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「なぁ、緒方……」
「どうしたよ? 永山」
神妙な表情な永山重吾、とはいえ実の処は言いたい事も何と無くだが理解はしている。
「矢っ張り俺らが帰るのは?」
「前々から言っている通り無理だ」
「それは……」
「理由だって説明したよな?」
「ああ」
何度か説明もしていた通り、永山重吾を含めたクラスメイトの帰還は認められない。
「帰すだけなら簡単だろう。既にダイコンボイが此方に来ているからには彼方側との道筋も確立が出来ているからな。だけど帰ったら帰ったで幾つもの問題が有るんだ。一番はクラスメイトの内の半数が死亡している事、そしてそれに伴う批判は免れないという現実的な理由」
「ぐっ!」
「帰れる道筋が出来たから帰りたいって気持ちは解らんでもないが、抑々にしてお前らはハイリヒ王国が健在な時に『戦争やろうぜ!』って天之河の言葉に嬉々として賛成していたじゃないか」
「それはっ!」
「僕は一応、危険性を唱えたけどな」
態々、自分の腕を斬り落として流血を見せ付けてまで危険性を教えた心算ではあったのだけど、所詮は関係性の薄い連中なだけにいまいち伝わらなかった模様。
「兎に角、僕が帰るのは論外。そして永山達だけが帰った場合に起こり得る出来事は想像が付く。マスゴミによる『知る権利』を掲げた悪意しか見出せない取材攻勢、政府関係による悪意しか見出せない事情聴取、警察関係による悪意しか見出せない同じく事情聴取、学校関係なら悪意しか見出せない隔離政策、そして死んだ子を持つ連中からしたら生きているだけで憎悪の対象になるな」
それこそ悪意しか見出せない事を宣うけれど、実際に起こるのはユーキの経由で識っていた。
最後のは響の名前を聴いたから思い付いたというべきで、立花 響も原典の開始から二年前に起きたノイズ事件で生き残った事で誹謗中傷の的にされたし、立花 暁も娘が生き延びた事を喜んでいたのに取引先の会社の社長の娘は死んだという事、それによるあれやこれやで絶望して家を出てしまった顛末がある。
「永山達は地球に帰ったとして、それに立ち向かう事が出来るのか?」
「うっ!?」
これも前に訊かれた事だ。
「お、緒方なら出来るのかよ?」
「勿論だ」
永山重吾からの質問に言い放つ。
「最終的に御偉いさんさえ黙らせれば全てが終わるからな」
その意味は凶悪である。
御偉いさん――例えば聖域なら教皇を黙らせると言っているに等しく、現在の【ありふれた職業で世界最強】世界に於ける日本という国に限定をすれば、様々な組織の上層部は知らず知らずの内にユートによる掌握をされていたからだ。
「まほネットを知っているか?」
「ああ、アレだろ? 数年前に忽然と現れてから最初は【ネギま!】のパクリサイトみたいに云われてたが、評判が徐々に良くなっていったっていう情報兼商業サイトだよな。特に商業サイトとしては“密林”と少し被るけど、その商品は自社製で何だか有り得ない商品が並んでいるって聴くな」
【魔法先生ネギま!】や【UQ HOLDER!】が連載されたこの世界、“まほネット”は作中にて普通に存在しているからパクリサイトとか云われても仕方が無い話。
「言っとくがきちんと筋は通しているんだから、別にパクリサイトとか云われる筋合いは無いぞ」
「……って、情報が上がって来ていたから噂の方も下火になったんだよな」
名前は別に売名では無くて、再誕世界で普通に存在していたサイトの名前を使っていただけ。
それでも名前の使用でお金を獲ているからには使用料を支払い、更には年間収益から僅かながら気持ち程度に支払いを行っているけど、彼方側がその事を大々的に公表したのだ。
尚、
というか、原典的な漫画に出てくる魔導具――マジックアイテムが高値とはいえ売られている、この事実だけで実は彼方側も万歳三唱で迎えている上に、漫画の売り上げが何故か又候増えていて億万長者を地で往く勢い。
更に魔法も見せて上げたら喜ばれた。
ユートは好みでは無いから余り使わないけど【魔法先生ネギま!】系統の魔法も使える為に、例の始動キーを使った魔法を普通に唱えて使用をする事も出来るからだ。
「あのネットで売られている品々は紛れもない、本物の効果を持った魔導具の類いなんだ。つまりは“魔女の若返り薬”や“魔女の痩せ薬”なども本当に効果が有る。“長老の毛生え薬”もな」
「マジモンかよ!? うん? っても、それって確か【HUNTER×HUNTER】のグリードアイランドで手に入るアイテムだろ?」
「僕の念能力にはグリードアイランド由来の物、つまり指定カードを模倣したアイテムも有るからそれも売っている。とはいえ、下手に飲むと死ぬから数錠をそれなりの値段で……だけどな」
例えば“魔女の若返り薬”は記憶や知識はその侭にして、肉体的な年齢のみを若返らせてくれる薬ではあるけれど、年齢以上の数を飲んだら死んでしまうから注意が必要となる。
若返りや毛生えは権力者にとって魅力的だし、それが得られなくなるなど一度でも得てしまったら地獄でしかない。
それに大抵の人間は老いたら一部が元気を失うけど、“長老の精力増強薬”はそんなとある一部の元気を取り戻せるから密かに大人気だ。
因みに、注意事項を守らず死んだり指に毛が生えたりしても一切苦情は受け付けない。
薬は用法を誤れば毒と同じ。
況してや、あれらは量を飲む意味が無いのだから勝手な用法で身勝手にくたばって、それの責任とか言う以前に自分の責任を取れと言いたい。
それでとやかく言うなら商品が二度と買えなくなるというのも告知してある為、或る意味に於いては相互警戒態勢で客同士が見張り合っていた。
「うん? って事はアレか? 如何なる怪我も病も癒やす“大天使の息吹”も在るのかよ?」
「そりゃ、在るさ」
生きてさえいれば瀕死の重傷だろうと不治の病だろうと癒やす効果のカードが“大天使の息吹”、使うと一人に付き一度だけ大天使が顕れて一息で癒やしてくれるのである。
カードを実際に使って初めて行使をしたという事になる為、使ったカードは当然ながら消滅してしまった上に飽く迄も効果はカードの内容から外れない、従ってオリジナルの“大天使の息吹”に出来ない事は必然的にコピれられたカードにも出来ないという事
尚、ユートは指定ポケットカードは最後となるNo.100を除く99枚のコンプリートをしている。
惜しむらくは矢張り“大天使の息吹”の効果で、他にも手にしていたら疫ネタにしか成りそうにも無い危険物的なカード、これは流石に売ったりも出来やしない。
G・Iのカードでユートが売却をしているのはリスクが無い、或いはリスクは有るけど守るべきルールを守れば問題無い物のみだ。
また、カードにはカード化限度枚数が決まっている事からユートがファイルから抜き出せるのは限度枚数まで、つまり“大天使の息吹”は三枚までしか抜き出す事が出来ない。
故にこそ、使わない+転売の対策にカード化してから約七六時間で消滅する様に調整してある。
まぁ、抑々にして“大天使の息吹”を欲するのはだいたいが三種類で、先ずは本当に必要としていて借金を負ってでも大枚を叩いて買いたい人間、次に転売を目論んで買いたい人間、最後にいざという時に取っておきたい人間であろう。
ユートが売るのは基本的に最初の人間だけで、カードの効果を説明する説明板にも三日間で消滅と記載しておいた。
カードの効果そのものには干渉が出来ない――イコールでそれが制約な訳だが、カードの消滅する期間くらいはユートが決めて左右が叶う。
念能力の強力さに反して軽い制約なのかも知れないが、ユートの本転生は二回で仮転生は幾度と無く行われての念能力修得、魂の格はそれだけに向上していた上に緒方優雅の魂魄を吸収していた関係上、初めから高い格を持っていた事が念能力の制約と誓約を軽くしていて、
だからこそ、某・W使い拳士みたいな容量が足りなかったなんてマヌケな話に決して成らない。
一生涯に一度だけの大天使が起こす奇跡とでも云える効果、直近という訳では無かったりするのだが【ソードアート・オンライン】の世界にて、何故かSAOに囚われてしまった双子の姉妹の内の姉の方が、両親や双子の妹と一緒に罹患していたHIV感染症――後天性免疫不全症候群の進行が酷かった為、メディカルポッドでの治療も妹とは違って間に合わないと判断し、ユートは彼女へと件の“大天使の息吹”を使った。
本当に治った――正確には根治したのか疑惑に満ちた瞳であったから、この病の人間とは決してヤれない事をヤって証明して見せた処、真っ赤な顔をしながらその場に座り込んでしまったけど。
この病は空気感染は絶対にしないけど、細菌が唾液に含まれて感染をするからユートが自ら唇を重ねる、それは彼女の病が根治しているのを間違い無く理解した本人だからこそ出来たのだから。
尚、座り込んだのはVRゲーム内ではちょっとした事で可能だったから何度かしていたキスを、現実世界でした事でどうやらヴァーチャルでは獲られない快感に腰砕けになったらしい。
「だったら緒方、俺達がた……」
「足手纏いは要らん」
「っ!?」
永山重吾に最後まで言わせるまでも無く切って捨てるユート、その瞳は何処までも底が見えない光さえ吸い込むブラックホールが如くの漆黒。
「お前らは能力的に大した事も無いだろうが? 僕に言わせればお前らこそ錬成師な僕やハジメをも越える無能だよ。実際、ハジメは単なる鎧に過ぎないとはいえ仮面ライダーG3を造り上げて、その武装すらもきちんと造った。アギトの力となる因子を与えていたから今は仮面ライダーアギトに成れるが、お前らとオルクス大迷宮の表層を降りていた際は仮面ライダーG3の姿で攻略をしていただろう」
本来の仮面ライダーG3は機械の鎧で、ハジメが造ったのは見た目だけはそれっぽく造り上げたアンダースーツとアーマー、だけど武器に関しては機械式では無く魔導式で構築をされた物だけど本物に限り無く近い代物と成っていた。
流石、α世界線であれだけのアーティファクトを造った南雲ハジメと同一存在。
取り敢えず、無能と謗られた能力でこれだけの物を造った偉業をユートは満足そうに見た。
或いはユートと同等の能力を持ち合わせていたのならば、ハジメはきっとユートと同じ高み処か易々とは往かずとも天元突破すら叶うだろうと。
そして今現在のハジメは、魔物肉に含まれていたモノを錬金術で分解→抽出→合成にて混ぜ込んで肉団子を恵里と共に食していた為、既に失敗作使徒であるリューン並のステイタス値だ。
原典たるα世界線の南雲ハジメに比べれば低い数値ではあるものの、此方側のハジメは代わりに仮面ライダーアギトに変身する能力が在る。
当然、芦河ショウイチが変身するアギトと同じで原典と変わらない姿。
グランドフォームを基本に、フレイムフォームとストームフォームにタイプチェンジを可能としており、トリニティフォームにも成れる上で更にバーニングフォームからのシャイニングフォームと最強形態にも成れる。
序でに中村恵里には王蛇デッキを渡しており、仮面ライダー王蛇へと変身する事が可能。
ハジメは浩介と同じく友人枠、恵里はハジメの恋人として準身内枠の形で仮面ライダーに変身するアイテムを渡していた。
また、ユーキを通じて狼摩白夜から得た知識から最強になってサヴァイブ«無限»のカードも渡してあり、仮面ライダー王蛇サヴァイブ«無限»へと強化変身も出来る。
最初に渡したのはサヴァイブ«疾風»だったが、どうやら或る意味で公式がビジュアルまで用意をしたらしくて、そのイメージ画像も得ていたからユートの想像の通りに変化をしてくれた。
オーディンデッキはミッドチルダに在る為に、サヴァイブ«無限»は新たに創ったモノだ。
本来は一点物なのだろうけど、これは飽く迄もユートが創った物だからその気になれば増やす事も可能、そうして創った物は基本的に身内枠のみに与えられている。
まぁ、マルチユニバースで鑑みればその世界に一枚しか無いサヴァイブ«無限»も、数多在る世界を合算したらそれこそ無限-1もの数になる筈。
単純に【龍騎の世界】だけでもそれくらいの数になるのだから。
尚、新たにサヴァイブ«烈火»を仮面ライダーリュウガに成るティオに、サヴァイブ«疾風»を矢張り仮面ライダータイガと成る鈴に与えていた。
「だ、だが!」
「はっきり言うがお前らは所詮、
「っ!? 接待……バトル……?」
「実際にお前らは七五階層くらいまで騎士団からの手厚い庇護の下、色々な説明を受けながら時には騎士団からの手助けをされながら闘って来た筈だよな? 成程、表層部分の小ボスのベヒモスはレイドバトルで何とか斃せたかも知れんな。だけど最終決戦では一匹を複数人でボコるのは不可能、というより奴ら木偶人形は最低限で失敗作使徒の七〇〇〇以上という数値。これに数値で対抗をするなら本来の勇者(笑)のレベルが一〇〇に成った上で、限界突破の最終派生技能たる“覇潰”を使って漸く互角に成るんだぞ?」
限界突破は全数値を三倍に、限界突破«覇潰»で五倍に成るから、勇者(笑)が全数値を一五〇〇にしたレベル一〇〇を五倍にした七五〇〇で互角、しかも木偶人形だけあって一応はスキルや魔法はノイントやエーアストらと同じモノを使える。
感情豊かで数値が低いからこそ失敗作使徒というだけであった。
とはいえ、だからこそノイントよりもリューンは愉しめたのだが……
「お前らのステイタスはエヒトルジュエから貰ったに過ぎない、故に錬成師を除いたらトータスの人間よりは確実に上へ行ける。だけど木偶人形の一体にすら勇者(笑)が万全でも勝てないだろう。ウルトラマン程度の限界突破«覇潰»の時間では、全数値が一二〇〇〇の木偶人形の一体にも敵わないのは火を見るより明らかだからな。エヒトルジュエはお前らが敵対する事も当然ながら考慮に入れていたろう、だから勇者(笑)がフルパフォーマンスで闘っても勝てない程度の数値に落とし込んでいたんだろうさ。況んや、そのオマケに過ぎないお前らが敵う道理も無いだろうよ」
勇者(笑)である天之河光輝のオマケ、それこそがクラスメイトの立ち位置に過ぎなかった。
ユートの予測でしかないのだけれども、召喚の魔法陣は喚び出す以外にも喚ばれた人間の性質に合わせた天職を与え、それに紐付いたステイタスの初期数値とスキルや魔法を与える役割を担っていたのだと思われる。
その最低限に与えられるのが言語理解であり、天職とそれに紐付いたスキルだった訳だ。
ハジメの様に錬成師という天職に錬成と言語理解のみ、数値はオール一〇という端から見たなら確かに無能としか思えなかったし、勇者(笑)が僅かな間に二〇〇は数値を上げていた中でハジメは端数でしかない上昇量、エヒトルジュエは何処までも錬成師が大嫌いだったらしい。
「限界突破は勇者(笑)専用みたいな形で天之河のステイタスにのみ在ったけど、あれは魂魄魔法に紐付くスキルだから欲しいなら魂魄魔法を得るというのが手っ取り早い。尤も、魂魄魔法を得る為のバーン大迷宮は神山に在ったからな。僕が神山を消し飛ばしたんで、再生も叶わず消滅してしまった可能性が高い」
ある程度であれば大迷宮は再生する。
恐らくは全体的に再生魔法が仕掛けられているのだろう、一万年と二〇〇〇年くらいが経過をしていても大迷宮が機能不全を起こしていない理由であると云えた。
更に迷宮攻略で破壊されても暫く時間を置けばあら不思議、元の状態に戻っている上に魔物だって
「とはいえ……」
ユートが振り向いて視たのは【解放者】に入ったばかりの頃より若いラウス・バーン、彼こそはバーン大迷宮の作り手にして魂魄魔法を持っている神代魔法の継承者。
「ラウス、君の魔法が元ネタとなったスキルこそが限界突破なんだが?」
「ふむ。そういえば山が崩れ落ちていたからな。確かに大迷宮は既に使い物にはなるまいよ」
限界突破が欲しいならラウス・バーンに頼むのも手ではある。
「そして悪いが試練を突破していない者に魔法を与える心算も無い」
当然だろう、抑々が大迷宮に試練を付随していたのは継承するのが有資格者である事を望んだからであり、その資格は大迷宮を攻略すれば自ずと見定められる様に成っていた。
だからこそ今更、ラウスも試練無き継承なんて真似をする必要性も無かったし、何よりユートが普通に継承しているなら最早試練も要らない。
「まぁ、限界突破は短期決戦の為のスキルだし。数分間しか使えない«覇潰»なんて、長時間戦闘には全く向かないしな。然もスキルが切れたら体力をブワッと奪うとかね」
だから奥の手として使われる。
経戦能力皆無のこのスキルで何万処か何十万もの敵を相手には出来ない。
「だったらお前のアーティファクトを!」
「ライダーシステムの事か? バーッカ言ってんじゃねーよ! 前々から言っている通りアレに関しては基本的に身内のみに渡す。鈴は【閃姫】で浩介は友人枠だっつーてるだろうが! お前らはクラスメイトという名の赤の他人に過ぎない! 【解放者】はミレディという身内の身内として、ライダーシステムならぬビーファイターシステムを渡したんだ!」
ユートはクラスメイトの事が一部を除いて好きでは無かった、天之河や小悪党四人衆程に嫌っていた訳では無かったが、好悪の二元論で分けるのならば〇……極めて悪感情寄りのフラットだ。
ハジメや浩介や【閃姫】達みたいに生きていて欲しいとは思わないが、かといって天之河光輝や小悪党四人衆みたいに死ねば良いとも思わない。
若しもだが、仮に天之河光輝や小悪党四人衆が金銀財宝を対価に助けを求めたとしても助けようとは思わないだろう、だけど永山重吾達がそうした場合は助ける事を検討してやっても良かった。
その程度の関係性しか永山重吾達とは築いていないし、だから浩介が一人と永山重吾達の数人が同時に生命の危機に瀕していた場合で、その上でいずれかしか助けられないとしたら浩介一人だけ取るのだろう。
とはいえ、浩介は曲がり形にも永山重吾達とは友人――親友だと言い換えても良い関係だから、そうなった場合は間違い無く浩介が気に病んでしまう事に成るのだろうけれど。
「まぁ、兎に角だ。僕は君らに何ら期待はしていなかった。これからも特に思う事は無いし、黙って隠れていたらどうだ?」
「な、何でだよ……帰れもしないし、だからといって闘えるでも無し。それじゃ、俺らっていったい何なんだ!?」
「ネームドモブ?」
「がはっ!」
モブキャラだけど名前とかの細かい設定が付いている存在、時折だが出番を貰えて一回限りとかでは無いけど結局は賑やかし程度。
ネームドのレベルで濃いながら名前が出て来なかった原典の女騎士、義妹化して雫に擦り寄って任務を蔑ろにする彼女とどちらが良いだろう?
因みに、この世界では雫へのていていな信仰を持って義妹化をするよりも前に、天之河光輝へと擦り寄って性的に喰われた為か恐らく義妹化はしないだろうけど、その心には不快にして深い傷が残っていそうである。
「どちらにせよ、お前らは事此処に及んでは役になぞ立たん。大人しくしていれば時が来た時に帰してやるから」
「わ、判った……」
最早、言葉を尽くす事も出来なくなってしまった永山重吾は俯いて椅子に座り込んでしまった。
其処に永山重吾のテーブルに紅茶を置いてくれたのが、何処からどう視てもメイド服という服装だけどハイリヒ王国やヘルシャー帝国の物とは全く別のデザイン、長い黒髪を纏め上げた瑠璃色の瞳を持つ笑顔が目映いメイド少女。
少なくともシエスタは別の場所にて配膳をしているから別人、そのメイドとしての腕前? は正しく玄人然としていた。
憔悴した永山重吾が紅茶を飲んでみると美味いと感じるくらいだ。
「御茶請けもどうぞ」
無言で御茶請けを口にすると、飲んだ紅茶に合う味に目を見開いて咀嚼をしつつメイド少女を見遣ると、何故だか木偶人形――エヒトルジュエの使徒とは輝きが異なった聖銀の魔力が揺蕩う。
それは永山重吾の重くなった心をある程度ではあるが軽くした。
その笑顔に思わず惚れそうになる永山重吾ではあるが、この場に居る少女=ユートの【閃姫】であると考えたらしく想いを封じ込める。
実際に間違ってはいない。
ユートのハルケギニア時代、最終血戦も終わって本来の――前世の世界へと戻った際に事故死をしそうになっていた少女、その身を助ける対価として貰い受けた時からユートの【閃姫】。
自分だけではない、飛行機の墜落事故であるが故に乗客の全てを救って欲しいと頼まれたのだ。
代わりに自分がユートのモノとなる事を了承した為に、その強い意志を気に入った事で飛行機の墜落を和らげて乗客の全てを救う。
但し、少女に関してはどうやら選択肢が存在していたのでそれを告げてみたら、少女は寂しそうな笑顔を浮かべて転生する事を選んだ。
転生後、貴族の御落胤として生まれていながら前世からの望みを叶えるべく平民としてメイドになり、とある貧乏伯爵の御令嬢の家でメイドとして働く事となった少女は紆余曲折、その世界での寿命を終えた後にユートの下へと戻ってきた。
とはいえ、ユートの【閃姫】に成っていたから少なくとも本来の世界線で仮令、結婚をしていたのだとしてもβ世界線となる此方側では男の影は形すら無かった……とは云わないけど、可哀相に少女に恋い焦がれた男は普通に振られている。
因みに、転生者は他にも居たからその人物達には早々に転生をして貰った。
【閃姫】だから寿命とは飽く迄も【閃姫】では無かった場合の転生体の寿命、大人に成りながらも若々しさを保った侭で御嬢様に仕え続けたが、不思議ではあっても周囲は納得していたらしい。
白銀の祝福を受けた聖なる乙女であるが故に、そんな不思議な事もあるのであろう……として。
まぁ、知られたのは大分後になってからの事ではあった上に、聖銀の魔力も彼女はメイド魔法にして便利なモノ扱いに過ぎなかったけれど。
尚、黒髪はメイド魔法で染めたモノで本来なら瞳も黒にしていたけど、御嬢様が亡くなってしまって本来の
そうであるから永山重吾は賢明であったと云えるであろう。
「優斗!」
取り敢えず報告も済んだから会議を終了しようとしたら、【デジモンセイバーズ】に於けるメインの人物の一人にして【閃姫】の淑乃がユートへと話し掛けて来た。
「どうした淑乃?」
「今回の最終決戦ではガジモンをどっちに進化させるのかしら?」
「アヌビモン」
「つまり、数を増やす方向ね」
ユートのパートナーデジモンはガジモンというありふれた存在、然しながら元はスーツェーモンという朱雀の姿を象る究極体にして神にも等しいデジモン達――四神から現実世界に送られてきた成熟期のドーベルモンだった。
その躰を分解してテイマーズの究極進化を助けるデジタルグライドと化し、本来であるのならば消滅と共に任務を遂行する筈だったのだけれど、実際にα世界線では消滅しているのに彼は消滅をする事無く現存をしている。
勿論、ユートが助けたから。
データ量が不充分だったからドーベルモンとしてでは無く、成長期であるガジモンとしての姿で救われたので今もユートのパートナーデジモンとしては成長期の姿をしていた。
更にユートが光鷹翼の力を用いて行う擬似的な“デジソウルチャージ・オーバードライブ”で、
飽く迄も擬似的ではあるが究極体アヌビモンへと進化をさせて最後の決戦に臨む。
それと違うが、後に【デジモンセイバーズ】の
世界へと転移してから専用のデジヴァイスicを得ていたけど、人間が製作したからか完全体である処のケルベルモンには成れたのに、究極体へ至る“デジソウルチャージ・オーバードライブ”をしたらぶっ壊れてしまった。
大門 大達のデジソウルより遥かに強力無比だったからか、彼らの形が残る破損とは違って粉々になったデジヴァイスicは破棄するより他に無く、已むを得ずそれまで使わずにいたディーアークを用いての進化をさせる事になる。
だけど既に信頼も勝ち得ていたからガジモンは融合進化が可能に、究極体であるプルートモンに究極進化をする事が出来る様に成っていたのだ。
元よりデジモンは進化系統が複数存在しているから、例えばユートの識らない【デジモンアドベンチャー:】のアグモンとガブモンみたいな形、アグモンの究極進化がウォーグレイモンだけでは無くブリッツグレイモン、ガブモンがメタルガルルモンでは無いクーレスガルルモンに成ったみたいに二つの進化ルートを持つに至る。
それにより進化の形にも少し変化が齎されて、ガジモン→ドーベルモンX→ケルベルモンX→アヌビモンというルート、ガジモン→ドーベルモン→ケルベルモン・ジンロウモード→プルートモンが正しい進化ルートに組み込まれていた。
また、アヌビモンはXー進化では無くバーストモードを得る。
当たり前だけどアヌビモンは【デジモンセイバーズ】のパートナーデジモンでは無いのだから、本来であればバーストモードなど存在しなかったのだが、ユートがディーアークでもデジソウルで進化させる手段を構築したから“デジソウルバースト”も可能と成ったのだ。
まぁ、ユートが自ら闘う場合の究極進化というのがアヌビモンなのだと考えれば良かろう。
「じゃあ、いつも通りにアヌビモンのフォローは私達が任される形で良い訳よね?」
「ああ、頼んだ」
これもいつも通りという、別のデジタルワールドへ行った際にはフォローを頼んでいたから。
ユートは会議を終えて、ハジメと恵里を呼び戻すべく動き始める。
流石にラストバトルであるからにはあの二人を野放しにするには惜しい、仮面ライダーアギトと仮面ライダー王蛇は存分に活躍して貰うから。
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勇者(笑)な天之河の最後について
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原作通り全てが終わって覚醒
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ラストバトル前に覚醒
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いっそ死亡する
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取って付けた適当なヒロインと結ばれる
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性犯罪者となる