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真のオルクス大迷宮……ハーフポイントの五〇階層で二体の
「取り敢えず危険は無さそうだな……」
女の子をスルーして三人を呼び込んだ。
白崎香織、八重樫 雫、そして畑山愛子先生が封印された女の子を見て憤るが、ユートは至極冷静に……
「落ち着ける場所みたいだから、此処で支払いをして貰おうかな」
命の代価を求めた。
「ちょっ、助けないの?」
立方体に封印された少女を見て叫ぶ八重樫 雫に、ユートは本気かと言わんばかりに首を傾げる。
「何で? 封印されてる。ならば見た目通りの年齢じゃないな。恐らく長命種、しかも封印されているなら真っ当な生き方をしたのかどうかも怪しい」
「そ、それは……」
「ちが、う……わたし……うら、ぎられた……だけ」
「とか言ってるけど」
ユートの八重樫 雫との会話を聞いていた少女が、自分は単に裏切られたのだと釈明をしてくる。
「一方の言い分だけを聞いて解った気になるなよ」
「う……」
「だいたい、遺跡なんかに封印が施してあるんなら、妄りに解くべきじゃない。それで最低最悪の魔王復活とかになって、責任を取れるのか? 八重樫は」
「と、取れない……」
「天之河光輝なら考えもせずに封印を解くんだろう、何しろ奴は偽善者だしな。解いた後に疫災とかあっても御都合解釈で言い訳するだけだろうな、まったく目に浮かぶ様だよ」
確かにありありと見えてしまい一応、幼馴染みとしては何とも言えなくなり、白崎香織も八重樫 雫も押し黙るしかない。
「【仮面ライダークウガ】でも、妄りに遺跡を暴いた結果として嘗てリント族を恐怖に沈めたグロンギ一族が復活、何百何千もの人間が連中に殺されたんだぞ」
「特撮の物語でしょ!」
「残念ながら実話だよ」
「っ!?」
少なくともユートはよく識る事実である。
「他にも水晶内に封印されていた女の子、それを助けるべく水晶を何とかしたら何故かラスボスだった……みたいな話を聞いた」
「はい?」
八重樫 雫は余りに不可解と思ったのであろうが、これはまだ再誕世界に暮らしてた頃、麻帆良学園都市に現れた宝石翁から女の子を複数人託された図書館島の魔女……黒芝かなえから彼女らを預かった後、本人達から聞かされた話だった上に、そのラスボス本人からも聞いたから間違いない事なのだろう。
「そんな訳で僕は推奨しないんだが、どうしても助けたいなら他がヤってる間、体が空いてるのが助けてみれば良い」
バサリと何故か布団を敷き始めるユートに、三人はこれから抱かれるのだと、強く意識をしてしまったらしく頬を朱に染める。
「せ、先生から逝きます」
「先生!」
「愛ちゃん!」
白崎香織は兎も角として雫は思わず、いつもは使わない愛ちゃん呼びで叫んでしまっていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ガキン! ガキン!
「な、何よこれ! ちっとも壊れやしないじゃない」
バキンッ!
「折れたぁ!?」
使っていた武器が折れ、刃の半分が地面に落ちる。
(まぁ、そうだろうとも。簡単に破壊出来たら封印にならんからな)
アーティファクトであるとはいえ、高が通常金属の剣でしかないシャムシールっぽいそれで、あの立方体の破壊が叶う程度であるのならば、ユートがさっさと封印を解いた。
理由は簡単で、その程度の封印で出られないなら、封印された少女の力も高が知れているからだ。
「あの……」
「何かな? 愛ちゃん……あ・い・ちゃ・ん先生」
ボッと瞬間湯沸し器も斯くやと赤くなる。
バスタオル一枚な姿で、見られてないけど向こう側には白崎香織と八重樫 雫が居る状態、羞恥心は既にMAXでキスまでされてしまった。
しかも普段は先生としか呼ばないユートに、行き成り明らかに親しみの篭った声で『愛ちゃん』と呼ばれて照れてしまったのだ。
愛子も既に二五歳だし、普通ならば結婚していてもおかしくなく、それでなくとも婚約していたり最悪、彼氏が居るなりする年齢。
当然ながらそれなりには男との付き合いはあったのだが、本格的な交際にまでは及ばなかった。
況んや、『御突き愛』をする処かキスすらもない。
最近では二五歳で処女も珍しいかもだけど、まさかファーストキスすらしてなかったのは最早、天然記念物並ではなかろうか?
勿論、必ずしもそうではないのだろうが……
畑山愛子は可愛い。
小さくて顔立ちも幼く、胸も絶壁ではないけど大きいとは御世辞にも云えない程度、二五歳で既に成長の余地も無くなった年齢で、身長が一五〇cmしかない上に童顔だ。
高校生処か中学生と思われても仕方がない訳だし、そもそも成長が中学生時代に止まったらしい。
学生からは人柄と容姿、それにちょっとした愛嬌から人気な愛子“先生”ではあるけど、同じ年頃の男とちゃんとした交際が出来なかった理由でもあった。
見た目が中学生の女性、成人男性が愛子との交際なんてのは、端から視たなら□リコンでしかない。
仮に二五歳の男だったとして、愛子とホテルに行くのは躊躇うだろう。
主に中学生をホテルへと連れ込んだ援交犯扱いか、未成年者略取とか言われて両手が後ろに回りかねないのだから。
果たして『同い年だ』が信用されるか?
最終的には嘘を言ってはいないから解放されるにしても、再び愛子と交際しようと思えるものか? という問題もある。
そんな訳で畑山愛子は、今から起きる出来事に恐怖もあるし、相手が生徒だから背徳感も感じているが、ドキドキと心臓が高鳴ってもいた。
勿論、そういうおかしな性癖がある訳では無いし、脅される形で最終的に自分から頷いた『合意』であるにせよ、好きな相手という訳でも無いのだから普通は嫌で嫌で堪らない筈。
だけど、いざヤり始めると優しく触れられており、まるで恋人がする様なキスをされ、ハッキリと云えば若者故のがっつく感じとかが無く、寧ろ触られて安堵している自分に驚く程。
「あ、あの……緒方君って初めて……ではないんです……よね?」
「まぁ、童貞ではないな」
「ですよねぇ!」
初めてではないから焦りやがっつく感じが無くて、寧ろ大人の余裕すら見せられている訳だ。
「男の初めてなんて無様だからね、とても見られたもんじゃないよ?」
「そ、そうなんですか?」
こういう会話を愉しむという余裕もあったのだが、ユートの脱童貞は本人が言う通り無様だったと云う。
嘗てのユートは脱童貞を掲げて、大財閥のお姫様たる覇道瑠璃との決戦(笑)時に太股で擦れた分身から、白いアレを発射してお腹に掛けてしまったのだから。
そんな苦い経験など有ったからではないのだけど、多くの経験――二千年から三千年は掛けて積んできたが故に最早、ユートに死角など有りはしない。
行き成り『感じさせる』とかで、おかしな部分を触りまくったりするでなく、軽くキスをしながらソフトタッチ程度に触れ、会話で緊張感を解してくるのも、ユートが既に童貞ではないのだと、畑山愛子先生が感じた理由である。
その内に『もっと触って欲しい』と思ったら堕ちた証拠、愛子はユートの唇が近付いたら自分から唇を重ねて、舌を自ら絡ませる様にディープなのを極めた。
潤んだ瞳が雄弁に語る。
『もっとシて……』
ソコまできて漸く本格的な御触りが始まった。
ユートのホルモンは女性の警戒心を薄める。
本来なら通報ものな事案であれ、ユートを通報したりしない程度には警戒心が低くなるのだ。
「欲しくなった?」
抗えない。
若し、畑山愛子が処女でなければまだ抵抗したかも知れないが、初めて味わった甘美な感覚に最早抗う事は不可能だった。
故に愛子は頷く。
ユートもシャワーを特設してやった甲斐はあって、仄かに薫る女の匂いが湯気と共に鼻を突き、既にその下半身は準備万端だ。
幼い見た目に拘わらず、大人の薫りを漂わせている愛子を早く抱きたいとか、中々に愉しくなっている。
愛子先生の準備も整い、ユートは彼女の初めての証を貫いた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
さっきまでは少女(仮)を救出しようと頑張ってた筈の白崎香織と八重樫 雫、然し突然の甘い嬌声に吃驚してしまい思わず振り返ってみれば、あの可愛らしい先生が何処か淫靡さを醸し出して喘いでいる。
それからたっぷりと凡そ二時間にも亘る『生徒と先生……いけないの、貴方は私の教え子なのよ』とか、古いアダルトビデオみたいなタイトルの動画を見せられている気分を味わう。
だけどアダルトビデオと違うのは、AV男優やAV女優の演技による白々しいセ○クスなんかではなく、生々しい本当の性交を見せ付けられている処だ。
ペタンと女の子座りをしながら、二人は顔を熟れた林檎の如く真っ赤に染め、あの可愛らしくマスコット扱いな『愛ちゃん』の痴態に見入ってしまう。
本物の喘ぎと本物の絶叫を上げる『愛ちゃん先生』の姿は、同じ形をした別のナニかにしか見えない。
初めての後も三回くらい行われたプレイに、香織も雫もいつの間にかすっかりデキ上がっていた肢体を、右手が股間に伸びて知らず知らずの内に慰める。
尚、痩せこけて弱っていた少女(仮)もガン見していたりするが、流石に二人はそこまで気付いていない。
初めに愛子にしたのは、見た目は兎も角として年齢は大人だったからであり、二五歳にもなれば心の奥底はどうあれ、対外的に整理も付けているが故。
まだ一七歳な小娘に過ぎない二人は、やはり理想という名の妄想に縋るきらいもあるから、取り敢えずは恩師の性交を見せ付けて、肉体だけでもヤる気にさせる狙いがあった。
それは上手くいったみたいで、二人は見事に股間を洪水で潤している。
次のターゲットとするは八重樫 雫だ。
これも好みとかでは決して無く、ポニーテールは好きだけど決して無く!
一応は、好きな相手が居る香織に親友の痴態を見せるのが目的。
只でさえ恩師の痴態に濡れているのに加え、親友の痴態まで見せられては心はまだしも、肉体は反応してしまうだろうから。
それに、八重樫 雫という少女には外キャラとは別に内キャラが激しいタイプだと感じていた。
そんな雫を抱いた後は、目論見の通りに香織もデキ上がり、頭の中では『イヤ』と連呼しながら好きな男――南雲ハジメの顔を思い浮かべていたが、ユートのソレは通常とは違う所為で数分もすれば嬌声を上げて喘いでいた。
初めての貫通に初めての絶頂、その後は自ら上になって腰を振る大盤振る舞いだったと云う。
四時間後、すっかり終わってスッキリしたユート、ふと見遣ったら少女(仮)が潤んだ瞳で視ていた。
「それで……君は其処から助けて欲しいのか?」
コクリと頷くも視線自体はユートの分身に釘付け、ゴクリと固唾を呑んでしまう辺り、やはり見た目通りの年齢ではあるまい。
見た目的にはエヴァンジェリンの一〇歳より上か、封印も恐らく彼女がそれなりの実年齢時に行われた。
見た目だけは一二歳で、封印された時期は日本的な成人年齢くらいなのか? 封印期間は相当長そうだ。
何故ならユートの目に、彼女にはユートがよく知っている存在と似た特徴が映っており、それが故に見た目も寿命も通常の人間とは違うと考えた。
エルザ。
ダルシニとアミアス。
ギャスパー・ヴラディとヴァレリー・ツェペシェ。
アーデルハイト。
エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。
月村すずかや月村 忍、或いは綺堂さくら。
即ち、吸血種として血液を何らかの糧とする存在、挙がった者達は月村 忍を除き、ユートと可成り親密な関係を築いている。
「君は吸血種だな?」
「……ん、そう」
どうせバレているなら、嘘を吐く意味なんか更々無かったし、下手に嘘を吐いて心証を悪くしたくないと正直に答えた。
「名前は?」
「……あれーてぃあ」
アレーティア? は何故か途轍も無く嫌そうな顔で言い放つ。
「そんな顔になるとか……自分の名前に嫌な思い出でもあるのか?」
アレーティアというのは決して悪くない名前だ。
少なくとも変なキラキラネームを付けられるより、遥か彼方にマシだとユートは某・勇者(笑)を思い出しながら言う。
尚、顔は既に忘れた。
「わたし、おじ……さま……に、うらぎ……られた、むかしのなまえ、もう……いらない……」
辿々しいのは力が入らないからか、だけど憎しみより哀しみが強い気がした。
(愛が哀に変換された……という訳か)
憎むより哀しかったと、そういう事なのだろう。
おじさまとやらが血の繋がりのある伯父や叔父か、血の繋がりは無いが家族みたいに仲良くしていた小父なのか判らないが、よっぽど親しかったのは間違いない事実であろう。
「そうか……そういえば、君と同じ吸血姫は月と関わるな。エヴァンジェリンも封印中は月の満ち欠けとかで魔力が変わるし」
【腐食の月光】だとか、月という名前自体に何らかの関わりがある場合も。
「それなら、
「……ゆえ?」
「アレーティアとは呼ばれたくないんだろ?」
「……ん、いや」
「だから、ユエ。夜空に浮かぶ月を意味している」
「……わかった……ゆえ。わたしはゆえ」
「さて、ユエ。君は封印を解いて欲しいんだよな?」
「……むし……をされて、じょうじにふけられると、は……おもわなかった……けれど……」
ジト目で言われる。
「で、封印解除の対価には何を支払う?」
「……たい……か?」
「そう、対価だ。例えば、さっき僕に抱かれていた娘らは、この迷宮での生命の保証に肢体を対価に支払った訳だな」
今はマッパでナニやら変な液体でドロドロな三人、力尽きて気絶をしている訳だが、遂先頃まではユートの下で腰を振っていた。
「……なんでも……する! あなたがしてほしいと、おもうなら……」
「何でも?」
「……ほんとに……たすけ……てくれる……なら……あなたのものにだって……なる」
「自分自身を懸けると?」
「……ん、わたし、は……にじゅっさい……すぎて、ふういん……された……からだ、は……ちっちゃい。だけど、なにをするのかは……わかる」
どうやら本気らしいし、ユートが三人を抱いていた事から、それが報酬になると理解した科白である。
成程、見た目は幼くても瞳には確かな理性の光。
本気だし正気らしい。
「それじゃあ、先ず前金を貰おうか」
「て、まえ、きん……?」
それは今現在でのユエがユートを性的に良くする、そんな方法をヤれという話であったと云う。
「手もアソコも後ろの穴も使えないけど、口なら空いているだろう?」
一〇分後、漸く目的を果たしたユエの顔はユートの迸るパトスで汚れていた。
それはもう、合法なれど一般的には案件になりそうな状態である、彼女の見た目が見た目なだけに。
取り敢えず、汚れてしまった顔は水をぶっ掛けて清めてやる。
「じゃ、約束通りに封印を解くか。変身っ!」
《KAMEN RIDE DECADE!》
ネオディケイドライバーにカードを装填、仮面ライダーディケイドに変わる。
《FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE!》
「せやぁぁっ!」
バキンッ!
ライドブッカーソードモードでファイナルアタックライド、立方体を斬り裂くと何かが破壊された音が鳴り響いて、ガラガラと次の瞬間にはユエを捕らえていた封印が砕け落ちた。
「……え、うそ」
仮面ライダーディケイドは魔化魍やアンデッドなど斃せない筈の敵を破壊し、斃してしまったという実績があるのだけど、ユートも平成仮面ライダーのカードを集め切ると【破壊概念】が少し使える様になって、余りにも呆気なく……だ。
ユートはこうした概念をどうこうする力を得ては、それを組み合わせて扱うのを調べていた。
ディケイドが一部扱える破壊の概念、本来なら間違いなく斃せない不死生物の“破壊”は、破壊者だから出来たと云うのが思考停止でしかないと考えるから。
「【神結晶】から零れ落ちる【神水】だ。飲むと快復する筈」
「……ん、飲む」
試験管っぽい瓶を受け取ったユエは、何が何だか解らない侭に中身を煽った。
(助けた相手とはいえさ、もう少し疑えよ)
とても裏切りを受けた娘の所業ではない。
「……治った? 本当に」
「部位欠損までは無理だろうが、大概のダメージにせよ精神力にせよ疲労にせよ快復させる水だからな」
正に何処ぞの仙人が食べる豆も斯くやの効果。
「約束は果たした。ユエも契約は果たして貰うぞ」
「……ん、私は貴方のモノ……貴方の名前を教えて」
「ユート……通りすがりのユート・オガタ・スプリングフィールドだ、確りと覚えておけ」
「ん、ユート、ユート……宜しくユート。私はユエ……“貴方の”ユエ」
それはとても嬉しそうに言ったものだった。
「……ユート、貴方は」
《ATTACK RIDE》
「……え?」
行き成りライドブッカーからカードを引き抜いて、それをネオディケイドライバーへと装填した。
《DEFEND!》
それは仮面ライダーウィザードの防御魔法。
その後ろへユエを連れて逃れる瞬間、何か攻撃らしきものが降ってきた。
「……っ!?」
天井に張り付く多脚は、二本の尻尾に鋏の腕を持つ蠍に酷似した魔物。
「う、なにぃ?」
のそりと目を擦りながら寝惚け眼で起き上がってきた雫は、ドン! と落ちてきた蠍擬きに……
「キャァァァァァッ!? 何? ホントに何なの!」
悲鳴を上げていた。
「八重樫! 白崎と先生を連れて此方に逃げろ!」
「ディケイドって、何よ、何がどうなってんの〜? もう! 香織、先生!」
弛緩した二人の身体とは相当に重量感が増す為に、ひぃこら言いながら移動をしていた。
幸い、蠍擬きはユートとユエを睨んでいたから途中で気付かれたが、どうにか移動をする事は出来たから助かる話。
「あの魔物は?」
「知らん。ユエを助けたら現れたし、恐らくユエ解放で動くトラップだろうよ」
「ユエ?」
見れば助けようとしたが叶わなかった少女の姿。
「え、結局は助けたの?」
「対価は払って貰った」
「ちょ、こんな小さな子にヤったの?」
「まだヤってない」
「まだって……」
見た目が一二歳であり、仕方がないのかも知れないけど、明らかにユエを年下だと思い込んでいる雫。
「後で纏めて説明はしてやるよ。だいたい、先生達が起きてまた説明とか面倒なだけだろうが」
「……確かに」
今から雫に説明しても、香織はまだしも愛子先生が噛み付いてくるは必定。
ならばわざわざ戦闘中に説明するより、終わらせてから二人を起こして改めて説明した方が良い。
「じゃあ、ちょっと行ってくるから……ユエと八重樫は大人しく待っていろ」
「……待って」
「どうした、ユエ?」
行こうとしたらユエに呼び止められた。
「……私も戦う」
「無茶を言うな。一応回復はしたろうが本調子じゃあ無いんだろ?」
「……あれは叔父様が用意した魔物だと思う。なら、私が立ち向かわないと!」
「やれやれ、めんどいな。サガーク!」
何やら白い円盤みたいなモノが飛んできた。
「そのジャコーダーは変身アイテム兼武器だ」
楽器のリコーダーを模した武器であり、変身する為のツールでもあると云う。
「……ん、変身」
使い方は何と無くだけど理解したらしく、小さな呟きと共にベルトになって腰に装着されたサガークの、右側のスロットにジャコーダーを差し込む。
《HENSHIN》
サガークから生き物とは思えぬ聲が響いた。
それはファンガイア一族が造った【運命の鎧】で、ファンガイアのキングである登 太牙が使用した物。
黒いインナースーツの上に纏うは、白と銀のアーマーであり複眼は青。
歴史上、最初期に開発されたが故に武器はジャコーダーの一つ、フェッスルもウェイクアップフェッスルを一つだけしか持たない。
だけどユエには無関係。
「……仮面ライダーサガ、女王の判決を言い渡す……死刑!」
ユエは仮面ライダーサガに変身、ユートの変身する仮面ライダーディケイドと蠍擬きに挑むのだった。
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『それは誰じゃ?』
「遠藤、僕は割と気が合うお前を死なせる心算は無いんでな」
「緒方……」
「これをやるよ」
それは瓢箪にも見える。
「これは?」
「シノビヒョウタンっていう名前で、シノビドライバーを出せるツールだ」
「シ、シノビ……只でさえ影が薄い俺が暗殺者なんて天職で、今度は忍者かよ」
ガクリと四つん這いとなって項垂れる浩介。
遠藤浩介。
天職は暗殺者である上、元の地球でも影の薄さならナンバーワン、自動ドアですら反応しない程の彼は、ユートと朝に軽く挨拶する程度には話す。
それ以外でもそれなりに会話をするし、話の方だって割かし盛り上がるのだ。
故に勿体無い人材であると考え、ユートは仮面ライダーの力を渡す。
「まぁ、使ってみろよ」
「お、応」
シノビヒョウタンを腰に傾けると、リキッドみたいな物が腰に巻き付いた。
シノビドライバー。
浩介はメンキョカイデンプレートを手に持ったら、右脚をバッと上げると腰を落として、片手を地面に付いたら……
「変身っ!」
メンキョカイデンプレートをドライバーにセット、【シュリケンスターター】を時計回しで回す事で五行を収集。
《DAREJA OREJA NINJA……SHINOoooBE KENZAN!》
背後に顕れたガマエレメントが口から装備を吐き出すと、遠藤浩介の身体へとそれらが装着されていく。
紫を基調とした忍者っぽい姿、顔には手裏剣を模したアンテナを持ち、センリゴーグルは黄色をしている仮面ライダーシノビ見参!
「【忍】と書いて刃の心! 仮面ライダーシノビ!」
何処か香ばしいポーズを決めながら、浩介は高らかに自らの仮面ライダーとしての名前を告げた。
存外とノリノリに。
どうやらこの世界線では深淵卿ではなく、仮面ライダーシノビが活躍する事になりそうだ。
何て噺も有ったり無かったりします。
勇者(笑)な天之河の最後について
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原作通り全てが終わって覚醒
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ラストバトル前に覚醒
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いっそ死亡する
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取って付けた適当なヒロインと結ばれる
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性犯罪者となる