ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

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第124話:ありふれた最終調整

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「やぁ、久しいな」

 

〔うん、そうだね優斗〕

 

 何度か電話を掛けてみたけど中々繋がらずにいたから、更に少し時間を置いて何度か目となるであろうコールでやっと出たのは南雲ハジメ。

 

「それで? メルジーネ海底遺跡はクリアする事が出来たのか?」

 

〔うん、何とか僕も恵里もね〕

 

「それは目出度い。処でまだ最後まで攻略が出来てないだろうけど最終決戦が始まる」

 

〔! 判った、帰るよ〕

 

「済まんな、アギトと王蛇を遊ばせておく程には余裕がある訳じゃ無いんだ」

 

 新たに永山重吾達を仮面ライダーにしたいとは思わない反面、人数を確保するなら既に力を与えているハジメと恵里は招集しておきたい。

 

 身内では無い連中に背中を預ける気は無いし、永山重吾達の場合は後で返還を渋られても面倒臭いからである。

 

 尚、アギトの因子は回収が難しい――ジオウのブランクウォッチを使えば可能だ――けれども、恵里に関しても王蛇デッキを返して貰うといった気は更々無かった。

 

 恵里"という全く同じ顔と肢体の少女を好きに抱いた事もあり、平行世界の同一性体に過ぎないとはいえハジメの恋人でもあるのなら、間違い無く『中村恵里は身内である』と言い切れたから。

 

 軽くユートが飲んでいるのは純正なドワーフが飲む様な火酒、アルコールは広義で毒と変わらないからビールとかでは全く酔えない、ドワーフの火酒くらいにアルコール度数が高ければ一瞬だけでも酩酊感を得られるのだ。

 

 先の電話でハジメは明後日に帰ってくると言っていたが、恐らくは今夜と明日は宿屋でたっぷりと互いの仲を確かめるのだろう。

 

 ユートはグレイテストシンオウライドウォッチを弄びつつも、酒の入ったカップを口に付けると中身を一気に煽った。

 

 喉を焼く刺激と鼻を突く香りと共に刹那の酩酊が襲うものの、すぐに酔いは解毒作用により消えてしまうから量を飲まないとならない。

 

「一応、コイツに組み込んだからグレイテストシンオウに成れば使えるけど……な」

 

 グレイテストシンオウは仮面ライダージオウの色違いたる仮面ライダーシンオウ、それだからこそ仮面ライダーグランドジオウの色違いとなるであろう仮面ライダーグレイテストシンオウなんて仏壇フォームも踏襲されていた。

 

 グランドジオウが身体に刻印されたライダーレリーフに触れると、そのレリーフに描かれている平成仮面ライダーが顕現化をして闘ってくれる。

 

 やっている事は仮面ライダーディエンドに近いかも知れないが、グランドジオウの場合は自分の意志に添って武器を召喚する事も可能。

 

 そしてクレストチェンジ――この場合は刻まれたレリーフを別のモノに変更をする事によって、仮面ライダーとはまた別の存在を召喚する機能を持たせていた。

 

 例えば『スーパー戦隊』を。

 

 尤も、ユートが召喚するのはその姿や能力こそ仮面ライダーやスーパー戦隊かも知れないけど、中身は本物では決して無くて原典の存在とは同じ思考回路を持っているだけでAIに近い。

 

 その場に居れば或いはそう思考する……かも知れないといったやつだ。

 

 例えば、仮面ライダーカイザを召喚した場合なら――『俺を好きにならない奴は邪魔なんだよ』とか叫びながら闘いそう。

 

 それは兎も角として、永山重吾達とは全く違って信頼関係を構築しているハジメとその恋人である恵里が戻るのは大きくて、仮面ライダーアギトシャイニングフォームや仮面ライダー王蛇サバイブは戦力として大活躍してくれる筈。

 

 恵里"と恵里――二人の中村恵里による仮面ライダー王蛇とオルタナティブ・ゼロの快進撃とか。

 

 というか、何なら主旨が違えばハジメと恵里にダブルドライバーを貸して仮面ライダーWにしても良かった。

 

 ユートは妄想の中の中村恵里と恵里"を脳内から振り払うと、既に通達をしていたから部屋に一人で待機をしていた本物の恵里"を見遣る。

 

「やぁやぁ、ボクを犯しに来たね」

 

「抱きに来たんだよ」

 

「ヤる事に違いないさ」

 

「そりゃそうだがね、字面が余りにも余りだろ。合意無しのは確かに犯すって言葉が相応しいが、一応ながら僕と恵里"は合意の上なんだからさ」

 

 肩を竦める恵里"にユートは苦笑いを浮かべながら訂正を入れる。

 

「一応って付いてる辺り自覚をしているんじゃあないか」

 

「まぁ、毎度泣かせてるし」

 

「くっ!」

 

 それは泣くだろう、毎度毎度の時間戻しにより肉体を処女に戻しては膜をブチブチッと引き裂いてくれる訳で、こいつが中々地味に痛いのだからギャン泣きでは無くて啼いている感じになった。

 

 痛みはそれなりに感じるし、肉体の刻を巻き戻すから痛みに慣れてもまた新鮮な痛みを次に提供をされる為、痛みに耐えながら涙を零してしまうのはどうにも止められない。

 

 彼方側の天之河光輝とは神域の方でヤりまくっていたが、初めてを貫かれた時は確かに感じていた痛みだったのに、ユートのJr.が天之河光輝のJr.に比べて二倍以上のモノだったので彼奴に恵里"のオリジナル魔法――“縛魂”で縛って操られていた状態で恥ずかしがるでも無く晒されたから長さも太さも硬さも別物だと理解はしていた。

 

 とはいえ、ユートは“強壮たる【C】”によって文字通り犯された事で、Jr.を無理矢理に肥大化させられて精気を吸われながらも口からお腹へと、菊門から直腸へ精気を流し込まれる無限ループでヤられ続けた結果、一種の呪詛による肥大化したJr.をその侭にされた上で幾らでも射精が出来てしまう肉体にされてしまったのが原因。

 

 単なる人間とは作りからして最早異なっている訳だし、その少し前に覇道瑠璃を相手に太腿にて擦れて誤射したり、五回目にはもう息も絶え絶えで何とか少量を射精してたユートは既に居ない。

 

 孕み難くなる事と引き換えに、何千発を射精しようとも全くJr.も勢いも衰えないからだ。

 

 何処ぞの無限の龍神と比べて何ともはやイヤな無限ではあるのだが、そのお陰で出逢う女性という女性を満足させるだけのスタミナとテクニックを身に付けるに至っていた。

 

 どうでも良い話だけど無限の龍神オーフィスは出逢う前、アザゼルの言から鑑みて爺様の姿をしていたらしくて姿形に頓着が無くて、ある程度は好きに換えられるみたいだったのと精神性は姿に引かれるっぽい為、女性としてのメンタルを持たせた侭で今の姿を換えない様に頼んだら了承を貰えたので、彼女は出逢った時と変わらぬ姿の謂わば合法ロリな黒髪少女である。

 

 そしてオーフィスは龍神――即ち龍という属性と共に神性を持つから、実はダイコンボイに乗って連れて来られた神の一柱で神域に居た。

 

 オーフィスは【ハイスクールD×D】の世界には既に住んでおらず、ユートがあの世界から離れるのに合わせて共に出ている。

 

 故にこうしてオーフィスに用事がある場合は連れ出しているし、大きな用事などが無かったにしても折角の女性体なのだから契約こそ出来ないけど【閃姫】と同じ扱いをしていて、オーフィスもそれに不満や違和感を感じていない。

 

 寧ろ嬉しそうにしていた。

 

 【閃姫】契約が出来ないのは彼女が神性を持つ曲がり形にも神だから、リルベルト・ル・ビジューも神域にまで到達してはいるけど本来は人間であるが故に【閃姫】契約も出来たけど、オーフィスみたいな生まれついての神性持ちとは契約自体が出来なかったりする。

 

 だから例えば“まつろわぬアテナ”も【閃姫】では無いし、本当なら好きにしていても構わないのに彼女はユートと共に在る事を望んだ。

 

 オーフィスもそれと同様、彼女は静寂を得る為に“禍の団”なる胡乱な組織に手を――力を貸してその団の御飾りなトップに居た。

 

 まぁ、取り敢えずオーフィスの説得にて調略を試みたら上手くいったのでラッキーだったろう。

 

 英雄派とか旧魔王派とか“禍の団”の連中からしたら偉い迷惑な話だが、抑々にして連中こそ団とは無関係な者からしたら大迷惑な存在だ。

 

 現在、エヒトルジュエの神域はユートの手の者的な神クラスによる支配を受けている状態。

 

 その中にリルベルトやラルジェントやオーフィスやまつろわぬアテナなど、これまでにユートとの(よしみ)を繋いできた存在が多数居る訳である。

 

 エヒトルジュエが神域に戻れない様に云ってみれば神域ジャック、愚かにもユエを狙って降りてきた処を地上で相手する傍らにリルベルト達を送り込んでいた。

 

 だからこそ帰れなかったのだ。

 

(あの侭、消えてくれりゃ万々歳だったんだけど予測をしていた通りに天之河と融合したからな)

 

 此方側からしたら正しく万歳三唱。

 

 別に天之河光輝を殺したい程に憎悪を持ち合わせてはいないけど、こうなってしまえば死なせてやるのが世の情けとばかりに殺すだけだ。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 約一ヶ月の時間は訓練をしながら、夜は何人かの【閃姫】達を閨に呼んでは褥を共にしていた。

 

 中には神域ジャックをさせていた者も喚び出して抱いている。

 

 パリオンみたいな見た目は小学生な女神も居るのだが、神であるからには存在が数万年以上を在り続けるなんてのもザラだ。

 

 本来ならマシロと名乗る事になるハクオロから権能を簒奪したハクと共に在る筈だった女神達、違う世界線に於いても女神と化した彼女達は喚び出されては抱かれている。

 

 普段はエリシオンにて任された仕事を熟しては帰るを繰り返していて、余り構われていないからここぞとばかりに甘えに来ていた。

 

 ニライカ(アトゥイ)なんて闘いを挑んでは敗けてを繰り返しつつ、敗けた後で思い切り甘える感じになっているのが定番化している。

 

 また、β世界線ではユートの干渉から抑々にしてハクの死やマシロ化も無かった為、ハクは普通にユートの娘であるクオンとトゥスクルへと渡った事も手伝い、ヤマト國に帝が亡き後はその地位を継いだアンジュと共に動いていた。

 

 色々と厳しい事も言われたけど、『御父上』や『御母上』を救ってくれた相手なだけに帝として頑張る気概を見せたアンジュ、そして八柱将として立ったハクの仲間達がそれを支える。

 

 尚、帝の死は戦後にユートがタタリを浄解したのを見て安堵をした結果として急激に老け込み、半年くらいの療養期間は在ったけど概ねは寿命による大往生であったと云う。

 

 その後はホノカを譲渡されたり、それによってアンジュが妬いたりとアレな事にはなったけど、ヤマト國を治めるのは普通以上に出来ていた。

 

 元よりトゥスクルの二代目の皇を熟していただけに、右近衛大将や左近衛大将や八柱将を指揮して速やかにヤマト國を安定させたのである。

 

 トゥスクルの四代目となるクオン皇の右に立つ者としてハクは充分に役割を果たした。

 

 まぁ、ユートがタタリを浄解する事が出来たからにはα世界線みたいにマシロ化は不要だったという事もあり、本当であればハクオロがウィツアルネミテアの空蝉を辞める事も出来なかったが、ユートとしても十数年間もウィツアルネミテアの神子の如く働いていたエルルゥを解放するべく、ユートがハクオロの中のウィツアルネミテアの力を神殺し――カンピオーネとして簒奪。

 

 これによってユートは白の皇だけでなく黒の皇の力も入手する。

 

 というか、黒の皇がフラフラしていては都合が悪いから取り込んだというのが正しいのだろう。

 

 何しろアレがフラフラした結果としてトゥスクルの姉のエルルゥ、そしてオンカミヤリューであるディーを『願いを叶える』形で乗っ取った。

 

 正確にはユートが正しく知るのはディーのみであり、トゥスクル婆様の姉たるエルルゥに関しては彼女から聴いた話や結末などから推測したものでしかないが、恐らくだけれども大まかには間違い無さそうだとは考えている。

 

 エルルゥは生贄として森に送られたのを良しとしていたが、ヒトであるからには迫り来る死には可成り怯えたのであろう。

 

 どれだけ気丈に振る舞おうとも独りきりとなって頭が冷静に成れば、もう直ぐ死ぬという恐怖に駆られるのも致し方ない感情であったし、相手はあの巨大な虎的な存在だったから間違い無く生きながら喰われる未来しか見えない。

 

 たったの一撃でマミられたならまだ幸せな死に方であると云えるのが悲惨さ凄惨さを物語る。

 

 万が一にも脚を喰われ、腕を喰われ、肚を喰われといった具合に少しずつ痛みを与えられながら死ねなかったら、最期のトドメに頭を喰われるなり心臓を喰われるなり、若しくは出血多量で死ぬなりするまで痛みと苦しみで絶望感だけが支配をする地獄(ディネボクシリ)に陥っただろう。

 

 若しもそういった半ば地獄の中で、頭の内にて『生きたいか?』と御都合にも程がある言葉が響いてきたらどうだろう? きっと掟だ恥だ外聞だなどかなぐり捨てて縋り付いた可能性が高い。

 

 黒の皇はきっと救ったのだ。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()……と。

 

 ディーの時と同じ……というのは時系列的には前後が逆だが、ユートがエルルゥの話を正しく聴いたのはアクタと共に、教団の調停者をしていた時に出逢った若き日のトゥスクルちゃんから。

 

 だから実際にはディーという名の黒の皇から聴いた話から判断した。

 

 それは扨置き、ハクオロから仮面の譲渡をさせてから取り込む事で或る意味、α世界線に於けるマシロと同じ立ち位置と成ったユートは神化をした彼女達――ユカウラとルゥナとケトシィとシュクレとゴコウとミトとニライカとコトゥア&ツァタリ――を抱き込んでいる。

 

 殆んどユートの干渉したβ世界線に居た娘達だったが、ユカウラのみ違う時空に居た世界線から引っ張って来た形に成っていた。

 

 何故ならユカウラとは即ちクオン、そして彼女はユートの血縁だからどれだけ想いがあっても、β世界線のクオンのそれは飽く迄も父娘としての想いに過ぎなかったのも有るけど、クオン自身がハクと結ばれてしまっているので神眷――違いは有るけど【閃姫】に近い存在として機能している――みたいには成れなかったのだ。

 

 また、名前に関しては元の自分達が他に存在をしているから真名隠しに使っていた偽名へ完全に変更している。

 

「なぁなぁ、旦那様~」

 

 ニライカが胸を擦り付けながら甘えてくるのを受け止めると……

 

「折角、こうして逢うとるんやし皆で愛し合いたいぇ。ネコ……ケトやんかてそう思うやろ?」

 

 顔だけケトシィに向けて言う。

 

「何ですか、ケトやんって? まぁ、確かに私達も仕事をしましたから相手して欲しいです」

 

 ケトシィが呆れながら肯定する。

 

 どうやらミトやルゥナは疎かシュクレでさえもニライカに賛同していた。

 

「ま、構わんがね」

 

 寧ろドンと来いといった感じか?

 

 どうせ半月は暇とは云わないけど闘いも起こらないだろうし、“導越の羅針盤”を使ってまで捜そうだなんて考えてもいないユートは時間が空けば彼女達とイチャイチャしていた。

 

 エヒトルジュエがどう考えるかは知らないが、少なくとも天之河光輝は突撃思考な莫迦者だ。

 

 きっと莫迦みたいに真正面から来るに決まっているし、それを迎撃した方が或る意味では楽なのだから態々捜しに行くなんて手間は掛けない。

 

 実際、ベヒモス相手に突撃したし。

 

「ただいま」

 

「御帰り」

 

 残り一週間くらいになってからハジメと恵里がエリセンから戻って来た。

 

「大分、成長したみたいだな」

 

「そうかな? でも、だとしたらきっと魔物肉を食べていたからだよ」

 

 既にハジメと恵里の二人は魔物肉を原物の侭で食せる為、錬金術により魔物肉を加工した食品は現在では使っていない。

 

 見た目には大きな変化が無いけれど、ハジメは細マッチョとも云える筋肉質な肉体と成ったし、恵里は身長が少し伸びて髪の毛も整える程度にしか切ってないから長髪、更にハジメは股間のJr.が荒ぶる貴公子と成っており、恵里は鈴が顎カックンしたくなるくらい女性らしい肉付きに。

 

 ハジメは白髪に成ったり片目や片腕を喪ったりしなかっただけで、肉体的には原典の南雲ハジメと変わらない体つきとステイタスを手に入れた。

 

「魂魄魔法は優斗から貰っていたから残り二つでコンプリートだったんだけどね」

 

「とはいえ、使い所を見失ってもな」

 

「まぁね」

 

 地球に帰ってからも神代魔法を使う事はあるにせよ、エヒトルジュエとの決戦以上の使い所なんてそんなに在るものでも無いだろう。

 

 つまり、エヒトルジュエ戦に出遅れるというのは本末転倒である。

 

「それに僕もそろそろ堪忍袋の緒が切れちゃう。天之河君をボッコボコにしたくなる程度にはね」

 

 笑顔だけど目が笑ってない。

 

 エヒトルジュエに対する苛々と天之河光輝から受けた数々、優しいハジメでもプッツンしてしまうくらいにはやらかしていた。

 

「あの時はああしないとどうにもならなかった、だけど今のハジメには力が在るからな」

 

「そうだね」

 

 ハジメは優しい、それは間違いでは無いけど、例えば香織が見たという土下座事件は優しさから成るのは、飽く迄も力が無いなら無いなりに婆さんとその孫を庇った部分、暴力は肉体的に無理だから土下座して道化を演じたに過ぎなかった。

 

 事実として流石に原典ハジメはちょっとばかりはっちゃけていたが、力を以てやれるなら当然だけど力で黙らせるくらいはやる。

 

 ユートからしたら力に拘泥し過ぎなければそれで構わない。

 

「ウチのダッシュと違って恵里は随分と綺麗に成ったもんだな?」

 

「これでもたっぷりとハジメ君からの愛を受け取ってるからね」

 

「恵里……」

 

 ウィンクしながら右手でピースを作る恵里に、()()()()()()意味合いを深読みしてハジメは赤くなってしまう。

 

 単純に魔物肉の効果なのは似たり寄ったりであるハジメも理解するが……

 

(あ、ハジメめ……硬くしてるな)

 

 魔物肉の効果? で性欲も旺盛みたいで両親はきっと早く孫を抱けそうだ。

 

「それで、昇華魔法と変成魔法は決戦後に取りに行くのか? それとも生成魔法や魂魄魔法みたいに渡そうか?」

 

「うーん、出来たら早く帰りたいんだよね。僕としては恵里を早く父さん母さんに紹介したいし、何より家に住まわせる予定だからさ」

 

「そうか、そういえば恵里は父親を事故で亡くしていたんだったな」

 

 母親に関しては話題に上げない。

 

「うん、だから帰ったら恵里には僕の家で暮らして貰うよ。その……さ、僕が生活の基盤を作れるまでは養女にって話を考えてるんだ」

 

 さっきとは違う照れ笑いで赤くなってしまったハジメ、どうやら地球に戻ったならそういう話に持っていく予定の様だ。

 

「良いんじゃないか? 養子縁組みは解消も出来るから兄妹に成っても婚姻に支障は無いしな」

 

「今、どっちを下に見たのかな?」

 

 上目遣いに訊いてくる恵里。

 

「僕の君へのイメージはダッシュの方なんだよ、そう言えば聡明な君なら解るんじゃないか?」

 

「まったく解り過ぎるくらいにね」

 

 今の恵里は恵里"と比べて大人っぽい姿をしているが、直に抱いた恵里"の寸胴でひんぬーでミニマムなボディがユートの脳裏を過る。

 

 沢山の女性と関係を持てるだけに余裕が有るからだろう、ユートは女性の趣味には可成りの広がりを持つから恵里"も充分に好みに入った。

 

「こないだ渡したサバイブ«無限»は使い熟せているかな?」

 

「うん、多分だけど«疾風»より使い易かったね。ボクとしては«無限»で助かるって処かな」

 

「それは良かった」

 

 サバイブのカードは徒らに三枚が在る訳では決して無く、それぞれのサバイブにはきちんとした役割が与えられている。

 

 というか、ユートは解り易い形でサバイブに対する役割を持たせたと言った方が正しい。

 

 実際はどうなのか実は識らないからだったが、取り敢えずサバイブ«烈火»は出力の上昇が主に成されて、サバイブ«疾風»は疾さに重きを置いて、サバイブ«無限»は全体的な強化指数が高めだ。

 

 鈴にはサバイブ«疾風»を与えたけど、実際には見た目からしてパワータイプなデストワイルダーに実は余り向いてないが、リュウガであるティオにサバイブ«烈火»を渡したから消去法である。

 

「そう言えば訊いてみたかった事が有るんだけど構わないかい?」

 

「構わないが」

 

「ほら、ダッシュ? α世界線のボクの扱いに付いてだよ」

 

「【閃姫】では無く萌衣奴。漢字で書いた場合は()える()装に身を包む()隷ちゃんって処だね」

 

「奴隷……かぁ……」

 

 矢張り現代日本に生きていては奴隷というのに否定的らしく、ちょっと視線が上向いて頬をコリコリと人差し指で掻いている。

 

「敵対者だった者への措置だからね。他にも何人か萌衣奴は居る。【ハイスクールD×D】は識ってるか?」

 

「ああ、うん。ボクもハジメ君程には詳しくないけど識ってるよ」

 

「最初の辺りに堕天使の四人組が出て来る筈なんだけど、その中で小生意気で全員の中でもちっちゃい金髪が居ただろう?」

 

「えっと……」

 

 流石に判らないらしく……

 

「確かミッテルトだったよね」

 

 代わりにハジメが答えた。

 

「その通り、彼女も御多分に漏れず敵対してきたからな。ドーナシークは殺したし、カラワーナはユーキの身体に使った。レイナーレは一誠が庇ったんでミッテルトだけ萌衣奴にしたのさね。他にも【ドラゴンボールZ】の劇場版に出て来たヘラー一族のザンギャもだな」

 

「え? 確かそいつって可成り強くなかった? 少なくともヘラー一族の頭目のボージャックってセルくらいの強さの筈、それならザンギャも流石にフリーザくらいには強くなかった?」

 

「最早、強さのインフレが凄まじくてボス級との差がよく判らなくなってるな」

 

 初期――ラディッツで一五〇〇程度でしかなかった戦闘力はナッパで四〇〇〇、ベジータになるも一八〇〇〇で大猿化すればフルパフォーマンスでの話だが一八〇〇〇〇にも成る。

 

 そしてフリーザの側近で三〇〇〇〇を越えて、ギニュー特戦隊はグルドを除けば五〇〇〇〇をも越えて、ギニューに至っては遂に一〇万の大台に載った……かと思えば抑々にしてフリーザ曰わく『私の戦闘力は五三万です』発言、明らかに側近より強かったナメック星人のネイルの四万以上なんて目じゃないくらいだった。

 

 それが更に倍の百万以上は確実とか、エクレア頭に成ったなら五〇〇万くらいはあるのだとか、最終形態は一億二千万だとか意味不明なレベルでインフレした戦闘力。

 

 それ以降、人造人間に氣は無いという理由の下に基本的に戦闘力なんて出てこなくなった訳で、ザンギャの詳しい戦闘力はユート的には不明だったけど、はっきり言えば特に強いと感じるレベルでは無かった。

 

 この辺になると考察なんかではボス級の部下がン百億なんて云われたりするし、考えるだけ無駄と思った方が正解であろう。

 

 尚、ザンギャの戦闘力は推定でセルJr.と同じかちょっと上程度だとユートは判断をしているし、セルJr.自体はフリーザ程に強いものだろうか?

 

 ボージャックがセルと同程度なら部下の実力はそんなものだ。

 

 どちらにせよ、氣の力だけでも通常モードによる戦闘であっても未来の人造人間17号と18号を軽くあしらえるユートは、ちょっと小宇宙を使ったり超化をすればパーフェクトセルやボージャックでも斃せるだけの戦闘力、ザンギャを斃せないという事は当然ながら有り得なかった。

 

 因みに、普段のユートは封印やら何やらによりそんなバカげた戦闘力は発揮しない。

 

 戦闘力と一口に言っているが、それは肉体的な強さに内在するエネルギーを加える事で肥大化が可能なもの、フリーザがナメック星編までで最強の強さだったのは本人の肉体的な強さが地球人やサイヤ人に比べて強大だったのと、氣の質と純度と量が他者より遥かに優良だったからだ。

 

 ユートが調べて判った事だけど、医学的な境地から見て地球人と余り変わらないヒューマノイドは矢張り、肉体的な強さも地球人とどっこい程度のものでしかなかった。

 

 天津飯の先祖――三つ目族なる異星人も肉体的には地球人よりちょっと丈夫なヒューマノイドだったのだろう。

 

「うーん、萌衣奴……ねぇ。優斗君、君からして別世界のボクはどんな味わいだったんだい?」

 

「味わいって……」

 

「ほら、流石にボクを味わって貰う訳にはいかないからさ」

 

「まぁ、色々と君よりミニマムではあったけど悪くは無かったな」

 

 ユートは寸胴やひんぬーでも愉しめるタイプであるし、だからといってボッキュッボンが苦手という事も無く愉しめる。

 

 初めてでは無いとは言ってみても相手は所詮、魔法で意識を縛られていた天之河光輝だ。

 

 寝ている天之河光輝の下半身のJr.だけ元気に勃ち上がらせて所謂、騎乗位という体位で自分の鞘たる胎内に納めていたに過ぎなかったのもあり、本当の意味で抱かれたというのをユート相手に初めて実感したらしい。

 

 一応、出し入れしていれば刺激を得てそれなりに快感を感じていたというが、ユートからのソレは感度が比喩抜きで百倍は凄かったと息も絶え絶えに呟きながら最初の褥での艶事を終えた。

 

 確かにユートはちょっと特殊なヤり方だから、抱かれた女性の実に一〇〇%が満足を越えてしまって気絶し、処女では無い……未亡人とか嘗ては恋人が居たとかの女性は亡き夫や離別や死別などで別れた恋人と比べて、充分に過ぎるくらいには満足していたのも間違いでは無い。

 

「ま、ボクはハジメ君が居るから君とヤったりはしないんだけどさ」

 

「寧ろ迫られても困るわ!」

 

 ハジメとの友情が罅割れかねないから、抑々にして友人の恋人をNTRする趣味など無いのだ。

 

 原典的には盛大にNTR(寝取)っているのだろうけれど、β世界線では恋人処か知り合いにすら成っていないから問題は全く以て無かった。

 

 ユートは香織が正ヒロインかと一時期は思っていたが、どうも学校での遣り取りからして残念なヒロインっぽいと感じていたのを補足したのが正にヒロインなアレーティア――ユエ。

 

 それを見て『あ、やらかした』と思ってしまったのは当然の帰結。

 

 とはいえ、出逢いは一期一会のもの。

 

 ユートが干渉したβ世界線でハジメは彼女とは出逢わなかった、それが結果としてそうなったというだけでしかないし、抑々がハジメとしてみてもユエという傾国レベルの美少女――ロリBBAと出逢っていればまだしも、本来なら出逢っていた筈だったとか云われても困っただろう。

 

 何より今は恋人も居る。

 

 現代日本人としての常識を当たり前に学んで、良識を普通に持ったハジメは恋人が居る今となってはユエを可愛いとは思っても、決して欲しいなどとは思ったりしない。

 

 たった独りきりで奈落に落ちて、腕を喪ってしまい、飢餓感や孤独感やクラスメイト共の裏切りに対する失望感や絶望感で気がどうにかなってしまい、常識も良識も粉微塵に打ち砕かれてしまったα世界線の南雲ハジメならば、美女美少女を侍らせていても別に『それがどうした』と謂わんばかりに問題無く振る舞えていたかもだが……

 

 何しろ彼方側では万が一にも……否、兆が一にま彼はクラスメイトが救いに来るだなんて思いはしなかったろう。

 

 実力不足云々以前に、間違い無く天之河光輝は南雲ハジメを見捨てて居なかった様に振る舞うと理解していたのだろうから。

 

 ユートが天之河光輝の中に見たのは例えるならば草加雅人、ああいうのは勿論だけどユートの中にも他の人間の中にも確かに有るのだろうけど、天之河光輝は一際に煌めくくらい『俺の事を好きに成らない人間は邪魔なんだよ』を地で往く。

 

 口に出さないし、まるで糖衣錠の如く耳心地の良い言葉で覆うから表面しか見ないクラスメイト共には解り難いが、付き合いが長い人間はそれがはっきりと理解出来てしまう。

 

 雫と香織が天之河光輝に恋慕を抱かなかったのはそれが理由、坂上龍太郎みたいな考えるのを止める処か頭を使わないタイプや、初めの刷り込みを病んだレベルで引き摺った恵里"であるならば、アレに付き合って逝けるのかも知れないけど。

 

 事実、恵里"は逝った。

 

 まぁ、ユートに付き合える【閃姫】達もそこら辺は大概である訳だ。

 

 嘗て、何処かの世界で誰かが言った。

 

『……お前は……某だ……皆と出会う事の無かった某だ……』

 

 まぁ、だからといって時さえ違えば友として語り合えたとは流石に微塵にも思わないが……

 

「最終決戦……か。矢っ張り天之河君と闘うって事に成るんだね」

 

「今は奴がエヒトルジュエだからな。正確に言えば融合している状態で、分離が不可能であるからには殺処分が妥当なだけだ」

 

 融合と言う度に何だか知り合ったウルトラマンであるジード――朝倉 陸を思い出す。

 

(ウルトラマンゼロはもう迎えに来たのかね? まさかとは思うけど未だにトータスに居る?」

 

 次元を越える力をウルトラマンノアから得ているウルトラマンゼロ、ジードがトータスに居るのは誤って落としてしまったからだ。

 

 居たとしてもウルトラマンジードを巻き込もうとは思ってないが、間違い無く木偶人形共の中にはウルトラマンに対抗する巨大な痴女が存在している筈だから、ユートは優雅を両面宿那の権能で喚び出してウルトラマンネクサスと成って闘って貰う心算でいる。

 

 まぁ、明確にユートがティガで優雅がネクサスと決まってないのでティガでも良いのだけど。

 

(とはいえ、リクにも頼んで態と本来の能力より遥かに小さな力で変身したからな)

 

 身長は約五分の一程度、能力に至っては更に小さな一〇分の一程度でしか見せていない。

 

 それを知らない天之河光輝=エヒトルジュエは最大限に見積もっても届かない、そんな痴女を造るのが精一杯でしかないと見込んでいる。

 

「えっとさ、恵里は天之河君と闘うのって大丈夫なのかな? その……一応は彼の事が好きだったんだよね?」

 

「そうだけど、ボクとしてはもう良いかなって。ハジメ君と恋人に成っちゃったら今まで光輝君に執着してたのが嘘みたいに無くなったからさ」

 

 そりゃ確かに、肉体的な交わりまでしているのだから顔が良い御勉強とスポーツが出来る程度の男に、今の精神的な余裕さえ持てる様に成っている恵里が執着する理由も無いだろう。

 

 地球の……日本という国の学校という狭い敷地内でなら大人気な天之河光輝だが、若しトータスに召喚されず社会人に成っていたなら……普通に挫折をしていた可能性もあった。

 

 トータスに来てからよく解る硝子の天才(笑)、特に努力をしなくても今までは熟せたから躓けばあっという間に崩れ落ちる。

 

 最初は良いだろう、実際に召喚をされた当初は普通にキラキラ勇者(笑)様だったから。

 

 だけど思っていた通り初の魔人族戦でコケた、相手が女性のカトレアだったのもあるだろう。

 

 それに失敗例(恵里")を見てしまっては同じ失敗なんてしたくない、それが中村恵里を中村恵里足らしめる思考が導き出した答えだ。

 

「闘いはいつくらいかな?」

 

「少なくとも一週間はあるな。伸びる事はあっても縮まる事は有り得ない」

 

 ハジメの質問に答えるユート。

 

 戦力不足だったから退いたエヒトルジュエが、決戦する時期を短くはしないと考えている。

 

 それから程無く、大空を埋め尽くすくらいの勢いで濁った白銀が照らし出されるのであった。

 

 

.

勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる
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