西住みほの舎弟が往く!ーたとえ世界が変わっても貴女についていくー   作:西住会会長クロッキー

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今回で最終話になります。
引き続きお楽しみください!


最終話 愛する貴女といつまでも

大友は試合終了後、伊庭と二人でチームメンバーから離れて互いの健闘を称え合いながら今後の事について話し合っていた。

 

「やはり。テレビでも観たように大友さんは強い人でした。戦っているこちらとしても気持ちが良かったと思っています」

 

「ああ。こちらこそ吉良さんとの連携プレーや緒戦での総力戦にはひやひやしたけど。流石、社会人チームと渡り合えるだけあるな。こんな事を聞くのもなんだけど……そっちにいる男子は良かったら江城連合会の系列組織で拾いたいと思っているんだ。君達がその気なら是非来てくれないか?」

 

「それには僕も同意します。しかし、玲名といった女の子達はどうすれば……」

 

「それなら。俺に任せてくれ。西住流や島田流の門下生になれるように掛け合ってみるさ。この際、女子だけじゃなくて。男子でも他の戦車道流派に関心があるならそこの門下生になれるように算段するからよ。安心してくれ」

 

「ありがとうございます!貴方ならそう言ってくれると思いました!そろそろ時間ですから。またお会いできる日を楽しみにしています!」

 

「ああ。達者でな」

 

今回の一件はしばらくのあいだ辻として生きて来た神宮征四郎が起こした起こした事件ではあったものの。

彼と心を通わせ信頼し合った。子供達の新たな居場所は幾つかに分かれた。これまで通りたいよう園に在籍しているものの。総帥不在となった統心機甲団は解散した。

後に女子団員は大友の仲介によって西住流もしくは島田流の門下生となり。

男子団員は若干名が前者のように関心がある戦車道流派門下生となるか江城連合会系組織の勧誘に応じて日本本土にある戦車戦フィールドの治安維持に尽力すべく。

系列組織の幹部待遇で迎えられた者達は組織のため、世間のために動いた結果好感を得たのだった。

 

 

 

佐谷吾朗はかつて自身の命をかけて助けた小梅にその事を悟られたくなかったのか。

いつもの戦車バカの精神で修理し終えたばかりの愛車であるサハリアノの砲塔の上に立ち、目が合った江城連合会幹部達に勝負をふっかけまくっていた。

 

「コラァ桐村ちゃん!チヨ姐さんや他の隊長さんらとイチャイチャしてんとコメットに乗って掛かって来いや!それに大生も逸見くんとの話を辞めて掛かって来い!」

 

「佐谷の兄さん……あんたも人のこと言えないぜ。赤星さんこちらへ」

 

「小梅、いってらっしゃい。佐谷さん。もう諦めたらどうなんですか?」

 

桐村やエリカの背後から小梅が姿を現して佐谷の事を待ちわびていたかのように見つめる。

対する佐谷は桐村とエリカからそう言われてしまって大人しくなったのだろう。静かに小梅と目を合わせる。

 

「佐谷さん。私は貴方とずっと会いたかったんです。身も心もズタボロにされた私を助けてくれた時から……あの時から声だけは何とか頭の中から離さないようにしていたんです!私の目が見えそうになっていた頃に少しだけ見えた顔を見せてください!」

 

「………もう誤魔化しは通用せんということか。小梅ちゃんビンゴやで。俺が一年前に小梅ちゃんの白馬の王子様になってたとまでは知らんかったんや。今も昔もこんなんやけどこの顔で間違いないな」

 

小梅の想いが一年越しに叶ったというべきだろうか。佐谷が戦車から降りながら被っている軍帽と愛用している眼帯を外すと、普段は独特なキャラを気取っているとは思えない中性的な顔が小梅の前に曝け出されたのだった。

 

「佐谷さん……ありがとう。そして大好きです!!」

 

「小梅ちゃん……俺もや」

 

次の瞬間。小梅は嬉しさから両目から涙を流しながら目の前まで来た佐谷を力強く抱きしめる。

対する佐谷も自身の奥底で眠っていた小梅に対する感情を彼女に告げると優しく抱き返す。

 

「すごい今更だけど。大生君あなたもしかして一年前の内乱の時に隊長派に味方した男子中学生の一人でしょ?とぼけても無駄よ」

 

「はあ……バレちゃったら仕方ないですよね。馬鹿な姉の横暴に耐えかねてしたことです。それに何か役に立ちたくて逸見さんのエスコートをやらせてもらいました」

 

「そんなこと無いわよ。今度時間があったら二人きりで会えないかしら」

 

「は、はい!その時は良かったらご一緒させていただきます」

 

エリカは周囲の視線が佐谷と小梅の二人に集まったのを良いことに。普段は周囲に見せないであろう。

穏やかな態度で堂島の頭を優しく撫でていた。対する彼も赤面しながら彼女の誘いに乗るのであった。

 

「誠也君!」

 

「みほ姉貴お待たせし……へ?」

 

「大好きと頑張りましたのちゅーだよ。もう皆んな前でしちゃったけど。それも恥ずかしくないよ」

 

「み、みほ姉貴には頭が上がりません。皆んな前なので俺からはこれで」

 

「ふふっ。それでも嬉しいよ」

 

みほは戻って来た大友に駆け寄り。抱きしめた後にそのまま彼の右頬に桜色の唇を重ねてキスする。

彼女の思わぬ行動に他のチームメンバーは戸惑いを隠せないでいたが。

それも構わずに大友はみほを優しく抱きしめた。

 

「そうだ。ここは大洗学園の戦車道乙女と戦車道男子の絆の深さの宣伝を兼ねてアレを言っちゃうね。はいはーい皆んな注目!なんと我が大洗学園には、西住みほ隊長や大友誠也副隊長以外にも世にも珍しい戦車道カップルが複数います!先ずは期待の星である一年生の澤ちゃん水野ちゃんカップル!まだまだ行くよ〜小山弟&近藤姉カップル、木村&河西の操縦手カップル!ほか隊長車カップルとして村川&五十鈴カップル、山本&秋山カップル、我妻&冷泉カップル。先輩後輩カップルとして安倍&たかちゃんカップルが居まーす!!他校や学園の皆んなもこの子達のように青春戦車道を目指そう!!」

 

杏は大友とみほの行動を見て何を思ったのか。ここでいつの間に仕入れたのか分からない的確なスキャンダルネタを他校の面々に対して大声で発表する。

当の本人達は何故それを大衆の前でぶちまけるんだ。という表情で杏を一斉に見つめたが。他校の面々は羨ましそうに彼ら彼女らを見つめるのであった。

こうして最後は盛り上がりを見せた上で大洗連合対大学選抜チーム戦は幕を下ろした。

 

 

 

大洗学園の学園艦が人々のもとに戻ってから二週間後、遅く始まった夏休みを満喫していた大友とみほはそれぞれお気に入りの私服に身を包んで山の展望台から戻って来た学園艦を眺めながら大友の愛車であるE-25の上で集めて来たシロツメクサで花冠を作っている。

彼は相変わらず。少し生真面目な性格なままのか。黒のスーツズボンにカッターシャツという服装であり。対するみほは純白のサマードレスである。

 

「みほ姉貴、先生と仲直りできて良かったですね。先生も自流でも良いから時には西住流の心も思い出し、仲間を大事にと言って仲直りしてくれて良かったと俺は思います」

 

「私がここまで来れたのは誠也君が私の舎弟さんになってくれたおかげと色んな人達に会えたからだよ。誠也君……ずっと一緒に居られるように私は誠也君と結婚して誠也君のお嫁さんになりたいな♪」

 

「みほ姉貴……俺もいつまでもみほ姉貴と一緒に居たいと思っています。お嫁さんになってくれるのは嬉しいのですが。俺はたとえ世界が変わっても貴女についていく。そう心に決めていますから何回生まれ変わってもみほ姉貴の側に居させてください!!」

 

「誠也君」

 

「みほ姉貴」

 

二人の絆は更に強くなった。大友とみほはそれぞれの想いと愛を語り合う。

二人は完成させたシロツメクサの花冠にその気持ちを込めて同時にお互いの頭に乗せるのであった。

 

「「いつまでもどんな時も」」

 

「「これからも二人一緒だよ(ですよ)」」

 

「「愛してるよ(ますよ)」」

 

流れ星が夕焼けの空を駆けると同時に大友とみほはお互いの身体を抱きしめ。静かに唇を重ね合った。

こうして一人の少年が愛する少女の為に尽くし、愛し合った青春の物語は多くの人達に語り継がれることになるのであった。

 




今までご愛読いただきありがとうございました!この作品が初めての完結となります。
これからも小説作りを頑張っていきたいと思います!
短い間でしたが。心より感謝御礼申し上げます!
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