もし、とか、たら、とか、れば、の話 作:眼鏡熊@ヒロアカ完走
キメツなスクールライフ
――――――――時は二度の争いを超え、二度時代が変わり目を迎えた令和の日本。
これは、人の死と不幸と悲劇に塗れた大正の世を生き抜いた鬼殺の隊士だった少年少女達の噺である。
中高一貫!キメツ学園(ちょっと違うけど)!!
始まり。始まり―――――――
「じゃ、母さん、行ってきます!」
「行ってきます!」
「「「「行ってきまーす!」」」」
「行ってらっしゃい。みんな」
今元気に挨拶をしたのは『竈門炭治郎』。キメツ学園に通う高校一年生である。それに続いたのは『竈門禰豆子』、『竈門竹雄』、『竈門茂』、『竈門花子』、『竈門六太』で、炭治郎の弟と妹達である。
因みに、禰豆子が中学二年生。竹雄が小学六年生。茂が四年生。花子が三年生。六太が一年生である。
「おっはよー!禰豆子ちゃぁあああん!」
「善逸さん!おはようございます!」
と、五月蝿く禰豆子の名前を呼ぶ声がした。
声の主は『我妻善逸』。炭治郎の友人であり、先輩。キメツ学園に通う高校二年生の風紀委員だ。
禰豆子はそれを五月蝿がるどころか『ぱぁああ!』っと、顔を輝かせて笑顔で応えた。
「んもう朝から可愛いね!女神!天使!」
「善逸さんもカッコイイですよ」
ニコニコ、ニコニコ、と2人とも笑顔である。
「姉ちゃん!学校遅れるよ!善逸兄ちゃんも!」
「あっ、ごめん竹雄君!」
「兄ちゃんも、微笑ましそうに見てないで行くよ!」
「すまんすまん。行こうか」
と、善逸と禰豆子はさりげなく手を繋ぎ、六太も善逸と手を繋ぐ。
「じゃ、行こっか六太君!」
「うん!善逸にい!」
「六太君は可愛いねえ」
「むっ!善逸にい!男に可愛いはないよ!」
「ごめんごめん。六太はカッコイイよ。炭治郎達そっくりだ!」
「でしょー!?」
キャッキャッ、と六太ははしゃぐ。
「えー、六太は可愛いですよ善逸さん!」
それに禰豆子は反論する。
「六太君が可愛いはやめてって言うからさ」
「そんな所も可愛いんです!」
と、話す。
「そりゃないよ姉ちゃん!」
もう!と頬を膨らませる六太。
「ああ、これは確かに⋯」
「でしょう?」
「善逸にいも禰豆子姉ちゃんも意地悪だー!」
ぷんすこ!と握る手を解いて逃げる六太の左手を善逸が、右手を禰豆子が繋ぎ直す。
「こら、ここは人通りが多いから1人で走っちゃ駄目よ?」
「ほら、危ないから手ぇ繋いで行こう?」
「うん⋯」
少し不服そうながらも、二人の間に居る六太。
ああ。と、炭治郎はじわり、じわりと感傷に浸ってしまう。
幸せだ。幸せなのだ。とこの日々が続いていることに泣きそうになる。
これほど大きくなった弟妹達、そして禰豆子と笑い合う善逸。
抱きしめたくなるくらいに暖かいこの日々が、どうしようも無く『幸せ』なのだろうなあ。
そして、そんな炭治郎の鼻に、ふわり。と知る匂いが香る。
「―――――――おはよう。炭治郎、禰豆子、竹雄、茂、花子、六太、善逸」
「おはよう。カナヲ」
「あ!カナヲさん!おはようございます!」
「おはよう、カナヲちゃん」
「「「「おはようございます!カナヲ(お)姉ちゃん!」」」」
そのまま、カナヲも炭治郎達と登校し、途中で。
「じゃあ俺達は小学校行くね!」
と、竹雄が下の弟達を纏めながら言った。
「わかった。気を付けるんだぞ。竹雄」
「うん!任せてよ兄ちゃん!」
「じゃあそろそろ手ぇ離さないとだね。六太」
「むー⋯そうだね」
と、不満そうな顔をする六太に。
「六太は可愛なーもー!」
善逸は六太の頬をふにふにした。
「
「ごめんごめん」
空気を読んで禰豆子が六太の手を離すと、
「ひゃあ!」
善逸は六太を抱えあげて所謂『高い高い』をした。
「元気だしなよー?」
「う、うん!わかった!わかったからおろしてぇ!」
と、言われたので善逸は六太を下ろした。
「じゃあ、皆、またね!」
「怪我には気をつけるんだぞ!」
「ちゃんと前見て走るのよ」
「行ってらっしゃい」
という4人の言葉に。
「「「「はーい!!」」」」
竹雄達は元気に応えて行った。
そして、炭治郎はカナヲと、善逸は禰豆子と寄り添いながら登校していると。
「おはよう!伊之助!アオイさん!」
「お!?炭治郎じゃねえか!おまえらも!よっ!」
「おはようございます炭治郎さん。カナヲ達も、おはよう」
「おはようアオイ。伊之助も」
「おはよう。伊之助、アオイさん」
「アオイさん!伊之助おやぶん!おはようございます」
そして、6人組の大所帯が学校までの道を歩く。
―――――――――
学校にて。
校門では
「あ!おはようございます!義勇さん!」
「あぁ⋯竈門兄!せめて校内でピアスは外せと言っただろう!」
ここでは風紀委員として仕事しているため、義勇も『炭治郎』呼びではなく竈門兄呼びだ。
「形見ですし家のしきたりなので外せません!では!ごめん皆!先に行ってるぞ!」
と、炭治郎は素早く中に入っていった。
「竈門兄!⋯はぁ。む、嘴平。シャツは閉めろ」
「ゴワゴワするから嫌だ!」
と、伊之助も走り抜けて逃げる。
「あの野生児は⋯!」
と、嘆息する。
「我妻、竈門妹、神崎、栗花落は大丈夫だな。そのまま教室に向かっていいぞ」
「「「「はい!」」」」
さて、ここで善逸がしばかれない事に違和感を覚える方々がいらっしゃると思う。しかしここの義勇はしのぶさんによって懐柔されたやわやわ義勇。『とみおかぎゆう』と言って相違ない。
地毛である我妻は許されているのだ。
あとあまり叱ると禰豆子に嫌われてしまうというのも関係している。
酷い兄弟子である。
はてさて、紹介が遅れたが、これは『もし、とか、たら、とか、れば、の話』を乗り越えた鬼殺隊士達が、人並みの安寧と平和を掴む噺である。
因みに