朝になった。
朝になれば起き、仕事に勤しむ。
それは総統になろうと、世界が変わろうと変わる事はない。
「おや、総統閣下起きましたか」
ベッドは既にガラクタと成り果てており。ボロ切れとなった布で寝ていたが、案外寝れるものだ。
「おはようコズワース。しかし、こんなに静かな朝もいつぶりだろうか」
思えば、防空壕の中はいつも騒がしかった。 人の声は勿論、忌々しい赤軍の砲撃で、ゆっくり休む暇も無かったのだ。
「総統閣下、朝ごはんでもどうぞ。
200年経ってるでしょうが、大丈夫でしょう」
そう言うと、コズワースは飲料水とシリアルを持ってきた。
「これがアメリカの食べ物か・・・ゔっ?!」
何だこれは!胸焼けする程甘いぞ!
私は思わず怒鳴ってしまう。
「コズワース!!!何だこれは!」
「それはシュガーボムです。1日分の糖分摂取量の100%をそれでまかなえます!」
道理で甘いはずだ。
食欲を無くした私は水を飲み終えると、付近の捜索をする事にした。
◆◇◆◇◆
「しかし、酷い荒れ具合だ」
至る所の植物が枯れ果てている。
錆びだらけとなった車の中を興味深く覗いていると、何やら羽音が聞こえて来た。
「おや、何の音だ?」
振り向くと、そこに居たのはどでかいハエであった。
なんて事だ!アメリカは遺伝子を弄りこんな生物兵器を作ったと言うのか?!
直ぐ様銃を向け撃つ。が化物らしく大したダメージは与えられていない。
「総統閣下、危ない!!」
そう叫びながらコズワースが飛んで来て、その手の電動ノコで巨大バエを真っ二つに切り捨てた。
「な、なんだこいつは?!」
「ハエです。恐らく卑劣なレッドメナスが作った生物兵器でしょう。」
「レッドメナスだと?何だそれは」
「レッドメナスとは共産主義者の事です」
「なんだと?!ソビエトはまだ存在しているのか?!」
「はい、ソビエトです。中国です。あの卑劣なチャイニーズです。」
「くそ、卑劣なコミュニストめが・・・
祖国に舞い戻ったら必ず滅ぼしてくれるわ・・」
しかもチャイニーズとか言ったな、もしや中国の内戦は共産党が勝ったのか?
我々は国民党を支援していたからな、悔しい。
◆◇◆
そんな感じで散策をしていると、とある一軒家の裏側に鉄扉があるのを見つけた。
「おや、なんだこれは?」
取手を引くと、最も簡単に開いたので警戒しながら降りてみた。
中は簡単な防空壕の様になっており、既に電気がついている。
ボロボロになったベットや棚があり、下には開けられた空き缶がそこらに転がっている。
「ここに最近まで人がいたのか・・・?・・・?!!」
何かを見つけたヒトラーは、驚いた様にベットの足元にある小銃を手に取った。
「何故お前がここに居るのだ?!」
それはGew98であった。
ヒトラーが第一次世界大戦時、昼夜を共にした相棒であり、信頼できる戦友がまさか300年以上経ったこのアメリカの地で再び会えるとは思ってもいなかったのだ。
「これも何かの縁に違い無い。」
ヒトラーは抱きしめるようにGew98と弾を持ち帰った。
◆◇◆◇
「総統閣下、お帰りなさいませ。
おや、その銃は・・・?」
「私の戦友だ。」
「そうでしたか」
「所でコズワース、ここら辺に他に人はいないのか?」
「前にコンコードに行った時は手荒い歓迎を受けましたからね、あまりお勧めは致しません。」
「そうか、あの街のことか」
先日の出来事にヒトラーは渋い顔をする。
「まぁいい、まだ日も高い。少しだけ外を見てくる。」
「総統閣下、お気をつけ下さい。共産主義者が辺りにいるかもしれません。」
「大丈夫だ。」
ヒトラーはGew98を掲げながら橋を渡って行った。
◆◇◆◇◆
MODでGew98が地下室で入手出来る物があったのでヒトラーに装備してみました。