「学園都市(ここ)から乃々(アイツ)を探し出して魔術師をぶん殴りにいってやる。」
学園都市にカテゴリーされない東京の3分の1に位置するとある高校に通う少年”逢坂(あいさか) 達也(たつや)”は憤慨していた。
いつものように日常を送っていたところ突如として現れた魔術師(異界の法則や天上の力を特殊な術式によって現実(リアル)に顕出させる技術を持つ者)に彼女(ガールフレンド)の”喜多見(きたみ) 乃々(のの)”を攫われ学園都市という聞いたことの無い場所に飛ばされてしまったためだ。
魔術師は名を”藍折(あいおり) 鈴(りん)”といった、その男とも女とも老人とも子どもとと見て取れる容姿の異質な魔術師はいつものように逢坂の特異体質もとい魔術成果である不死者の性質を狙い襲ってきたのだが、逢坂の機転や喜多見の尽力もあって何とか退けることに成功した。
逢坂「しかし、なんでまたこんな未来チックな街が出来てるんだ?」
逢坂は自分の周りをぐるんと見回して一言。
学園都市の技術は外の十年二十年と進んでいる、逢坂は元々学園都市なんて存在しない世界線にいたのだから無理もない。
逢坂「人海戦術を使おうにもここには多分俺の知り合いは一人もいない…いや待てよ何も人である必要はないんだ!ここは技術が外の数十年は発展した学園都市、行方不明者を探す技術も俺が元いた世界よりももっと発展しているはずだ。」
しかし行動を起こすにしても知識が、その技術を用いる術がない。
逢坂はほんの少し前、学園都市の知識も拾ったパンフレットで見た程度のもので、気付いたらここにポツンと立っていたという状況なのだから。
逢坂「ジャッジメントって街単位の風紀委員的な組織なら、手貸してくれんのかな?とりあえずここから一番近い常盤台中学の支部へ…」
歩道橋の端に落ちて掃除ロボットに回収されんとしていた学園都市の紹介パンフレットを見ながら思慮を巡らせていると、直後、逢坂の後方にあたる方向から少年のものと思われるけたたましい声が轟く。
??「不幸だ〜!!」
その声の発生源はウニのような頭髪が特徴的な少年だった見覚えのある服装から断定するに学生だろう。
逢坂「わっ!!」
なんだか白昼夢の中にいるようなふわふわした感じでいた逢坂にその少年が真正面から突っ込んでくる。
白いワイシャツが視界を覆うとすぐに地面に頭から倒れ込む、そして次に煌々と燃え盛る太陽を映す。
??「だぁ〜!!一般人は巻き込まないというのが俺のポリシーだのにぃ!すみません!大丈夫ですか!?」
しばらく飲み込めない状況に混乱し太陽を見たままでいた逢坂に少年が一言。
逢坂「ん?ああ俺なら大丈夫。慣れてっからさこういうの…」
逢坂は起き上がりながら薄幸な笑みを浮かべると少年の方を見ながら一言。
少年は「あっ」と驚いた顔をすると逢坂と顔を見合わせ涙を流す、逢坂もそんな少年を見てまた涙を流す。彼もまた同じような境遇にいるのだと第六感で察したのだ。
上条「俺、上条当麻。とりあえず何かお詫びがしたいから連絡先交換…と行きたいとこだが今は逃げなきゃ!!また今度!ああもう今日も不幸バリバリですよ神ィ!」
上条と名乗ったツンツン頭の忙しい少年は逢坂に詫びもとい自己紹介をするとすぐに歩道橋の下にかけていった、途中で転んだのか漫画のBGMのような音が聞こえてくる。
逢坂「なんだ?あーいうのトラブル体質っーか主人公タイプっーか…」
少年の下っていった階段を見ながら言葉を零す。
??「逃げてんじゃあないわよ!!!」
少年の不幸音頭を傍聴していると刹那、またしてもけたたましい、今度は少女のものと取れる蛮声を合図に地面に青白い閃光が走る。
逢坂「なんっ、なんだ!なんですかこの街はぁ!!」