仮題名『死霊魔術師と、錬金術師』   作:蜜柑ブタ

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やっと執筆できました。

今回もオリジナルエピソード。

会話が主です。
ほぼ台詞。
あと説明ばかり。


他作品のキャラクターと設定をクロスオーバーさせています。
分かる人がいるのかどうか怪しいマニアックゲームのキャラです。自分的には大好きなんですが。


ソウゲンのキャラが当初よりサイコパスに改変したりと色々と展開がおかしいかもしれません。





それでもOKって方だけどうぞ。






いいですね?





SS18  先代死霊魔術師の得意分野

 

 

 

 

「……………なにやってんの?」

「……。」

「おーい。クサナカさん? 聞こえてる?」

「クサナカさん。」

「ん? なんだどうした?」

 アルフォンスに肩を叩かれてやっと気がついたクサナカが手を止めた。

「すっげー集中してたみたいだけど何作ってんの?」

 エドワードがクサナカが黙々と工作していた物を指差して聞いた。

 組み立てられることで形を自由にできるオモチャのブロックのように見えるが、奇妙な縞模様と見たことがない文字と図形が合わさったような模様が彫られている。

 工作の材料にした思われる灰色の粉を水分で練ったりしたことで残った乾きかけの灰色の汚れがべっとりついたまな板と小さいバケツ、削ったりするのに使用したと思われる彫刻刀がテーブルに散乱している。

「これは…。」

『ゴーレムのパーツじゃ。』

「ごーれむ?」

「えーと…、あ、あれだ! 自立して動くあれ。」

「ゴーレムのルーツは色々あるだろうが、爺さんのゴーレムは…。」

『ゴーレムというのはわしが勝手につけた呼び名じゃよ。簡単に説明するとデーモンに適した器。フェティッシュはその一例じゃ。』

「あれってゴーレムだったのか? 人形って言ってなかった?」

『人形とゴーレムはそんな違いはないかのう?』

「フェティッシュはまだ造りやすい方。」

『なんでそう面倒くさがる? 実体の無いデーモンのために最適に造っておるから即席デーモンでも簡単にパワーの増幅ができるから低級が上級ギリギリまでのにできるのに?』

「爺さんの凝り性のせいで大変なことになりかけたって自分で言ってただろ? 爺さんの婆さんにこっぴどく怒られたって。」

『………あー…。』

「なにやったんだよ、ソウゲンさん?」

 クサナカにジト目で言われてあからさまに目を泳がせるソウゲンの様子に、エドワードとアルフォンスは彼が過去に何かよからぬことをやらかしていることを察して疑問に思った。

「凝り性が祟ってとんでもない代物を造って…、あまりのとんでもなさに先々代死霊魔術師だった爺さんの婆さんがすぐ処分しろって処分させたらしい。最近色々と思い出してきたから爺さんが生きてた頃に聞いた話だ。」

「速攻で処分しろって言われるって、いったいどんなの造ったんだよ!?」

『そうじゃな、国ぐらいは軽く滅ぼせるかの? 昔だろうと現代関係なく。』

「1体でそれだけの激ヤバ物(ぶつ)なのに、そんなのを3体造った。」

「ソウゲンさん、あんたなにやってんの!? なに造ってんだよ!?」

「国を滅ぼすほどのものって!?」

『だって…、趣味の集大成というのをやってみたいじゃろ? 最高傑作に挑戦してみたいもんじゃろ?』

「それで国滅ぼすレベルをポンポン造って処分に困る上に、そもそもの使いどころ不明で困ってどーする? 爺さん作のゴーレムは歴代死霊魔術師の中で最凶最悪の危険物だっていうのに。」

「そーなのかよ!? マジでなにやってんだよソウゲンさん!?」

『でも…、だって…、自分ができる限界を試してみたくなるもんじゃろ? 単純にデーモンを造るのもじゃが、デーモンを効率的に安定して使いこなすための最高の器があれば即席で造った不安定な低級デーモンも手間を掛けずに強く出来るし…。ゴーレムに死者の魂を移してもよいし…。』

「爺さんはデーモン作りが面倒だからって、最初の手間さえ終わればエネルギー注入だけで何度も使えるって量産家電みたいにゴーレム造りに精を出したって口だろ。」

 デモデモダッテっとごにょるソウゲンにクサナカがやや呆れ気味に肩をすくめて言う。不老不死と知らずに次世代が生まれたから老衰で亡くなったとはいえ人生経験は積んでいるはずなのになんかごねる子供みたいになってる。

 エドワードとアルフォンスは思った。

 クサナカの人間性部分が多少ヤバい部分があると思っていたが、クサナカ以上にヤバかったのは祖父のソウゲンの方だったと分かった。サイコパス度で測ると趣味で激ヤバ兵器を製作するソウゲンがヤバい。しかも悪気がなさそうなのがヤバい。

「それで、クサナカさんが造ってるのって…まさか?」

 先ほどソウゲンがゴーレムのパーツと言っていたことを思いだし、嫌な予感を覚えたエドワードが再度それの正体について聞いた。

「……念には念を入れておくという意味でだ。」

「絶対よくないブツだろ!? 予防策を打っておくことを否定はしないけどさ!」

「で、爺さん、これの紋様ってこういう感じでいいの?」

『うむ、上手いぞ。』

「なあせめて今造ってるモノのことは教えてくれね!? あんたらのやること全部ヤベー気しかしねーんだから!」

 プラモデルのパーツかレゴブロックみたいな小さなパーツをソウゲンに確認しているクサナカと指南しているソウゲンに向けて叫ぶエドワード。

「何を造ってるって…、これは制御装置? みたいなもの?」

「なんで疑問形なんですか?」

 造っている本人が変な言い方をするので思わず聞き返すアルフォンス。

『せいぎょそうち…、あながち間違いじゃないぞ。』

「制御装置って…、それが必要なぐらい大がかりなゴーレムってことじゃ…。」

「そーとも言う。」

「否定しねーのな。その制御装置ってのが必要なゴーレムがさっき話してた激ヤバゴーレムってことは…。」

「……。」

『……。』

「黙るなーーーー!! 目をそらすなーーー!!」

「造っちゃダメなやつーーーー!! すでに作り始めちゃってるーー!!」

「念には念を。」

「それ免罪符にすんな! あとのこと考えろって! 造って早々処分しろって怒られてんだろ!?」

『時と場合じゃって。万が一って事があるじゃろ? うまく使えば脅迫材料にぐらいは使えるわい。』

「脅しに国を人質に使っちゃダメーーー!」

「うち1体を復活させておいて使おうと思えば使えるのは、爺さんがもう用意してるが。」

「………………は?」

 クサナカが頭を掻きながらぼやいた言葉にエドワードとアルフォンスがギギギッと音がしそうな感じでゆっくりとクサナカを見た。

「…なんて?」

「ん?」

「今、なんて言った?」

「なにを?」

「とぼけんな! 使おうと思えば使えるのをソウゲンさんが用意してるって言っただろ!」

『ああ、そういえば忘れとった。』

 ソウゲンのその一言でエドワードとアルフォンスが思わずずっこけた。

「死霊の町の結界を突破されたときの最後の砦にって、町の裏山に用意してただろ? 思い出した。」

『そーじゃったな。あー、すっかり忘れておった。』

 手を叩いてケラケラ笑うソウゲン。ガチで忘れていたようだ。

 死霊の町はブラッドレイが大軍を率いて攻撃してきたが、あのまま攻撃が止まずに進行されていたら裏山に隠されていたゴーレムが起動していたということだ。

 そのゴーレムとは……。

「そんなんだから怨まれるんだろ? 爺さんはいい加減だ。アイツらが気の毒。」

『砦将(さいしょう)は聞き分けがいいと思うんじゃが?』

「ただ単に我慢してるだけだから…。だからって忘れてほったらかしはない。本当に集大成だったのか?」

『3体とも良い子じゃよ。わしの最高傑作じゃ。』

「どうだか…。」

「…さいしょう?」

「砦将。爺さんが造った国を軽く滅ぼせる強力無比のゴーレム…、デビルゴーレムの1体だ。」

『そうそう、結界を突破されたら最後の手段でアメストリスごと滅ぼす勢いで暴れさせてその隙に逃げさせようと思ってのう。』

「そんな軽い感じでこの国を犠牲にしようと…!?」

「なんてことしてんだ!?」

『国が敵に回るならそれぐらいはせんとな。』

「爺さん…、あんたは薄情というか、思いやりが…、ハア…。」

「あ、危なかったんだ…。」

 ケラケラと軽い調子で笑ってとんでもないことを言っているソウゲンに、クサナカは呆れてため息を吐き、エドワードとアルフォンスは青ざめて戦慄した。

 あの時クサナカがブラッドレイを死亡させることをしなければ…、アメストリスが地上から消されていたかもしれなかった。3体いるデビルゴーレムの1体である砦将の力と詳細は知らないが、危うくアメストリスが滅びそうになっていたその事実に恐怖した。

 恐怖してしまう理由は、死霊魔術師が扱うデーモンの力が不可解でそして限界を感じさせない点だ。初めて見たシザースやサイズのように動物の頭蓋骨を利用したデーモンも十分過ぎる脅威であったが、そもそも普通の人間には認識できない死の姿を認識し、自由に扱うその得体の知れ無い恐怖も叡智の探求者であるはずの錬金術師の頭を混乱させ動物としての本能によってソレに近づくことを拒否して恐怖という形になる。

 実際即席デーモンでも質量を制限せずに造れば、セントラルシティの下水道のヘドロから怪獣のような大きさのヘドロデーモンを簡単に造って操れるのだから国を滅ぼすなんて楽勝なのかもしれない。しかもあのヘドロデーモンはヘドロに含まれる毒素や病原菌を抑えた状態にしていたのだからそれをしていなかったら……?

 頭脳が早熟のエルリック兄弟はヘドロデーモンに制限を掛けなかった場合に起こされる感染症の被害を想像してしまい体が勝手に震えた。

 じゃあクサナカより先代にあたる死霊魔術師のソウゲンが集大成として製作したというデビルゴーレムの力はどれほどのものなのか?

 造った本人が国を滅ぼせると言っているのだから……。

 そして孫のクサナカを守るために予め用意しておいてアメストリスを滅ぼしてでもクサナカを守ろうとしていたことも……。

 

 賢者の石以前の問題ではないかという闇深い問題が分かり、新たな不安材料ができてしまったのだった。

 

 重い不安を抱く二人の傍ら、渦中のクサナカとソウゲンがとんでもない発言をした。

 

「確か遠隔でコマンド(命令)を書き換えられるんだった? だったら砦将を待機状態から起こしてこっちに来させられるんじゃ…。」

『問題ない。できるぞ。エネルギー充填状態も満タンで保たれるようにしておるし、起こそうと思えばいつでも起こせるからのう。』

「だからヤメローーー!! 起こすなよ! 絶対にソイツ、砦将ってのを起こすなよ!?」

「お願いですから踏みとどまってーーー!!」

 実物がどれほどのものか分からないが、デビルゴーレムに関する説明の一部ととてつもなく嫌な予感がするので止めに入るエルリック兄弟だった。

「いったい何を騒いでいるのかね?」

『おや、ロイくん。…そうだ。焔をテーマとしておるのなら…。』

「そっちのはコアがないだろ?」

「なんの話かな?」

「い、いいから! 大佐は聞くな! 関わらない方が良い!」

「なんだなんだ? 隠し事とはつれないな、鋼の? 詳しく聞かせてくれるかね? クサナカくん?」

「大佐ー!」

 ロイを追い出そうとするエルリック兄弟を避けてロイが軽い悪巧みに参加するような楽しそうな顔でクサナカとソウゲンに話を振った。

『協力して貰おうか思ったが…、アイツのコアが手元にないのでな。作り直しは今は止めるとするよ。』

「おや? なにやら興味が引かれますな。詳しく聞いても?」

「アイツだけ余所に置いていったのに…。大事にしていたって態度がまったく感じ取れない…。だから3体とも怨めしがってるのに…。」

「オイオイオイオイオイ! なんかよろしくないこと言ってないか!? 怨まれてるってなんだよ!?」

 怨まれていると聞いたら顔を合せたら絶対悪いことしか起こらないことが容易に想像できた。

「確実に爺さんに不平不満を垂れるだろう。」

「えっ、それぐらいで許してくれるの?」

「3体の中で一番自我が強いのがいて、ソイツからは末代先まで呪い殺すぐらいはされそうかもしれない。」

「そこまで怨まれるってソウゲンさんマジで何した!? ソイツだけ極端じゃね!?」

「創造されて早々に自壊…、自殺しろってコマンドを与えられたら…な…。」

「……自我意識がハッキリしているんでしたら、確かにそんなことされたら普通に怒りますね…。」

「だから再構築させて復活させるのはイマイチ賛成できない。」

「なるほど、そういう背景があったのか…。そういう話なら、復活させた瞬間に復讐されるでしょうね。」

 クサナカとエドワード達がうんうんとデビルゴーレムの復活に賛成できない意見に頷いているのをソウゲンがやや不満そうな顔をして言葉を発した。

『コマンドは絶対じゃぞ? 創造主以外には書き換えられんし、今はクサナカしかおらんからクサナカがおらなくなると自分達のコマンドを変えることすらできんから、そこのところは嫌でも理解しておるから復讐に走れんじゃろう。』

「……そういう意味でも爺さんは残酷だ。」

 デビルゴーレムは、創造主から与えられたコマンド(命令)が絶対であり、コマンドから逃れられない。ハッキリした感情や自我はあってもその絶対に縛られているためソウゲンやクサナカに逆らって報復を与えることもできないのだ。

『あの子らの感情は人間とは比べられん。それぞれのデビルゴーレムのために計算し、作り上げたあの子らだけのものじゃ。他の生き物と人間と同等に考えること自体が間違いなんじゃよ。』

「生まれて早々に死ねって言われて、なんのために自分らを造ったの?って不満を持つ程度には激オコなのは?」

『試し運転前に見つかって処分しろって婆さんが…。』

「せめて造られた意味を理解する知能と感情は与えない方が良かったと思わない辺りが…。」

『それは自力で成長できるようにだな…。ゴーレムは生き物じゃなく、あくまで人形じゃ。』

「自力で動けて、自力でコマンドを実行することに専念して、自力で自分を整備して動き続けるために物を考えて経験を積むことができる……。爺さんのやりたくないことを人形に詰め込んだ集大成というのは間違ってはないか…。」

「ソウゲン殿はクサナカくんとは違う意味で面倒くさがりなのだな。」

 それが悪い方向に作用している…っと。つまるところサイコパスだと。

 ロイはソウゲンという人間をそう分析した。

 孫のクサナカは若干常人と感性がズレているようだが見知らぬ子供達の幽霊を成仏させるために動いていたし、今もデビルゴーレム達の気持ちを気にしているので他者への思いやりがある方だ。

 いまだにデモデモダッテとごねているソウゲンは年配のはずなのに孫より年下に見える幼稚さがあり、デビルゴーレム達への扱いと孫を守るためにアメストリスを滅ぼそうともしていたことも含めて身内以外への思いやりが薄いようにも思えるため今の代の死霊魔術師がソウゲンではなくクサナカで良かったと思えてしまいロイ、そしてエルリック兄弟の2名がため息を吐いた。

 

 

 

 

 




デビルゴーレムは、ゲーム『eM』or『エンチャントアームズ』の登場キャラです。
ゲームの物語の最重要要素であり、ボスキャラ達。

このネタでは、ソウゲンが過去に製作したデーモンの器の最高傑作です。
フェティッシュ(※DMCの敵キャラ)が量産雑魚で、デビルゴーレムは量産ができない造るのが超大変な最高級品。
デビルゴーレムの人格面も原作ゲームに寄せる予定です。

死霊の町の裏山にデビルゴーレムの1体が隠されているという設定は後付けも後付けです。最初はその予定は無かったです。
この設定を考えたとき、ブラッドレイがあそこで没しなかったらアメストリスが滅んでいたかもしれないと気づいて自分で考えたのに少し焦りました。

あとクサナカが造っていた制御装置は、デビルゴーレムの稼働に必要な魔導器です。
それとロイに協力を頼もうとしたデビルゴーレムはとある国にあり、そのことも含めて死霊魔術師の一族が色んな所に影響を残しているというのを描きたいと思っています。書けるかどうか不安ですが。
そのデビルゴーレムはその国で自壊のコマンドを実行しているため再構築に必要な大事なコアがその国に残されてしまいクサナカの手元にありません。
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