を最大限活かしきってティーガーⅡの背後へ回り込もうとするが。ティーガーⅡも低い機動性の代わりに超信地旋回ができる上に高火力な88mm主砲を搭載している。
エリカもその特徴を十分理解したうえでE-25を背後に回り込ませないようにしていた。
「このままじゃ背後に回り込めないぞ。清弘、そのまま壊れかけの体育館の方へ行け。遮蔽物と速さを活かして相手を撹乱させるさせるしかない。諒介、速めの装填を頼む。それに武、行進間射撃でも行けそうか?」
「刺し違える気で行ってくれるならいけなくもない。それにタイミングが良けりゃ生還もできるかもしれん。そしたらあんこうチームのもとへ行こう」
「ああ。頼んだぞ」
大友はこれまでのように一か八かの賭けに出るのであった。無論、エリカが搭乗するティーガーⅡもその後を追い始めるが。速度を重視した戦車と装甲を重視した戦車では大きな差もあるために振り切られてしまう。
「多分E-25はこの廃校跡を一周して撹乱するはずよ。それにそろそろ回収車がバリケード代わりになっていた三輌を除けたはずよ。今のうちに隊長のもとへ向かうわよっ!」
『了解』
しばらく大友の後を追っていたエリカは、一旦追跡を諦めてまほの援護に向かうべく元来た道を辿り。三輌の除けられた入り口へ向かおうとするものの。
大友も同じことを考えていたのだろう。そこで再び大友と鉢合わせる。
「ここで片を付けてみほ姉貴のもとへ向かうぞ。さっき打ち合わせた通りに頼むぞ」
『おうっ!』
大友と打ち合わせた通りに三人は指示通りに動く。対するティーガーⅡもE-25の正面に突っ込んで主砲をへし折ってやろうという勢いで前進するのであった。
「みほ姉貴と戦った時は失敗したが。清弘、正面装甲に突っ込むふりをしてそのまま時計回りに後退してそのまま後ろに回り込んでくれ。武、行進間射撃になるけど。右か左どちらか狙いやすい方の履帯を切断してくれ」
「それなら任せてくれ。腕の見せ所だ」
「どっちか好きな方だったら。好きなようにさせてもらうぜ」
ティーガーⅡの砲撃を巧みに交わしながら正面装甲まで迫る。この一瞬で勝負が決まったと言うべきだろうか。村川が発射トリガーを引いた瞬間にティーガーⅡの左履帯は外れ。
ティーガーⅡに衝突する手前で停止してからそのまま時計回りに後退して車体後部に砲弾を撃ち込んで撃破する。
「………やるじゃない。みんな怪我は無い?」
撃破されたとはいえ。エリカはどこか複雑な表情で満足さを伺わせるような一言を一人呟くのであった。
「みほ姉貴。今行きます!」
大友がそう言いながら校舎の入り口をくぐり抜けた瞬間。ティーガーⅠの砲塔上部から白旗が上がり。エンジンルームから黒煙が上がっているという光景が目に入ったのであった。
『ティーガーⅠ及びティーガーⅡ走行不能。よって大洗学園の勝利っ!!』
このアナウンスが響き渡った瞬間。大友とみほは見つめ合って勝利を確信した。
試合終了後、大洗学園戦車道チームの面々の間にはいつものように和気藹々とした空気が流れていたと同時に守るべきものが守れた喜びに浸っていた。
撃破されたチームの面々が生還したメンバーが帰って来るなり。彼ら彼女らの健闘を称えながら駆け寄る。しばらく経った後に桃がみほと大友に声を掛ける。
「西住……大友。みんなを優勝に導いて……ありが……とう……うぅ」
「こちらこそ私を戦車道に導いてくれてありがとうございます」
「ありがとうございます河嶋さん。もう涙なんて拭いてこれから沢山喜びましょうよ。ね?」
桃は二人に対して感謝の言葉を伝え終えると、そのまま泣き崩れてしまう。みほと大友も彼女に対して感謝の言葉を掛ける。
「西住ちゃん。大友ちゃん。私達の学校を守ってくれて本当にありがとう!」
「角谷会長。私の方こそありがとうございました」
「会長、みほ姉貴と一緒に戦車道ができるきっかけになってくれてありがとうございます」
その次に杏が二人をまとめて抱きしめると。桃と同じように二人に感謝の言葉を掛けつつ涙を流す。涙を流していたのは桃と杏の二人だけでなく。
少し離れた所で戦車道乙女たちがつられるようにして涙を流し、それを他の戦車道男子達が慰めているというものであった。
「会長、誠也君とお姉ちゃん達の所に行きたいので少し離れますね」
「はいよー。行ってらっしゃい」
みほと大友の二人が杏に見送られながら向かった先はまほとエリカのもとであった。彼女達二人は、みほと大友を視界に入れると同時に歩んでいく。
「お姉ちゃん……エリカさん」
「みほ……優勝おめでとう。誠也君、みほの傍に居てくれてありがとう」
「ええ。どういたしまして」
まほは二人の前に前に立つと。みほに対して祝いの言葉を送ったと同時に彼女の傍に居てくれたことに対する感謝の言葉を大友に掛けつつ二人と握手する。
「……みほ……誠也。さっきは……」
「エリカさん。もういいんだよ。私こそ一人で抱え込ませるようなことをさせてしまってごめんね」
「気にする事はねえよ。いつもの逸見さんに戻ってくれて良かったよ」
「本当に二人とも優しいわね。誠也、これからもずっとみほと一緒に居なさい。それにみほもこの子を大事にしてあげなさいよ。来年もあんた達と戦いたいわ」
修羅と化していたエリカは、元の優しい瞳に戻り。二人に対して試合開始前に言ったことを詫びようとするが。二人は微笑み掛けながら許したのだった。
対する彼女も二人に優しく微笑み掛けながらあたかも二人の関係に進展を望んでいるかの言い回しでそう言った。
「西住流とはまるで違う戦いだったが。みほらしくて良かった」
「ありがとうお姉ちゃん。『私の戦車道』、見つけることが出来たよ!」
「ああ。みほいや、二人とも。これからも頑張るんだぞ」
「「はいっ!!」」
それからみほと大友は、二人に別れを告げると同時に手を繋いで仲間たちが待つ場所へ帰って行くのであった。
大洗学園の学園艦に帰り。学内優勝記念パレードが終わった日の晩。学園艦内の住民の計らいによって祭りはこれからだと言わんばかりに花火が打ち上げられていた。
まだ夏休み前だとはいえ、学園艦内はお盆のお祭りシーズンかのようであった。そんな光景をみほと大友は、彼女の部屋のベッドで共に眺めていた。
「みほ姉貴と下克上が達成出来て良かったです。夏休み前に大洗町で行われるエキシビジョンマッチも頑張りましょう!」
「そうだね。誠也君ったらいつも戦車の事ばかりだね。夏休みは私と二人で一緒にいっぱい戦車に乗ろうね!」
打ち上げ花火が上がる中、再び大友はみほと共に勝利の喜びを分かち合っていた。すると、みほは彼に対してこう語りかけた。
「私達二人が出会うきっかけになったのも戦車。思い出を作るきっかけになったのも戦車。一つの物でつながる縁はとても不思議だね。誠也君は優花里さんが言うみたいにパンツァー・ハイなところがあるけど。私はそんな誠也君が大好きっ!!ふふっ。忘れてたことが……ちゅっ♡」
「お、俺もです。みほ姉貴!た、確かに縁って不思議ですよね。でもみほ姉貴、俺は貴女に出会えて良かったです。これからもよろしくお願いします!」
みほは戦車で繋がった縁について語り終えると、そのまま大友の左頬に優しくキスする。
彼は彼女のスキンシップに若干慣れて来たのだろう。
少し驚いた後にみほと出会ったことに対する好意と感謝の言葉を口にする。
「ふふっ。これからもよろしくね!かわいくてかっこよくて強い自慢の舎弟の誠也君。大好きなだけじゃなくて愛してるよ」
「俺も愛しています。みほ姉貴。貴女は本当に強い方だ」
「誠也君……今度はそのかわいい唇にキスしてもいいかな?」
「……ええ。喜んで」
二人は自身が想い合っていることを確認すると、そのまま二人はベッドから立ち上がって優しく抱き合い。一番大きな花火が打ち上げられた瞬間にお互いの唇を優しく重ねあったのだ。
こうしてみほと大友による下克上は達成されると同時に戦車道界に大きな衝撃と希望を与えるものとなった。
しかし、大洗学園は本来ならばこれで安泰が約束されるはずであったが。強欲な輩によって再び危機に立たされようとしていた。
ありがとうございました。次回はほぼオリジナルストーリーの第二十三話を投稿する予定です。また、”ある人物”が戦車乗りだったという設定が登場する捏造設定ましましの予定でもあります。
次回から劇場版編に突入していきますが。これからもよろしくお願いいたします!
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