人類がノイズを災害としか対応出来ないのはその特性にある。
位相差障壁。その存在を人間の世界とは異なる世界にまたがらせることで、通常物理法則下のエネルギーによる干渉をコントロールするというものである。
簡単に言えば、こちらからは干渉できずノイズはこちらに一方的に干渉できるのである。
しかし、ノイズは発生から一定時間経過すると自壊するという特性がある。これによりノイズと出くわしても自壊するまで逃げれば生き残れるがそう簡単にはいかない。
ノイズは人間を襲撃するのだ。建物をすり抜け、放たれる弾丸をすり抜け、人間を襲い諸とも炭化する。何処までも、何処までも。
それは、改造人間である仮面ライダーも例外ではない。幾ら常人を超えた力を持っていてもノイズにとっては改造人間も人間であると判定しているようだ。
現在、ノイズに対抗できる有効な手段はある特殊なシステムを用いるだけだか仮面ライダーBLACKにそんなものはない。
・・・だが・・・
向かってくるノイズに拳を振るう。通常ならば触れた拳の先から炭化するがそうは成らなかった。BLACKの五体は無事で向かってきたノイズだけが砕かれ炭化した。
BLACKは周囲に群がるノイズ達を迎い討つ。
殴る。蹴る。次々とノイズ達を打ち砕いていく。
ノイズを10体ほど屠ると別のノイズの一団が向かってくるのが見えた。色は灰色だった。
その場から跳躍。街灯の上に立ちノイズ達を射程圏内に収める。
「キングストーンフラッシュ!」
BLACKのベルトの中心にあるキングストーンが強烈な閃光を放つ。光を浴びたノイズ達に色がついた。
街灯から跳び降りノイズ達を再び打ち砕いていく。
すると、残っていたノイズ達が一ヵ所に集まり出した。自身の体を分解し他のノイズと混ざり合いBLACKを丸呑みできそうなほどの巨大な蛙のようなノイズに変貌した。
その巨体でBLACKに襲いかかる。BLACKはその場から跳躍しノイズの巨体から回避。着地し右拳を握り締めキングストーンから送られるエネルギーを集中させノイズに飛びかかる。
「ライダーパンチッ!!」
空中で身体の屈伸の反動を加えたその拳は空気との摩擦で赤熱化しノイズを殴り飛ばした。
ノイズは地面に墜ちることなく空中で炭化し崩れ去った。
ふぅと静かに息を吐き、周囲の様子を確認にする。ノイズはいない。生存者もいない。炭化したモノの塊が増えただけだった。
こんなことがいつまで続くのだろう。
そんな思いに駈られていると通信機からアラームがなった。
『はい』
『無事か? 陽介?』
『ゲンさん・・・? えっと、こっちは大丈夫ですよ』
『そうか。それはなによりだ』
通信機から聴こえる声の主は自分が保護と協力体制にある組織の司令、風鳴弦十郎。2年前からの付き合いで頼りになる大人である。
『ゲンさんが直接通信してくるってことは・・・』
『ああ。工業地帯の方にノイズが進行している。どうやら生存者を追跡しているようだ』
『生存者が!? わかりました! 俺もすぐに向かいます!』
『翼も向かわせる。すまんが頼んだぞ』
『了解です!』
通信を切り、工業地帯に向かう為の戦友である愛機を喚ぶ。
「ロードセクターッ!」
BLACKの呼び声から数秒後、地平の彼方から1台のバイクが無人で走ってきた。オンロード型のバイク、ロードセクターは暗黒結社ゴルゴムとの戦いで生き残ったBLACKの戦友であり愛機ある。
自分の側に停車した愛機に乗り込み工業地帯に向かって走り出した。
☆
一刻も早く生存者を救出する為に最高時速960kmを誇るロードセクターて疾走する。工業地帯はもう目と鼻の先だ。
その時だった。
「Balwisyall Nescell gungnir tron……」
歌が聴こえた。
まさか!?と思うや否や、空に光が昇る。
細かいことはあとで考えることにして今は光の柱が昇った場所に向かった。
☆
歌が聴こえる。
歌が聴こえる場所に近づいていくと改造人間として強化されている視力でノイズ達の姿も確認できた。
ノイズ達には既に色がついていた。
迷うよりも先に行動に移す。ロードセクターを一定の速度、時速800キロ以上に加速させる。すると、マシン上部を覆うアタックシールドが自動的に展開し、同時に前方ウィンドシールドが通常の透明フードからコンピュータ制御のスクリーンに変化し目視走行からモニター走行へと切り替わる。
「スパークリングアタックッ!」
群がるノイズを背後から蹴散らす。
ノイズの壁を抜けると2人の人間がいた。1人は小学校低学年程度の少女。そしてその少女を守るように抱えていたのは
「うぇ!? な、なになに!?」
「そんな・・・」
「・・・? あ!? 仮面ライダー!」
幼い少女がこちらを見て嬉しそうに言うがその声に耳を傾けていられなかった。
「何故・・・君が・・・」
信じられない光景だった。今朝会った少女、日常の中にいた少女、立花響がシンフォギアを纏っていた。