「悠人、そろそろ出かけるぞー。」
「ああ、分かってる。」
今日はちょっとした用事で俺とリトはこれから出かける。
「2人ともどこ行くの?」
ララが興味津々に聞いてくる。
「親父の仕事の手伝いだよ。」
「リトの父親の才培さんはマンガ家なんだけど、締め切りが近くなると手伝ってくれって頼まれるんだよ。まあ俺は頼まれてないけど、ボランティアみたいなので一緒にやってるんだ。」
「へー。私もついていっていい?」
「別にいいけど、邪魔だけはするなよ?」
「大丈夫!」
「ほんとかね・・・」
仕方なく了承した。
「ここだよ。」
リトが言うと、インターホンを押す。
押してしばらくしないうちに、
「おう!よく来たなリト、悠人。時間がねぇからさっさとあがれ。」
リトの父親の才培さんが出てきた。
しかし、早速ララに気づいたらしく、じっと見つめたまま黙っている。
「はじめまして、リトパパ!」
すかさずララが挨拶をする。
「リト・・・これはどういうことだ。」
「いや、本当は来させたくなかったんだけどさ・・・」
リトがなんとか理由を話そうとすると、
「バッキャロウ!女の子連れてくるなら先に言えってんだ!
はじめまして、リトパパで〜っす!!」
「「・・・・・・」」
俺もリトも唖然としていた。いとも簡単にララのことを受け入れていたからだ。
それと、やはり見た目の怖さと全然違う。こう見ると親バカに思えてくる。
中に上がって、仕事場の部屋に入る。
「相変わらず散らかってますね。」
「まあ仕事する上でいちいち部屋のこと気にしてられねーからな。
それより、悠人。お前はリトよりも絵も上手くて手伝ってくれるのはありがたいんだが、毎回毎回来ることもないんだぞ?」
「いえ、リトだけに負担をかけさせるわけにはいきませんから。それに、才培さんの仕事を間に合わせるのに少しでも人がいないとですしね。」
「おう、ありがとな。じゃあ、2人とも頼むぜ。
あぁ、そうだリト。」
仕事の手伝いをはじめようとしたら、
「ララちゃんと毎晩一緒に寝てる事、美柑から聞いてるぞ。
だが、男として責任は取れよ?」
「違うわ!」
「いつもイチャイチャしてますよ。」
「悠人も変なこと言うな!」
「リトパパ、私も何か手伝おっか!
じゃーん、ちょっと描いてみたんだー、リト♡」
「ぶははははははははは!」
ララが描いたというリトの似顔絵を才培さんが爆笑してて気になったので、俺も見てみる。
「あー、これは・・・」
「あれっ、ダメ?」
「練習はしたほうがいいな。かなり。」
「ララ、親父の仕事の邪魔だから他の部屋で遊んでろ。」
「えーーー。」
リトがララを別の部屋に連れて行った。
「いやー、それにしても才培さん、連載3本もかかえてるって、普通間に合わないよな。素直に尊敬するよ。」
「そのおかげでいつもスケジュールやばいけどな。」
リトと話しながらやっているとアシスタントの1人が、
「うわー!もうダメだ〜」
流石に間に合わなかったか。アシスタントも諦めモードに入りかけてるし。
あと2時間で日付が変わるが、終わる気配がしない。
普通は終わらないが、
「手が速く動けばいおんだよね!」
今回はララがいる。
思った通り、万能工具を使った。
「これはすごい!ムチャクチャ速く作業できる!!」
アシスタントさん、素直に感心しちゃってるよ。
「おお!やるじゃねぇかララちゃん!
よーし、一気にスパートかけるぞてめーら!!」
『おう!!』
仕事を再開する皆さん。
「リト、俺らいらなそうだし、休むか?」
「ああ、俺コーヒーでも入れてくるよ。」
リトが淹れたコーヒーを飲みながら本を読んでいた時、
「リト、悠人!終わったぞーーー!!」
「へっ、もう?」
「1時間とちょっとで出来ちゃったんですか?」
「ああ!ララちゃんのおかげだ!」
「・・・そのかわりアシスタントの人たちのメンタルがやられてますけどね。」
〜翌日〜
「えー!親父のアシがみんな辞めた!?」
美柑から、昨日までやってたアシスタントの人たちが皆辞めてしまったということを聞いた。
「みんな今回の仕事で精根尽き果てたみたい。」
「そりゃそうだな。あんなことすれば尽きるわ。」
「でも、そしたらどうするんだ?」
「大丈夫だよ。リトパパには私が新しいアシスタントを紹介してあげるから。」
「ちなみにそれって・・・?」
「ザスティンたちだよ!」
ザスティンをマンガ家のアシスタント係にしていいのかよ・・・