ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

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 本編がまだ書けてないから適当に書いていた噺をIF扱いで投稿、タイトル通りユートがテイマーに成った際の噺になります。







ありふれIF――デジモンテイマー優斗

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 アリス・マッコイ――ワイルド・バンチという集まりに参加してた一人、ロブ・マッコイの孫娘に当たる金髪碧眼でツインテールな美少女。

 

 成熟期でワクチン種なドーベルモンと共に現れた彼女、正式なパートナーでは無く単純な道案内として来たらしい事が会話から窺えた。

 

 今尚もデ・リーパーの脅威に晒されてしまっている地上、それを救いたいと願うテイマーズの想いも虚しく完全体にまでしか進化が出来ない。

 

 融合究極進化とはデジモンとテイマーの双方がデジタル存在でないと成立しない、そんな彼らへ四聖獣達はデ・リーパーの最も進化した部分との闘いを担うとして力を齎した。

 

 デジタル・グライド、簡単に云えばテイマーを一時的にデジタルワールドに居た時みたいな形にデシタライズする力、これをドーベルモンが体内に持たされて自らを分解する事で与えたのだ。

 

 自問自答し究極体へ融合進化するテイマーズ、デュークモンとセントガルゴモンとサクヤモンの三体の究極体がデ・リーパーと闘う。

 

 そして今まではパートナーを持たず、だからといってクロスローダー内のロイヤルナイツを使うでも無く、Dースキャナ内のスピリットを使うでも無く自身の肉体で闘って来たユートはこの千載一遇の機会を待っていた。

 

 Dースキャナを手にしたユートは……

 

「デジコードスキャン!」

 

 分解されたドーベルモンのデータをデジコード化してスキャンする。

 

 本来ならデジタマに戻るけどこの世界ではそれが無く、驚いているアリス・マッコイが視ている中でユートはデジコード内のドーベルモンのデータをサルベージし始めた。

 

 空中モニターを見ながら仮想キーボードを叩き続ける姿に、アリス・マッコイは祖父たるロブ・マッコイを思い出してしまう。

 

「お祖父ちゃん……」

 

 そんな呟きが耳に入るもサルベージを続けているユートは、デジモンの謂わば魂とも呼べるであろう電脳核を無事に再構築した。

 

 然しながらドーベルモンを構成していた根幹とも云えるデータは殆んどが散り散りに霧散して、少なくとも成熟期デジモンとしての再構築は断念をするしかない。

 

(……となると、成長期だな)

 

 流石に幼年期Ⅰや幼年期Ⅱではどうにもならないから、成長期を最低限に設定して再構築をする事を決めたユートはキーを叩き続けた。

 

(X抗体を与えて足りない分を補うか)

 

 無理矢理に補うから直ぐにはゼヴォリューションは不可能だろうが、時間が経ってX抗体が馴染めばその内に出来るであろう。

 

 モニターにはデジタマが映っている。

 

 デジ・エンテレケイアという進化を促す力――クルモンという見た目に幼年期のデジモンが存在するが、それこそ四聖獣のチンロンモンが願った結果としてデジノームがデジ・エンテレケイアにデジモンの躰と意識を与えてリアルワールドへと逃がしてしまった。

 

 彼が先のデジタルワールドで行った進化の光の放出、それによってデータが揃った為に人為的なデジ・エンテレケイアの力を再現が叶う……のはもっと先の話で現在はクルモンから得た光を使う。

 

 デジタマがパカッと割れてまるでスライムみたいなデジモン――ズルモンが誕生した。

 

「デジ・エンテレケイア照射」

 

 とは言ってもまだまだデータ不足だった上に、クルモンみたいな常に使える力でも無い。

 

 クルモンも別に意識して使っている訳では無いから常には使えないが……

 

 エンテレケイアとは即ち、可能性を実現して目的へと到った状態を指している。

 

 つまりデジ・エンテレケイアとはデジタル的に可能性を現実化する力を意味し、転じて進化の力として名付けられたモノであった。

 

(そういや彼奴らは『完全なる世界』と称して、コズモエンテレケイアとか名乗っていたな」

 

 コズモは小宇宙の事、エンテレケイアが可能性を現実化するという意味からユートは阿呆を視る目で『引き篭もり増産機』と口にしていた魔法。

 

 要するにたった独り切り、そいつの存在が世界の全てとなって眠り続ける大魔法だからだ。

 

 組織名と大魔法の名前が同じだから、盛大なる『引き篭もり隊』として呼んでやっていた。

 

 まぁ、最早それはどうでも良い。

 

 デジタマから孵ったズルモンなる幼年期Ⅰというデジモンから、パグモンという幼年期Ⅱとされるデジモンへと進化をする。

 

 そして更に進化してガジモンに。

 

「良し、成長期に進化をしたな」

 

 ガジモンはウィルス種だったりするのだけど、ワクチン種なドーベルモンに進化する。

 

 別に珍しい訳ではない。

 

 例えば松田啓人のパートナーであるウィルス種のギルモン、これだって実は黄色いデータ種というのが存在しているくらいだ。

 

 それに【デジモンアドベンチャー】の主人公な八神太一のパートナーであるアグモンにしても、ワクチン種のグレイモンという成熟期デジモンからウィルス種な、スカルグレイモン何ていう骨太なデジモンに暗黒進化をしていたくらい。

 

 あの物語としては誤った進化とされていたが、謂わば携帯ゲームのデジモンとしてはどんな進化も可能性として正当、決して間違った進化をしている訳では無いのである。

 

「さて、次は現界(リアライズ)させないとな」

 

 人間をデジタルワールドに送り込む際は本人が気付いてなかっただけで情報化――デジタライズが成されており、デジモンを人間界に現界させるには疑似蛋白質で構成された肉体を与える所謂、リアライズをしなければならない。

 

 尤も、今回はユートが設定した疑似デジタルワールドという小さな世界にデジタマを据え置き、其処で孵した訳だから大した処理も必要無く現界が出来る様になっている。

 

 既にデュークモン達はデ・リーパーとの戦闘を始めているから急がないといけない。

 

《REALIZ!》

 

 電子音声が響くとガジモンが顕れた。

 

「さっき振りだな、ドーベルモン……じゃなくて今は成長期でガジモンか」

 

「君は確かテイマー達の仲間」

 

「ああ、パートナーデジモンが居ないから僕自身はテイマーじゃないけどな」

 

 ユートは別の世界で手にした神器(セイクリッド・ギア)と呼ばれているモノ、それを敵から強奪をして手に入れていてちょっとした力を得ていた。

 

 『魔獣創造(アナイアレイション・メイカー)』。

 

 魔獣を簡易的な生命体として創る神器であり、オリジナルの持ち主のレオナルド君は大した魔獣を創造出来ずに、対悪魔用魔獣とバカデカいだけの魔獣を創造するのが精一杯。

 

 然しユートは手にした途端に禁手に至った上、何処ぞのイケメン剣士の如く聖と魔を併せ持った存在――聖魔獣を創造が可能となる。

 

 『聖魔獣創造アナイアレイション・メイカー・ハイエンド・シフト』であった。

 

 ユートはこの力で最初に王宮聖騎士団を、即ちロイヤルナイツという聖騎士型デジモン達を創造してやったのだ。

 

 その合計は一三体。

 

 本来は『孤高の隠士』とされるアルファモンも含めて、ロイヤルナイツの始祖とされるインペリアルドラモンパラディンモードを除き聖騎士団による魔獣殲滅が行われた。

 

 尚、インペリアルドラモンパラディンモードは創造自体が不可能というか、どうやらエクスブイモンとスティングモンをジョグレス進化させて、更に究極進化でインペリアルドラモンにした上でオメガモンと突風進化(ブラストエヴォリューション)させる必要がある様だ。

 

 そんな面倒な事やってられるか!

 

 それに唯でさえロイヤルナイツ内に成長期へと退化したならブイモンに成るのが、マグナモンとアルフォースブイドラモンの二体も存在しているのに、インペリアルドラモンのジョグレス素材なエクスブイモンまで増えたらブイモンが三体にまでなってしまう。

 

 そう、彼らがデジモンであるからには退化も出来てしまうのだから。

 

 ブイモン――デジモン界のエリート。

 

 然も始祖を顕現させるのにアルフォースブイドラモンかマグナモンとオメガモン、二体を使って一体にするというのは果たしてどうだろうか?

 

 それなら初めから二体を使うべきだ。

 

 ともあれ、ユートは後にクロスローダーを造ってロイヤルナイツを含む何体か創造したデジモンを収納しており、必要とあれば出して戦力として使っていた訳である。

 

 この世界ではデュークモンを出すにはタカトのパートナーだから無理だし、何よりもテイマーズの成長を阻害するからユートは飽く迄も簡単な手伝いの範疇に留めていた。

 

 正式なパートナーが居るデジモンテイマーという訳でも無かったから。

 

 ユートがテイマーに成れそうなタイミングこそが今で、デジタル・グライドと化したドーベルモンをサルベージして説得をする心算だった。

 

 実際、ジュリ達もそんな感じにテイマーとなりDーアークを手にしている。

 

 ユートはDースキャナとクロスローダーのみで、今はまだDーアークを持っていないからこそ。

 

 右手を差し出すユートにガジモンは訝しい顔で首を傾げる。

 

「君を蘇らせた理由は一つ、僕のパートナーデジモンになって貰えないか?」

 

「俺が? 然し……」

 

 ガジモンとしてはどうせパートナーデジモンになるならアリスが良い、とは言っても蘇らせてくれたユートを無視も出来ない。

 

「ドーベルモン」

 

「アリス……」

 

 何と云うか、愛し合う恋人を引き裂いているみたいで気分はNTRだった。

 

「アリスでは闘えない。アリスの想いにガジモンの気持ちが重なれば割と直ぐドーベルモンに進化が出来るかも知れないけど、今現在で必要なのは成熟期じゃなく究極体なんだよ」

 

「俺と融合進化を?」

 

「否、今は無理だろうな。融合進化はテイマーとパートナーデジモンの絆が一番重視されるんだ。ガジモンと僕の間に絆なんて現状では一欠片すら無いからな。寧ろパートナー候補なアリスとの仲を裂こうとしていて絆なんて無理だろう?」

 

「まぁ、確かにな」

 

 これで絆が育まれたら吃驚である。

 

「だからちょっと即物的にいかないか?」

 

「即物的?」

 

「僕に叶えられる程度なら願いを一つ叶えよう、それで僕を少しでも信用が出来るなら僅かでも良いから絆を育む機会が欲しい」

 

「抑々、俺は直ぐに闘えるのか? 成熟期であるドーベルモンに戻った処でテイマー達が究極体で闘うデ・リーパーには敵わないぞ」

 

 ヒロカズは成熟期のガードロモンで闘えていたが、それは比較的に弱いデ・リーパーが相手だったのもあるだろう。

 

「其処は考えがあるんだよ」

 

「……そうか」

 

 ガジモンがアリスを見遣ると、無表情気味だった彼女に心配そうな表情が浮かんでいた。

 

「どの程度なら叶えられる?」

 

「某かが有るなら取り敢えず言ってみ? 無理なら無理と答えるから」

 

「判った。ならアリスに俺の代わりのパートナーを用意してやれないか?」

 

「ドーベルモン!?」

 

 ガジモンの言葉に驚き目を見開いて叫んでしまうアリス。

 

「可能だが……アリスは嫌みたいだぞ」

 

 ギュッと拳を作るアリスはガジモンを睨みながら涙を浮かべていた。

 

「済まない、アリス。だけど残念だが彼の言う通りで俺はアリスとでは闘えない。時間が有ったらゆっくり成熟期、完全体、究極体と進化を繰り返して、あのテイマー達みたいに成れたかも知れないけど……」

 

「それは……」

 

 別に闘う事を考える必要性も無いけどデ・リーパーが暴れる現在、闘えないというのは致命的な事であるが故にデジモンとしては無視出来ない。

 

「アリス、俺もデジモンなんだ」

 

 弱肉強食な世界を生きるデジモンであるからには闘えない、進化が出来ないという致命的な瑕を見過ごせないというのもある。

 

「だからだろう、強く進化したいという欲求は捨て切れない」

 

「ドーベルモンは強くなりたいの?」

 

「ああ、デジモンにとって強くなりたい大きくなりたいというのは本能でもある」

 

 アリスは敏い、だから我侭でガジモンを振り回すのを良しとはしなかった。

 

 ユートは幾つかのデータにガジモンを再生させた際に不要だったデータを混ぜ合わせ、更に別に用意したXー抗体を加えてやりリアライズする。

 

「卵?」

 

「デジタマだ。正真正銘、今産まれたばかりの。ガジモンというかドーベルモンのデータを加えてあるから、ある意味ではこのガジモンの兄弟的なデジモンって事になる」

 

「ドーベルモンの兄弟……」

 

「産まれるのがガジモンの幼年期のズルモンとは限らないし、ドーベルモンに進化するかどうかも判らないけどアリスが良ければ」

 

 渡されたデジタマをアリスは優しく抱き締め、ガジモンを見つめながら微笑みを浮かべた。

 

「有り難う、ドーベルモン。私はこの子を大事に育てるね?」

 

「此方こそ有り難うアリス。君のお陰で俺は神より賜った使命を果たせたんだ」

 

 キラリと二つの光が輝いて一つはユートの方、もう一つアリスの方に向かって移動する。

 

 二人が光を受け止めると……

 

「Dーアーク、有り難うガジモン」

 

 全体的に銀色で黒い円形の縁取りのDーアークがユートの手に、同じく銀色で白い円形の縁取りを持つDーアークがアリスの手の中に納まった。

 

 ユートのクロスローダーには究極体が何体も居るし、何ならDースキャナで自らがデジモンに進化する事も出来るけどユートはパートナーを求め、それにガジモンが……アリスの場合はデジタマが応えた証として顕れたのだろう。

 

「然し黒い縁取りに白い縁取りとか、まるで僕とアリスもパートナーみたいだな」

 

「え?」

 

 驚いたアリスは若干頬を染めていた。

 

「黒と白なら正反対ながら色合いとしての相性はだからこそ抜群だしね」

 

「う、うん……」

 

 突然の科白にアリスは赤くなる。

 

「さて、ではガジモンには進化をして貰わないといけないな。今もタカト達はデ・リーパーと闘っているんだし」

 

「ああ、頼んだぞ優斗!」

 

 ユートは赤い光を手の中に生み出す。

 

「デジ・エンテレケイア!?」

 

「コイツが最後の光だ。次はまたクルモンに頼んで採取しないといけない」

 

《EVOLUTION!》

 

「ウオオオオオオオッ! ガジモン、進化ぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!」

 

 Dーアークの四角いモニターにははっきり『EVOLUTION』の文字が過り、電子音声が鳴り響いてガジモンへと進化の力を持った闇色の光が放たれたと同時にガジモンが叫ぶ。

 

 まるで皮膚が剥がれ落ちるかの如くガジモンの躰が0と1に再構成されていき、闇色のワイヤーフレームに再び新たな皮膚が貼り付く様に姿を変化させ、その新たなる姿は黒と茶を基調とした色の毛色を持つ巨大な犬に。

 

「ドーベルモン!」

 

 それはデジタル・グライドに分解されてしまうまで取っていた姿だ。

 

「矢っ張りXー抗体にはまだ『Xー進化(ゼヴォリューション)』をしなかったか」

 

 ユートは分析をしながら渋い表情となるけど、アリスはドーベルモンを見れて満足そう。

 

「次に行くぞ」

 

「それは?」

 

「ブルーカード。スキャン型のデジタル機器に対して入力をしたらDーアークへと変化をさせる他、成熟期のデジモンを完全体に進化させる機能を持った特殊なカードだ」

 

 ユートがこれを持つのはシブミ――水野伍郎から貰った? からではあるが、通常はテイマー達がデジモンとの絆を一定以上に深めると完全体にしたい時には勝手にカードが変化をしてくれる。

 

 実際、水野伍郎はアークのリアライズの為にジェンのDーアークへブルーカードを通していたし、特殊なアルゴリズムを理解していたなら自分で造れたとしてもおかしくなかったから。

 

「良しドーベルモン! ()()()だ!」

 

「へ? え、ええっ!?」

 

 戸惑うドーベルモンを無視するかの如くさっさとカードをスキャンする溝へ通す。

 

「カードスラッシュ! マトリックスエヴォリューション!」

 

「ちょっ!」

 

《MATRIX EVOLUTION!》

 

 抗議をしたかったドーベルモンだけど既に賽は投げられ、何故か『EVO』がBGMとして鳴り響きながら進化が始まった。

 

「ドーベルモン……超……進化ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああっ!」

 

 自棄糞気味に叫ぶドーベルモンの肉体に漆黒の鎧が装着されていく様は、グラウモンが進化をしてメガログラウモンに成っていく様だ。

 

 クルモンの姿が映る赤い三角錐が揺らめきながらドーベルモンと一体化。

 

 ドーベルモンの躰が一回り巨大化し、巨大な爪が装着された前脚と後ろ脚の甲が嵌まり込んで、尻尾も黒く硬質的な鎧が装着、両肩には顔を模した肩当てが装備されるけどまるで生きているかの如く牙を鳴らす。

 

 そしてドーベルモンの顔にも闇色の兜が装着されて『超進化』が完了、進化を終えて新たなる名を高らかに宣言した。

 

「ケルベロモン!」

 

「ふむ、矢っ張り完全体への進化では超進化と叫ぶのが正義だよな。然しケルベロモンか」

 

 どうやらガジモン→ドーベルモン→ケルベロモンのルートらしいし、ユートは彼の究極体の想像が容易に出来てしまって溜息を吐く。

 

「それで、此処からは?」

 

 当然ながら次が要るのだ。

 

 ユートは瞑目をすると前方に光り輝く二枚の翼を顕現させる。

 

「な、何だコレは? 間違い無く見えているにも拘わらず存在を認識が出来ない!?」

 

「これが秘策だ。成熟期への進化はデジ・エンテレケイアの光を、完全体への進化にはブルーカードを使うとして融合進化がまだ出来ないからには代替案が必要となる。その答えがこれ、光鷹翼」

 

「光鷹翼?」

 

「見えていながら……観測が出来ていながら認識は出来ないエネルギー、それは神の力を意味しているんだ」

 

「なら優斗は神?」

 

「それは違う。僕は飽く迄も人間に過ぎないさ。僕が光鷹翼を使えているのは昔に光鷹翼の持ち主と接触したからだ」

 

 ハルケギニア時代の時空間放浪の中でユートはとある地球の岡山県某市へと辿り着き、其処では蟹型で赤い髪の毛な白眉鷲羽と出逢っている。

 

 それと時を同じくして『三命の頂神』の一柱な津名魅とも出逢い、自らが持っている人工的なる魔眼――『知慧の瞳(ウィズダム・アイ)』により彼女らの身体を確りと観察させて貰った。

 

 お陰で『三命の頂神』の力をある程度ではあるけど知覚すら可能となり、更には柾木天地にも劣っている二枚だけだが光鷹翼を出せる様になる。

 

 知覚が不可能な力――【DB】ではビルス達みたいな破壊神等、【怪奇警察サイポリス】に於いては一二神将やメギド、そして【天地無用!】では『三命の頂神』を始めとする神々。

 

「それじゃ、やるぞ。究極進化だ!」

 

「だから何故に!?」

 

 矢張り止まらないユートは光鷹翼のエネルギーを手に宿し、Dーアークの先端へと叩き込むかの如くエネルギーを流した。

 

「デジソウルチャージ、オーバードライブッ! な~んちゃってな」

 

《ULTIMATE EVOLUTION!》

 

 融合進化ではない究極進化、進化の黒い光が溢れ出てケルベロモンを包んでいくが勿論の事ながらデジソウルではなく光鷹翼のエネルギー。

 

「もうどうにでもな~れ! ケルベロモン()()()()ぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ!」

 

 ケルベロモンはユートの望み通り叫ぶ。

 

 【デジモンテイマーズ】なんかでは此方側が態々ダメージを受けて成長期にまで退化をして、改めて究極体へと進化をする感じだったのだけど今回は完全体からの究極進化である。

 

 立ち上がり二足歩行となったケルベロモンだったが、漆黒の鎧が剥がれ落ちたかと思うと新たな衣服が周囲から顕れると着込んでいった。

 

 顔立ちは犬っぽい侭に黄金の翼を羽搏かせて、全体的に皮膚は可成り薄めな藍色で黒い髪の毛がお尻にまで届く程に長く、進化が完了したと同時に躰を弓なりに伸ばしながら名乗る。

 

「アヌビモン!」

 

 ユートが思った通りのルートで進化をしてくれたアヌビモンに早速指示を出す。

 

「アヌビモン、デュークモン達の援護を!」

 

「了解だ!」

 

 飛び上がると直ぐ様にデュークモン達が闘っている戦場へと向かった。

 

「ふぅ、これで良し」

 

「あの、ドーベルモンは大丈夫なの?」

 

 闘いに向かうアヌビモンを心配そうに眺めていた辺り、彼女は間違い無くデジモンテイマーに向いている性格であろう。

 

「アリス、デジモンは進化したらその名前で呼んだ方が良いよ」

 

「そう……なの?」

 

「だから今はアヌビモンだね」

 

「そっか」

 

 デジタマを抱き締めながら頷く。

 

「この子はドーベルモンに成るの?」

 

「どうかな? ドーベルモンのデータを使ってはいてもガジモンを再構築するのには不要だったから削いだデータだ。それにデジタマに戻った時点でデジモンの誕生先が変わるのもよくあるから、極端な話が獣系デジモンだったけど生まれ変わったら昆虫系だったというのも有り得る」

 

「……残念」

 

 デジモンペンデュラムなどの携帯ゲームであれば普通にそうなる。

 

 最初に生まれたのがアグモンに進化したからといって、寿命後に新たなデジタマから生まれ直したデジモンがアグモンだとは限らないだろうし、何なら次は植物系デジモンかも知れなければ哺乳類系かも知れない、水棲デジモンの可能性だって捨て切れないのがこのゲームだった。

 

 とはいえ、【デジモンセイバーズ】に於いては暗黒進化したアグモンがデジタマに戻った後で、再び誕生したのは記憶を引き継いでいたとはいえ普通にアグモンだったから、案外とテイマーとのパートナーデジモンは固定されるのかもだが……

 

「む、苦戦はしていないが数が多いな」

 

 ユートはカードを取り出す。

 

「カードスラッシュ、高速プラグインH! ハイパーアクセル!」

 

 高速移動を可能とするカードにてアヌビモンが高速移動を開始、古代エジプトの秘法によって描く光線で『ピラミッドパワー』を使い、デ・リーパーを四角錐の中に次々と閉じ込める。

 

 デジモンが相手なら閉じ込めるだけだったが、デ・リーパーは言ってみればコンセントに繋がった状態、閉じ込められたら赤いコンセントとでも云うべき部位が強制断線して消滅していった。

 

「アメミット!」

 

 更に必殺技の『アメミット』で地獄の魔獣達を召喚、エージェントデ・リーパーを喰らい尽くす勢いで牙を突き立てている。

 

 デュークモン、セントガルゴモン、サクヤモンも急に現れたアヌビモンに驚きを隠せてはいない様子ではあるが、それでもデ・リーパーと闘っているならば味方と判断したらしい。

 

「バーストショット! ズーダダダダダダダダダダダダダッッ!」

 

「ファイナルエリシオンッッ!」

 

「飯綱っ!」

 

 次々とエージェントを屠る。

 

 これにアヌビモンが加わるからには特に苦戦を強いられたりはしないだろう。

 

 この後、デュークモンがデ・リーパーに取り込まれて偽加藤樹莉に会ったりしたのだけれども、原典とは異なりアリス・マッコイが消えてしまう事も無くて、ヒロカズやケンタやリョウとも合流を果たす事となる。

 

 残念ながらパートナーとなった時期が遅かったからか、デ・リーパー事件が終了してもユートとガジモンが融合進化をする事も叶わず、とある別の世界で漸くの融合究極進化を遂げるのだった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「……とまぁ、これが僕とガジモンがパートナーを組んだ詳細かな?」

 

「成程、ドーベルモンだったのは聞いていたけれどそういう経緯だった訳ね」

 

 ちょっとした御乱交の後で雫が訊きたがったのがユートと融合進化したプルートモンの成長期、ガジモンとの出逢いとパートナーを組んだ経緯であったが、他の【閃姫】も知りたがっていたから取り敢えず話してみた。

 

「処で、小学生とはいえ可愛い女の子が複数人程居たけど……」

 

「少なくとも小学生の間は手出ししていないぞ。僕自身も【子供化】の能力で小学生に成っていたから下手な事は出来ないしな」

 

「でも成長したら? ユートもよく言っているわよね、いつまでも子供は子供じゃないって」

 

「そりゃ、一〇年もすれば立派なレディーだから当然の言葉だと思うが? 小学四年生で一〇歳だったから数年も経てば高校生で君らと変わらない見た目になるからな」

 

「で、誰に手を出したの?」

 

「出したの前提か……判らんでも無いが」

 

 ユートはノーコメントを貫いたと云う。

 

 

.




 アリス・マッコイに関しては何だか色々と云われてますが、ウチでは取り敢えず普通に存在している啓人達と同じ年頃の少女としています。

 因みに、この噺は単独で書いていたモノに取って付けた雫との会話をラストに入れて無理矢理にありふれIFにしました。



勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる
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