金色の刃   作:ちゃんエビ

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柱集結する前にこの話書かないと柱合会議進めなさそうだったので
急遽予定変えました。

個人的な都合で原作キャラの設定が変わっています。
ご了承下さいm(__)m


11 激動

「炭治郎ちゃんか〜♪煌牙ちゃんも可愛いけど炭治郎ちゃんも可愛いなぁ〜♪それにあの耳飾り、もう一つの系譜も受け継がれているんだね」

 

「煌牙ちゃん全ての呼吸は一つの呼吸から始まってるんだよ

他の誰でもない煌牙ちゃんだけの牙、闇を照らす光・・金色の刃」

 

先日煌牙に会い来た朔弥はそこで出会った炭治郎の耳飾りを見てとある人物を思い出し、煌牙へと思いを馳せながら一人呟いていた。

 

 

 

 

 

 

「師匠、折り入ってお話があります」

 

「改まってどうしたの?煌牙」

 

「言いにくいんですが、俺が師匠から受け継いだ日輪刀、師匠に返そうかと・・すいません」

 

「・・・どうして?」

 

「煌牙〜?急にどうしたの〜?」

 

「師匠は朔弥という魔戒法師をご存知ですか?」

 

「ええ、私達魔戒法師の祖であり、とても強い法力を持っていたと」

 

(今度来るとか言ってたし話してもいいかな?むしろあの人交えて説明したら絶対とんでもないことになりそう、ホントは来ないで欲しいけど・・マジで)

 

「えーとですね、師匠に返す経緯にあたり話しておきたい事が二つ程ありまして」

 

「何かしら?」

 

「まず一つ、その朔弥って人・・人?鬼でもあるんですがまだ生きてます」

 

「え〜と・・・どうゆう事かしら?」

 

「煌牙〜頭大丈夫〜?」

 

「桜花程じゃないから大丈夫!その人曰く、無惨の血や細胞を元に作り出した薬で鬼になって今も生きてるんです。日光浴びたり普通に飯食べたりしてますが鬼なんです、俺も意味わかりませんが」

 

「まだ理解が追いついてないけれど、今も生きてるのね」

 

「なんで煌牙はその人の事知ってるの?」

 

「ザルバが教えてくれたんだ、俺はその人に会う必要があるって。

ホントは口止めされてたけど今度桜花に会いに来るって言ってたし

先に話しておこうかと思って」

 

「花蓮・桜花悪いな。奴は無惨から狙われている、情報漏洩阻止の為に必要最低限の者にしか接触してこなかったからな」

 

「その方が何故今になって接触を図ろうとしているのかしら?」

 

「煌牙に試練の時が来たからだ、煌牙はホラーじゃないが鬼をこれまでに100体狩ってきたからな」

 

「ザルバ〜?なんの試練〜?」

 

「黄金騎士牙狼の呼吸、本来の牙の呼吸を会得する試練だ」

 

「ん〜〜?私達の呼吸とは違うの〜?」

 

「お前達の呼吸は蓮花から受け継がれてきた呼吸だ、牙狼が受け継ぐ呼吸はまた別の呼吸、煌牙だけの呼吸だ」

 

「煌牙、私に刀を返す理由はその試練が関係しているのね?」

 

「はい、俺の最初の日輪刀は漆黒に変わりました。俺が受け継ぐ呼吸はこの日輪刀じゃないといけない気がして」

 

「そうね、煌牙がそう決めたのなら仕方ないわね。わかりました

刀を預かるわ」

 

「師匠・・すいません」

 

「それはそうと、お母さんって呼んでくれないのかしら?貴方に教えることはないのだし、もう師匠ではないのだけれど」

 

「師匠は師匠ですから」

 

「・・・桜花〜煌牙がお母さんって呼んでくれないの」

 

「私も煌牙の事お兄ちゃんって呼んでないよ?今更だし」

 

「まあ今更だよな」

煌牙は受け継いだ日輪刀返却から始まった朔弥の存在、試練や呼吸の話をザルバと交えて花蓮・桜花に話していた。

 

花蓮も煌牙の話を聞き、日輪刀の返却を認め刀を預かると

自分の事を母と呼んでくれない煌牙に不満を言っていたが、煌牙や桜花に今更と言われ落ち込んでいた。

 

 

 

 

 

それから数日後〜〜

 

 

「那田蜘蛛山で先遣隊が壊滅寸前の報告と私達柱の応援要請が届きました、カナヲ準備はいい?」

 

「私は大丈夫です、しのぶ姉さん」

 

那田蜘蛛山と呼ばれる山にて鬼の討伐任務で赴いていた先遣隊が壊滅寸前との報告を受けた鬼殺隊本部は急遽、蟲柱のしのぶ・水柱の富岡義勇に応援要請をかけ、先行してもう一人柱を送り込み事態の解決を図ろうとしていた。

 

しのぶは継子のカナヲを連れて那田蜘蛛山へと向かう途中、カナヲから話しかけられるとカナヲの方へと振り向く。

 

「しのぶ姉さん、招集された柱の中に兄さんはいると思いますか?」

 

「誰が要請されたかまではわからないけど、管轄も近いからもしかしたらいるかもしれないわね」

 

「私兄さんと一緒に任務を受けた事ないから、居てくれたら」

 

「私も煌牙さんと同じ任務に就いた事ないわよ?桜花さんとならあるのだけれど」

 

「しのぶ姉さんもそうなんですね」

 

「煌牙さんが鬼と戦っている姿を見たのは最終選別の時と姉さんを助けてくれたあの時だけだし、今の煌牙さんの実力は私にも把握しきれてないの」

 

「兄さんに稽古付けてもらったけど、私は兄さんに一太刀も当てる事出来ませんでした」

 

「煌牙さんは柱だから、そう簡単にはいかないわよ」

 

「はい・・・強くなりたいです」

 

「そうね・・カナヲ山が見えてきたわ気持ちを切り替えて」

 

「はい」

 

道中、煌牙の事を話しながら進んでいた二人だがその先に那田蜘蛛山が見えてくるとしのぶはカナヲに気持ちを切り替えるよう促すと自らも気を引き締め、山の中へと入っていった。

 

 

 

 

「煌牙〜〜!山で隊員が危ないから急いで応援に来てくれって米吉が〜」

 

「ザルバから聞いた。柱数名が要請される事態だ、急いで向かうぞ」

 

「うん」

 

煌牙と桜花、この二人にも鬼殺隊本部から応援要請がかかり先行して

那田蜘蛛山へと向かっていた。

 

「ねえ?煌牙〜?柱って誰が来るのかなぁ〜?しのぶちゃんかなぁ〜?スケ・・不死川さんかなぁ〜?それとも富山さんかなぁ〜?」

 

「富岡さんな、お前間違っても不死川さんの前でソレ言うなよ」

 

 

「わかってるよ〜〜」

 

「どうだかな・・まぁ誰が来るにしろ俺達がやるべき事は一つだろ?」

 

「そうだね」

 

那田蜘蛛山へと急ぐ二人は、道中どの柱が来るのか話していたが

誰が来てもやる事は変わらないと煌牙が告げると桜花もその言葉に同意して、二人は眼前にそびえ立つ那田蜘蛛山へと入っていった。

 

 

 

 

「うわぁ〜森の中不気味だね〜それに臭いよ〜煌牙〜〜」

 

「それはわかるけど俺にくっつくなよ」

 

「煌牙の臭いで中和してるの」

 

「ちょっと待て!この強烈な臭気が俺で中和出来るはずないだろ?

俺どんだけ臭気出してるんだよ!」

 

「え〜〜!この臭いの中で呼吸とか嫌だよ?腐敗の呼吸の使い手じゃないんだし」

 

「腐敗の呼吸の使い手なんかいないからね?てかどんな呼吸だよ」

 

「フシュー!フシュー!腐敗の呼吸壱の型 納豆」

 

「納豆は発酵だからな?納豆に謝れ!」

 

「も〜〜!フシューと腐臭をかけた私の駄洒落を無視するな〜〜」

 

「てか任務中にこんなふざけた事してる鬼殺隊って俺達だけだろ」

 

「そうだね〜」

 

不気味な雰囲気と強烈な臭いを放つ森を歩く二人、桜花は煌牙へと擦り寄り臭いを誤魔化そうとするが突っ込みを入れられ、会話がふざけ始めると煌牙が諌め出し桜花もふざけるのをやめて、気を引き締める。

 

森の奥へと踏み入れると煌牙の耳に金属音が届き、煌牙は音のする方向へと駆け出していく。

 

「桜花、金属が打ちあう音が聞こえる。おそらく鬼殺隊の誰かだ」

 

「先遣隊の人かな?」

 

「多分な」

 

二人はその場に辿り着くとそこには一人の隊員が他の隊員に襲われながらも食い止めてる光景が広がっていた。

 

「大丈夫か?」

 

「貴方達は?」

 

「応援要請を受けて助けに来た四ノ宮煌牙だ」

 

「私は四ノ宮桜花だよ」

 

「四ノ宮⁈柱が・・柱が来てくれた」

 

「他の隊士達は意識がない・・これ操られてるのか?」

 

「はい背中に糸が張り付いているんですそれを斬れば」

 

「私に任せて〜〜」

 

隊員に声をかける煌牙や桜花が現れた事で、その場に倒れ込んでいた複数の隊員達が起き上がり二人に向かって日輪刀で斬りかかりながら向かってくる。

 

二人は襲ってくる隊員達を体術で捌きながら、声をかけた隊員に名乗り出すと隊員はその名を聞いて緊迫した表情から安堵の表情へと移り

目に涙を浮かべながら煌牙からの質問に答え出す。

 

隊員から現状の対処の仕方を聞くと桜花が日輪刀を抜刀し、隊員達を軽快に躱す度に日輪刀を一閃、背中の糸を斬られた隊員達はその場に倒れ伏せ起き上がる様子を見せない。

 

「ねえ?これ何度やってもまた同じ事繰り返すんだよね?」

 

「あ、はい!何処かに操っている鬼がいる筈です。少し前に癸の隊員と猪があの方向へと向かいました」

 

「癸と猪・・猪?まぁいいや、その方向から嫌な音がしてるしな。

桜花ここからは別行動だ、俺は鬼の元へと向かう。桜花は」

 

「煌牙わかってるから、ここは私に任せて」

 

「よろしくな、それと君は・・」

 

「む、村田です」

 

「村田か、ここまで持ち堪えてくれてありがとな。この一件が片付いたら何か美味いものでも食べに行こう奢るからさ」

 

「え?・・あ、はい!ありがとうございます!」

 

桜花からの質問に村田は操っている鬼の存在と鬼のいる方向に癸の隊員と猪が向かったと答え、煌牙は何故猪が?と一瞬戸惑うがすぐに切り替え桜花に別行動の指示を出し鬼のいる方向へと振り返る。

 

桜花も煌牙が言いたい事は理解しているので指示を出し終わる前に

返事を返し、煌牙は桜花に後を任せると隊員に声をかける。

 

隊員は村田と名乗ると煌牙は村田に持ち堪えた事に対し礼を告げ、任務が終わったら何か食べに行こうと話しかける。

 

村田はまさか柱から礼を言われ食事の誘いを受けるとは露にも思っておらず、その旨を言われた村田は少しの間思考が固まるが理解すると煌牙に礼を言いながら頭を下げると、煌牙はその場を離れ鬼のいる方向へと駆け出していった。

 

 

 

 

「さっきよりも嫌な音が増えたな、耳障りなんだけど」

 

鬼のいる方向へと向かう程ギチギチと軋むような音が増え煌牙は苦言を漏らしながらも進んでいくと先程と同じように糸で操られた女性隊員が佇んでいて煌牙を見つけると獲物を見つけたかの如く駆け出してくる

 

「駄目〜これ以上殺したくない!お願い逃げて〜!」

 

体を無理矢理動かされ、意志とは関係なく刀を仲間に向ける。

肉体的にも精神的にも残酷な現状から彼女を解放すべく煌牙は魔法衣から日輪刀を出して居合いの構えを見せる。

 

「うん、師匠から受け継いだ日輪刀よりやっぱりこっちの方がしっくりくるな」

 

煌牙が鬼殺隊に入隊した時初めて受け取った日輪刀、牙狼剣を引き抜くまでの二年間、柱を襲名し花蓮から日輪刀を受け継ぐまで命を預けてきた煌牙の愛刀を再び握り煌牙は眼前を見据えながら鯉口を切り

迫り来る女性隊員の刀を斬り落とし、すかさず彼女の周囲を瞬時に斬り払う。

 

操っている糸を斬られ、その場に倒れ込む女性隊員を庇うように受け留めると煌牙は魔法衣から小瓶を取り出し女性隊員に小瓶の中身を飲ませようと差し出す。

 

「はぁ〜はぁ〜、解放してくれてありがとうございます。あのそれは?」

 

「鎮痛剤だよ、無理矢理動かされたんだ。どこか痛めてるだろうし」

 

「肩の関節が外れて・・その」

 

「そうか、ほらこれで飲めるだろ?」

 

女性隊員は煌牙に礼を言うと差し出した小瓶について質問すると

無理矢理操られ体を痛めてる事と小瓶は鎮痛剤だと返答する。

 

女性隊員は肩の関節が外れている事を煌牙に言うと、煌牙は腕が動かない事を察し手に持つ小瓶を女性隊員の口元に近付け鎮痛剤を飲ませる。

 

「ありがとうございます、四ノ宮さん」

 

「あれ?俺名乗ったっけ?」

 

「私も四ノ宮さんと同じ最終選別にいたんですよ?あの時も助けてくれて・・今も」

 

「ん?最終選別?・・・あっ!あの時の!乱れ刃の尾崎さん!」

 

「何ですか?その乱れ刃って?」

 

「え?ああ、尾崎さんあの時無茶苦茶に刀振りわしてたじゃん、だから乱れ刃」

 

「思い出してくれるのは嬉しいですが、余計な事まで思い出してもらわなくていいですから!」

 

「同期とまた再会出来て嬉しいよ、それとゴメンな日輪刀斬り落として」

 

「同期の中で四ノ宮さんと胡蝶さんは柱にまで登り詰めましたからね

私も同期として誇りに思います。日輪刀は気にしないで下さい、おかげで仲間を斬らずに済みますから」

 

女性隊員は鎮痛剤を飲み干すと、煌牙の名を言いながら礼を告げ煌牙は名乗った覚えがないので疑問に思うと女性隊員は煌牙と同じ最終選別に参加していて今も合わせて助けてくれたと煌牙に話す。

 

煌牙は最終選別の事を思い出すと、脳裏に刀を必死に振り回しながら鬼を払っていた少女、尾崎さんの事を思い出した。

 

その事を尾崎さんに話すと、煌牙が自分の事を思い出したのは嬉しいが彼女にとって恥ずかしい出来事まで思い出したのは余計だと顔を赤らめて恥ずかしげに話し、煌牙は尾崎さんと同期の話をしながら日輪刀を駄目にした事を謝り尾崎さんも仲間を斬らずに済むと言って気にしないでいた。

 

「そういえば嫌な音がしなくなったな、癸の隊員と猪?が斬ったのか?・・尾崎さん多分これ以上操られる心配はないと思う、俺が来た方向に桜花、妹がいるから治療してもらうといいよ」

 

「妹?最終選別の時も一緒にいましたね、彼女変な人に纏わりつかれて機嫌悪かったような」

 

「ああ〜あれな、誰だったかなぁ?名前知らんけど俺は安全に最終選別を突破したいからなとか言ってたっけ?あいつも突破したから同期だったな、名前知らんけど」

 

「四ノ宮さんもですか、私も名前知らないんですよ。私達と同じ任務に就いてたから今も山にいると思うんですが、名前知らないけども」

 

「あいついるのか!安全重視な慎重派だから多分大丈夫だと思うけど

・・まあいいや」

 

「どうでしょうね?誰も聞いてないのに突然自分語りしだすし、出世欲剥き出しだし案外危ないのかもしれませんよ?自分語りするのならせめて名前くらい名乗ったら良いと思うんですよ」

 

「ははは、尾崎さん結構辛辣だな。とりあえず尾崎さんは撤退して治療な、後は任せろ」

 

「はい、お願いします四ノ宮さん」

 

「煌牙でいいって。同期なんだし堅苦しいのは無しで!」

 

「あ、はい!しの・・煌牙さんもご無事で!」

 

隊員達を操っていた糸から発する嫌な音が聞こえなくなり煌牙は鬼が死んだのだと判断すると尾崎さんに撤退を促し桜花から治療をしてもらうように話していると、尾崎さんが最終選別で桜花に付き纏っていた人物を思い出し、その事を話し出した。

 

煌牙も当時の事を思い出すもその人物の名前は知らないが、当時言っていた言葉だけは思い出し同期だったと言うが、再度名前は知らないと付け加える。

 

尾崎さんも名前を知らないらしく、煌牙も知らないと知ると同じ任務でこの山にいると話し、再び名前を知らないと言い出した。

 

煌牙は名前を知らない同期がこの山にいると知ると、同期は慎重派であり大丈夫だろうと考えるが、尾崎さんは同期が突然自分語りを始め

自身の出世の話をしだすあたり危ないと言いながら名を名乗らない事に不満をあらわにする。

 

煌牙は尾崎さんが案外毒舌だった事に苦笑いをしながら、尾崎さんに再度撤退を促し治療するよう告げ、任務に戻ろうと森の更に奥を見据えると尾崎さんから後を頼むように言われた煌牙は尾崎さんに苗字じゃなく名前でいいと話すと、ぎこちない口ぶりで尾崎さんが名前を呼び煌牙の無事を祈る。

 

 

 

煌牙は振り返りその場を離脱すると他の隊員達を探すべく山の中を駆け回る。

 

「今雷の音したよな?六回も、そんな天気じゃないし〜・・・そっか・・いい弟子がちゃんといたんだな鳴柱の爺さん」

 

煌牙と桜花、四ノ宮の試練を終え最終選別へと向かう一年間の間、花蓮の計らいで各地の育手の元に訪れ稽古を付けてもらう日々を過ごしていた。

 

牙の呼吸、風の呼吸から派生された呼吸ではあるが、参の型には雷の呼吸壱の型、玖の型には炎の呼吸玖の型から着想を得ており型を極める為に出稽古へと赴き、元鳴柱の桑島慈吾朗ともその時に知り合っており稽古を付けてもらっていた。

 

「‼︎次は地面を砕く破砕音か、忙しい山だなここは」

 

遠くから激しい音が聞こえ煌牙は気持ちを切り替え音のする方向へと駆け出していった。

 

 

「・・・何コレ?顔面が蜘蛛の鬼と・・えーと鬼?猪人間?・・やばそうだな」

 

音の発生源へと近づく煌牙は顔面が蜘蛛の巨体の鬼と頭を掴まれて動かない猪人間を視界に捉えるも、猪人間の姿に少しの間思考が停止するが状況が状況なので考えるのをやめて、助ける為に日輪刀を抜刀し

壱の型を繰り出そうと跳躍するが、煌牙の反対方向からこちらに走ってくる音が聞こえ煌牙は型を途中で止めて身体を捻りながら着地する。

 

煌牙が着地する直前、反対方向から駆けて来た水柱 富岡義勇が煌牙とすれ違うように交差し眼前の鬼の腕を両断しながら駆け抜ける。

 

(富岡さん、来てくれたのは良いけどタイミング)

 

煌牙は柱の増援が来た事を好機とみるが、義勇が来たタイミングが煌牙と重なり出番をなくした事が少し残念に思っていた。

 

「四ノ宮(俺の到着がもう少し遅れていたらお前が鬼の頸を斬り終わっていたのだろう。済まなかった本来なら)お前が斬るべきだった」

 

「じゃあ、鬼の頸は俺が貰いますね(富岡さんわかります、貴方の言いたい事がわかります。後は任せて下さい)」

 

義勇は自身が斬るより煌牙に任せた方が良かったと思い、心の中で謝るも口にした言葉が足りず、端から見れば煌牙に文句を言っているように聞こえるが煌牙は以前カナヲとの再会の時に、何故か義勇の真意を読み取る読心術を会得しており、義勇の真意を理解していた為に

義勇に抗議する事なく鬼へと振り返り日輪刀を構える。

 

義勇が腕を両断した事で解放された猪人間は起き上がり義勇のいる方向へと振り返ると先程まで居なかった煌牙に気付き、煌牙を凝視する

 

(さっきの奴も凄かったが、あいつはヤベー、あの鬼なんか比べ物にならねぇ気配だ、全身が牙で噛み砕かれそうな感覚だ)

 

猪人間が煌牙から放たれている気配を感じ取り、思考を巡らせていると義勇に腕を両断された巨体の鬼が呻き声を上げながら立ち上がり

斬られた腕を再生させて圧倒的な速度で煌牙との間合いを詰め煌牙に殴りかかろうと腕を振り下ろす。

 

(あいつやっぱ速ぇ〜、あのヤロー構えたままで反応出来てねえじゃねえか!)

 

猪人間は巨体の鬼の速度が速すぎて、煌牙が反応すら出来てないと思っていたが、それが思い過ごしだと知る事になる。

 

 

ーー牙の呼吸 捌の型 六根清浄・舞天狼ーー

 

穏やかな風を纏いながら舞うように鬼の拳を躱しすり抜け様に、日輪刀で頸・胴体・両腕・両脚を断ち斬り煌牙は日輪刀を鞘に収める。

 

頸を斬られた鬼はバラバラに斬り裂かれ灰と化しながら消えていき

周囲に静寂が訪れる。

 

(スゲェ!格が違う一太刀の威力が違う天地程の差がある。あの硬い化け物を豆腐みたいに斬っちまった!スゲースゲースゲースゲー!なんだコイツ、ワクワクが止まらねぇぞ!)

 

鬼を斬り裂いた煌牙を凝視する猪人間の羨望の眼差しに気付いた煌牙

その視線から嫌な予感を感じた煌牙は義勇に後を任しその場を離脱する。

 

「富岡さん、後はお願いします」

 

(危ねーー!見た目だけで桜花の同類かと思うだろ!あの手の輩に絡まれると精神がかなり削られる。富岡さんいるし逃げてもいいよね?

富岡さん今度鮭大根作りますんで〜お願いします)

 

煌牙は離脱しながら、鮭大根をお詫びに義勇に面倒事を押し付け逃げた事を言い訳のように内心考えていた。

 

突如目の前から煌牙が消えた事で、猪人間は憤慨するも矛先を義勇に向け絡み出すが、義勇は猪人間を縄で縛り付けるとそそくさとその場を離れていった。

 

「(四ノ宮、お前はこうなることがわかってたから俺に押し付け逃げたのか。今回の事は鮭大根で手を打とう、お前の鮭大根は)美味いからな」

 

義勇は心の中で煌牙が面倒事を押し付け逃げた事を鮭大根で手を打つと考えていたが、口にした言葉は少なく脈絡のない事を言い出したのだが周りに誰もいない為、理解される事も咎められる事もなくただ時が過ぎていった。

 

 

 

 

 

一方で桜花は煌牙に助けられた尾崎さんが合流し治療を経て山からの撤退を促すと村田と別れ、他の隊員を捜すべく山の中を駆け回っていた。

 

「ん〜〜?誰かいる〜?箱を背負った隊員?なんだろ〜?」

 

桜花は視線の先に箱を背負った隊員がいる事に気付きその隊員の元へと駆け出す。

 

 

 

 

ガサッ

 

「お!丁度いいくらいの鬼がいるじゃねえか。こんなガキの鬼なら俺でもやれるぜ」

 

「⁈誰だ」

 

「お前は引っ込んでな、俺は安全に出世したいんだよ。出世すりゃあ上から支給される金も多くなるからな。隊は殆ど全滅状態だがとりあえず俺はそこそこの鬼一匹倒して下山するぜ」

 

箱を背負った隊員、炭治郎は2匹の鬼と対峙していた。

緊迫した空気の中、突然草を掻き分ける音と共に別の隊員が現れ一人で勝手に自身語りをしだし刀を構え走り出す。

 

「ダメだよせ!君では」

 

隊員は炭治郎の言葉に耳を傾ける事なく鬼に向かっていく。

 

「桜花ちゃん必殺の型、いきなりステーキ!」

 

「グハッ‼︎」

 

鬼に向かい駆け出した隊員が突如現われた桜花から飛び蹴りを浴びせられ転げまわる。

 

「ふぅ〜〜、危なかったね〜〜。危うくサイコロステーキにされるとこだったんだよ〜〜?」

 

「ええ〜〜?今の助けてたんですか?普通に蹴り飛ばしてたような」

 

「結果オーライってことにしようよ〜〜♪」

 

「いや、失神してるんですけど」

 

桜花の呟きに炭治郎が突っ込みを入れるも桜花は有耶無耶にしようと誤魔化し、蹴り飛ばされた隊員を見た炭治郎は失神してることを告げながら若干引いていた。

 

「誰?君・・僕はこの子に用があるんだ邪魔するなら斬り刻むよ」

 

「私は四ノ宮桜花、用があるのは構わないけど私は君の頸を斬り落とすつもりだからね鬼さん♪」

 

「威勢が良いな、出来るものならやってごらん?十二鬼月である僕に勝てるならね」

 

十二鬼月の一人である下弦の伍 塁は突如現われた桜花を目障りに思い

邪魔をするなら斬り刻むと警告するも桜花は自分の名を名乗ると塁の頸を斬ると塁に挑発して返す。

 

挑発された塁は憤慨することなく余裕の態度で桜花を見下し髪をかきあげながら自身の左目に印された十二鬼月の証を見せる。

 

「十二鬼月でもなんでもいいよ、私に斬られる事に変わりはないんだし♪」

 

十二鬼月の証を見せられた桜花はその態度を崩すことなく日輪刀を抜刀し弐の型の構えを見せる。

 

ーー牙の呼吸 弐の型 虚空の牙ーー

 

目で追うことすら敵わない神速の斬撃を塁の頸へと放とうとする桜花

だが塁の頸に桜花の刃が届く事はなかった。

 

ーー呀の呼吸 弐の型 殲空の牙ーー

 

弐の型 虚空の牙と同等の速度で放たれた神速の斬撃が桜花の斬撃と日輪刀を斬り裂く。

 

「間一髪だったな下弦の伍、お前じゃこの女には敵わなねぇよ」

 

「誰?あんた、鬼のようだけど。僕の邪魔はしないでくれるかな?」

 

「俺はこの女に用があるんだ、お前はそっちの小僧の相手でもしてろよ」

 

「何言ってるの?その女は僕が殺すんだ邪魔するならあんたも」

 

「あ?俺の邪魔をするならテメーから殺すぞ」

 

 

塁と桜花の間に突如現われた斬吼狼、斬吼狼も同じ弐の型を繰り出し

桜花の斬撃を日輪刀ごと斬り裂き塁の窮地を救う。

 

斬吼狼は塁へと話しかけると塁から邪険に扱われるも、斬吼狼は気にすることなく自身の用を告げ塁にもう一人の相手をするよう促すと

塁の反感を買い殺気を向けられる。

 

殺気を向けられた斬吼狼は塁に殺気を向けながら睨みつけると

尋常ではない殺気に周囲が圧倒され緊迫した空気が流れる。

 

(あ!この鬼さんヤバイよ、前に見た上弦の弐と同じ・・ううんそれ以上の・・刀も斬られたし・・・術だけで凌ぐ事出来る?・・やるしかないよね)

 

(匂いが変わった?今までにない強烈な匂いだ、十二鬼月だと言っていたあの子よりもずっと・・匂いだけで分かる今の俺じゃ勝てない殺される)

 

斬吼狼から放たれる殺気に押され桜花と炭治郎の二人は力量差を実感し、桜花はどう凌ぐか、炭治郎は今の自分では敵わないと考えてながら斬吼狼の出方を窺っていた。

 

「わかった、好きにしたらいいよ。僕は元々そこの少年に用があったし」

 

「ならあの女は頂いていくからな」

 

塁は斬吼狼から放たれる殺気で斬吼狼の実力が自身の実力より遥かに上だと感じると、これ以上の抵抗は無意味と考え桜花の相手を斬吼狼に譲り、当初の目的である炭治郎へと視線を移す。

 

斬吼狼は塁の言葉を聞くと少しばかり笑みを浮かべ桜花を凝視しながら自らの血鬼術を発動し、桜花へと向かい出す。

 

ーー血鬼術 潜影落下ーー

 

影を操る斬吼狼の血鬼術、夜の闇の中では効力を発揮しないが僅かな光さえあればその影を操ることが出来る。

 

月明かりに照らされ、僅かながらだが桜花の影が映り斬吼狼は桜花の影の中に桜花自身を沈め、桜花を封殺する。

 

「はっ!これで一人片付いたな、下弦の伍後はお前がやればいい

邪魔はしねえよ」

 

斬吼狼は桜花を片付けた事でこの場での用をなくし、塁に後を任せてその場を立ち去る。

 

「これで邪魔者はいなくなったね」

 

(人が影に呑み込まれた!あの鬼を追わないと、勝てないのはわかってる、でもあの人だけは助けないと!)

 

斬吼狼が去った事で塁は炭治郎に向き直し話し出すが炭治郎は影に呑み込まれた桜花を助けようと考えていて塁の言葉が耳に届いていなかった。

 

「ねえ?聞いてるの?」

 

「そうだ!まずは目の前の事に集中しないと」

 

塁は自分の言葉が聞こえていないのか斬吼狼の去った方向を見つめる炭治郎に再度話しかけると炭治郎は塁の事を思い出し塁へと視線を移しながら気持ちを切り替え、塁と対峙する。

 

 

 

 

 

 

「まあこの辺でいいか、ほら出してやるよ」

 

「ん〜〜?あれ?・・急に視界が真っ暗になったと思ったらさっきと違う場所に〜〜・・・そっか〜ボソンジャンプが成功したんだ〜〜」

 

「いや、ボソンジャンプって何だよ?あれか?朔弥と同じ残念な思考回路なのか?」

 

「うん?・・・あっ!さっきの鬼さん!今の鬼さんの仕業なの?」

 

「鬼さん?まあいいや、俺の血鬼術でお前を影の中に引きづり込んだんだ、ボソンジャンプじゃないからな」

 

「うわぁ〜〜その血鬼術ヤバイね〜〜厨二病?」

 

「・・・お前、猛烈に貶してるよな?少なくともお前みたいな残念娘に言われたくはねぇよ、胸も小さい残念娘」

 

「・・・は?ねえ鬼さん♪今なんて言ったのかなぁ〜〜♪残念娘の頭じゃ理解出来なかったからもう一度いいかなぁ〜〜♪」

 

「だから!頭も残念、胸も残念な残念娘だっt」

 

「桜花ちゃん必殺の型 乙女の純情ギリギリチョップ!」

 

「痛って〜〜!お前の殺気とんでもねぇな!上弦に匹敵するぞ」

 

「気にしてる事言うからだよ!それで!なんで鬼さんは私の事殺さなかったの?鬼さんなら私なんて簡単に」

 

「ああ、俺はお前たちの敵じゃないからだよ。無惨の元で情報収集してたからさっきはあんな態度とってたけどな・・悪かったな日輪刀を駄目にして」

 

「ん〜〜?敵じゃないの?私じゃ勝てないしその方が有難いけど信じられる根拠もないし」

 

「まあそうだよな、いきなり信じられるわけないよな。とりあえずこれでいいか?」

 

塁から離れた場所で斬吼狼は桜花を血鬼術から解放すると桜花が現われ意味不明な発言を呟く。

 

その呟きに斬吼狼は突っ込みを入れると桜花が斬吼狼の存在に気付き

斬吼狼に話しかける。

 

斬吼狼も桜花に返答をすると桜花から貶される発言をされ批判するも桜花の逆鱗に触れる発言をしてしまい、桜花から手痛い制裁を受ける斬吼狼。

 

桜花は斬吼狼に自身の処遇について質問すると、斬吼狼から予想外の返答を返され半信半疑になり、斬吼狼は魔戒剣を取り出し自らの鎧を召喚して桜花に見せ始める。

 

「わお!鬼さんも魔戒騎士だったんだ〜♪」

 

「まあな、詳しい事は朔弥から聞いてくれ。アイツ近々お前に会いに行くと言ってたからな。」

 

「それ煌牙から聞いた〜〜。朔弥さんってどんな人〜〜?」

 

「・・・お前以上に残念な奴だ、見た目も中身もな」

 

「桜花ちゃん必殺の型・・・」

 

「すまん、俺が悪かった!てかさっき仲間の隊員にも使ってなかったか?」

 

「うん!危なかったから咄嗟にね、なんかね自分語りしたり無謀に突っ込んでたから昔の嫌な記憶思い出してムカッてきたの」

 

「俺アイツの影の中に潜んでたんだけど・・・名前知らないな」

 

「そういえば私も名前知らないよ〜、知る必要も無いし」

 

斬吼狼の鎧召喚を見た桜花は斬吼狼が魔戒騎士だと知り喜びながら

斬吼狼に視線を向ける。

 

斬吼狼は桜花が信じてくれた事にホッと一息つきながら詳しい話は朔弥から聞くように告げると桜花から朔弥の事を聞かれる。

 

朔弥の事を桜花以上の残念な奴と説明すると桜花が殺気を出し始め斬吼狼は慌てて桜花に謝り、話題を変える為に先程の隊員の話を切り出す。

 

桜花は隊員の言動を見て最終選別での嫌な記憶を思い出して機嫌が悪くなり助ける為とはいえ、八つ当たりで隊員を蹴り飛ばしていた。

 

 

斬吼狼はその隊員の影に潜んでいたが、名前を知らないと話すと桜花も名前を知らないと返し、冷めた目付きで知る必要も無いと呟いた。

 

 

 

 

 

炭治郎は禰豆子を抱えながら走っていた。

 

塁と対峙していた炭治郎、劣勢の中自らの死を予感した炭治郎は走馬灯のような光景の中から父が生きていた頃の記憶を思い出し、父から受け継いだ呼吸を用いて塁に迫りその頸に刃を斬りつけていた。

 

妹の禰豆子の血鬼術の助力も相まって塁の頸を跳ね飛ばすも、直前に自ら頸を刎ね九死に一生を得た塁。憤慨した塁の血鬼術で殺される寸前に義勇から助けられ、塁は義勇に頸を刎ねられ灰となりつつ消えていく。

 

炭治郎は塁の着物を踏みつける義勇に抗議してると背後からしのぶが現われ禰豆子を斬ろうと向かってくる。

咄嗟に義勇はしのぶの攻撃を捌き、禰豆子を庇うとしのぶから非難されるが、視線をしのぶに向けたまま炭治郎にこの場を離れるように告げる。

 

 

禰豆子を抱え必死に走る炭治郎、激しい戦いで疲弊している体を気持ちで支え少しでも遠くへと、禰豆子を守る為にと走っていた。

 

そんな炭治郎を追いかけるように木々を飛び移りながら迫る人影

炭治郎に追い付いたその人物は飛び降りながら炭治郎の背中へと飛び移る

 

(しまった!何だ!走るのが精一杯で・・禰豆子)

 

炭治郎を追っていた者に踏まれ転んだ炭治郎は禰豆子を探していると

目の前に鬼殺隊の隊服を纏った隊員が現われ禰豆子へと斬りかかろうと刀を振りかざす。

 

炭治郎は咄嗟に隊服を掴みながら引っ張ると隊員は炭治郎の背中で尻餅をつき、炭治郎はその隙に禰豆子を逃す為に必死に禰豆子に叫び出す。

 

「逃げろ禰豆子!逃げろ走るんだ!絶対捕まるな!」

 

「え?その声・・炭治郎?」

 

「え?・・もしかしてカナヲ?」

 

「うん・・炭治郎どうして鬼を庇っているの?私達鬼殺隊は鬼を狩るのが仕事。炭治郎どうして?」

 

「カナヲ違うんだ!いや違わなくはないけど、禰豆子は妹なんだ!

たった一人の家族なんだ!」

 

「炭治郎の妹?」

 

「禰豆子は誰一人として人を食べてない!カナヲ信じてくれ!」

 

「・・・人を食べない鬼・・炭治郎の妹・・・うん・・私、炭治郎を信じる」

 

「カナヲ〜!ありがとう!ありがとう!」

 

「鬼と仲良く・・カナエ姉さんやしのぶ姉さんの夢だから、私もその夢に託したから・・炭治郎さっきはゴメンね?痛かった?」

 

「・・・痛い、物凄く痛い!ずっと痛いのを我慢してたんだ」

 

「あっ!私炭治郎の上に座ったまま、ゴメンね!すぐに退くから」

 

「カナヲ・・鬼を庇う事は隊律違反だと言われたよ。俺、鬼殺隊辞めなきゃいけないかもしれない」

 

「そう・・兄さんならなんて言うのかな?」

 

「兄さん?そうだ!カナヲ!俺カナヲのお兄さんに会ったよ!煌牙さん、煌牙さんが俺に言ってたんだ!俺と禰豆子を認めてるって!鬼殺隊で困った事があれば力になるって言ってくれたんだ!」

 

「炭治郎、兄さんに会ったの?そっか・・兄さんも認めてるんだ・・

炭治郎私も力になるから・・兄さんと同じように私も炭治郎の力になるから」

 

「カナヲ・・ありがとう!本当にありがとう!」

 

「うん・・これで良かったんだよね?・・兄さん」

 

「むー?」

 

「禰豆子ちゃん・・さっきはゴメンね?私はもう禰豆子ちゃんを傷付けたりしないから」

 

「むー♪むー♪」

 

 

炭治郎とカナヲ、二人は互いを認識するとカナヲは炭治郎に何故鬼を庇うのか問いかける。

 

炭治郎はその鬼が妹である事、今まで誰も人を食べない事をカナヲに告げるとカナヲは少し考えて炭治郎の事を信じ、炭治郎に話しかける。

 

炭治郎はカナヲの言葉に涙を流しながら感謝の言葉を伝えるとカナヲは姉の夢とその夢に自身の気持ちも託したと呟き、炭治郎を踏みつけた事を謝り炭治郎の身を心配する。

 

炭治郎は戦いで満身創痍になりその体で無理をしていた為、全身に激痛が走っていたがずっと我慢をしていたのでカナヲに心配されると

本音を漏らし、カナヲは炭治郎の上に座ったままだったのを思い出して謝りながら炭治郎の上から降りて、炭治郎と向かい合う。

 

炭治郎は自身が隊律違反を犯し鬼殺隊にいられないかもとカナヲに告げるとカナヲは残念そうに一言漏らし兄の煌牙ならどうするのかと呟くと炭治郎が煌牙に会った事、自分と禰豆子を認め力になると言ってくれたら事をカナヲに話す。

 

それを聞いたカナヲは、自分も兄と同じように炭治郎の力になると

約束を交わし、煌牙の事を想い浮かべる。

 

炭治郎に逃げるように言われていた禰豆子は二人が仲良く話している光景を見て炭治郎の元へと戻り一声発するとカナヲが禰豆子に近付いて先程の事を謝り、禰豆子を傷付けないと約束して禰豆子も嬉しそうにご機嫌の声を漏らす。

 

そうしてるうちに鎹鴉から伝令が届き炭治郎と禰豆子の二人を鬼殺隊本部へ連行するよう告げられ、隠によって炭治郎と禰豆子は鬼殺隊本部へと連れて行かれる。

 

 

 

 

「炭治郎この山にいたんだな、やっぱり禰豆子ちゃんの事ばれたか

まあ本部へ連れて行かれるから向こうで何とかしますかね!

とりあえず隠もいるし桜花探して戻るとしますか、結局十二鬼月も見つからなかったし・・多分富岡さんが斬ったんだろうけど」

 

煌牙は一人呟きながら山の中を歩き回り桜花を探す。

 

「煌牙〜〜〜〜♪」

 

「よっ!無事だったみた痛っ!」

 

暫く歩いていると桜花が走りながら煌牙へと向かっていて煌牙は安心して声をかけようとするが桜花が煌牙へと飛びつき煌牙は最後まで喋る事が出来ず、痛いとだけ漏らす。

 

桜花はそのまま煌牙を抱き締め頭を煌牙へと擦り付けながら幸せそうな表情を浮かべ煌牙へと話しかける。

 

「煌牙〜〜一人で寂しかったよ〜〜。斬吼狼って魔戒騎士に会った時凄く怖かったんだから〜〜味方だったけど〜〜」

 

「斬吼狼に会ったのか?そっか・・とりあえず無事で良かったよ

桜花。俺たちも戻るとするか」

 

「うん、早く帰ろ〜?この山凄く臭いもん!腐敗の呼吸なら平気なんだけどね〜」

 

「お前まだ引っ張るのかよ、そもそもそんな呼吸存在しないからな」

 

「え〜〜?案外いるかもしれないよ〜〜?例えばサイコロステーキ先輩とか?」

 

「誰だよそれ!」

 

「さあ?私にも分かんない♪」

 

 

 

煌牙と桜花はふざけた会話をしながら那田蜘蛛山を下山する。

そして煌牙は炭治郎禰豆子の裁判が行われる鬼殺隊本部へと向かう事になる。

 

 

 

 

「今回は手柄を立てられなかったが、次は手柄を立てて出世してやるからな!もちろん安全にな」

 

とある隊員が誰もいない場所で一人勝手に語り出す。

そんな彼の名を知る者は誰もいなかった。




原作であっけなく死んだサイコロステーキ先輩、生存フラグを立てる為に尾崎さんまで生存する事に。

まあ尾崎さん可哀想だったから良いんだけどね。
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