仮題名『死霊魔術師と、錬金術師』   作:蜜柑ブタ

3 / 22
このネタでの、デーモン(死霊・悪霊など)は、デビルメイクライの、デスシザースとか、デスサイズとかそういう部類も含める。


DMC1で、デスシザースには、何度殺されたことか……。


SS2  死霊魔術は、錬金術?

 

 自称、死霊魔術師・クサナカと、エドワードと、アルフォンスは、対面する形でテーブルを挟んで椅子に座った。

「なるほど……、国家錬金術師がここに行ったっきり戻ってこないから、調べに来た…か。」

「あんた、さっきルトホルトが死んだって言ったよな? そのあと…どうした?」

「埋めた。」

「どこに?」

「この家の裏だ。裏は、墓場になっている。」

「なんで死んだことを届け出なかったんですか?」

「……俺は、素性を知らなかったんだ。」

「つまり、ルトホルトは、国家錬金術師って身分を隠して、あんたに死霊魔術を?」

「錬金術師だってことは、お前達のようにこのドクロが教えてくれる。ただ、国家関係だとは知らなかった。身元の確認が出来るものは、死んだときに全部剥がして保管してある。……死霊魔術を知りたがる人間達は、全部そうしてきた。」

 それを聞いて、エドワードと、アルフォンスは、引っかかった。

「人間達…? ってことは、他に死霊魔術を知りたがってきた人間がいて、そいつらも…?」

「ほとんど死んだ。だが、遺体を取りに来る人間がいなくてな。」

「それで、仕方なく埋めた…?」

「身分証明になるものは、全部個別に保管してある。…それで? 俺はこれからどうしたらいい?」

「えっ? あ…、たぶん、事情聴取は入るだろうな。それと殺した容疑者って事で牢に入るかも、だけど。」

「別に、あなたが殺したとか…、そういうことはしてないんですよね?」

「してない。教えただけだ。」

「……それで失敗した?」

「………デーモンがあの男に憑いているからやめとけとは忠告したんだが…。」

「デーモンがついてる?」

「…人殺し…。」

「!」

「特に怨みを買いながら人殺しをした人間には憑くことが多い。それが、死霊魔術に反映されて、デーモンになり、攻撃を受けた。……見つけたときには、手遅れだった。」

「その…デーモンっていったい?」

「……興味があるのか? 死霊魔術に。」

「いやその…興味があるっていうか…。」

「ただ気になっただけだつーの。」

「ふーん…、お前達、死霊魔術が贋物だとは思わないのか?」

「そこんとこだが…、なーんか、あんたの雰囲気? 迫力? っての? 否定しがたいんだよな…。どう考えても科学的じゃないってのに。」

「記憶…、魂…の情報。人体錬金術において重要視されることのひとつだったか?」

「知ってんのか?」

「何度も錬金術師達が訪れてたら、覚えた。」

「まさか…、今までここに来た錬金術師達も…人体錬金術を?」

「死んだ人間の魂を呼び寄せて、言葉を聞く、口寄せ…。これに死んだ人間の魂の再構築と、復元した肉体への帰還を見出したって言ってたな。」

「…できんのか?」

「さあな。成功したのは見たことがない。……そもそも、死霊魔術を実行して、低級デーモンに殺された連中ばかりだ。」

「ていきゅうでーもん?」

「錬金術的に言えば、魂を構築している同一のエネルギーに、簡潔な記憶の情報を与えたものだ。実体のないカラクリみたいなもんかな。与えられた情報に従い、それ通りにしか動かない。だが、記憶の情報の与え方が悪いと暴走する。ほとんどの場合、作った人間に襲いかかる。」

 その説明を聞いて、エドワードとアルフォンスは、顔を見合わせた。

 そしてクサナカに向き直り。

「……死霊魔術ってのは…、錬金術なのか?」

「…さあな。」

「けど、さっき…。」

「それは、分かりやすく説明するためのもんだ。俺達、死霊魔術師の一族は、死霊魔術の口伝も書物も持たず、ただ、自分の感覚で死霊魔術を使ってる。だから最初の頃は、教えるのが難しかったぞ。」

「感覚って……。」

 錬金術がいかに勉強が必要な分野かを知っている二人は、感覚でやっていると聞いてヒクッとなった。

 やっぱり、死霊魔術は、まやかしだと思った二人だったが、するとクサナカが立ち上がり、壁に掛けられているヤギの頭蓋骨を取った。

「これに、デーモンを宿すとこうなる。」

 すると、バチンッと音と共に紫電の光が一瞬弾けた。

 それを見た二人は驚いた。

 それは、錬金術を行使した時に発生する変成反応に似ていたからだ。

 クサナカが持っていたヤギの頭蓋骨がフワリと浮き上がり、煙のような黒いマントを纏ったような身体が形成され、マントの端から枯れ木のような細い手が生えた。

「これが、低級デーモンの一例だ。」

 クサナカがそう言って椅子に座る。

 ヤギの頭蓋骨を持ったデーモンは、ぼんやりとヤギの頭蓋骨部分を紫電の光を纏った状態でその場にボーッと浮いていた。

 エドワードとアルフォンスは、ただ言葉を失っていた。

 クサナカは、そんな二人の様子を見て、やれやれとため息を吐く。

「…今までの錬金術師達も、そんな顔してたな。コレ見ると。」

「いやいやいやいやいや!」

「どこからツッコんだらいいか!」

「で? どこから聞きたい? 俺が答えられる範囲で答える。」

「まず、なんでヤギの骨使った!?」

「デーモンに実体はない。だから、普通なら見えない。そこで、実体となる触媒に骨を選んだだけだ。」

「次! なんで浮いてる!?」

「デーモンは、質量がない。よく、幽霊には足がないって言うだろ? それだ。」

「骨を触媒にしてるなら、浮いてる理由にならない!」

「知らん。頭蓋骨だけだからじゃないか?」

「あと、さっきの変成反応…、錬金術じゃないか!?」

「分からん。」

「兄さん、兄さん!」

 するとアルフォンスがエドワードの肩を掴み、部屋の隅っこに。

「死霊魔術って…、もし錬金術なら…。」

「ああ…、そうか。可能性はあるか…。」

「それに、さっき、何か等価交換の対価を払ったように見えた?」

「!」

 アルフォンスとヒソヒソ話をしていて、エドワードは、重要なことに気づいた。

 先ほどの低級デーモンの作成の際に、錬金術なら必ず必要な等価交換の対価を支払ったように見えなかったことに。

 そして、二人は、チラッとクサナカの方を見る。

 クサナカは、先ほど作った低級デーモンに、お茶を入れさせていた。

「…飲むか?」

「クサナカさん…、ちょっといいっすか?」

「なんだ?」

「……赤い石とか持ってます?」

「ない。」

 返された言葉は、否、だ。

「…同じ事を言われる。赤い石を…、賢者の石を持っているんじゃないかと。」

「質量法則くらいは分かりますよね? あなたはそれを無視している。」

「そう言われても、分からん。俺は、なんとなく出来ることをしているだけだ。」

「え~~~?」

 そんな答えに、二人は困った。

「第一…、ボワっとか、トンっとか、ホワワ~ンとか、って感じでやってるって言っても分からねぇだろ?」

「え~~~?」

「で? どうするんだ? 俺は、国家錬金術師の殺害容疑者なんだろ? 警察機関への報告が必要なんじゃないのか?」

「確かにまあ…、国家錬金術師っちゃそうだけど、俺にしてみりゃ国家なんてどうでもいいけどさ。それに、俺にこの任務押しつけてきた大佐も、期限までは言ってなかったから。」

「そうだね。それに催促があっても、兄さんの口添えがあれば、早く釈放ってのもあるだろうし。」

「……死霊魔術の調査、研究か?」

「もちろん、タダで教えてくれって言わないぜ。そっちの言い値ででいい。」

「他の錬金術師もそう言ってきた。だが…。」

「俺達はなにがなんでも取り戻したいんだ…! そのためなら…。」

 エドワードは、外套と上着を脱ぎ捨て、オートメイルの右腕を見せた。

 アルフォンスは、兜を外し、空っぽの体を見せた。

 それを見たクサナカは、目を細めた。

 そして、やがて目をつむって、ハァ…と息を吐き。

「………勝手にしろ。責任は持たないぞ。」

「ありがとうございます!」

 

 こうして、エドワードとアルフォンスは、死霊魔術師・クサナカに死霊魔術について調査研究を依頼したのだった。

 

 




クサナカがここで作った低級デーモンは、ハサミ持ってないデスシザースみたいな感じです。


次回から、オリジナルストーリーが始まるかな?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。