金色の刃   作:ちゃんエビ

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投稿期間が大変長くなり申し訳ございません。

モンストに鬼滅コラボ面白かったです。
義勇さんだけ出ませんでしたが、義勇さんだけ・・・嫌われてるんでしょうね。

フェアリーテイルコラボもナツだけ出ないし、いや関係ないけども




14 蝶屋敷

柱会議からの帰り道応援要請を受けた煌牙達は妹の瑠花と合流して

蝶屋敷へと帰り着く。

 

帰り着いた時刻は既に深夜を回っており蝶屋敷の者達は寝静まっていたと思っていたが那田蜘蛛山の件もあり数多くの隊員がこの蝶屋敷に運び込まれ、治療や介抱に明け暮れていたアオイ・きよ・すみ・なほ達はこの時間になってようやく落ち着きを取り戻していた。

 

縁側で体を休めていると帰宅したしのぶ達が顔を出しアオイ達に労いの声をかけると煌牙は腹が減っているだろうと炊事場に直行し賄いの調理に取り掛かる。

 

「「「煌牙さん私達もお手伝いします」」」

 

煌牙一人に任せるのは可哀想だときよ・すみ・なほの三人が手伝いを申し出るが先程まで働き詰めだった三人に手伝ってもらう訳にはいかない煌牙は三人にゆっくり休むよう諭すと再び調理に取り掛かる。

 

きよ・すみ・なほの三人は申し訳なさそうに引き下がるが、実は煌牙が可哀想だというのは建前であり、本音は煌牙の自宅がアレな為料理なんてやらないと思っていたので下手な品が出るくらいなら私達

がと手伝いを申し出ていたのである。

 

そんな事を思われていたとは知らない煌牙は三人に対し良い子達だなと感心しながら調理をしていた。

 

「・・・・・・富岡さん見てるだけじゃなく少しは手伝って下さい、てか向こうで休んでていいんですよ?」

 

「胡蝶達がいる場に俺が居ても邪魔になる」

 

「だからこっちに逃げて来たんですね・・・富岡さん鮭切り分けてくれません?」

 

ーー水の呼吸 拾壱の型 『富岡ーー‼︎』

 

「はぁはぁーーいや・・あんた何しようとしてるの?何で鮭切るのに型を使おうとしてるんだよ!しかも拾壱の型とか、それ鮭細切れになっちゃうからね?鮭フレークになっちゃうからね?」

 

「そうか・・拾の型『それも駄目‼︎鮭切るのに回転いらない!威力もいらない!』・・・・」

 

「煌牙ちゃん!大きな声出してどうしたの?何があったの?」

 

「・・・・・・(ここであんたまで来るのかよ?無口な天然と喋る天然の組み合わせとか・・・面白そうだな)朔弥さん、富岡さんの相手してあげて?」

 

「ふっふぅ〜〜♪煌牙ちゃんの頼みなら〜♪よろしくね義勇ちゃん♪」

 

「・・・・・・」

 

「はっはーん♪なりきってるんだね〜♪金髪ツンツンの〜〜名前〜まぁいっか、義勇ちゃんこの場合こう言うんだよ《興味ないね》って」

 

「・・・・・・」

 

「私達は〜・・・負けないし!・・・・・倒れないし!・・・挫けないし!・・・・・・・揃わなくても泣かないし」

 

「・・・・・・」

 

「喋らなくても泣かないし・・・泣かないし・・」ウルッ

 

「うわぁぁん!煌牙ちゃ〜ん!義勇ちゃんが喋ってくれない〜」

 

「よしよし(富岡さん見事なスルー見せてもらいましたよ、俺も今度から参考にさせていただきます)」

 

「煌牙ちゃん私皆んなの所に戻ってるね?」

 

「了解了解(富岡さんあんたスゲェよ朔弥キラーの称号あげたいわ)」

 

「・・・・・・(済まない何と返事しようか考えていた、泣き出すとは思わなかったが・・俺は嫌われていない・・筈だ)」

 

煌牙と共に炊事場にいた義勇、煌牙の手伝いをしようとしたが型を繰り出そうとして慌てて煌牙に止められるのだが更に別の型を繰り出そうとしてまたも止められると朔弥が煌牙の声を聞きつけやって来るのだが煌牙の悪戯心で義勇と朔弥の会話?が始まる。

 

朔弥の一方的な発言に義勇はスルーという返し技を放ち見事朔弥を撃退した義勇、義勇の活躍に煌牙も感嘆していたが、義勇自身は返事をするつもりでどう返事しようか考えていたのだが返事をするよりも早く朔弥が泣き出してしまい義勇から逃げるように炊事場を後にした朔弥、義勇はそれでも自分は嫌われていないと少し自信なさ気に言い聞かせるのだった。

 

義勇は夜風に当たって来ると煌牙に告げると炊事場を後にし一人縁側で物思いに耽け、炊事場で一人になった煌牙は本格的に調理を開始するのだった。

 

 

 

 

「・・・さん・・・兄さん!」

 

「うお⁈カナヲいたのか、ゴメン気づかなかった」

 

「うん、さっきから呼んでたけど反応無かった・・また考え事?」

 

「まあな・・・なあカナヲ、カナヲはどうして炭治郎を信じようと思ったんだ?」

 

「・・兄さんに似てるから・・・」

 

「え?それだけ?・・いや似てる?」

 

「雰囲気が似てる」

 

「そう・・なのか?まあカナヲがそう感じたんならそうなんだろうな

・・・カナヲゴメンなお前まで巻き込んで」

 

「ううん、私も相談しないで勝手に・・・兄さんゴメンね」

 

「俺達兄妹なのにな、昔一緒に頑張ろうって誓ったのにな」

 

「うん・・私も兄さんを支えるって誓ったのに結局何も」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「だったらカナヲを煌牙さんの継子にしちゃえば良いんじゃないですか?」

 

「しのぶ」

 

「しのぶ姉さん」

 

「私はこれから薬の開発に尽力したいと思いますし、カナヲも煌牙さんと一緒にいるのが一番だと思いますから、お互い唯一の血縁なんですしもっと歩み寄るべきなんです」

 

「煌牙さんもこれから蝶屋敷で暮らすんですから良い機会じゃないですか」

 

「兄さんホントなの?」

 

「まあ、炭治郎が回復するまでだけど」

 

「・・・嫌」

 

「え?カナヲどうした?」

 

「ホントは離れたくなかった、兄さんに迷惑かけちゃ駄目だって我慢してた。でも・・私・・兄さんと一緒にいたい」

 

「そっかカナヲゴメンな、一緒に居てやれなくて」

 

「これで決まりですね、実の妹の切実な願いを無下にする非情な兄なんてこの世にいるのでしょうか?いるとしたら鬼ですよ煌牙さん」

 

「兄さん」

 

(コレ断れない空気だよね?いや俺もカナヲとは一緒にいたいけどさ)

 

「分かったよ、でも一旦四ノ宮の屋敷に戻るからな。ちょっと確認したい事もあるし」

 

「それは構いませんが、ちゃんと帰って来て下さいね」

 

「兄さん私も一緒だからね?」

 

「分かった、戻る時はカナヲも一緒に行こうな」

 

「うん」

 

しのぶ達が帰宅した事を知ったカナヲは炊事場に煌牙がいる事を聞かされ早急に煌牙の元へと駆け寄る。

 

そこで煌牙とカナヲ久々に二人で話す事ができ、炭治郎の事や二人の誓い等の話をしてるとしのぶが炊事場に現れカナヲを煌牙の継子にすると話し出す。

 

炭治郎が治るまでと決めていた煌牙だったがカナヲが秘めた想いを煌牙に打ち明けると、煌牙もそれを受け入れざるを得ず蝶屋敷に暮らす事になってしまう。

 

そんなやり取りが行われながら料理は進み、出来上がった料理を

食卓へと運び込む煌牙・カナヲ・しのぶの三人

 

煌牙の料理を初めて食べる蝶屋敷の一同はあまりの美味しさに

誰も口を開く事なく一心不乱に食べ続け、義勇は鮭大根の味を噛み締めながら微かに微笑んでいた。

 

 

 

「そういえば前から気になってたんですが四ノ宮家って鬼殺隊においてどの様な役割を担っているんですか?鬼殺隊屈指の名門だとかお館様に次ぐ発言権があるとかは知ってはいますが」

 

「ああ〜まあ聞いていて気分の良い話じゃないな、表向きの役割と裏の役割があるんだけどさ」

 

「それについては私から説明します、良いよねお兄?」

 

「まあいっか?瑠花よろしくな」

 

「では表向きの役割から説明します。蟲柱様が仰る通り私達四ノ宮家は代々牙柱を輩出してきた名門の家柄だと言われています。世間一般から見れば四ノ宮財閥が表の顔でありその裏で鬼殺隊として活動し牙柱を筆頭とする前線の補助、資金援助等の経済面での補助が四ノ宮家の表の役割となっております」

 

「ふむふむ、それが表の役割というわけですね。それで裏の役割とはどのような」

 

「はい、皆さんは何故鬼殺隊が政府非公認なのかお考えになった事はありませんか?」

 

「そうですね私的な見解ですが、鬼の存在自体がお伽話や迷信の一種だと思われ世間一般に鬼の存在が浸透していないのが理由だと思っていますが」

 

「はい、それは概ね正しいですね。政府は鬼の存在を認知していますが公表せず裏で鬼殺隊に討伐させて事態の収拾を図っています。故に鬼殺隊は政府非公認な訳ですが、まあ建前ですね」

 

「どういう意味なんです?」

 

「この国は今軍備増強路線に注力し他国に攻めていこうという姿勢をとっています、その国が国内で迷信やお伽話の類に翻弄され混乱している様を他国に知られたらこの国に付け入る隙を与えてしまいます。

それを露呈したくないのが本音ってところですね」

 

「なるほど、それで裏の役割と一体どのような繋がりがあるのでしょうか?」

 

「はい、四ノ宮家は財閥としてこの国の主要人物達と強い繋がりがあります。政府や軍の中には鬼や私達鬼殺隊を軍の戦力に加え戦力増強を考えている人達が少なからずいます。そうならないように政府と交渉し非公認を維持し続けるのが四ノ宮家の裏の役割なんです」

 

「私達が軍の戦力・・考えた事なかったですね」

 

「だろ?胸糞悪い話だよ、鬼を含め俺達を生物兵器として人殺しの道具にしようとしてるんだ」

 

「そうですね・・私が余計な事聞いたばかりに、すいません」

 

「気にするなよ、知っていて損はないだろうし」

 

 

食事中、しのぶがふと気になっていた事を質問すると瑠花が四ノ宮家の役割を説明するがその内容に場の空気が重くなってしまいしのぶは余計な事を聞いたと謝りを入れる。

 

煌牙は重くなった空気を変える為に話題を切り替えようと、自分の部屋の割り当てをしのぶに聞こうと思いしのぶに話し掛ける。

 

「そうだしのぶ、俺って何処に泊まればいいの?」

 

「そうですね、空き部屋がありますしそこに『兄さんは私と同じ部屋です』・・へ?」

 

「兄さんは私と同じ部屋で暮らすの、兄妹だし何も問題はないから」

 

「問題ですよ!一緒に暮らすって何?お兄私聞いてない」

 

「瑠花落ち着け」

 

「煌牙ちゃんは私と一緒なんだよ?」

 

「あんたは黙れ」

 

「あらあら〜〜♪煌牙君は人気者ね〜♪間をとってしのぶと一緒ってのはどうかしら?」

 

「ちょっと姉さん⁈」

 

「間の要素が見当たらないんだけど?」

 

「とりあえず何でお兄が一緒に暮らすのか経緯を話してくれませんか?家族と引き離されて、はいそうですかって訳にはいきません」

 

「そうですね、瑠花さんには話さなければいけませんね。煌牙さんですがお館様の依頼で隊士の竈門炭治郎君としばらく行動を共にして欲しいと言われたのが始まりです」

 

「えっ?兄さんそうなの?」

 

「まあな、お館様から直接言われたし」

 

「当初煌牙さんは竈門君が完治して復帰した際に行動を共にする予定でしたが、先日の討伐の件で負傷者が多数運び込まれてるので人手不足の補充と機能回復訓練に参加して欲しいと思い私がお願いしました」

 

「そうですか・・・仕方ありませんね」

 

食事中そのような会話が聞こえる中、義勇は一人黙々と鮭大根を頬張り続けていた。

 

煌牙はカナヲが要望を強く通し続けた為、カナヲと同室という事になるが、人手不足の事もあり瑠花も手伝いとして蝶屋敷に滞在する事になり煌牙カナヲと共に過ごす事になる。

 

 

カナヲに案内された煌牙と瑠花の二人は部屋に入ると、体を休める為に寛ぎ始め、疲れが溜まっていた瑠花はすぐにウトウトしだす。

 

「瑠花さん寝るなら布団で」

 

カナヲに声をかけられた瑠花は重くなっていた瞼を開くと羽織を脱ぎだし瑠花に用意されていた寝間着へと着替え出す。

 

煌牙は仮眠を取る前に風呂に入ろうと部屋を後にすると風呂場へ向かい始めるが途中で同じく風呂に入ろうとするしのぶに出くわし二人で軽い話をしだす。

 

 

「煌牙さんも今からお風呂ですか?」

 

「うん、寝る前に入ろうと思ってさ」

 

「先にお風呂いただいてもですか?」

 

「しのぶの屋敷だしそれは構わないよ」

 

「すいません、あ!私から頼んでおいて失礼ですが煌牙さんの着替えを用意してませんでしたね、申し訳ないですが患者用の寝間着でも構いませんか?」

 

「いや、貸してもらえるなら助かるよ」

 

「じゃあ今用意してきますね」

 

そう言うとしのぶはその場から引き返し、寝間着を用意して煌牙に手渡すと風呂場へと向かい煌牙はしのぶが風呂から戻るまでの間縁側で

待つ事にした。

 

縁側で寛いでいる煌牙は空を見上げながら寛いでいたが、煌牙の元に義勇が現れ煌牙に話しかけ出す。

 

「四ノ宮、炭治郎達の事よろしく頼む」

 

「出来る限りの事はやりますよ、富岡さんはどうするんです?」

 

「帰って寝る」

 

「ここで仮眠とって炭治郎達の顔を見てからでも遅くはないと思いますが」

 

「・・・・」スタスタ

 

炭治郎達の事を煌牙に任せた義勇はその旨を煌牙に伝えると足早にその場を去り、一人残された煌牙は義勇が去った方向を見つめながら呟いた。

 

「マジで飯食いに来ただけじゃん」

 

煌牙はそう呟きながらしばらく待っているとしのぶが風呂からあがり煌牙も風呂に向かいその日の疲れを取るとカナヲの部屋に向かいそのまま寝てしまうのだった。

 

 

 

 

 

「ふぁ〜〜良く寝た〜〜、今何時だろ?」

 

「もうお昼過ぎてるよお兄」

 

「え?寝すぎだろ俺・・あ、瑠花おはよう」

 

「おはようって時間じゃないけどね」

 

「確かに、瑠花はさっき起きたのか?」

 

「そんなわけないじゃん、さっきまで蟲柱様達のお手伝いしてたんだからね。少し休憩もらったからお兄の様子を見に来たの」

 

「なんかすいません」

 

連日の疲れからか熟睡していた煌牙は目を覚ますと既に昼を過ぎており様子を見に来た瑠花と軽く話をすると起き上がり自分も手伝う事はないかと瑠花と一緒に蝶屋敷の中を歩きだすのだった。

 

歩いている途中、煌牙は蝶屋敷で治療を受けている炭治郎の事を思い出すと瑠花に炭治郎が使っている病室を聞きながらその部屋へと向かうも瑠花は露骨に嫌そうな顔になるがそれでも煌牙に着いていく事は止めず煌牙の後を追うように歩きだす。

 

 

炭治郎がいるだろう部屋に着くと煌牙はなるべく音を立てないようにゆっくりと戸を開け部屋の中を見渡す。

 

その部屋は個室ではなく数人が共同で使う病室になっており、そこに設置されているベッドの真ん中に炭治郎はいた。

 

炭治郎の両隣にも炭治郎と同じ隊士が世話になっているのだろう、

煌牙は炭治郎の両隣のベッドにいる隊士を見渡す。

 

(炭治郎から見て右側の隊士は・・・蒲公英みたいな・・え?なんで頭黄色いの?異国の隊士?そんな話聞いたことないぞ・・まぁそれは置いといて・・・猪〜‼︎なんでここにいるんだよ‼︎あいつも鬼殺隊だったのかよ!あの時の状況みたらそうなんだろうけども、違ってほしかった)

 

病室の中を見渡す煌牙、炭治郎の両隣にいる隊士に強烈な印象を受けた煌牙は心の中で突っ込みを入れつつそっと戸を閉めようとしていた

 

「あっ煌牙さん!」

 

「・・・よっ炭治郎、昨日よりは元気そうだな(そういやコイツ、匂いでわかるって言ってたな迂闊だった)」

 

「煌牙さん昨日はありがとうございました!」

 

「ああ、気にしなくていいから」

 

「煌牙さんどうして部屋に入って来ないんですか?」

 

「え?いや、今入ろうと思ってたとこだから、うん(猪がいる部屋に入りたくなかったんだよ!炭治郎には悪いけど)」

 

そっと戸を閉め立ち去ろうとした煌牙だったがその前に炭治郎に気付かれ声をかけられる煌牙、炭治郎に軽く挨拶をするも部屋の中に足を踏み入れようとしない煌牙を見て炭治郎は何故部屋に入らないのか疑問を煌牙にぶつけると、心の中で突っ込みを入れながらぎこちない返し渋々部屋の中へと足を踏み入れる煌牙であった。

 

「炭治郎この人誰なの?炭治郎の知り合い?」

 

「善逸は知らないんだったな、この人は四ノ宮煌牙さん俺と禰豆子の恩人なんだ」

 

「そうなんだ、炭治郎と・・禰豆子ちゃんの恩人‼︎まままままさか‼︎

禰豆子ちゃんの恩人である事をいい事にあんな事やこんな事を禰豆子ちゃんに要求したり、挙句には禰豆子ちゃんに結婚を迫ったりする気なんだぁ〜〜‼︎この下衆野郎、禰豆子ちゃんは渡さないからな」

 

「善逸!煌牙さんに向かって何て事言うんだ!善逸みたいに気持ち悪い事煌牙さんが考えるはずないだろ!煌牙さんに謝れ」

 

「気持ち悪いって、正直過ぎるだろ」

 

「煌牙さん善逸がすみません」

 

「へ?ああ、いや気にしてないから・・・うん(ごめん、ホントは気にしてる下衆野郎とか初めて言われたよ)」

 

「煌牙さんだっけ?俺は我妻善逸、煌牙さんも鬼殺隊の人なんだよね?」

 

「善逸か、俺は四ノ宮煌牙って名前だ。もちろん鬼殺隊の一員だよ」

 

蒲公英のような黄色い頭をした鬼殺隊士、我妻善逸は同期である炭治郎に煌牙の事を聞くと突如取り乱し、禰豆子を渡さないと煌牙に言いつけると炭治郎から諌められ落ち着きを取り戻すが、唐突に善逸から

下衆野郎と言われた煌牙は内心ショックを受け落ち込んでいた。

 

その後善逸が自己紹介をすると煌牙も自己紹介をして善逸を交えて炭治郎と話し出した。

 

「なあ、ずっと気になってたんだけど・・隣の猪は〜」

 

「ああ、あれは被り物でちゃんと人間ですよ、伊之助〜」

 

「・・・よろしくね」

 

「あ、ああよろしくな。(え?しおらしい、喉が潰れて上手く喋れないのか)」

 

「伊之助は喉が潰れてるから上手く喋れないんです、すいません」

 

「だろうな、蜘蛛顔のゴツい鬼に掴まれてたし」

 

「そういえば煌牙さんもあの山にいたんですよね、あの鬼は煌牙さんが?」

 

「猪・・じゃなかった伊之助を助けたのは富岡さんだよ、まぁ鬼を斬ったのは俺だけど」

 

「なんであんた無事なんだよぉ〜〜!俺なんかこんなちんちくりんにされて苦い薬飲まされるわ、飲まないと怒鳴られて〜もうやだよ」

 

「ああ〜善逸どんまい、頑張って飲んでくれとしか言えないな」

 

「あんた自分が飲まないからそんな事言えるんだぁ!飲め!あんたもこの苦い薬を今すぐ飲め〜〜‼︎」

 

「いやいや、それ飲んだら俺アオイさんに怒られるからさ遠慮しとくよ」

 

「飲めっつてんだよぉ〜〜‼︎」

 

「善逸いい加減にしろ!なんでそんなに恥を晒すんだ」

 

「炭治郎・・・お前それ・・ブフッ!・・直球すぎ・・あはははは」

 

猪の被り物をした鬼殺隊士 嘴平 伊之助、煌牙は部屋に入ってからずっと伊之助が気になっていて炭治郎に伊之助の事を聞くと炭治郎は伊之助に呼びかけ、伊之助はしゃがれた声で煌牙に喋りかけると煌牙も伊之助に返事を返し、伊之助の声がしゃがれてるのは喉が潰れてると

察する。

 

炭治郎は伊之助の喉が潰れてる事を煌牙に教えるが、煌牙はそのことを知っているかのように伊之助の喉が潰れると原因である鬼の事を口にしだすと炭治郎が煌牙があの鬼を斬ったのか気になり聞いてみると

伊之助を最初に助けたのは義勇であるが、鬼を斬ったのは自分であると煌牙は説明をする。

 

その会話を聞いていた善逸が煌牙が無傷である事に腹を立て、自らの現状を嘆き始めると煌牙が善逸を励ますが八つ当たりで煌牙に薬を飲めと騒ぎ出す善逸、善逸の為に調合した薬を煌牙が飲むと自分がアオイに怒られると飲む事を拒否した煌牙だったが、拒否された善逸は更に騒ぎ出すと今まで黙っていた炭治郎が善逸を叱り始め、炭治郎が言った言葉に笑いを堪える事が出来なかった煌牙が笑い出す。

 

ーーガラガラーーバタンーー

 

煌牙が病室に入って炭治郎達と会話してる中、瑠花は病室には入らず廊下で一人待機していたが、善逸の騒ぎ出す声や煌牙の笑い声が聞こえると瑠花も病室の戸を開け煌牙の元へと駆けつける。

 

「あ〜〜♪瑠花ちゃん俺の事心配してまた来てくれたんだね〜」

 

「そうですねー心配だから我慢して薬飲んで下さいねー」

 

「飲むよ飲むよ♪瑠花ちゃんの為に薬ちゃんと飲むよ〜」

 

「瑠花、善逸に塩対応だな」

 

「ん?普通だよ?」

 

「煌牙さん、瑠花ちゃんとも知り合いなんですね」

 

「瑠花は俺の妹だぞ炭治郎」

 

「煌牙さんの妹・・ん?煌牙さんの兄妹って瑠花ちゃんにカナヲ、桜花さん・・は義理の妹・・あれ?カナヲは栗花落、桜花さんは四ノ宮

煌牙さんも四ノ宮・・意味がわかりません」

 

「え〜〜とな、カナヲとは実の兄妹だけど昔色々あって生き別れだんだ、その後俺は四ノ宮家に迎え入れられて四ノ宮を名乗っているって事だよ、桜花も瑠花も四ノ宮だから俺とは義理の妹の間柄だな」

 

(昨日柱の人達の前で親に弟や妹を殺されたって煌牙さん言ってたな

俺は鬼に家族を殺されたけど、実の親に家族を殺されるって俺には想像つかない、煌牙さんもカナヲも悲しい過去を背負ってるんだ)

 

「煌牙さんすいません‼︎変な事聞いちゃって」

 

「炭治郎が気になるのも仕方ないさ、気にするなよ」

 

「お兄はお兄だから!・・血の繋がりとかそんなの関係ない!

わたしにとってお兄はホントのお兄だから!」

 

「そうだな、瑠花も桜花も俺の家族だよ」

 

煌牙、炭治郎、善逸、瑠花の四人で会話をしてる中、一人残された伊之助、件の鬼との戦いから自信をなくし元気がなくなった彼は四人の会話を聞きながらも参加出来ずにいた事を密かに悔しがっていた。

 

「そういえば瑠花ちゃんも鬼殺隊だよね?俺達と同じ最終選別にはいなかったし・・いつからいたの?」

 

「私は一年前の最終選別を受けて入団しましたよ?階級は己です」

 

「ええええ⁈俺達より先輩だよ炭治郎、階級も俺達より上だよぉ」

 

「そうだな、俺達も頑張ろう善逸」

 

「無理だから!俺死んじゃうから!」

 

「やる前から諦めるな善逸、善逸はやれば出来る奴だ」

 

「やる前に殺られるんだぁ〜〜‼︎いやだ死にたくない〜」

 

「ははは、善逸は面白いな〜」

 

「笑い事じゃねぇから!俺の命がかかってるんだよぉ!あんたの階級はなんなんだよ?」

 

「俺?俺は柱だな、牙柱を就任してるよ」

 

「・・・は?・・柱?ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎俺柱相手に失礼な事言ってたよぉ!殺される!柱に殺される!お願いだから殺さないでぇ〜〜‼︎」

 

「善逸は大袈裟だな」

 

「炭治郎〜〜‼︎知ってたなら教えろよぉ〜〜‼︎俺ただの恥晒しじゃん」

 

「善逸が恥晒しなのは元々じゃないか、何を言ってるんだ?」

 

「ちょっ!炭治郎・・善逸悪い・・笑いを堪えるのキツイ」

 

「そこ笑うところじゃないからな!あ、いや笑うところじゃありませんから」

 

「いや〜悪いな善逸、別に言い直さなくてもいいぞ?さっきみたいに気軽に話してくれていいから、俺もその方が楽だし」

 

「え?俺の事殺さない?俺生きてて良いんだよねぇ?」

 

「当たり前だろ?善逸、何があっても最後まで生きる事を諦めるな」

 

「はい!俺は死にたくありません!」

 

「あはははは!善逸は大丈夫そうだな〜」

 

 

善逸が騒ぎながらも会話は進み、煌牙は久方ぶりに楽しく他の隊士と話が出来て満足そうにしていた。

 

柱である煌牙は任務の最中他の隊士と話す事はあるが、煌牙が柱という事で隊士達は話し方や対応に気を遣い、気軽な会話が成立しないでいたが敬語ながらも萎縮しないで話してくる炭治郎、時折煌牙に突っ込みを入れる善逸、二人と話してる煌牙は時間を忘れ他愛もない話を続けていた。

 

会話が続く中、煌牙は伊之助の事も気にしており話をしてみたいと思っていたが伊之助の状態では会話は辛いだろうと声をかけるのは控えていたが、ふと立ち上がり伊之助の元へと向かうと一言だけ声をかける。

 

「元気になったら一緒に強くなろうな」

 

そう伊之助に言いながら伊之助の頭を軽く撫でると炭治郎、善逸に顔を向け二人に向かって当初の目的を話し出す。

 

「炭治郎、怪我が治ったら機能回復訓練ってのがあるんだけどさ、そこで手伝いする事になったからその時はよろしくな。善逸も一緒に頑張ろうな」

 

二人とそう告げながら瑠花と共に病室を後にする。

 

「ねえお兄・・その訓練実戦形式も組み込む気でしょ?」

 

「ん?まあ訓練の段階を踏んでからな」

 

「私にも実戦形式の稽古付けて?」

 

「・・そうだな、なら一緒に訓練受けるか」

 

「うん」

 

 

それから数日後、一足先に炭治郎が回復すると機能回復訓練へと赴くがそれは炭治郎にとって試練の日々の始まりでもあった。

 




次回も蝶屋敷編ですが、しのぶが語る煌牙達の最終選別も組み込もうかなとかんがえてます。

なるべく早めに投稿したいなとは思ってますが・・・が
はい、頑張ります。

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