戦姫絶唱シンフォギアBLACK   作:土紋

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第三話 切り払う者

 

 

 

「Imyuteus amenohabakiri tron・・・」

 

唖然としていると別の歌が聴こえた。そして歌が聴こえた方向からノイズ達を切り裂きながら剣を纏ったようなバイクを駆けながら蒼い少女が現れた。

 

「つば」

 

「何を呆けているのですか」

 

こちらが声をかける前に彼女に叱咤される。いつもより雰囲気が鋭い。頭を振り意識を集中させる。先ずはノイズを片付けてからだ。

 

「小物は私が。あなたは大物を」

 

「わかった」

 

「え? あ、あの・・・」

 

「あなたはそこを動かないで」

 

「あ、はい」

 

蒼い少女、風鳴翼はバイクを降り剣を取り出しノイズ達に切り込んでいった。

 

こちらもロードセクターから降り近づいてくる巨大ノイズを睨み付ける。立花響はあわわと慌てていた。

 

構え、右足の先にキングストーンエネルギーを集中させる。

 

跳躍。身体を屈伸させ反動を加え巨大ノイズの胸部に右足を突きだす。

 

「ライダーキックッ!!」

 

ノイズを貫き着地する。工業地帯に炭素の山が出来上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノイズが殲滅され、工業地帯は自衛隊と特異災害対策機動部第二課による後始末が行われていた。

 

そんななか、黒山陽介は立花響、風鳴翼に挟まれる形でいた。翼はすでにシンフォギアを解いているが鋭い目付きで響を睨む。響はそんな視線に困惑しつつまだ勝手がわからないのでシンフォギアを纏ったままだ。陽介もいつまでもこの状況ままではいけないと思い変身を解除しようとした。

 

背後。正確には右裏のふくらはぎの部分をつつかれた。何かと思い振り向くと、響が助けた少女がこちらを見つめていた。

 

 

「君は・・・」

 

しゃがみこみ目線を合わせる。

 

「あの・・・あなたが仮面ライダー?」

 

「・・・ああ、そうだぞ。大丈夫かい? 怪我とかはしてないかい? 」

 

「うん! お姉ちゃんと仮面ライダーが助けてくれたから! だから、ありがとう!」

 

「・・・そうか。・・・君もすごいぞ。よく頑張ったな」

 

満面の笑みを浮かべる少女の頭を優しく撫でる。怖い思いをしただろうに、お礼を言える良い子だ。

 

やがて、少女の母親が現れ無事再開。親子は二課のスタッフに連れられこの場を離れていった。

 

一息ついて変身を解除する。

 

 

「え?・・・」

 

「あ~、響ちゃん。大丈」

 

「えええぇぇぇっ!! ヨウさん!?」

 

「こんばんは。黒山陽介だよ」

 

「え!? あの!? ヨウさんが仮面ライダーで!? 仮面ライダーがヨウさん!?」

 

あわあわと全身で感情表す響に取り敢えずいつもの元気な彼女であることに安心する。そうしていると、彼女が纏っていたシンフォギアが解けた。

 

「わっ!? 」

 

体勢を崩す彼女を支える。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「うん。 ところで響ちゃん」

 

「黒山さん」

 

響の状況を聞こうとしたらそれを遮る用に翼が声をあげ周囲を黒服のお兄さん方に囲まれた。

 

「ん?」

 

「彼女との話なら後に。彼女は特異災害対策機動部第二課まで同行していただきます」

 

「とくい・・・なんです?」

 

響が疑問に答える間もなく彼女の手に拘束具が架けられた。

 

「うええ!? なんで!? あの、ヨウさん!?」

 

「ごめん響ちゃん。説明は後でするから一緒に来てくれないかな?」

 

「ううう・・・わかりました・・・」

 

渋々納得してくれた彼女は黒い車に乗せられ悲しげにこちらを見ながら二課本部に連行されていき、自分もその後をついていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、ここって先生達がいる中央棟ですよね?」

 

今、彼等は響が言うように私立リディアン音楽院の中央棟を歩いていた。彼女の疑問はもっともだろう。先ほど翼が発言した組織。自分も所属している特異災害対策機動部第二課。通称二課は普通に考えれば警察署のような建物を拠点していると考えるだろう。それが何故響が通う学院を歩いているのか、彼女の頭の中は混乱しているだろう。

 

しばらく歩くと扉が開いた。中はエレベーターになっているがそんなことは響が知るよしもなかった。響を手すりに掴ませエレベーターが高速で降下する。甲高い絶叫が響いた。

 

「あはは」

 

「愛想は無用よ。これから向かう所に微笑みなど必要ないから」

 

翼は冷たく言い放つ。雰囲気は今だに抜き身の刀のように鋭い。そんな彼女に気をされたのか響は思わず陽介の服の裾をつまむ。

 

陽介は翼の雰囲気が更に鋭くなった気がした。同行している黒服の爽やかな青年、緒川慎次は翼を見て少し微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようこそ!人類守護の砦!特異災害対策機動部第二課へ!」

 

出迎えてくれたのは服の上からでも分かるほどの鍛えられた肉体を持った漢、二課の司令でもある風鳴弦十郎と二課の面々だった。

 

「いつの間に・・・」

 

部屋を見渡すとを完全にパーティー会場と化していた。

そして、陽介の影に隠れている響に白衣を着たメガネの女性、桜井了子が近づいてきた。

 

「さぁさぁ、隠れてないで出てらっしゃい。お近づきの記念にツーショット写真でも」

 

「いい嫌ですよ!? 手錠をしたままの写真だなんて、きっと悲しい思い出として残っちゃいますよ!? それに、今日初めて会うみなさんが私の名前を知ってるんですか!? ヨウさ~ん!? 説明してくださいよ~!?」

 

「え? あ~二課はあれだ。秘密警察みたいなものだよ」

 

「雑!?」

 

「あはは~。二課の前身は大戦時に設立された特務機関なんです。なので調査は得意なんですよ」

 

いつの間にか現れた細目で黒服の男が説明しながら響の手錠を解除した。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「いえいえ~。それにしても、ふ~む・・・」

 

「あの? 何ですか?」

 

「・・・いえいえ、何でもありませんよ。只、ちょっと観ただけですから」

 

「はぁ・・・」

 

そう言って細目の男はその場から離れた。

 

「では、改めて自己紹介だ。俺は風鳴弦十郎。ここの責任者をしている」

 

「そして私は“できる女”と評判の桜井了子。よろしくね」

 

「こ、こちらこそ、よろしくお願いいたします」

 

「君をここに呼んだのは他でもない。協力を要請したいことがあるのだ」

 

「協力?・・・あ! ヨウさん!」

 

「んあ?」

 

「何呑気に自分だけフライドチキン食べてるんですか!」

 

「あぁ、はい。これ響ちゃんの」

 

「わ~い! いただきま~す! ・・・じゃなくて! 説明てくださいよ!ヨウさんが仮面ライダーだったことについてとか! 」

 

「まぁまぁ落ち着いて。あなたの質問に答えるためにも2つばかりお願いがあるの。1つは、今日のことは誰にも内緒。そしてもう1つは」

 

「・・・もう1つは?」

 

「取り敢えず服脱ごうか?」

 

「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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