西住みほの舎弟が往く!ーたとえ世界が変わっても貴女についていくー   作:西住会会長クロッキー

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ご覧いただきありがとうございます。今回から劇場版編突入です。引き続きお楽しみください


第二十四話 大洗・知波単・アンツィオ連合VS聖グロ・プラウダ・サンダース連合です!

七月の初旬。気温も26℃まで上昇し、夏も始まりを告げようとしていた。

さて、そんな夏の始まりを彩るかのように大洗町では戦車道大会のフィナーレを締めくくると言っても過言ではないエキシビジョンマッチが行われていた。

今回行われるエキシビジョンマッチではみほが大洗・知波単・アンツィオ連合の総隊長を務めることとなり。大友や絹代などの勧めもあってか副隊長はアンチョビが務めている。

二人の連携した指揮のおかげもあってか緒戦においてゴルフ場のバンカーで三輌のマチルダⅡとフラッグ車のチャーチルMK.Ⅶの計四輌を包囲していた。

この四輌を包囲するのは大洗学園側だと。みほが搭乗する隊長車兼フラッグ車のⅣ号戦車を除くⅢ号突撃砲やヘッツァー、三式中戦車・チヌ改が包囲網を狭めつつ敵の強襲に備えている。

知波単学園側は副隊長補佐の柏間修太郎が搭乗する五式中戦車・チリや玉田が搭乗する九七式中戦車・チハ改そして知波単学園隊長の絹代が搭乗する四式中戦車・チトの計三輌と日本戦車の中でも高火力な面々が機動力の高さを活かして徐々に四輌の戦車へと差し迫り。

アンツィオ高校側はフラッグ車の先導役を務めている安斎拓実のP40やカルパッチョの指揮下でⅢ号突撃砲と共に狙撃に徹しているセモベンテM40/41×二輌の計三輌が四輌の戦車の装甲を掠めていた。

 

「敵の別動隊は大友と千代美の指揮によって混乱しているようだ。それに加えてあんたの舎弟さんや千代美が率いる精鋭達のおかげで予定よりも長く敵の足止めが出来そうだな。でも指揮は隊長のみほちゃん、あんたに任せるよ」

 

「切込みなら俺に任せてください。行進間射撃が得意ですから」

 

「拓実君に同じく先陣を切っての突入は私も同じく得意としています」

 

「柏間さん。拓実君、西さんありがとうございます。各車、発砲を中止してじわじわと包囲網を狭めてください。包囲をさらに強化し、近距離での撃破を目指しましょう。それではパンツァー・フォー」

 

みほは柏間や拓実、絹代らと会話を終えるとそのまま指示を出して戦車を前進させる。

他の戦車は微速で前進していたものの絹代のチトだけが前進しないでいた。それが気になったみほは一度戦車を止めて彼女に声を掛ける。

 

「西さん。どうかしましたか?」

 

「西住さん。パンツァー・フォーとは一体?」

 

「ドイツ語で戦車前進という意味です」

 

「なるほど承知いたしました。では参りましょう。戦車前進っ!」

 

絹代は疑問に思っていた言葉の意味を理解すると、搭乗員達と共に同じ掛け声を上げてチトを前進させる。こうしてみほ達がフラッグ車の包囲を完成させつつある現在、大友やアンチョビによる指揮の下で市街地に居るチームは敵の主力部隊を抑え込んでいた。

 

 

 

市街地では大友達が遮蔽物や複雑な地理を利用しながら敵を撹乱し、入り組んでいる町の特徴を活かしきって散発的なゲリラ戦を仕掛けていた。

手始めに大友は、M16/43・サハリアノに搭乗する佐谷やペパロニのサハリアノの二輌、典子に率いられた福田や細見と共に機動力を主眼に置いたローズヒップの小隊を叩くために市内を走り回っていた。

 

「文化センターの近くで千代美さんやナカジマさん達が防衛線を構築している今、包囲殲滅を図る機会を狙いつつ敵の切込み隊を叩こう。じゃないと隙を見て敵の主力がフラッグ車を包囲しているみほ姉貴達のもとへ向かうはずだ。兄さんには先鋒を。ペパロニさんには後方を頼みたい。典子ちゃんは福ちゃんや細見さんと共に敵の一部を引きはがしてくれ」

 

「おう任せとき。聖グロ一の俊足ってのと一回撃ち合ってみたかったからな。大友ちゃんガンガン飛ばしていくで」

 

「了解っす!大友の兄貴のケツ持ちならこのペパロニに任せてください」

 

「了解。片が付いたら誠也君の援護に向かおう。さぁ、みんな。根性だっ!!」

 

「心得ました磯辺殿。右に同じく知波単魂を出しきるぞ福田」

 

「はいであります。先輩殿!」

 

大友が佐谷や典子たちに指示を出し終えると同時にE-25と八九式中戦車が交差点を二手に分かれてそれぞれ二輌ずつの戦車がその後を追う。

二手に分かれた彼ら彼女らの後を追っていたのだろうか。ローズヒップが搭乗するクロムウェルに率いられた計五輌の戦車も同じようにして二手に分かれていく。

 

「リミッターカットでもっと追い詰めてこのまま戦車の弱点(けつ)をがん掘りしますわよっ!」

 

「もう。ローズヒップさん!男性が二人もいらっしゃるんですよ!」

 

「あら。ごめんあそばせ」

 

「お、おう。だったら三車線になったところで追い込みをかけるぞローズヒップさん」

 

「分かりましたわ。わたくしは八九式を仕留めますから浜崎さんとクランベリーはチハ改とケホを頼みますわ」

 

「おう。任しとけ」

 

ローズヒップが発した一言をオレンジペコが赤面しながら注意している傍ら。浜崎はローズヒップの一言に笑いそうになりながらも彼女の指示に耳を傾ける。

 

「あ、獅堂さん。わたくしとバニラさんで二輌のサリアノを仕留めますから。E-25の方をお願いしてもよろしいですか」

 

「分かりました。いずれかのサハリアノに搭乗するのはアンツィオの狂犬こと佐谷さんです。くれぐれも注意してくださいね。こちらも余裕があれば援護するようにしますから。お手柔らかにお願いしますオレンジペコさん」

 

「は、はい。よろしくお願いします獅堂さん(一つ年上なのに紳士的な対応をしてくれる方ですわね)」

 

オレンジペコは獅堂が紳士的かつフレンドリーな態度で接しつつ真摯な表情で指示を聞いてくれていることに恍惚としながら彼女もおしとやかな表情と態度で言葉を返す。

彼女は普段、隊長たるダージリンが乗るチャーチルで装填手を務めているものの。ダージリンの提案で試合前にローズヒップ指揮下の巡航戦車隊に編入させたことでクルセイダーMK.Ⅲの車長兼装填手を務めている。

隊長であるダージリンの傍によくいたためか天啓に打たれたかのようにクルセイダーの車長としての腕を存分に発揮し、ローズヒップと共に巡航戦車隊の統率していた。

短期間で車長としての頭角を現し始めたためか。今のローズヒップのように巡航戦車クロムウェルに搭乗し、機動力を活かして対峙する敵達を圧倒してきた先代隊長のアールグレイに近い実力であると目されつつあった。

 

「準決勝の時は対峙することはなかったが。久々にやらせてもらうか。そのままE-25に向かって加速してくれ」

 

「義孝が来るか。兄さんペパロニさん二輌のクルセイダーを頼んだ。俺は義孝のLTTBを仕留める」

 

「任せとき。なんやあのクルセイダーにはゴツイ奴が乗ってる気がしてうずうずしてたんや。ほな行くでペパロニ君」

 

「了解。ブイブイ言わせるっすよ。佐谷先輩!」

 

大友のE-25はもうしばらく進んだ先の交差点を左折し、佐谷とペパロニの二輌のサハリアノは交差点を右折した。後を追っていたLTTBと二輌のクルセイダーもそれぞれ定めた目標を仕留めるために追跡を続ける。

一対一と二対二になったところでその決着が早速つけられようとしていた。

 

「この先を進んだら神社だ。一か八かだが。後退しながら階段を下って降りて来たところを撃つぞ。まぁ、そんな単純な手に乗るとは思わんが。やれるならやるか」

 

「多分大友さんは神社の方へ誘い込んで階段を下りながら俺達を撃破する手筈だ。クラーラさん神社の階段の下で撃てるようにしてくれませんか」

 

「да(はい)」

 

獅堂は大友が神社の階段を後退しながら下り、自分達が降りてきたところを撃って来ると想定していたのだ。そこで比較的に近い位置にいたクラーラと共に挟み撃ちする気でいたのだが。

大友はそれに感づいていたのか、階段を下りきるというところでそのまま加速して後退しながら右に曲がるとクラーラのT-34-85とすれ違う。

T-34がそのままE-25の方に主砲を向けようとするものの。車体後部に砲弾を撃ち込まれて撃破される。

 

「撃てぇ!危なかった……こっちの無線の様子じゃ防衛は上手くいってるみたいだ。予定を変更してみほ姉貴の援護に入ろう」

 

「さすがだな。向こうが一枚上手だったか。そのままゴルフ場へ向かうつもりだろう。こっちも先回りして敵のフラッグ車を狙撃しよう」

 

大友達は態勢を整え直すと同時にゴルフ場の方へ向かう。獅堂も今自分達のいる位置がゴルフ場に近いと気付いたのか。同じようにゴルフ場へと走り出す。

 

「もう俺らもサシになったなぁ。あのペパロニ君を撃破するとは中々やな。ケリを付けようやないか……さぁ行くでペコちゃん!!」

 

「受けて立ちます。佐谷さん」

 

その頃、佐谷とオレンジペコは水族館近くの浜辺で一対一の真剣勝負に出ていた。ここに来る途中まで追跡を繰り返しているだけであったが。

浜辺に入った瞬間、サハリアノの砂漠地帯に有利という利点を活かそうとしたペパロニがオレンジペコが乗るクルセイダーを海の方へ幅寄せしつつ行進間射撃でバニラのクルセイダーを撃破した。同じようにペパロニのサハリアノとオレンジペコのクルセイダーは行進間射撃で撃ち合っていたのだが。

彼女の装填の速さが決め手となってペパロニのサハリアノは撃破された後に佐谷のサハリアノの攻撃も全て躱しきったのだ。

こうして今、一対一での真剣勝負の火蓋が切られたのであった。最初にサハリアノがクルセイダーの方に突っ込んでいくように見せかけて近くの駐車場へと向かって行くのだった。

クルセイダーもその後を追い、サハリアノと同じタイミングで駐車場へ入ると行進間射撃による撃ち合いや車体のぶつけ合いが始まったのだった。

 

「アンツィオの狂犬の名に相応しい戦い方ですね。けど、ここは一気に方を付けるしかありませんね。聖グロリアーナ戦車道の伝統に反するかもしれませんが。海辺の方に後退すると見せかけて一気に距離を詰めて撃破します」

 

「了解」

 

オレンジペコは搭乗員に指示を出すと自身の意のままにクルセイダーを操り始めた。クルセイダーは砲塔を真っ直ぐに向けて海辺の方へ向けて全速力で後退する。

 

「その手には乗らんで。このまま海の方へ引きずり込んで側面を撃つつもりやろな。少し進んだところで停止するんや」

 

この時の佐谷はオレンジペコが意外な行動に出るとも思っておらず。そのままサハリアノを前進させて距離を詰めていたが。間もなくしてクルセイダーが海辺の方へ出ようとしたその時、クルセイダーは前進して一気に距離を詰めてそのままサハリアノの至近距離で停止し、砲撃を浴びせて撃破する。

それと同時に試合終了のアナウンスが流れ、大洗・アンツィオ・知波単連合が勝利したのだった。

 

「負けちゃいましたか。でも伝統以外の戦い方でやってみるのも楽しかったかも……」

 

「ペコちゃんあんたゴツイな。さっきみたいな戦い方も大事なんやで。俺からしたらまたアールグレイさんと戦ってるみたいで楽しかったわ」

 

オレンジペコは戦車から降りてティーカップを片手に思いにふけっていると、佐谷が軽く拍手をしながらオレンジペコのもとへ歩み寄り。微笑みながら彼女の健闘を称える。

 

「そ、そんな。私なんてまだまだ」

 

「まぁ、そう畏まらんでももっと実力を発揮する機会が来るはずや。ペコちゃんは伝統を大事にしながらローズヒップちゃんみたいな新しい感じの子のことも気に掛ける良い子やってこないだダージリン君とアッサム君が言ってたで。俺はゴツイ奴とやり合うのが好きやからまた戦えるのを楽しみにしてるで」

 

「あ、ありがとうございます!(なんだか狂犬の異名には程遠い紳士的な人ですわ)」

 

オレンジペコは畏まっていたが、佐谷に言われた一言が嬉しかったのだろう。彼女が感謝の言葉を口にすると彼は右手を差し出す。

それからオレンジペコも内心でそう思いながら右手を差し出して握手を交わす。

なお、大洗・知波単・アンツィオ連合が勝利した経緯はこの二人が戦っている間に大友が同じようにゴルフ場へ向かっていた獅堂と再び会敵した後に大友が獅堂を撃破し、みほ達と合流した後に柏間や拓実といった戦車道男子と共に包囲していたダージリン達を一気に撃破したのだった。

 

 

 

試合終了後、大友は近くのコインシャワールームで軽く身体を洗い流した後に。自身の子分である慎司や秀人を迎えに天然温泉の前までやって来たのだが。

家族風呂の入り口の前が騒がしかったのでそのままそこへ行くと、妙子と柚子が弟である彼ら二人をそこへ引きずり込もうと両腕を引っ張っており。対する彼ら二人は赤面しながら離れようとしている。その傍らで沙織とみほが二人の姉を説得しようといた。

 

「冗談じゃねえぞ。もう十六にもなって自分の姉と入れるかっ!!自分の弟以外のいい男を探せ」

 

「そうだそうだ。妙子姉、このままだと冗談抜きでお嫁に行けなくなっちまうぞ。さおりん先輩、妙子姉に何とか言ってやってくださいよ~」

 

「まぁまぁ。秀人君に慎司君もお姉ちゃん二人が愛してくれているんだから……ここは素直になろうよ。だって家族なんだし問題ないじゃん。ってあれ?」

 

「「説得になってませんっ!!」」

 

「そうそう。武部さんの言う通り家族なんだからやましいことなんてないよ」

 

「シンちゃんに秀人君。この前もそう言いながら……おっとこれは内緒ね。いやらしいことなんてないんだから」

 

沙織の一言が火に油を注ぐことになったのだろう。二人の姉はこの一言を逃さずに利用し、弟たちに何らかの圧を掛ける。

どうしたらいいのか分からないみほと大友の二人は困った感じの表情でお互いを見つめ合っていると慎司が妙子に対してこう言った。

 

「ちくしょう。こうなったら……えいっ!妙子姉、好きだ」

 

「俺も好きだ。柚子姉」

 

「「二人とも大胆ね」」

 

二人の弟は何かが吹っ切れたのか、そのまま自分の姉を力強く抱きしめる。二人の姉は弟たちの大胆な行動にうっとりとしてしまう。

慎司がそのまま妙子の顔を見上げると微笑み掛けながらこう言った。

 

「妙子姉、ちょっと良いかな?」

 

「どうしたのシンちゃん♪」

 

「あのねお姉ちゃん。俺ちょっと……コンビニ行ってくるっ!!」

 

「待てよ慎司っ!!という訳で俺もコンビニ行ってくる。あばよ柚子姉」

 

「「……え?」」

 

二人の弟は姉たちをもう一度抱きしめ直すとその場から走り出して外に止めていたバイクに乗って天然温泉から離れていくのだった。

数秒経った後に状況を理解した二人の姉は頬を膨らませて目に少しだけ涙を浮かべつつ慎司と秀人の名前を呟きながらその場にへたり込んでしまった。

 

「まぁまぁ。二人ともお風呂で弟君の話を聞いてあげるから行こうよ。ね?」

 

「うぅ……ありがとうございます武部先輩」

 

「武部さんは優しいわね。小さい時のひで君みたい」

 

妙子と柚子は沙織に説得されてその場から離れて他の仲間がいる浴場へと向かって行った。大友はちょっとした一悶着が終わったことに安心すると同じようにその場から離れようとするが、みほが彼の手を握る。

 

「どうしました。みほ姉貴?」

 

「誠也君。その……私達も一緒にどうかな」

 

「えっ……いやいや。他の皆さんもいますし。そういうのはもっとこう何というか二人きりでないと……あっ」

 

大友はみほの思わぬ一言に動揺し、自身が思っていることをそのまま彼女に言ってしまう。それに対してみほはクスクスと笑う。

 

「ふふっ。誠也君の本音を聞けちゃった。今日は無理だけどまた今度ね。じゃあ皆のところに行ってくるね」

 

「ははぁ。これにて失礼しま……おふっ」

 

「隙あり♪バイバイ誠也君」

 

一旦別れようとした途端、みほは大友を後ろから抱きしめる。少し動揺する彼の反応を楽しむかのようにいたずらな微笑みを浮かべると、無邪気に手を振ってその場から離れる。対する彼も優しく微笑みながら彼女の姿が見えなくなるまで左手で手を振る。

 

 

 

 

大友は慎司と秀人の後を追いかけて校門の前までE-25で行くと、彼ら二人をはじめとする自身の組員達や平形や黒木といった勇彰會組員そして生徒会長の杏が何かを話し合っていた。

近づいてよく見てみると杏が複雑な表情で一つの案内状のようなものを持って困惑する少年たちを説得しているようにも見えた。

その横に戦車を止めて彼が降りるなり、少年らは深刻な表情で彼に詰め寄った。

 

「どうしたんだ一体?」

 

「親分かなりマズいことになりました。学校が……廃校に」

 

「なんやさっき文科省の辻とかいう人が来て大洗学園高等学校は今年の八月三十一日をもって廃校になる。みたいなことを言うてたんです。それにこれから明日までに学園艦から退艦しなければならないみたいで」

 

「なんだと。俺達はちゃんと優勝したのにか……文科省は虫が良すぎないですか?角谷会長」

 

水野と平形が大友に対し、あふれ出そうな感情を抑えているような表情で今起きている事態について説明する。対する彼も二人の言葉に動揺しそうになったが冷静に対処する。

 

「その通りだよ。おまけにこんなものまで押し付けて来たよ」

 

「高大一貫新校計画書。何でこんなものを……大洗学園廃校に伴い大洗学園高校の生徒の転学及び旧大洗学園艦出身者の入学斡旋ですか?」

 

大友は杏から高大一貫新校計画なる一枚の紙を受け取り、その内容を軽く確認する。内容を軽く説明するなら陸上にある公共施設を改修してできる私立の高大一貫校のことであり。

後押しには学園艦の建造などで有名な銘王造船株式会社や中学生戦車道界隈で有名な『統心機甲団(とうしんきこうだん)』といった団体が携わる予定のようだ。

 

「あの人の意図が分からないよ私にも。取り敢えず今は戦車道を選択しているみんなが集まりやすいようにするとか戦車を文科省の管轄下にさせないとか最善の策を練らないと」

 

「そうですね。勇彰會や組の皆も事務所にあるもので持ち出しやすいものやタンカスロンで使う戦車は市街地の貸倉庫に移動させよう。それに加えて混乱している各学科や委員会、クラブの方達を見かけたらその人たちを手伝ってあげるようにするんだ」

 

『……はいっ!』

 

唐突な事態に対する最善の策を尽くすために杏は大友に対してそう言いながら計画書を片手で軽く握りつぶしてその場を後にした。

彼も今自分達ができる最善の策として他に困っている生徒達の手助けや自分達が所有する戦車といったものの移動を速く済ませるための指示を出す。

双方の組員達も自分達の身よりも困っているであろう他の級友といった存在が頭に浮かんだのだろう。静かに返事すると、大友と共に最善の策を取るために行動を起こすのだった。

そして、この数時間後。今起きている事態を知る由がない杏以外の戦車道乙女達は廃校という事実を突きつけられることになったのだ。

それと同時に強欲な影に抗うための戦いが今、始まろうとしていた。

 

 




ありがとうございました。捏造設定が登場しましたが、後々絡めます。次回は第二十五話を投稿する予定です。
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