ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

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 半年振りの更新……




第126話:ありふれた最終血戦

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 昼下がりのまったりとした時間に突如として現れた無粋なる乱入者、エヒトル之河ジュエというか天之河光輝だったナニカとの闘いは始まる。

 

 仮面ライダーとスーパー戦隊とプリキュア達を喚び出して人数の嵩増しをして、神の使徒を気取るヴァルキュリア風の鎧甲を装備した木偶人形を相手に戦闘を開始……する前に事は起きた。

 

「君!」

 

「へ? ぼ、僕?」

 

「そうだ。君みたいな可愛い娘があんな奴に従っていちゃいけない! 我が君に至上の幸福を与えてやろうぞ」

 

 エヒトル之河ジュエと云われるだけあってか、喋り方が天之河光輝だったりエヒトルジュエであったりと、何だか安定していないのがユートからしたら嗤えてしまう。

 

「えっと……」

 

 困った表情になりユートを見遣るのは、()()()()()が変身をした()()()()()()()

 

 ナンパをされて困ったというのは少し違って、抑々にして夕凪ツバサ――キュアウィングというのは♂、下半身にはJr.が間違い無く付いているというちょっとレアなプリキュアだ。

 

 その気になったらユートがライダーというよりアストルフォみたいにしたり、或いはいっその事とばかりにバッサリと逝くのもアリだとかは考えた事もあるが、当のツバサはプルプルと顔を真っ青に青褪めさせていたから止めにした。

 

 まぁ、別にユートが男を女体化させてまで欲を優先する程に日照ってはいないからだけど。

 

 アストルフォみたいに聖杯の機能が変化して、男なのに槍の下に槍を納める鞘が付いて全体的に視てみれば、胸が僅かに脹らみを持って肉付きも丸みを帯びて槍――男のJr.以外はどう贔屓目で視ても九九%が女性な両性具有へと成っていたり、生まれ付き両性具有な【恋姫†夢想】系ヒロインな大喬や、同じくエロゲーに登場していたと思われる鮎川優香みたいにJr.を股間に持つ女性など、普通に普通では無い者を抱いているだけにツバサも安心が出来なかったであろう。

 

 しかも男の娘として通用する少年、黒羽文弥を女体化させてヤっているから余計に……だった。

 

 尚、黒羽文弥君はあの世界から永遠に姿を消してしまっており、黒羽亜夜子の双子には妹である処の黒羽夜弥が戸籍登録されている。

 

 童貞を捨てる前に処女喪失と初のS○Xによる絶頂――自慰での絶頂はしていた――を経験し、第四高校でも女性としての肉体をバラされてしまってから戸籍を改変した……ユートが。

 

 兎も角、夕凪ツバサが言いたい事は唯一の事で『僕は男だ!』であったと云う。

 

「お、男……だと!?」

 

 フラリと眩暈に襲われたエヒトル之河ジュエ、完全にキュアウィングを女の子として接していたらしく、その表情にはとてもでは無いが信じられないとありありと描かれていた。

 

「プリキュアを相手にやらかすのは想定していたんだが、まさかエヒトル之河ジュエが話し掛ける相手が選りにも選って男のキュアウィングとか、ひょっとして自分のJr.を喪ったもんだから背後からの被挿入者に成りたいのか?」

 

「そんな訳があるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああっっ!」

 

 何故か、そう……()()()仮面ライダークローズマグマや仮面ライダーシノビが股間を隠しながら後退りをしている。

 

「りゅ、龍太郎?」

 

「わ、わりぃがよ……ちょっと近付かねーでくれないか光輝?」

 

「何でだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 頭を抱えて絶叫をしたと云う。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 グダグダなカオス空間が発生したけど何とか持ち直したエヒトル之河ジュエ、漸く始まった戦闘だけど先ずは大呪文による戦力削り。

 

 長い黒髪に神官系の紫色な服装に身を包むのはシルフィール・ネルス・ラーダ。

 

 黄昏よりも昏きモノ

 血の流れより紅きモノ

 時の流れに埋もれし

 偉大なる汝の名に於いて

 我ここに闇に誓わん

 我等が前に立ち塞がりし

 全ての愚かなる者に

 我と汝が力以て

 等しく滅びを与えん事を

 

 シルフィールが唱えるのはリナ・インバースが得意とした、“赤眼の魔王”から力を借りる祈願系という括りを持った魔法である。

 

竜破斬(ドラグスレイブ)ッッ!」

 

 赤黒い光線が彼女の両掌から放たれ木偶人形の一団へと着弾し、大爆発が巻き起こって虚ろなる魂など欠片も残す事を赦されずに滅び逝く。

 

 竜を――否、竜神を滅ぼす事を視野に入れているその呪文故に木偶人形は抗えない。

 

 所詮は彼の世界に於ける中級魔族にすら及ばない程度の人形である。

 

 赤眼の魔王シャブラニグドゥの呪文が扱えるのはユートの艦船に、意志を持たない因子が積み込まれているからに他なら無い。

 

「全ての心の源よ 尽きる事無き蒼き炎よ 我が魂の内にて眠りしその力 我が身と成りて深淵なる闇を討ち払え! 霊王結魔弾(ヴィス・ファランク)ッ!」

 

 アメリア・ウィル・テスラ・セイルーンが使うのは、我が身こそが最大限の武器と謂わんばかりに精神エネルギーを凝縮して拳に宿す魔法。

 

 “赤の竜神(スィーフィード)”の世界もユートが次元放浪期に行った一つで、そんな世界もβ世界線という原典であるα世界線とは異なる部分が出ていた。

 

 シルフィール・ネルス・ラーダがガウリイ・ガブリエフとは出逢う事が無くてユートと出逢い、アメリアがアニメ版っぽいながら原典にも近いからかゼルガディスとの仲が余り深まらなかったという世界線。

 

 だから此処に居る訳だ。

 

 渾身の拳が木偶人形の一体、その顔面に打ち込まれて勢いよく地面へ叩き付けられたと思うと、白眼を剥いて二度とは動かなくなった。

 

 

 永久と無限を揺蕩いし

 全ての心の源よ

 尽きる事無き蒼き炎よ

 我が魂の内に眠りしその力

 無限より来たりて

 裁きを今此処に

 

 

崩霊裂(ラ・ティルト)!」

 

 更に精神系最強の魔法を放つ。

 

「グガァァァッ!」

 

 肉体的に強く造られたかも知れない木偶人形ではあるが、シングルナンバーズとは違って最近に量産された連中の精神など高が知れたもの。

 

「ヴィクトリー!」

 

 などと、平和の(ピース)サインでは無く笑顔を浮かべ勝利のVサインを右手で作り叫びつつもアメリアは新たな敵に向かう。

 

「行きます! 広がる(ヒーローガール)スカイパァァァンチ!」

 

 プリキュアの一人たるキュアスカイが木偶人形にパンチをお見舞いした。

 

「此方も往くよ! 五千キロカロリーパァァァァァンチッ!」

 

 キュアプレシャスの技が木偶人形の頬を思い切り撃ち抜く。

 

「ハァァッ!」

 

「たぁぁぁぁっ!」

 

 キュアブラックとキュアホワイトが特に名前の無いパンチを二人で放った。

 

「肉弾戦がつよっ!」

 

 仮面ライダータイガサバイブな鈴がパンチで殴る彼女達を見て驚く、判ってはいても生身で実際に見るとまた別の驚愕が有るのだろう。

 

 通常パンチが普通に数トンなレベルな現在での鈴達、仮面ライダーの姿やビーファイターとかならば納得もし易いけど、プリキュア達というのは見た目は派手なコスチュームを着た生身の少女でしかないのだから。

 

 白き鎧に赤い面を持つ兜のデジモンが円形の盾を構える。

 

「ファイナルエリシオンッ!」

 

『デュークモン……か』

 

 ロイヤルナイツが一体のデュークモンは留姫にとって嘗ての仲間、松田啓人のパートナーデジモンだったギルモンが究極進化したものだった。

 

「留姫」

 

『大丈夫だよ、サクヤモン』

 

 柄にもなくおセンチにでも成ったのかも知れないと笑みを浮かべるが、実際の声も同じなだけに気になっただけでしかない。

 

「金剛界曼荼羅!」

 

 浄化の結界だが、どうやらある程度は木偶人形にも効果が有ったのか動きが鈍る。

 

「飯綱!」

 

 火水風雷の属性を持った管狐が四本の筒から現れて、金剛界曼荼羅により動きが鈍ってしまった木偶人形にトドメを刺していった。

 

 流石は究極体なだけあって威力は申し分ない、とはいえ大きさは人間の大人よりはデカいにしてもデジモンの究極体としては小柄な方、それが故に出力は他の仲間だったデュークモンやセントガルゴモン程では無かったと思うし、ムカつく事に秋山 燎のパートナーデジモンであるモノドラモンの究極体――ジャスティモンの方が攻撃力という意味では上だった気がする。

 

 だけどユートのお陰もあって能力が遥かに高められたサクヤモン、ガジモンやルガモンの大元なデジタマに与えた即ちそれはXー抗体。

 

『サクヤモン、やるよ!』

 

「判った」

 

 赤い輝きがサクヤモンを包む。

 

「サクヤモン、Xー進化(ゼヴォリューション)ッッ!」

 

 赤い輝きはサクヤモンに入り込んで0と1へと分解していき、脚が腕が再構成されていって身体も顔も全てが新たな姿に変えていった。

 

「サクヤモンX!」

 

 究極体を越えた究極体で、流石にアルフォースブイドラモン・フューチャーモードという正真正銘の超究極体の様なパワーアップ程では無いが、それでもカテゴリーとしては究極体が更なる進化をした超究極――或いは高位究極体と呼べる。

 

 まぁ、レナモンの状態でもXー進化は出来る訳だけど成熟期に違いないからこれは超成長期か?

 

 どうでも良いが……

 

宇迦之御魂(うかのみたま)!」

 

 攻撃に使った管狐を合体させて一体の巨大なる狐神を招来させ疾走、木偶人形はある程度が斃されていても億にも届いた数は減った気がしない、だから逆に外す事も有り得ないと留姫が叫ぶ。

 

『此ノ花戦姫万象!』

 

 周囲に存在する壊れた建物などを式神に変換させると、無数のヴァリュキリアな姿の木偶人形共を花嵐で包み込んでいった。

 

 その後は敵が消滅して何も遺らない。

 

『次々とやるよ、サクヤモンX!』

 

「判った」

 

 Xー抗体を獲たサクヤモンが斃していくのは謂わば完全体の下位程度、実際には飯綱でも威力という意味合いに於いては過剰な攻撃力だった。

 

 デジモン組や仮面ライダー組やビーファイターなどが一撃必殺している中、スーパー戦隊組はといえば少しばかり苦戦を強いられている。

 

 スーパー戦隊が弱いのか? 否、それは云ってみればコンセプトの違いでしかないだろう。

 

 基本的にはデジモンも仮面ライダーもビーファイターも、協力プレイもするにはするが一人一殺みたいな処が有る。

 

 スーパー戦隊は戦隊、つまり一人一人では最強には成れない……成らないのが通常。

 

 戦闘員を相手に無双して怪人を相手に苦戦をしつつ必殺武器や必殺技、だいたいはこんな流れが基本と成っているのが普通だった。

 

 特に古い戦隊程それが顕著である。

 

 故に一番の古株な戦隊――秘密戦隊ゴレンジャーは正しく、連携プレーを以て単独での戦闘よりも大いなる輝きを放っていた。

 

「モモ、ゴレンジャーハリケーンだ!」

 

「オッケー!」

 

 アカレンジャーの宣言と共にモモレンジャーがラグビーボールみたいな物を取り出し、全員にてモモレンジャー→キレンジャーと投げ渡していき最終的にアカレンジャーが蹴ると敵への攻撃として飛んで行く。

 

 そして何故か面白可笑しいナニかに変化をして敵がトドメを刺されていった。

 

 というか、鶏ガラスープに成ったものを飲んで爆発四散する怪人って……

 

 何故か口にする不思議。

 

 侍戦隊シンケンジャーに黒は居ない、だけれどユートが関わりを持った時に黒は確かに居た。

 

 召喚された侍戦隊シンケンジャーに当然ながら黒は居らず、その数はシンケンレッドが男女による二人と追加戦士のシンケンゴールドを含めての七人体制である。

 

 AIなNPC的に動くとはいっても意思疎通が出来ない訳では無く、ユートを識るのであるならば普通に話し掛けて来る筈が全く無い。

 

 つまり侍戦隊シンケンジャーは、ユートが関わりを持った彼らと無関係な世界線から来ていた。

 

 プリキュア勢も連携プレーはする、特に長らく二人はプリキュア的な状態だった場合のコンビネーションは素晴らしい。

 

 タイトルからして【ふたりはプリキュア】なのは当然として、【スイートプリキュア♪】ならばキュアメロディとキュアリズムが初期にはそんな闘い方だったし、【まほうつかいプリキュア】もキュアフェリーチェが出て来るまでコンビだった訳で、意外と初代的に二人で闘うスタイルというのは在ったりする。

 

 それ故にか、キュアスカイとキュアプリズムの二人がコンビにより浄化の技を放っていた。

 

 この二人もまた、翼がキュアウイングに覚醒をするまではコンビネーションで闘っていたから。

 

「ふわぁ、矢っ張り凄いねみんな」

 

「わん! 強い強い~」

 

 この二人もそれなりに長い期間を二人だけでの闘いだったが、問題が有るとすれば彼女達の場合は攻撃手段が余りにも少ない事。

 

 初期に敵対したのがキラリンアニマルが変異でガルガル化した存在だった事もあり、出来得る限り傷付けたく無いと今までのプリキュアみたいな攻撃はしていなかった。

 

 新プリキュアなキュアニャミーが闘っているのも邪魔するくらいに。

 

 それが【わんだふるぷりきゅあ!】に於ける最初の戦士――キュアワンダフルとキュアフレンディの二人、キラリンアニマルを喚んで様々な支援を受けながら優しく包み込む様に浄化する。

 

《FINAL VENT!》

 

 鳴り響く電子音声。

 

「こういうごちゃごちゃした闘いは好きじゃないんだよ!」

 

 緑色を主体としたメタリックカラーの戦士が、緑色の機人の背後に拳銃らしきをセットアップすると体躯がカパッと開き、彼女が引き金を弾いたら機人からミサイルやレーザーや炎などが飛ぶ。

 

「エンド・オブ・ワールド!」

 

 必殺の一撃? が次々とエヒトルジュエの使徒を墜としていった。

 

 仮面ライダーゾルダと、彼女が契約をしているミラーモンスターのマグナギガによる必殺技。

 

 ユートが干渉した【魔法少女リリカルなのは】

の世界の高町なのは、それがユートからカードデッキを与えられて変身をしていた。

 

 勿論、それだけでは済まさない。

 

「征くよ、レイジングハート!」

 

《Yes mi master!》

 

 エクセリオン・エクストラモード。

 

 最初の改造で機械聖衣である鋼鉄聖衣を組み込んでエクセリオン+にしたが、矢張りと云うべきかいちいち鋼鉄聖衣を纏うのもアレだったからか再度の改造、エクセリオン・エクストラモードを新たに獲得をして鋼鉄聖衣を排除したのだ。

 

 これにより仮面ライダーに変身しつつデバイスのフルパフォーマンスが使える。

 

 今のなのはは仮面ライダーゾルダの姿でありながら、デバイスのレイジングハート・エクセリオン・エクストラを構えていた。

 

「エクセリオォォォンバスタァァァァァァァァァァァァァァァーッッ!」

 

 空を埋め尽くすエヒトルジュエの使徒に対して、狙いなど定めずとも味方にさえ当てなければそれこそ乱れ撃てば当たる。

 

 高町なのはが来ているならば、親友達が来ていないなど有り得る筈も無い。

 

 流石に仮面ライダーに変身していない、デバイスとバリアジャケットや騎士甲冑の姿で威風堂々とした姿を晒している。

 

 地球連邦政府外部部隊“聖域”の戦力、抑々にしてユートはミッドチルダでも地球でもユニクロンでも最高戦力にして頂点に立つ者、アシュリアーナ真皇国の真皇であるが故に聖域の本拠地や支部からも戦力投入が成されていた。

 

 特に高町なのは、フェイト・テスタロッサ、八神はやて、月村すずか、アリサ・バニングス、アリシア・テスタロッサ達は聖域の初期メンバー。

 

 更に相生璃亜と兄の相生呂守が黄金に煌めく鎧を装着して現れる。

 

 獅子座の黄金聖闘士の相生璃亜はどちらかと云えばリトス――【聖闘士星矢エピソードG】に出てきたボクっ娘に似た容姿、射手座の相生呂守は見た目その物が正しく原典のアイオロスに近い、二人は当たり前だけど現地人とかでは無く転生者であり、今でこそ美女美男に成長をしているのだが昔はThe転生者という感じだった。

 

 尚、ユートの再誕世界に居たリトスはアイオリアの側仕えをしていた少女で、未だに日本ならば成人式すら迎えていない幼さを残していた。

 

 とはいえ、アイオリアはニ〇歳で冥王ハーデスとの最終聖戦で死亡するから、彼の子供を未来に遺す為にリトスにちょっと無理をさせる。

 

 本人が了承したとはいえユートからしたならば余りにも悍ましい事をしたし、悪いとも思っていたけどリトス本人からは感謝の意を述べられた。

 

 リトスが産んだレオーネは後に獅子座を一輝から受け継いだ訳で、そういう意味では原典には無かった継承をした事になるであろう。

 

雷光放電(ライトニングプラズマ)ッッ!」

 

原子崩雷(アトミックサンダーボルト)ッッ!」

 

 何年間も修業や闘いに従事していたからこそ、今や黄金聖衣に相応しいセブンセンシズにも目覚めた二人は、正しく光速の拳を放って何千体ものエヒトルジュエの使徒を叩き落としていった。

 

 巫女装束にも近い服装の黒髪をツインテールにした少女……では無いが、見た目は高校生くらいだから取り敢えず少女という事にして、彼女が手で印を切りながら呪を紡ぐ。

 

「我解くる鬼神の咒縛、秘咒の刃にて封咒を断つ! 破咒ヴァジュラ・オン・アーク! 現臨せよ汝ZENKI! 破咒ヴァジュラ・オン・アーク! 現臨せよ汝ZENKI!」

 

 五芒星を描き印字を切る動作と共に鬼神解縛秘咒を唱える事で、小さなチビ前鬼は本来の姿である鬼神ZENKIへと戻る。

 

「闘鬼神ZENKI! 此処に真臨!」

 

 鬼神解縛秘咒はアニメ版なのにZENKIは原作版の闘鬼神ZENKI、マスターである役 千明も原作に準拠した護法神衣を身に纏っている。

 

「護姫ちゃん!」

 

「はい、千明さん!」

 

 原典では後鬼丸でアニメでは後藤 晶という少年だった守護鬼神後鬼、ユートが関わった世界では少女――護姫という名前だったと云う。

 

 その世界線では護姫媛と呼ばれていた、だけれどもやる事は元々の世界線とは変わらない。

 

「鬼神変現アカーシャ・オン!」

 

 鬼神へと変現した護姫は後鬼の姿に。

 

 尚、護姫は後鬼丸の性別が女性に成っているだけであるからか、線が女性で胸が軽く盛られている以外に姿は殆んど変わりが無い。

 

 とはいえ、性別が女の子であるが故にか矢張りちっぱいは嬉しく無いらしくて、本人の希望としてはマスターな千明くらいは欲しかったとか。

 

 そんな乙女ちっくな護姫=後鬼をまるで嘲笑うかの如く、目を見張る程のバストの持ち主が力強い氷竜に乗って銀髪を棚引かせながら、若しくは黒い天使と悪魔の翼を羽ばたきながらSっ気を含む笑みを浮かべながら攻撃を仕掛ける。

 

「安心なさい、命が終わるなんて感じないくらい冷たく凍らせて上・げ・る・から」

 

 語尾にハートが付きそうな甘ったるい言い方をしているが、それは征服して支配して統治を行ってきた者としての余裕が窺えた。

 

 “到達者”としての正しく余裕を。

 

 力強き氷竜が放つ氷淵の支配と呼ぶべきブレスによって、エヒトルジュエの使徒共は数十体規模で氷結させられた後にピキリッと音を立てると、サラサラな粉微塵と成って人型が崩れ去る。

 

 氷淵の統治者イメルダ、それは次元世界規模の征服者にして支配者、自らの担体を幾千万にも及ぶ規模にてあらゆる世界へと解き放って征服をしていった正しく統治する女帝である。

 

 混沌に併呑されていく中で彼女のみは運命へと抗い続け、暗黒化がされていく中で極氷の術法と

決して折れぬ不屈の魂を基に混沌すら近付けぬ程に軈て成長をしたのだ。

 

 幾多の戦争、征服する快感を味わったイメルダは氷淵の女王として君臨していくが、エルサリアに放っていた担体が堕ちた事を知り赴いた。

 

 女王として君臨する処か男に侍る姿に激怒した氷淵の統治者イメルダは、担体を始末して侍ていた相手の男を殺すべく動いたのだが、彼女の力は男に対して相性が余りにも悪過ぎたのである。

 

 紅い結界に包まれた瞬間に力強き氷竜は力を喪ってしまい、あっという間に平伏させられてしまった事により嗜虐心とは違うナニかが芽生えた。

 

 そうして今に至る辺り、ナニに目覚めてしまったのかは御察しであったと云う。

 

 もう一人の女王は長い黒髪をポニーテールに結わい付け、その服装は巫女装束というマニアックにも程がある格好をしていた。

 

 姫島朱乃――【ハイスクールD×D】な世界に産まれた人間の母と堕天使の父を持つハーフで、幼い頃に母親を亡くした事件で父親との確執から悪魔に転生、人間の術を使いながら悪魔と堕天使の力をも内包する存在に成っている。

 

 とはいえ、堕天使の力を毛嫌いしていた朱乃は悪魔の力のみを揮う事から成長も打ち留め気味となり、いまいち強く成れていない事に苛立ちを募らせていく様になっていった。

 

「雷光の女王の名の下に……我が敵達よ頭を垂れて平伏しなさい! 天魔の雷光よ鳴り響け!」

 

 一二枚の黒き翼は最高位の証、六枚の堕天使の翼と六枚の悪魔の翼が彼女の誇りと成って璽来、その力の増大は成長では無く飛躍……を更に越えて自らを天魔の位にまで究極進化させていた。

 

 それは最早、神化にも等しい。

 

 氷淵の統治者が隣に並ぶ事を許容するくらいには強く美しい朱乃、そして片や九九cmの胸部装甲に片や一〇二cmの胸部装甲の持ち主。

 

 故にこれだけの胸部装甲でないと駄目な人かと思えばそうでは無く……

 

「消えて下さい!」

 

 白髪に金瞳を持つ何処までも抜ける様な白雪を思わせる白い肌、そして白い猫耳に猫尻尾を持って着物に近い白装束を纏う美少女が咸卦法により自分自身を強力にパワーアップ、元よりタフネスとパワーには自身が在ったこの猫少女はユートから受けた修業により、大胆不敵な進化を促されて今や格闘技では出身世界でもトップランカー。

 

 名前は塔城小猫――本名は塔城白音。

 

 彼女は実は大人に成長する事で姉である黒歌にも匹敵する胸部装甲を獲たが、ちっぱいなシスター先輩とか狐娘が敢えて母親寄りでは無い薄い胸で居るのを見て、きょぬーを食傷気味かもと思ったので彼女も敢えてちっぱいで居る。

 

 それにきょぬーは前述の朱乃先輩や姉が居るのだからと、自分のアイデンティティーはちっぱいとして仙術にて肉体を高校生時代にしていた。

 

 思惑は大当たり、

 

 何より、一粒で二度美味しいきょぬーとちっぱいの使い分けを悦ばれた小猫はちっぱいを小猫、きょぬーを白音として名前も呼び分けられる。

 

 狐娘が好物なユートなだけに九重には敗けないとばかりに頑張っていたが、その九重も無限の龍神と共にエヒトルジュエの使徒共を屠っていた。

 

 オーフィスの加護とも云うべき力を纏うオーラは狐炎龍と成り、昔とは違うとばかりに名前の通り九尾を揺らせながら闘う。

 

 母親である八坂の直系であるからには大人へと成長を遂げればきょぬーに成ったが、小猫と同様に自らのオーラを用いてミニマムな姿を維持する事により、どちらの姿も愉しんで貰える様に頑張っていたのである。

 

 大人に成ったのに態々、出逢った頃と変わらない姿を維持するのは矢張り出逢いは特別という、二人からしたら乙女ちっくな理由に他ならない。

 

 それはオーフィスとリリスも同様、二人はまるで双子であるかの如く似た容姿をしている訳だったけど別に双子として産まれた事実は特に無く、龍喰者の力により分離されたオーフィスの力自体が意思を持ったのがリリス。

 

 原典とは異なりユートが預かっていたからか、ユートを『お父さん』と呼び、オーフィスの事を『お母さん』と呼ぶ反面で血の繋がらぬユートには性的に迫るのが常。

 

 オーフィスとリリスが揃えば無限の龍神としての力を十全に扱える為に、高がエヒトルジュエの使徒風情では相手に成らぬとばかりに消す。

 

 初めから龍神として誕生した超越存在にも等しい無限の龍神オーフィス、そしてその無限を有限にこそしてしまったが殆んど変わらぬ力を持ち得たリリスが誕生、双璧の龍女神としてユートに惹かれた二人はこうして付いてきていた。

 

 元々、オーフィスはユートの中の無限に惹かれていた訳だけど、オーフィスの性質を受け継いだリリスもユートに惹かれたのは当然の帰結。

 

 骸骨神も“禍の団”の英雄派もまさかの事態に驚きを隠せなかったが、実は一番の驚愕であったのはオーフィスの無限を有限化させた“龍喰者”であるサマエルを喰らって力を取り込んだ事。

 

 呪いはより強大な呪いにて無効化、過ぎたる力を取り込んだリスクはユートの中の無限が解決、カンピオーネの力を変質させて取り込んでいたが故に、ユートは“まつろわぬ神”ならずとも超常の力であれば権能として取り込めていた。

 

 例えば冬木の聖杯ですらも。

 

 それが故に今や一四騎もの英霊をサーヴァントとして召喚した上で、ヘブンズフィールと呼ばれる第三魔法――ユート的には秘法――による霊体の物質化を応用した受肉を成さしめ、更に召喚をした訳でも無いサーヴァントを自らのモノとして受肉をさせてしまっていた。

 

 セイバーのアルトリア、ルーラーのジャンヌダルク、ライダーのメドゥサである。

 

 セイバーは第四次聖杯戦争の折りに座というよりか、カムランの丘へと意識が還る為に消える前に契約をして潤沢な魔力で確保をしていた。

 

 ルーラーとライダーは第五次聖杯戦争が起きた世界線にて、ユートが自らの権能で召喚した英霊とせの世界線の魔術師達が召喚した英霊、これにより一四騎ものサーヴァントが揃った事を受けた聖杯の機能が働いたらしく、ルーラーのジャンヌダルクが人間レティシアの肉体を器に顕現する。

 

 第五次聖杯戦争と別世界線のルーマニアに於ける聖杯大戦は、時間軸という意味では殆んど同じ時期だっただけにレティシアは存在していたし、召喚をされたルーラーもジャンヌダルクであったのだろうと推察がされた。

 

 ライダーのメドゥサはもっと簡単で、聖杯戦争が終了するに当たりライダーは当然ながら座へと還る筈だったのを、間桐 桜との契約の結果としての副次的なものに過ぎないけれど、ライダーへとヘブンズフィールを施して受肉をさせたのだ。

 

 その為に都合、第五次聖杯戦争の最中に突如として顕れたシールダーを含む一八騎ものサーヴァントをユートは抱えている事になる。

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)ッッ!」

 

我が麗しき父への叛逆(クラレント・ブラッドアーサー)ッッ!」

 

 そんな訳で、サーヴァント組も張り切って自分達の偶~な活躍を見せ付けていた。

 

 妹分として【Fate/stay night】と習合されていた再誕世界に現れた四人、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、緒方美遊、クロエ・フォン・アインツベルン、緒方 桜。

 

「「「「夢幻召喚(インストール)ッ!」」」」

 

 イリヤスフィールがバーサーカー、美遊がセイバー、クロエがアーチャー、桜がライダーをそれぞれに夢幻召喚をしてその力を自らに備える。

 

射殺す百頭(ナインライブズ)ッッ!」

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)ッ!」

 

偽・偽・螺旋剣(カラドボルグⅢ)!」

 

騎英の手綱(ベルレフォーン)ッ!」

 

 バーサーカーを夢幻召喚したイリヤスフィールが使う射殺す百頭、それはヘラクレスが百もの頭を持ったヒュドラを一時に斃す攻撃だったのだと云うが、それは既に一つの流派にも等しくあらゆる武具にて放てるのだとか。

 

 イリヤスフィールが使ったのは弓矢で、流石にヘラクレスが使っていた石斧剣を揮う気にはなれなかったらしい。

 

 美遊のは単純にエクスカリバー。

 

 クロが使ったのは英霊エミヤの偽・螺旋剣の更なる劣化版、それが故にカラドボルグⅡでは無くカラドボルグⅢとなっていた。

 

 桜が放つのはメドゥサたるライダーがペガサスを招来して、魔力エネルギーを纏いながら突撃をかまし体当たりする一撃そのものだ。

 

 尚、全員が一二歳の姿形ではあるけど本来では普通に一六歳くらいにまで成長した肉体である。

 

 イリヤスフィールは第四次聖杯戦争が終わってから後に、衛宮切嗣が取り戻すべく遠征をしてみたものの失敗をしてしまい、そんな彼に代わってユートがアインツベルンから奪取を試みた。

 

 結果、数年間だけでも父娘で暮らす事が出来たイリヤスフィールは、嘘八百を教え込まれて刷れる事も無く素直な良い子に育ったが故にだろう、

性格的には【Fate/stay night】というよりは寧ろ【Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】に於けるイリヤに寄せたものとなっている。

 

 そんな関係からかいつの間にかイリヤスフィールの傍にはクロエが顕れて、何故だか衛宮の姓を名乗ってイリヤスフィールの住まう武家邸へと訪ねて来た美遊が同居をする様になっていった。

 

 更に後にクロエが持つ本質的な問題点を解決へと導き、平行世界に於ける衛宮美遊の問題点をも解決した事でイリヤスフィール、クロエ、美遊の三人に完全に懐かれてしまう事に。

 

 同年代だった桜も含めてクロエはイリヤスフィールの双子の妹としてフォン・アインツベルンを名乗り、美遊と桜はユートの日本人としての姓である緒方を名乗る事に成り、四人組としてユートの義妹兼恋人を標榜する様に成ったのである。

 

 まぁ、ユーキという先輩的な義妹を視たからだろうが見た目を一二歳くらいで停めてしまったのはアレだったけれど、別に小柄な娘を抱くのなら慣れてもいるだけに年齢が適齢値へと達したなら普通に抱いて自分のモノとした。

 

 因みに、同じく同年代の遠坂 凛は普通に歳を重ねて一八歳に成った際ユートに喰われているが、

それは○○士郎と出逢う事すら無かった故に宿縁にも近いユートに絆されたから。

 

 ○○士郎――聖杯の泥が溢れ出る事による被災者でなければ、先ずを以て正義の味方など目指したりはしないであろうし、そうなれば柳洞一成との縁も余り深まらない処か全く無縁だった可能性もあるし、魔術使いにも当然ながら成らなかった訳で正義の味方に傾いていなければ武術に興味を向けなかっただろう、ならば美綴綾子との縁も間桐慎二との縁も無かったであろうし、何なら緒方と成った桜とも出逢う事も無くなっていたから、遠坂 凛が気に掛ける理由付けが一切合切無くなってしまってこんなもんである。

 

 

 閑話休題

 

 

 そしてユーキ、正真正銘のユートの義妹である訳だから負ける心算も後れを取る心算も無い。

 

《FANG!》

 

 腰に巻くのはロストドライバー、その手に持つのは“牙の記憶”を内包したファングメモリ。

 

「変身っ!」

 

《FANG!》

 

 それは即ちロストドライバーによる一本差し、ジョーカーメモリを使わない牙の記憶のみ。

 

「仮面ライダーファング!」

 

 本来であればダブルドライバーによる二本差しでのジョーカーメモリ乃し、アクセルメモリによる同時使用をするのが前提となるファングメモリではあるが、既にユーキは魂の格も高まっている事が相俟ってファングメモリに踊らされない。

 

 基本の姿はファング/ジョーカーと変わらないけれど、肩口と手首と足首と胸元の線以外は全てが真っ白な色で統一されている。

 

「一気に征くよ!」

 

 ファングメモリはファングガジェットと一体型であり、ガジェットの尻尾に当たる部位となっているタクティカルホーンを下へ押すと……

 

《ARM FANG!》

 

 右腕にアームセイバーが顕れる。

 

「はぁぁぁっ!」

 

「ガハッ!」

 

 丁度、近場に居たエヒトルジュエの使徒の素っ首をチョンパしてやった。

 

 二度目のタクティカルホーン。

 

《SHOULDER FANG!》

 

 右肩にショルダーセイバーが顕れる。

 

 それを肩から外して投擲するとエヒトルジュエの使徒の数体を切り裂いた。

 

「さぁ、お前達の罪を数えろ!」

 

 仮面ライダーWの決め科白を言いながら右手で使徒共を指差して三度目、因みに押す回数は二度目ならば二回で三度目であるのならば三回押す訳だけど、これは一気に二回押せばショルダーセイバーが顕れるし、三回押したら普通にマキシマムドライブに成るマキシマムセイバーが顕れる。

 

《FANG! MAXIMUM DRIVE!》

 

「ファングストライザー」

 

 大きくジャンプ一番、右の足首へと装着されたマキシマムセイバーを当てるべく回転しながら、ユーキから視て明らかに本来のエヒトルジュエの使徒より強化されているであろうと思われる個体へと蹴りを喰らわした。

 

「ギャァァァァァァァッ!」

 

 爆発四散したのは新型の使徒、実にステイタスは旧型である使徒の三倍にも成る者共である。

 

 全ての数値が三六〇〇〇という、勇者ですらも完全な状態でレベルカンストした数値は一五〇〇に過ぎないのだから、実に二四倍もの数値を与えられている事になる筈の強化個体。

 

『ば、莫迦な……』

 

 それだけに、エヒトル之河ジュエは意味不明なまでの質と量も然る事ながら、時間を掛けて大量生産をした強化個体をも屠られてしまい驚愕をするしかないのであった。

 

 

.




 次は早めに書けると良いけど……

勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる
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