西住みほの舎弟が往く!ーたとえ世界が変わっても貴女についていくー   作:西住会会長クロッキー

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ご覧いただきありがとうございます!
今回も原作と違う点が多々あります。引き続きお楽しみください!


第三十二話 落とし前をつけてやる。覚悟しろ!!

大洗連合チームの大きな動きとして中央部を高火力な戦車で編成された

ひまわり中隊の戦車が前進していた。

この中隊の眼となる軽戦車や快速戦車が先陣を切っており。安倍の五式軽戦車・ケホを先頭に獅堂のLTTB、佐谷のM16/43・サハリアノの三輌が無線で周囲の状況を知らせながら前進していた。

 

「前方に統心機甲団のT-44-100が四輌及び大学選抜のパーシングが五輌の合わせて九輌が周囲を警戒しています。また、敵の偵察車輌にも注意されたし」

 

「了解。先行する三輌にも余裕があったら敵の目を潰してもらいたい。引き続き霧隠れする気で行くぞ」

 

『了解』

 

三輌だけでなく。残りの戦車の車長達もいつでも指示が出せるように周りの警戒を強めている。

大隊長であるみほの指示を中心に合わせて四つの中隊の戦車が中央部を突破しようと前進している。

そんな中、東部の平原を前進しているたんぽぽ中隊が早速敵の中隊と遭遇し、交戦が始まるのであった。

 

「拓実君、九代目!射程圏内に入らないように微速で後退しながら攻撃するぞ。大宮君は近くのローズヒップさんを援護してやるんだ!」

 

『了解』

 

「任せてください本部長!ローズヒップさん。こっちやで!」

 

大友の指示を受けた三輌のうち、三上組若頭の『大宮和義』が搭乗するM4・FL10は、慌て気味に後退するクルセイダーの右後ろから援護射撃を行う。

堅牢な正面装甲を頼りに斜め右方向から前進して来た二輌のT44-100は、M4の援護射撃により足止めされることになり。二輌は体勢を立て直そうと全速後退を開始するのだった。

大友や桐村、拓実がこれを見逃すわけがなく。攻撃が一時的に止んだ二輌の履帯に三輌の戦車が砲撃を浴びせる。

全速後退中だったためか、履帯が外れた際に大きくスリップしたことから車体側面を晒す結果となり。

チャーチルとP43.terから砲撃を浴びせられて撃破されてしまう。これ以降は睨み合いが続く膠着状態となった。

 

 

 

西部の森林地帯を前進していたあさがお中隊も同じ規模の敵中隊と遭遇した後に交戦が始まっていた。

この時の敵側の編成はT-44-100中戦車が五輌、SU-101が四輌、SU-122-44が一輌、パーシングが四輌、M24チャーフィーが一輌という内容だった。

レギュレーション改訂後に使用可能となった戦車も混ざっていることから早速あさがお中隊の面々は会敵当初こそ苦戦を強いられていたいたものの、体勢を早急に立て直して撃ち合い始めた。

 

「こちらケイ。絹代、修太郎達知波単ズは回り込もうとしてくるパーシングを抑えて。私達サンダースとラビット達大洗はスナイパーを一輌でも仕留めるわよ!」

 

「心得ました。我ら知波単はパーシングを足止めするぞ。ホリ車と細見と玉田の二輌は身を隠して強襲の準備だ。先輩、私と一緒に」

 

「ああ。機会があれば逆包囲したいところだ」

 

あさがお中隊の隊長であるケイの指示を受けた絹代達は生い茂った草木を頼りにパーシング迎撃に向かった。

途中にある茂みが特に濃い場所では二輌のチハ改とホリがエンジンを切って身を隠し、絹代が搭乗するチトと柏間が搭乗するチリが坂道で敢えて砲塔だけを出してハルダウンで待ち構えているとチャーフィーを先頭に大学選抜側のパーシングが達が現れた。

 

「まだだ……慌てるなよみんな。まだだ……」

 

絹代が無線機を片手にそう呟きながら砲撃の機会を伺っている。その間にもチトとチリを捕捉した五輌の戦車が全速力で向かって来る。

間も無くして五輌の戦車が細見達が身を隠している茂みの前を通り過ぎると、その茂みから勢いよく三輌の戦車が飛び出し、思わぬ形で敵と遭遇した大学選抜の五輌は先にこの三輌を殲滅しようとしたのか。

五輌は車体を三輌の方に向けるとハルダウンしていた二輌が同時に飛び出して砲撃を開始した。

 

「今だ!くさびを打ち込めっ!」

 

チトとチリの二輌が砲撃を始めたと同時に後退しようとしていた五輌に対して他の三輌も砲撃を始めたこともあってか包囲殲滅される形となった。

なお、この時。チャーフィーが装甲が厚い一輌のパーシングを先頭に包囲を脱出し、去り際にお返しとばかりにホリを撃破する。

結果として知波単側の砲弾を弾ききった一輌のパーシングとチャーフィーを逃すこととなり。絹代達が撃破できたのは三輌のパーシングだった。

 

「一輌撃破!統心機甲団は後退を開始してます!」

 

「こっちも一発仕留めた!でかしたぞ水野。逃すかよ!」

 

「崇!援護するわ!」

 

砲撃戦の中。水野のT-40が統心機甲団側のT-44-100を一輌撃破し、それに続くように浜崎のM18も逃げ遅れたSU-101を撃破する。

機甲団側は体勢を整えようとしたのか、そのまま後退して元来た道を辿り始める。

T-40やM18、アリサのM4A1は追撃を開始したものの。惜しくも機甲団に逃げられてしまうのだった。

 

 

 

たんぽぽ中隊とあさがお中隊が敵と交戦している中、まほが率いるひまわり中隊は中央部の高地を奪取し、攻撃の配置に着き。

砲撃の準備を整えて狙撃で両チームの援護を始めようとした途端、中隊の戦車の至近距離で大きな爆発が起きた。

 

「なんなのよこれ〜っ!!」

 

「頭上から?これは自走砲しか考えられないぞ」

 

カチューシャが唐突な砲撃と爆風に困惑している傍ら、彼女の警護役に当たっている獅堂が冷静を保ちながら的確な一言を放つ。

 

「まほ君。ここはもうやばいで!惜しいけど早よ離れなもう一発来るかもしれんで!」

 

「そうだな。総員、後退せよ!」

 

佐谷は周囲が混乱に包まれる中、真っ先に中隊の安全を考え。まほに撤退を進言する。

彼女は彼の言う通り。中隊のメンバーに退却の指示を出す。まほを始めとする中隊のメンバーは、急いで高地を下り始めるが。

小梅のパンターだけが配置についた場所からうまく後退できずにいた。

 

「さっきの砲撃でうまいこと前進できない。どうしよう……」

 

「小梅ちゃん!俺のサハリアノでけん引したるからもう一踏ん張りや!」

 

「はい!佐谷さん」

 

彼女が打開策を考えていると、隣の窪地で配置についていた佐谷が後退できない小梅に気付いたのか。

サハリアノの後部をパンターの前面装甲に向けると、連結器で素早く戦車同士を連結する。

 

「そのまま全速力で行くで!しっかり掴まっとくんや!」

 

「分かりました!」

 

しばらくして小梅のパンターが佐谷のサハリアノに牽引されて全速力で斜面を降り始めると、パンターの背面装甲すれすれに先程と同じ爆風が伝わる。

小梅が背後を改めて振り向くと、戦車の主砲から放たれたとは思えないくらい破壊力が凄まじいことを物語る光景が目に入る。

高地の頂上はすっかり禿山とかし、辺り一面には砂埃が舞っていた。

 

「もう離してええやろ。何ともなくてよかったわ」

 

「ありがとうございます!佐谷さん!(もしかして……あの時の)」

 

高地を降った先の街道で他の仲間が待っているなか停車し、佐谷は連結器を素早く切り離しながら小梅の身を心配する。

彼女は危機一髪というところで彼に助けられたことに対して感謝の言葉を口にしながら内心でかつて自身を助けてくれた少年の事を思い浮かべる。

再びひまわり中隊が前進し、たんぽぽ中隊に合流すべく峠道を進んでいると、いくつかの砲弾がそれぞれの戦車の装甲を掠め始める。

 

「右方向に大学選抜のパーシングが七輌、左方向から統心機甲団のT44-100が四輌、SU-101が三輌接近……合わせて十五輌が接近中です。敵は恐らく包囲網を形成する模様!また、それに合わせて北東からの砲撃も激しくなってきています!」

 

「了解。先程の砲撃は中隊をこの包囲網に誘い込む事が目的だったのか。各車全速力で振り切るぞ」

 

ケホに搭乗する安倍が中隊長のまほに敵車輌の数を報告しながら先程と同じ砲撃が飛んでくる位置も報告する。

 

「くそっ。このままじゃ最後尾を守るカチューシャさんが危ない。ここは俺が行くしかないか……ノンナさん」

 

「どうしました。義孝君?」

 

「俺が囮になります。早く他の皆さんと逃げてください」

 

「ちょっと?!タカーシャ、囮になるってどういうことよ!」

 

「義孝君。それなら私も一緒に。ご機嫌よう。カチューシャ様、ノンナ様……一緒に戦う事が出来て光栄でした」

 

「それなら。あたしらKV-2も足止めのために出るべ。カチューシャ様、早くにげてくだせ!」

 

「……二人ともすみません。では、共に行きましょうか」

 

「クラーラ、何よその流暢な日本語は!それにかーべーたんのニーナ達までどうして?!」

 

獅堂のLTTBが一度停止したかと思えば、そのまま敵が来る方向へと旋回し始める。

無線で困惑するカチューシャをよそにT-34-85に搭乗するクラーラやKV-2に搭乗するニーナやアリーナ達までもが自身が搭乗する戦車を敵が来る方向へと向ける。

 

「何をする気?早く来なさい!差し違えるなんてダメよ!」

 

「いいえ。全員は無理そうですからノンナさんと一緒に行ってください」

 

「カチューシャ、ここは残念ですが義孝君達の言う通りにしましょう。大丈夫、貴女を一人にしません」

 

「カチューシャさん、ノンナさん。勝手な真似をしてすみません……俺も戦車道を嗜む者の端くれ。気持ちだけでもそっちに居られるかな?」

 

カチューシャはそのまま戦車を走らせながらも。敵の方へ向かっていく獅堂達を引き戻そうと無線機に向かって涙声で引き留め止めるのだが。その間にもLTTBやT34-85、KV-2の三輌は迫りくる敵車輌の方へ突き進んでいく。

ノンナは差し違えてまでカチューシャや他の中隊のメンバーを守ろうとする彼ら彼女達三人の意を汲むことにしたのか。

同じようにカチューシャを説得することを選択した。

 

「………退却するわ。タカーシャ、クラーラ、アリーナ、ニーナ。あんた達怪我でもしたら許さないんだから……っ……っ……」

 

『『За Правду』』

 

カチューシャは四人の意志が身に染みたのか。この時の彼女は四人に対する感謝の感情もあったものの。

四人を見捨てるような気もしたのか、若干の罪悪感が声にも滲み出る。カチューシャが涙声でそう言い残すと獅堂達がロシア語でそう言いながら姿を見せた敵戦車に向かって自分達が乗る戦車を前進させる。

敵は恰好の的が現れたとばかりに三輌を集中砲火を浴びせようとするのだが、機動力が高いLTTBとT-34-85の二輌に翻弄され始める。

この時の天候は雨だったため。

二輌は、峠道のカーブを滑るように走りながら平原から現れる敵車輌を撃破したのちにバリケード代わりなるかのように側面を向けて狭いカーブに停止してもう二輌の戦車と差し違えるのであった。

LTTBとT-34-85が撃破された後に体勢を整えようとしていたSU-122-44の履帯を切断したKV-2も大学選抜チームと統心機甲団の戦車による集中砲火に晒された後に撃破されてしまった。

だが、この三輌の戦車に搭乗していた獅堂やクラーラ、ニーナ、アリーナ達が起こしたこの行動は決して無駄なものではなかった。

敵チームの足止めとなっただけでなく、ひまわり中隊の面々そしてカチューシャが逃げ切ることができたのだ。

 

 

 

一方、杏が率いるどんぐり中隊の面々はひまわり中隊を砲撃した原因を突き止めるべく。

中型トラックがやっと一台通れるほどの道幅の峠道を身を隠しながらさらに奥深くへと進んでいるうちに戦車砲にしては大きすぎる発砲音がどんぐり中隊一行の耳に入ってくる。

 

「まさか国防軍の九九式自走155mmりゅう弾砲なんて持ち込んでるわけな……ってあれは?!カール自走臼砲っすよ!!」

 

「嘘やろ。あんなバケモンを統心機甲団が保有してたやと?」

 

「それだけじゃないっすよ黒木の叔父貴!カール自走臼砲の他にT-103重戦車といった高火力な戦車やカールがいる場所を決戦場にするつもりなのか、要塞のようなものを築いています!」

 

「くそっ!どれもウチの中隊じゃ敵わないじゃねえか」

 

C.V.38のペパロニが身を乗り出して砲声がする方向に双眼鏡を向けると、小規模な町の跡と思われる川が流れる開豁地の高台に一輌のカール自走臼砲が鎮座していたのだ。

中隊一行は、戦車をバレないように停車させた後に同じように身を乗り出して双眼鏡で開豁地の方を見つめ始めた。

カールを守るようにして展開するT-103重戦車や五輌のT-44-100中戦車、三輌のSU-101駆逐戦車そして一人の男……辻がIS-3A重戦車から身を乗り出して自身が率いる機甲団の団員達に指示を送っている姿も目に入った。

敵に高火力な戦車が揃っている以上、どんぐり中隊の勝率はかなり低かった。だが、ここでどんぐり中隊の面々に救いの手が差し伸べられた。

 

「どんぐり中隊のみんな!俺たち大友組が今すぐそっちに向かうから上手くタイミングを合わせて攻撃を始めようぜ。大友一門全員集合っ!!」

 

『『はいっ!親分』』

 

「それは名案だな!頼んだぞ大友!」

 

「河嶋さん。ありがとうございます。では、どんぐり中隊の皆さんに助太刀します!」

 

大友率いる大友連合会の面々がどんぐり中隊の助太刀になることになり。各中隊に散らばる大友連合会幹部達が元気よく無線で返事する。

同じように桃も喜色に溢れた声で彼の提案に賛成するのだった。程なくして各中隊に属する大友組メンバーがどんぐり中隊に合流すべく移動を始めたのであった。

 

「誠也君、必ず戻ってきてね……とても頼りにしているから」

 

「必ず戻ります。みほ姉貴。九代目、大宮君。俺の代わりにみほ姉貴を守ってくれないか?それと勇武、俺と一緒に来てくれないか?」

 

「はい。大友さんに代わってみほさんをお守りします」

 

「分かりました叔父貴。絶対に敵は寄せつけません」

 

「了解やで兄貴っ!勇彰會も全員集合や!」

 

『『押忍!!』』

 

「……(さあ、辻総統……落とし前をつけてやる。覚悟しろ!!)」

 

大友は大隊長であり愛するみほの言葉を静かに受け止めると、頼りにしている桐村と大宮の二人に彼女の護衛を任せるのであった。

それから舎弟頭補佐の平形を連れてどんぐり中隊の助太刀や辻に対するケジメも兼ねて要塞化された開豁地へと向かっていくのだった。

 

 

 

 

要塞化した開豁地で自分達の方に向かってくるであろう敵を待ち構えていた辻はIS-3Aのキューポラから身を乗り出してタブレットを片手に敵を殲滅するシュミレーションに耽っていた。

すでに敵の戦車を四輌ほど撃破し、敢えて一部の団員に油断させたうえで。敵の慢心を誘い込もうとしていた。

 

「このまま敵は我々の場所を発見し、総攻撃を仕掛けてくるはずだ。迎撃を怠るなよ諸君」

 

「了解。父さ……いえ、総統。敵が総攻撃を仕掛けてくることはあり得ると思いますが、逆に捨て身の特攻とばかりに少ない数の敵が高火力なカールやT-103重戦車そして機甲団総統車であるIS-3Aを狙いに来たらどうされるつもりですか」

 

「良い質問だ宏斗。そんなこともあろうかとこのカールに続く橋を私の戦車で砲撃して破壊するつもりだ。無論、ただ突撃して来るだけの馬鹿が来たらね……ククク」

 

「そうですか……(父さんの様子が変だ。まるで何かに取り憑かれているようだ)」

 

辻の指示を耳にしていた伊庭は、彼の指示が疑問に思ったのか思ったことを口にする。

辻は相変わらず不敵な笑みを浮かべながら殺意も感じられる音調で彼の質問に答えるのだった。

この時伊庭は、これまで信頼し慕ってきた彼が自分達の前で見せたことがないであろう恐ろしさすら感じる表情と声で彼の異常を感じとるのだが、そのままそっとしておく事にするのだった。

 

「辻総統、敵戦車が五輌接近してきます!E-25及びT-40、KV-122、五式軽戦車・ケホ、strv/m42です。総員迎撃開始っ!」

 

「任せましたよ。T-103とカールも攻撃開始。三輌を木っ端微塵にしなさい(血迷ったか……我が軍団の恐ろしさを教えてやるっ!!)」

 

警戒に当たっていた一輌のT-44-100が大友や水野、平形達が搭乗する三輌の戦車を捕捉すると同時に総統である辻に報告する。

彼はドス黒さが滲み出た笑みで指示を出しながら内心で殺意を剥き出しにするのだが。

辻の理想と彼の軍団の最強神話も間も無くして終わりを告げるのであった。

彼のIS-3AはT-103やカールなどと共に三輌に向けて砲撃を開始するのだが、三輌は岩や廃墟などを巧みに利用して砲撃を回避するのであった。あたかも天の加護を受けているかのように。

 

「おかしいぞ。こっちまでたどり着くまでに近い道には待ち伏せを置いていたはずだ。それどころか待ち伏せている戦車の後ろに回り込んで撃破しているじゃないか。総員、逆包囲を始めるんだ!」

 

「すみません!四号車撃破されました!」

 

「同じく七号車も!」

 

「こうなったら私が行くしかないようだな。カールが砲撃を開始する。無差別砲撃だから総員注意せよ!」

 

辻のもとに次々と仲間が撃破された報告が上がって来る。堪忍袋の緒が切れた彼は自らが搭乗する戦車を前進させながらカールに無差別砲撃を指示するのであった。

 

「こちらワニさんチーム。敵のIS-3が廃墟跡に向かいました!どんぐり中隊の皆さん!今です」

 

「りょーかい。どんぐり中隊前進!」

 

どさくさに紛れて川の近くでカモフラージュを施していた長瀬達ワニさんチームは、辻のIS-3Aの様子を監視しており。

彼が自ら前線に上がったところを確認すると、同じように峠道で身を隠しながら大友達の三輌に敵の情報を送っていた杏は長瀬の合図を聞くと同時にどんぐり中隊を前進させるのであった。

カールとT-103が鎮座する高台に続く橋に向かってBT-42を先頭に飛び出してT-50、M16/43・サハリアノ、C.V.38を積んだ八九式中戦車、五式軽戦車・ケホ(福田車)そしてヘッツァーが続く。

 

「しまった。T-103、橋を戦車ごと崩せ!それにもうすぐ吉良副隊長の増援が到着するからなんとかしろ!」

 

カールの搭乗員がT-103に指示を出すとT-103がどんぐり中隊の面々の方に向けて旋回しようとするものの。

高台と廃墟跡を繋ぐ坂道の方から突如現れたstrv/m42ともう一輌のケホによって撃破されてしまい。

程なくしてカールも至近距離で撃破されるのであった。

 

「木村ちゃん、安倍ちゃん。ありがとうね。さーて私達もケジメをつけに行こうか河嶋、小山、王ちゃん」

 

「「「はい!!」」」

 

杏が率いる亀さんチームは他のどんぐり中隊メンバーに高台を占拠させると廃墟で追跡を繰り広げる大友の援護に向かうのであった。

 

 

 

大友が乗るE-25は、オートローダー化されたIS-3Aと対峙していた。ただでさえ高火力な122mm砲から通常よりも早い発射速度で放たれるため、廃墟群を巧みに利用しつつ反撃のチャンスを伺っていた。

 

「もうすぐで会長達カメさんチームが時計塔跡に到着する。そこで片を付けるぞ」

 

「こんなものが使用可能になるなんて時代の変化を感じるよ。おかげでいつもより回避行動が増えた気がするよ」

 

操縦手の我妻が廃墟群の中にある時計塔に向かって進んでいると、その近くで待ち伏せているカメさんチームのヘッツァーが目に入るのだった。

 

「よし、Uターンで突っ込むフリをして会長に撃破してもらうぞ。武、また行進間射撃になるが砲撃も頼んだぞ」

 

「ああ。腕がなるよ。なんてったて相手は大物だからな」

 

E-25は時計塔の近くでUターンすると、そのままゆっくりと姿を表せたIS-3Aの方へ向かって全速力で進み始めるのであった。

相変わらずのようにIS-3Aも自動装填を頼りに行進間射撃で進んでいたが、時計塔の手前で左の履帯を切断されて前進できなくなってしまう。

 

「会長今です!」

 

「はいよー」

 

履帯が切断された場所の隣にあった納屋から飛び出してきたヘッツァーがIS-3Aの車体後部に砲撃を浴びせて撃破するのであった。

 

「くっ……馬鹿な……私が戦車の性能に頼りきっていたのか……?」

 

撃破されたIS-3Aの中で辻は己が乗る戦車の性能に頼りきっていたことにようやく気付くのであったが。

同時に彼に終わりの時が訪れたのだった。

突然上空から一機の警察用ヘリコプターが現れたと同時に試合中断の旨を伝える無線が両チームの戦車に流れるのであった。

 

「辻局長、あなたを共謀罪で逮捕します」

 

「……どういうことなんだ?」

 

「父さんが……逮捕?」

 

「いずれ来ると思いましたよ鬼瓦警部……私の負けです」

 

間も無くして警察のヘリコプターが降下したかと思えば後部座席から鬼瓦が逮捕状を片手に現れたのだ。

大友は目の前の光景に追いつけていないのか、今目の前で起こっている光景に呆気を取られ。

その直後に辻を援護しようと現れた伊庭は父が逮捕されるという事実に直面したのか言葉を失う。

対する辻は何かを悟ったかのように鬼瓦の前まで行くと両手を差し出したのであった。

 




ありがとうございました。次回は辻さんの過去(捏造&オリジナル)を主な話にしていきたいと思います。
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