西住みほの舎弟が往く!ーたとえ世界が変わっても貴女についていくー   作:西住会会長クロッキー

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今回も捏造設定マシマシな上、原作よりも早く大洗連合結成です。
引き続きお楽しみください。


第三十話 欲深き者

文科省学園艦教育局局長・辻廉太は、銘王造船株式会社代表取締役・木下恒雄と大洗学園戦車道チームをいかにしてその配下に加えるべきか電話でやり取りしていた。

 

「総統、私的に大洗学園戦車道チームを大学選抜チームと総統が率いていらっしゃる統心機甲団で殲滅する予定のようですが。私に良い提案が有ります」

 

「良き提案とは何かね?倉橋君」

 

「この際、大洗学園戦車道チームだけでなく。必ずや大洗学園の助っ人に現れるであろう様々な学校の戦車道選手や江城連合会の戦車乗り達も新たな高大一貫校の配下に加えるべきなのです」

 

「ほぅ。素晴らしい。君のおかげで私にも良い考えが浮かんだよ」

 

木下の提案を受けた辻は静かに笑うと同時にさらに欲張った考えが脳裏に浮かんだのであった。

 

「大洗学園救援には私が様々な条件を付けた上で参加を許可するというのはどうかね。また、あの学校の戦車道チームの男子達は手強いようだから蚊帳の外に出してからうまく罠に嵌めてから試合に参加させるというのもありじゃないか?恐らく蚊帳の外に置かれた戦車道男子達は江城連合会を頼るはずだからな。義理人情に厚く任侠精神を掲げる江城連合会のことだ。絶対に精鋭メンバーを抽出して大洗救援に赴いてくるだろう。だからこそ彼らにも参加条件を提示するんだ」

 

「素晴らしいですな総統。それにもう一つ朗報があります。先日私は隣国から三輌の良い代物を入手致しました。それを総統が率いる統心機甲団に献上したいと考えています。して、その代物とは総統がかつて搭乗されていたIS-3……それも近代化された自動装填砲搭載型のIS-3Aともう一つがT-103重戦車。極め付けは様々な機能が自動化されたカール自走臼砲でございます」

 

辻の貪欲さをさらに助長するように木下は、自身のツテで入手した三輌の車輌を彼に献上する意思を伝える。

 

「流石だな。A型に至っては戦後改修型でタイミングが良い。最近戦車道連盟で一九四五年年末までに計画された戦車の戦後改修型および改造された型式の車輌や一部の戦後戦車も戦車道に参加しても良いことになったからね。そのテストも兼ねて使用するか。それにカールも自動化されているようだから考え方によっては戦車になるからな。ククク……」

 

「考え方によって……ですか。総統の権限なら出来なくも無いですからね。それではそろそろ例の廃艦に関する会議がありますので失礼いたします。早くねじ伏せて配下に加えられると良いですな」

 

「ああ」

 

辻は第六十三回戦車道大会終了直後、戦車道連盟において施行された新たなレギュレーションを思い出したのだろう。木下に自身の権力を誇張するかのように電話越しで不気味な笑い声を漏らしながら語る。

木下はこれからある会議の事を思い出したのか、辻に来たするような一言を残すと電話を切る。

 

「辻局長。大洗学園生徒会長・角谷杏様及び日本戦車道連盟理事長・児玉七郎様、蝶野亜美陸軍大尉殿、西住流家元・西住しほ様、戦車道連盟男子勧誘課課長・西住常夫様そして島田流家元・島田千代様がお越しになられています。応接室でお待ちしております」

 

「ご苦労。君はゆっくりしていても構わない(ちっ。よりによって戦車道の家元達だけでなく。来年度から戦車道連盟副理事長が内定している世良まで引っ張って来るとは……本当に面倒ばかりだ)」

 

辻は部屋に入って来た秘書を労うと同時に内心で毒を吐きながら腰掛けていた椅子から離れて応接室へ向かうのであった。

 

 

 

応接室では辻一人に対して杏や児玉、蝶野、しほ、常夫そして千代の六人で大洗学園の廃校に関する舌戦が再び起こり。

今回はしほや常夫、千代の三人から辻に対して戦車道の今後を交えながら大洗学園廃校に対する話題に話を移すのであった。

 

「辻局長、若手の育成なくしてプロ選手の育成は成しえません」

 

「右に同じく。今や諸外国の一部では再混合化によって戦車道の男女の比率が一対一になる兆しにあります。今回の件を強行すれば、男子のプロ選手育成の機会を損ねる可能性があります」

 

「したがって島田流家元である私としても。戦車道を嗜む男子の割合が他校に比べて高い大洗学園の廃校はどう考えても無益なものであると考えます」

 

「西住課長及び島田先生両名が仰るように。有望な少年少女らを育む機会が生まれようとしている学校を廃校にするのは先見性に欠けます。そしてその様に考えの隔たりがあっては、私がプロリーグ設置委員会の委員長を務めるのは難しいかと。それにまして少数精鋭に長けるチームを分散させる方が無益に値する上、可能性を自ら封じ込めることにもなるでしょう」

 

「し、しかし。プロリーグの委員会は今年度中に設立しないと我が国の誘致が難しくなります。それは御三方もご存知かと……それに少数精鋭と言えど、まぐれで優勝した学校ですし(これも計算のうちと言えどここまで来るとは。だが、ここで下がっては私と子供達の機甲団が覇権を握ることが出来ん)」

 

しほや常夫、千代からの問い詰めを自身の計画に他校の精鋭を加える計算のうちにしていたものの。

予想よりも強い抗議に押され気味であった辻は、三人に対して現実に関する事で紛らわそうとするが、敢えて口を滑らす事にした。

 

「戦車道にまぐれなし。在るのは実力のみです!どうすれば認めていただけますか?」

 

「……でしたら。私が率いる統心機甲団と大学選抜チームとの試合に勝利すれば考えます。それに少数精鋭性が事実なのかを確かめてみたいので五十輌対三十輌以上というのはどうですか?勿論、他校からの協力も許可します。ただし、そうする場合は貴学大洗学園戦車道チームも含めた大洗連合のチームはこちらの抽選という形に致します(待っていたぞ。統心機甲団の出番が来た。それに江城連合会も大洗に加担する口実が出来たはずだ)」

 

「分かりました。噂では口約束は約束ではないそうなので、今ここで誓約書を交わしてください!そして勝利すれば廃校の撤回をよろしくお願いします」

 

「ええ。今度こそ誓約いたします。早めではありますが健闘を祈りますよ角谷会長(上手くハメる事ができたな。あとは殲滅のみだ。私の子供達の力を思い知るが良い)」

 

こうして辻と杏達六人の交渉は終わりを迎えたのであった。しかし、この時。辻は自身の思惑が上手くいったことで高を括っていたが。

杏は彼の強欲さに屈しない意志を持っていたのだった。

 

 

 

統心機甲団は、現在文科省学園艦教育局長である辻廉太が私費を投げうって設立された戦車道チームである。その実力は社会人チームや大学選抜チームに太刀打ちできる程であり。

総統である彼に代わって実質的な隊長であり機甲団の元帥を務める『伊庭宏斗(いばひろと)』の指揮力も合わさってその影響は全世代の戦車道界に波及しつつあった。

また、その勢力も大きいものであり。辻が経営する孤児園たいよう園の生徒や後から加入した団員を含めるとその数は四百名である。

さてそんな統心機甲団の幹部団員達は、総統であり父である辻が招集をかけた事により。

機甲団の本部であるたいよう園の会議室に集まっていた。少年少女という年齢でありながらも玄人同然の面持ちである彼ら彼女らは辻が部屋に入るや否や軍隊式の挨拶で彼を出迎える。

 

「辻総統閣下に敬礼っ!!」

 

「すまないね。君達、何も総統じゃなくて“父さん"と呼んでくれても構わないよ」

 

「いいえ。それは総統に対して無礼かと……」

 

「ははっ。そう畏ることないよ宏斗。さて、議題に入るとしよう」

 

辻は自身の養子達が父親としてでなく。一つの軍団の指導者として自身の名を呼んでくれた事を嬉しく感じながら畏った表情で視線を合わせる少年少女らをフレンドリーな調子で労うと同時に上座に腰掛ける。

 

「さて、先日から君達に話していた高校生連合との試合の件だが。やはり確定してしまった。この件は私が前線に立って指揮を執ろう」

 

「つまり。お父様いえ、総統閣下ご自身が出撃されるということですね!」

 

「君の言う通りだよ玲名。今回は彼の優勝校、大洗学園から始まり。黒森峰女学園、聖グロリアーナ女学院、プラウダ高校、知波単学園、サンダース大学附属高校、アンツィオ高校、継続高校といった強豪の中でも精鋭の方達が連合を組んで私達と闘うのだ。また、我々の味方には大学選抜チームがついてくれる。だからこそ私が代表して君達の指揮を執る」

 

杏達を対応している時とは打って変わって冷酷な役人としてでなく。一つの家庭の親のように幹部の一人である『吉良玲名(きられいな)』の質問に丁寧に答える。

 

「総統閣下いや父さん、その試合の目的は一体」

 

「そうだったな。今回の目的は第六十三回高校生戦車道大会終了直後、戦車道連盟にて議決された一九四五年年末までに計画された戦車の戦後改修型および改造された型式の車輌や厳重な審査を重ねた上、運用可能になった一部の戦後戦車が戦車道において相応しいかどうかという実証を兼ねて行われることとなったからだよ」

 

「なるほど。ということは、こちら側も一部の戦後戦車を運用することになるのか」

 

「ああ。その通りだ。この事には大洗学園の戦車道チームの生徒会長や戦車道連盟の児玉理事長が喜んで賛成してくれたよ。蟠りは一切ない。という訳で皆んな。私や宏斗と共に頑張ろうではないか。会議は以上だ。他に質問は?」

 

『異議なし』

 

「では閉会する(流石私の子だ。宏斗、お前の鋭さこそ今後の日本戦車道に相応しい)」

 

養子達の中で特に辻が溺愛している伊庭が表情を少し曇らせながら試合が行われる理由について聞くと、辻は本当の理由を語らずに建前での理由で伊庭を含めた子供達に語るのであった。

こうして辻と子供達との会議は閉幕し、彼と伊庭を残して子供達は退室していった。

 

「他の子供達もそうだが。宏斗、お前は私にとってかけがえのない存在だ。そこで頼みがある。私と旧友の木下代表が計画している高大一貫校の戦車道チームの隊長をお前にやって欲しいんだ」

 

「父さんと木下さんには昔、世話になったから喜んで引き受けるよ。だけどその前に。今度の試合は本当に蟠りは無いんだよね?」

 

「無いさ。まさか世間を賑わせている廃校騒ぎのことか?大丈夫、私は逆に廃校を撤回する理由も作ろうとしているんだ」

 

「……分かった。父さんがそこまで言うなら僕は信じるよ。父さんと久しぶりに前線に行けるなんて嬉しいから」

 

「ああ。期待しているぞ宏斗」

 

伊庭は父である辻が考えている思惑に気付きつつも敢えて追及せずに何気ない親子の会話を交わすのであった。

それから辻は他の子供達の後を追って退室する伊庭の背中を見つめながら小さく呟くのであった。この時の彼は役人や総統としてでなく一人の親として伊庭を見つめたのであった。

 

 

 

試合の取り決めから二日後、大洗学園戦車道チーム車長会議は紛糾の様相を呈していた。

紛糾の発端は大洗学園連合チームの車輌数が最低量の三十輌しか抽選されておらず。その上、大友達戦車道男子が全員抽選外だったのだ。

一方、どう考えても統心機甲団・大学選抜チーム連合は五十輌という数の暴力であった。

 

「五十輌対三十輌ってどう考えても戦争やないかっ!!辻のダボ、ええ加減にせえよ」

 

「兄貴っ!落ち着くんや。せやけど、三十輌以上は絶対言うたわりに最低数ってなんやねんな。俺らの事をなめくさりおってあのボケ」

 

普段は穏やかで優しい性格の平形と黒木の二人は、辻から送られてきた大洗連合チーム抽選結果を見るや否や滅多に見せない怒りの姿と怒鳴り声を上げる。

 

「勇武、彰。二人とも……気持ちは俺にだって分かる。最悪少数精鋭運用を得意とするみほ姉貴や他のみんなの策に賭けるしかねえのが現状だ」

 

「戦車道男子のみんな。ごめんね……私もすごく悔しい」

 

「なんも会長が謝ることやありません!悪いんは辻のアホウです!」

 

「ウチらも怒鳴り散らしたりしてすみません!兄貴、こうなったら出来る限り手を尽くすしかありません!」

 

「せやな。会長、ウチらに出来ることがあったら何でもやりますんでお申し付けください」

 

大友と杏が共感しながら二人を宥めていると、平形と黒木は普段の落ち着きを取り戻したのか。

今度は二人が杏に詫びながら出来る限りの事について考え始めると、大友が何かを思いついたかのように二人に声を掛けた。

 

「勇武、彰。相談したい事がある。みほ姉貴、皆さん。俺たち戦車道男子はちょっと外させてもらっても良いですか?」

 

「誠也君……」

 

「姉貴、こんな所まで来て申し訳ないのですが。あとは、抽選された皆さんでの話し合いということでお願い申し上げます。河嶋さん、勝手を言って申し訳ないのですが。河嶋さんにしばらくの間、副隊長を務めて貰いたいのですが」

 

「ああ。任せろ。いい案を探してくれることを期待しているぞ」

 

「はい。では、失礼いたします」

 

こうして戦車道男子達は部屋を後にすると大友に連れられ、自分達の戦車の前まで来たのであった。

平形や黒木、長瀬が大友に話しかけようとした途端。大友はそのまま三人の方を向いて軽く頭を下げる。

 

「勇武……俺たち大友連合会を江城連合会に加えてくれ。肩書きはどうだっていい。こうなった以上、あの人に頼むしかねえ」

 

「大友の兄貴……頭を上げてください。江城連合会一門八六九〇人に大友の兄貴を嫌いな奴なんて居りません。九代目や他の兄弟は皆んな兄貴を尊敬してます。それに江城連合会の誰よりも強い兄貴を肩書き無しで出迎えることは出来ません」

 

「そうです。あの人なら兄貴を絶対に歓迎します」

 

「大友の兄貴なら大丈夫です。平形の兄貴に任せてください!」

 

三人は大友の両手を握ると、二つ返事で彼を歓迎する様子を見せた。平形の言葉の通り、勇彰會の面々はその言葉を待っていましたとばかりに優しく微笑む。

 

「親分。是非、江城連合会に入りましょう。今が潮時です」

 

「皆んな。ありがとう。早速で悪いが、江城連合会本部まで向かうぞ」

 

「「はいっ!!」」

 

三人の兄弟分や水野を始めとする子分達の説得もあり。大友は江城連合会に加入する意志を固めて子分達と共にその本部へと向かったのであった。

 

 

 

平形と黒木の案内で江城連合会の本部に到着すると、江城連合会側でも大洗連合救援の段取りをしていたのだろう。

統心機甲団や大学選抜チームが保有する戦車に太刀打ちできる戦車が十二輌程駐車場に並んでいた。

さて。本部に到着した大友を待っていたかのように、一人の貫禄のある少年が彼らに気付くと。優しく手を振りながら近づいて来た。

大友や平形、黒木も彼の存在に気付いたのだろう。膝に手をつけて頭を下げる。

 

「誠也、元気やったか?色々大変やったな。それに勇武と彰も元気にしとったか?」

 

「お久しぶりです。三上組長。舎弟頭たるお方が自ら迎えてくれるなんて」

 

「「ご苦労様です!三上の親父」」

 

彼を出迎えたのは、九代目江城連合会の舎弟頭かつ直系・三上組組長である『三上栄一(みかみえいいち)』であった。

この三上という少年は平形や黒木が戦車乗りになるきっかけになったと同時に勇彰會の出身母体である三上組組長だ。また、現九代目江城連合会の最古参の組長であり。同級生である柏間や佐谷からも尊敬されており。敬称付きで呼ばれていたりする。

 

「まあ、立ち話も何やから会議室に行こか。それと勇武だけやなくて彰も九代目から話があるみたいやで」

 

「九代目からですか……ほな行きましょうか」

 

大友や平形、黒木は三上に案内されて会議室へと向かって行くのであった。三上が会議室の扉を開くとそこには、大友が一戦を交えて来た戦友達が彼を待っていたのだ。

その中でも一際目立つ存在であったのが九代目会長……桐村遥馬の存在であった。

 

「大友さん。遂に江城連合会入りを果たされるんですね」

 

「ええ。九代目いや、他に居る皆んな。今日から改めてよろしく頼むよ」

 

桐村が大友を労いながら平形が座るはずの総本部長席に彼を座らせる。大友が一通りの挨拶を終えた頃にようやくそれに気づく。

 

「あれ?ここは勇武の席であり。江城連合会という組織のナンバースリーに値する総本部長の席のはずじゃ……」

 

「水臭いこと言うなよ大友の兄貴。あんたに見合った席だから良いに決まってんだろ?」

 

「そうですよ。大友さん。あなたは本部がある大洗の大洗学園に通っているし何より今まで少数精鋭運用を得意として来ましたからね」

 

「せやで大友ちゃん。これからお前の大友連合会はさらにデカくなるはずや。それに若頭補佐や並の幹部じゃ勿体ないからのう」

 

「そうですよ大友の兄貴。兄貴なら上手くやれます!」

 

「他の皆んなの言う通りだ。会長の九代目や若頭の俺ときてその次の総本部長はお前が良い決まっているだろ」

 

畏って遠慮気味になりかけていた大友を後押しするかのように。浜崎や獅堂、佐谷、拓実、柏間達が彼を励ましていく。

戦友達の励ましや期待に応えるべく大友は席から立ち上がると同時に他の戦友達に語り始めた。

 

「皆んなありがとう。この場を借りてこのような事を言うのも何だが。俺は愛するみほ姉貴や一度一緒に勝利を勝ち取った皆んなの笑顔、大洗学園を取り戻したい。だからこそここに居る皆んなの力を借りたい。もうここに居る皆んなは聞いているかも知れないが。大洗連合三十輌に対して敵さんは五十輌という戦争そのものというべき数で勝負を挑んで来た。さらに生意気を言わせて貰うとしたら、弱きを助け強気を挫く任侠精神を重んじる江城連合会として立ち上がるべきだと思う。たとえそれが罠だとしてもだ」

 

「大友さん。あんたの言う通りだ。俺たちはもうすぐ百年になろうとしている戦車道の伝統を黎明期から支えてくださっている戦車道乙女の皆様や世間様あっての江城連合会だ。そんな三十対五十なんて筋が通らねえことを阻止し、共に大洗学園廃校を阻止しようとする戦車道乙女の皆様に助太刀しようじゃねえか。異議を唱える者は?」

 

『『異議なし!!』』

 

「ではこれより二日後の大洗連合救援の準備開始とする。粉骨砕身で試合に挑むように!」

 

『『押忍!!』』

 

大友と桐村による決意表明から始まって江城連合会の面々は大洗連合救援の意思を再確認すると同時に戦いに身を投ずる江城連合会の戦車道男子の眼となった。

 

「次に人事について発表する。先ず勇彰會総裁・平形勇武殿を舎弟頭補佐に任ずる。次に勇彰會内黒木組を直系昇格と同時に組長、黒木彰殿を若頭補佐とする。安斎組組長・安斎拓実殿及び二代目桐村組組長『堂島大生(どうじまだいき)』殿を本部長補佐に任ずる。佐谷組組長、佐谷吾朗殿を若頭補佐筆頭から舎弟頭に任ずる。不肖三上組組長たるワシを江城連合会本家最高顧問とする。そして最後に新たに直系・大友連合会として加入する大友誠也殿を総本部長に任ずる。この人事決定に異議がある者は挙手されたし」

 

『『異議なし!!』』

 

「では、本日この時をもってこの人事とします。それではお席をご移動ください」

 

こうして江城連合会の新しい人事が決定したのであった。江城連合会の面々は大友の事を信用した上で彼に総本部長を任せたのだ。

 




ありがとうございました。次回から大学選抜&統心機甲団戦に突入です。
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