ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

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 やっとこさ書けたよ。





第128話:ありふれた超越龍の降臨

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 より正確に云えば、アーシア・アルジェントは故郷である出身世界では“真銀の聖女”と呼ばれており、如何なる場所に潜もうとも見付け出しては――星雲之鎖の能力である――捕らえてしまい、如何なる存在であろうとも等しく癒す――流石にアンデッドは浄化される――聖女として名高く成っていて、姓のアルジェントから銀をイメージカラーに真銀と冠された。

 

 ユートからしたら真銀はミスリルの事だけど、恥ずかしがりながら呼ばれるアーシアにほんわかとしてしまい、幾ら何でもそれを言い出せる雰囲気には無かったのだと云う。

 

 碧銀の髪の毛にピンクの服装を身に付けていて大きな宝玉が付いた長い杖を持つ少女、少女は徐ろに胸元から一枚のカードを取り出すと左手に持ちつつ天高く掲げながら叫ぶ。

 

「来たれ、リューメイジ・マジドーラ!」

 

 逆巻く竜が激流の如く水と共に少女が手に持つカードから顕現をしたのは、ピンクを基調とした矢張り大きな宝玉が付いた杖や左手に宝玉を持っている数mくらいの人型だった。

 

 コンセプトはトンガリ帽子を被った魔女といった処だろうか? 古代アースティアに於いて邪竜族と呼ばれる侵略者に対抗するべく造られたという説がある“リュー”と名付けられた魔導兵器。

 

 本来ならアースティア界の大気中に混ざっているミストルーンが無いと指一本すら動かないが、そこら辺はユーキによる魔改造により搭乗者の持つ魔力でも動かせる様に成っている。

 

 とはいえ、搭乗者の魔力も無限では無いのだから約数分も動かせば枯渇してしまう。

 

 それに関しては搭乗者のパッフィー・パフリシアが【閃姫】契約した事で、恒星で数個分にも及ぶエネルギーから魔力の精製が可能となった事により問題の解決をしていた。

 

「リューウィザード・マジドーラ!」

 

 きっとアニメならば、リューパラディン・ロードゼファーにクラスチェンジする際のBGMが、ド派手に掻き鳴らされながら精霊石の杖を使ってメイジからウィザードに変化しているだろう。

 

 とはいえ、そのアニメでは主役機たるゼファー程に派手な演出が有った訳でも無いマジドーラ、それ処か仲間達のリューとのクラスチェンジにて十把一絡げな雑演出だったりする。

 

 リューナイト・ゼファーはTV版のリューパラディン・ロードゼファーと、OVA版のリューパラディン・ゼファーという二つもデザインが存在するくらいなのだが……

 

 尚、OVA版のリューナイトは設定上の名前が確かにゼファーとされているけど、乗り手であるアデュー・ウォルサムを含む誰も本来の名前で呼んだ事は無かったと云う。

 

 パッフィーの乗ったマジドーラがピンク色から深い緑を基調とした色に変わり、全体的に視れば余り変わらないけど細部には矢張り変化が有る。

 

 【覇王体系リューナイト】は魔法の設定的には人間が使えるモノとリューが使えるモノに階級の違いが有ったりするが、そんな設定など無かったかの如く普通にパッフィーは魔法を使っていた。

 

「フルム!」

 

 氷系の魔法で使徒が凍結する。

 

「ホノオン!」

 

 今度は火球の魔法で燃やす。

 

「ライダース!」

 

 今度は雷の魔法だったけど、何故にライ系だけは中級の魔法の名前で放つのだろうか?

 

 ホノオンも同じくホノダースが存在してるし、ヒュントという風魔法もヒュダースが在る筈だ。

 

 ライダースにしても上位なライグロスとかでは駄目なのか? パッフィーに訊いた事は無かったけど疑問としては残っていた。

 

 尚、どうでも良い話だけどパッフィーは大賢者ナジーの導きでメルと出逢って行動を共にしていたのだが、彼女もアースティアを出てしまっていて亡き夫や我が子を忘れた心算は無いのだけど、矢張り喪った存在は大き過ぎたのも確かだったからか、ユートがアースティアを救えるならという内容で契約を果たして亡き夫と亡き我が子の形見となったミストロットを託した。

 

 メル・ウォルサムとパッフィー・パフリシアが託したミストロット、それは即ち亡き我が子であったり亡き盟友だったアデュー・ウォルサムが使っていたリューナイト・ゼファー。

 

 偶発的に迷い込んだ世界が【覇王体系リューナイト】のアースティアだったのは良い、だが然しそれは胸糞の悪くなる様な主人公が死んで世界が終わりつつある世界だったら話は別だろう。

 

 アデュー・ウォルサムは騎士道バカ一直線ではあるものの、真っ直ぐで英雄然としながらも未熟な佇まいはユートとしては好感が持てていただけに残念だったのは間違いない。

 

 とはいえ実は【覇王体系リューナイト】の世界に限る事では無く、特に主人公がギリギリ限界な戦闘を繰り広げる世界ならばほんの少し天秤が敵に傾いていれば主人公が死亡してしまい、世界が終わる何てのは別段おかしな話でも何でも無いのだから。

 

 まぁ、主人公が死んだ訳では無いけどユートが敵側に味方して追い払ったとかも有ったが……

 

 リューウィザードと成ったマジドーラは使徒共を寄せ付けないレベルで大暴れ、残念ながら嘗て使っていたリューナイト・ゼファーはアースティアを邪竜族や魔族から救った後は眠りに就いて、今現在は若々しく成ったメルがミストロットを預かってくれている。

 

 ユートに付いて来たとはいえ、夫と息子の形見でもあるリューナイト・ゼファーのミストロットなだけに、嘗ての妻であり母の彼女が静かに胸元へと忍ばせていた方が良いだろうから。

 

 青い髪の毛をボブカットにした胸が振るえそうなくらい大きな美少女が二人、しかもこの二人は双子でも何でも無い一人っ子なのに顔も背丈も胸の大きさから髪の毛の色や肢体の肉付きまでも、全てに於いて同一という本来であるのなら有り得ない存在が立っている。

 

 手に持つのは絵札的なカード、リューの召喚に使うミストロットでは無いのは明らかなカードを二人は左手首のデバイスにスラッシュした。

 

「来て、天龍姫(てんりゅうき)!」

 

「私を鎧って、龍人姫(りゅうじんき)!」

 

 デバイスに力がチャージされ、各々の美少女を蒼い鎧によって姿を変えていく様は変身や転身といった現象に近く、龍や姫の名前の通りにその姿は龍を人型にした女性的なフォルム。

 

 天龍姫は水羽楠葉、龍人姫はクスハ・ミズハという名前を名乗っている。

 

 即ち、【スーパーロボット大戦OG」の世界から連れ出した【閃姫】であり、天龍姫を纏う水羽楠葉はシャドウミラーが居た世界線、クスハ・ミズハはシャドウミラーが転移した先の世界線に住んでいた或る意味で同一人物。

 

 取り敢えずどちらも同じ名前だから、シャドウミラーが居た世界線の方は日本人らしく漢字での名前としている。

 

 見た目だけなら双子の如くだ。

 

 天龍姫は楠葉が乗っていた龍虎王を模して造った人型機動兵器、見た目には確かに虎頭を胴体に持たない龍虎王っぽい物であり、そのフォルムはフェアリオンみたいに女性っぽさが浮かぶ。

 

 武装も龍虎王に準じた近い物。

 

 一方のクスハが纏う龍人姫は見た目に龍人機が女性らしいフォルムに成った感じで、天龍姫とはまた微妙に姿が異なっているのが肝だろうか。

 

 実際に【スーパーロボット大戦OG】の世界では彼女こそが龍王機に選ばれ、封印戦争で龍人機を駆ったのは間違いなく彼女の方だ。

 

 尚、幾つか微妙に虚憶を持っていたクスハではあったのだけれど、ツグミ・タカクラとは真逆でアインストに蹂躙された世界の現・水羽楠葉の方がユートの関わった【スーパーロボット大戦α】の虚憶を持っていた。

 

 なので、シャドウミラーが居た世界でのクスハは出逢ってからすぐに恋人に近い関係に成る。

 

「翔けよ、天雀姫!」

 

「駈けて、天虎姫!」

 

「放て、天武姫!」

 

 レオナ・ガーシュタインが天雀姫、リオ・メイロンが天虎姫、リルカーラ・ボーグナインが天武姫という四神の超機人に似通った騎煌鎧を纏う。

 

 いずれもシャドウミラーが存在した世界線にて加わった仲間であり【閃姫】、クスハと楠葉という二人と違って一人だけなのは転移先の世界線ではそれぞれに恋人が居たからである。

 

「「「舞い踊れ!」」」

 

 其処には銀髪でゴスロリ服と何処かの制服姿で双子の如く同じ顔立ちな少女と、金髪で赤いドレス姿の美少女が同じ科白を同時に叫んだ。

 

「リヒト・フィー!」

 

「フェアリオンS!」

 

「フェアリオンG!」

 

 それは騎煌鎧により三体の妖精と化す、白亜のボディの妖精リヒト・フィー、紫と赤の同型である二体のフェアリオン、その基型となっているのはシャドウミラーが居た世界線のビルトラプターを改造したリヒト・フィー、その向こう側の世界線で造られたフェアリオンSとフェアリオンG。

 

 当然ながら纏うのは、リヒト・フィーはシャドウミラーが居た世界線のラトゥーニ11、フェアリオンSはラトゥーニ・スゥボータ、フェアリオンGは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()であったと云う。

 

 【スーパーロボット大戦OG】の世界に於いてのシャイン・ハウゼンは、ライディース・F・ブランシュタインに憧れの感情を持った一四歳な少女だったし、リクセント公国を守護する事を誇りにする戦士としても目覚めた。

 

 だが然し、シャドウミラーが居た世界線に於いてはライディースが例の事故で死亡していた上、執事だったジョイス・ルダールの死亡とリクセント公国の滅亡、これらが綯い交ぜに複雑化をして絡み合った結果としてシャドウミラーの居た世界線を捨ててシャイン・ハウゼンは付いて来た。

 

 Wラトゥーニ+Wシャイン・ハウゼンというのも良いだろうが、ライディースが居ない時に出逢ったのとは異なっており、彼が居たハガネ部隊では矢張り『ライディー様』一択である。

 

 尚、原典世界の方をラトゥーニ・スゥボータと定義をしていて、シャドウミラーが居た世界線の方はラトゥーニ11からラト・オガタであると改名をしていた。

 

 蟹座の黒い鎧を纏う男が右手の人差し指を伸ばしてニヤリと嗤う男、ユートの冥界にて普段は眠るというか愉し気に暮らしているが、今回はこうして仕事を依頼されて動いている訳だ。

 

 勿論、彼の同僚達も同じく。

 

 嘗ての、ユートの再誕世界に存在したギリシアはアテネの遥か郊外に結界を敷いて一般から隔離をされた状態で存在する聖域、其処の一二宮及びアテナ神殿と御神体的な女神アテナを守護する命を与えられた黄金聖闘士達。

 

 今現在、纏うは漆黒の……冥界の鉱石にて造られた冥衣で黄金聖闘士だった頃の黄金聖衣を象っており、云ってみれば彼は蟹座の冥闘士とでも呼べる存在として立っている。

 

「へっ、所詮は虚ろな魂かよ。こんなん俺からすりゃ容易いぜ! 積尸気冥界波ぁぁぁっ!」

 

 通常の人間の魂魄ですら容易く冥界の入口である黄泉津平坂へと送れる必殺技、エヒトルジュエの使徒は何処まで往ってもその魂は即席の虚ろなる魂でしかなく、肉体を喪えば輪廻転生をしても暫くは昆虫や小動物であろうし、況してや地球人でもトータス人でも無い扱いだから彼女らの魂は消滅して消え失せる定め。

 

 そういう意味では積尸気冥界波で冥界に直接的に跳ばされた使徒は或る意味で幸せか? 何故なら冥界にまで跳ばされたのならば魂魄保護の対象となるからだ。

 

 それは神域に引き篭っていたエヒトルジュエが消滅しないのど同じ。

 

 なら、邪悪そのものな表情で嬉々として冥界へと送る彼――蟹座のデスマスクに殺られたのは、他の黄金聖闘士に殺られるよりはマシか?

 

雷光放電(ライトニングプラズマ)!」

 

 獅子座のアイオリアが放つは一秒間に一億発は放たれる拳、エヒトルジュエの使徒が刹那の刻に吹き飛ばされては消えて逝く。

 

 尚、本来のそれはライトニングだのプラズマだのボルトだのは比喩だったらしいが、近年に於いては普通に名前の通りの雷光を纏う攻撃だ。

 

「「星屑革命(スターダストレボリューション)!」」

 

 二人分の声が揃って技を放つ、麿眉を引いている二人は何処か似通った雰囲気を持ちながらも、片方はまるで人を率いるのに慣れた存在感を醸し出す、しかも二人が纏う冥衣はそっくり同じ物だったから関連性が高い。

 

 それは嘗ての教皇で牡羊座のシオン、もう片方はその弟子である矢張り牡羊座のムウ。

 

「星屑革命ッ!」

 

 其処へ三人目の声。

 

「シオン様、ムウ様! 久方振りだからといって余り突出しないで頂きたい!」

 

 矢張り麿眉を引いた青年は冥衣と似た鎧を纏うけど、その色は冥衣の如く漆黒に輝くのでは無くて金色――決して黄金では無い。

 

 黄金とまで呼ばれる重厚にして燦然と耀いている太陽の色が黄金聖衣、彼の聖衣は確かに形状は牡羊座の黄金聖衣のモノではあるのだが、どちらかと云えば全神剛鋼製であるとされている海闘士の七将軍が纏う鱗衣に近い。

 

 同じ金でも黄金と金色では色合いが異なる訳だから、彼の黄金聖衣は間違いなく製造の過程にて何かが違うのであろう。

 

 然し機能に変わりは無いらしい。

 

「フッ、其方が言っている通り久方振りなのだから気が逸ったのよ。許せよ貴鬼」

 

「シオン様と同じくですね」

 

「シオン様、ムウ様まで!」

 

 牡羊座の貴鬼、それはムウの弟子でシオンからすれば孫弟子に当たる存在。

 

星明識延(スターライトエクスティンクション)!」

 

 今度は少女の声だ。

 

「それは貴鬼様もですよ」

 

「うぐっ、羅嬉……」

 

 赤毛をポニーテールに結わい付けた美少女が、両腰に手を添えながらプリプリと怒っていた。

 

 名前は羅嬉、彼女が纏うのも見た目には明らかに牡羊座の黄金聖衣だったけど、違いが在るとすれば腰が括れを見せて胸元が盛り上がった女性を如実に表すボディラインな事。

 

 牡羊座の羅嬉は貴鬼の弟子として、新たなる若き聖闘士の時代には幼女然な姿で貴鬼の後を付いて回っており、ユートからは基型となる牡羊座の聖衣を与えられて聖衣修復の要領で形成した。

 

 その際に自分が纏う聖衣だからと、女性らしいボディラインに成る様に造ったのである。

 

 聖衣製作法は古代ムウ大陸の沈没から喪失してしまった技術であり、何とか修復法や技術や道具や素材が聖域やジャミールに遺されていた程度。

 

 一応、世界の各地に封印をされた小さな聖域が点在をしていて、其処にもある程度はそういった代物が遺されてもいる。

 

 とはいえど、聖衣は古の時代からの遺産として使われて来たのは良いが矢張り破損はするから、修復師はどうしても必須な存在と成っていた。

 

 そんな中でユートが素体となる物を造って後、修復師が修復をするみたいに造る事で数を増やせる様になり、古代からの聖衣は聖域の奥へ切札として封印をして新たに造っていったのだ。

 

 流石にあの世界の黄金聖衣までは造り直さなかったものの、暗黒聖衣が未だ漆黒聖衣とされていた時代に試作された黄金聖衣の模造品となっていた聖衣を鍛え直し黒鍛聖衣として、黄金聖闘士の資格を持ちながらも空きが無いからと与えられなかった聖闘士に与えた。

 

 貴鬼と羅嬉の黄金聖衣は、ユートのエリシオンに移り住んだ後に造った物だったから、太陽の光へと当てていない為に色が黄金とは呼べない聖衣に成っているに過ぎない。

 

「天魔降伏……Ω!」

 

 乙女座の冥衣を纏うシャカが放つ必殺技である天魔降伏、端からは視ていてもよく解らないであろう小宇宙の爆発力が使徒を破壊していた。

 

 黄金聖衣を象る冥衣の特徴として、彼方此方が尖鋭化されている事が挙げられる訳だが、シャカの冥衣も丸まっていた所が微妙に刺々しい。

 

「廬山百龍覇ぁぁぁっっ!」

 

 老師こと天秤座の黄金聖闘士の童虎の必殺技が一発一発の威力は落ちるけど、廬山昇龍覇をまるで百発も撃ったかの如く龍の小宇宙がエヒトルジュエの使徒へと放たれた。

 

極光処刑(オーロラエクスキューション)!」

 

真紅光針+赤色巨星(スカーレットニードル+アンタレス)!」

 

 親友たる二人の――水瓶座のカミュと蠍座のミロによるデュエットの如く物騒な必殺技。

 

無限破砕(インフィニティブレイク)ッ!」

 

銀河爆砕(ギャラクシアンエクスプロージョン)ッ!」

 

 そして同年代で本来なら手を取り合って聖戦に挑む筈だったコンビ、射手座のアイオロスと双子座のサガが各々の必殺技を放つ。

 

異界次元(アナザーディメンション)!」

 

 サガの双子の弟たる双子座のカノンが次元の穴を穿ち、エヒトルジュエの使徒共を亜空間の彼方へと追放をしていく。

 

「黒薔薇よ美しく咲き誇れ黒鋸薔薇(ピラニアンローズ)!」

 

「全てを斬り裂け、聖剣抜刀(エクスカリバー)!」

 

 紅薔薇を口に咥えて使徒へ黒い薔薇を投げ付ける魚座のアフロディーテ、曲がり形にも人の形をしたエヒトルジュエの使徒が、生きた侭で丸っきりピラニアに集られる様に血塗れで肉体を喪う姿を視て、一般人でしかない兵士達がエレエレと吐き散らかしている。

 

 山羊座のシュラが右腕を掲げ、手刀を振り下ろすとバッサリと使徒が両断されていた。

 

威風激穿(グレートホーン)!」

 

 牡牛座のアルデバランは腕組みをした状態にて必殺技を放つが、これは光速の居合い術みたいなもので高畑タカミチがポケットに手を突っ込んで放つ居合い拳に近い。

 

 黄金聖闘士だけでは無い、生前で黄金聖闘士の位を譲られていた青銅聖闘士達も闘う。

 

 その聖衣は青銅聖衣、形は最終青銅聖衣と変わらないが、アテナの神血を受けている訳では無いから輝きは黄金の血で甦った青銅聖衣と同じ程度でしかなく、小宇宙を究極のセブンセンシズにまで高める事で黄金聖衣の如く金色に輝いていた。

 

 天馬星座の星矢、龍星座の紫龍、アンドロメダ星座の瞬、白鳥星座の氷河、鳳凰星座の一輝という謂わば青銅聖闘士の一軍達。

 

 一軍が居るなら二軍も居るのか?

 

 一角獣星座の邪武、仔獅子星座の蛮、海蛇星座の市、狼星座の那智、大熊星座の檄の五人だ。

 

一角獣蹴撃(ユニコーンギャロップ)!」

 

仔獅爆裂(ライオネットボンバー)!」

 

海蛇毒牙(メロウポイズン)ザンス!」

 

死之共鳴(デッドハウリング)!」

 

吊上大熊(ハンギングベアー)!」

 

 信じられない話、一軍を含めてコイツらは熱き血潮で繋がる(はら)違いな兄弟だったりする。

 

 城戸光政は百人の孤児を引き取って聖闘士と成る為の修業地へと送り出した。

 

 星矢はギリシア、紫龍は中国の廬山、氷河は東シベリア、一輝は南太平洋に浮かぶデスクイーン島、瞬は西インド洋ソマリア近くのアンドロメダ島といった具合に……だ。

 

 だけど百人の孤児達は単に漠然と集められた訳では無く、城戸光政が約十数年前にヤンチャをした結果としてボコボコと産み落とされた彼自身の胤による子供達であったと云う。

 

 確かに熱き血潮で繋がる兄弟だ。

 

 然し、瞬みたいなアイドルとでも通用しそうなイケメンに市や蛮みたいな顔立ち、檄みたいな筋肉質など城戸光政だけで多種多様過ぎる事から鑑みると母親の血かもだが、城戸光政はどういった趣味嗜好で選んだのだろうか?

 

 檄なんて母親が女子プロレスラーみたいな人間だったのかも……と。

 

 二軍が纏うのは青銅聖衣に似せて造られているマシーン聖衣たる鋼鉄聖衣、基本的には後継者へと引き継がれた後に牧場経営をしたり後身の育成をしたり、市みたいに現役の侭だったりと様々な道を進んだ青銅聖闘士の二軍は、いざや闘いの場に出る場合は鋼鉄聖衣を纏っていたのだ。

 

 市は普通に海蛇星座の青銅聖衣だったのだが、今現在の姿は仲間と同じく鋼鉄聖衣だった。

 

 尚、百人から居た孤児達の中で無事に聖闘士に成れたのはこの一〇人だけである。

 

 また、星矢には父親も母親も同じにして姉である星華が居るのだが、ユートの【閃姫】として闘いの無い日々は姉弟の水入らずで過ごす。

 

 まぁ、ユートが訪ねて来ると星矢が気を遣って外へと遊びに行くのだけれど。

 

「ペガサス流星拳!」

 

 まるでアイオリアの雷光放電みたいな光の線が飛び交い、空中に浮かび飛翔をするエヒトルジュエの使徒を引き裂くレベルで落とす星矢。

 

「廬山昇龍覇っ!」

 

 右腕を高らかに挙げた紫龍、その小宇宙が正しく昇龍と成って使徒を巻き上げて吹き飛ばす。

 

極小氷晶(ダイヤモンドダスト)ッ!」

 

 氷河のブローから放たれた絶対零度にも等しい凍気が使徒を凍結、地面へと叩き付けられたその瞬間に細かな氷の粒子と成って四散した。

 

「征って、星雲鎖(ネビュラチェーン)……雷光之波(サンダーウェーブ)ッ!」

 

 瞬の右腕の角鎖がまるで幾つにも分かたれたかの如く超高速で、その形はまるで雷光の様な軌道を描きながら使徒共を穿っていく。

 

「喰らえ、不死鳥の羽ばたきを! 鳳翼天翔!」

 

 放たれた炎と煽られた大気の流動が高熱化して使徒を吹き飛ばして焼き尽くす。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 其処に居たのは【ラングリッサー】に於いてのヒロイン――クリスによく似た少女、見た目には確かに美少女と呼べるだけの容姿に破廉恥な格好をしていてクリスっぽくは無いが、髪の毛の色に瞳の色などからそう判断するしかない。

 

 その傍らには二頭の聖獣ユニコーンを侍らしており、瞳のそれはクリスより深く純粋な色味を持っていて聖なる雰囲気を醸し出す。

 

「さぁ、混沌を晴らしましょう」

 

 青いユニコーンに命じると、エヒトルジュエの使徒へ向けて大いなる神鳴りが放たれた。

 

 橙のユニコーンに命じると、その眩き輝光によって眼下のユートの仲間達に力が溢れてくる。

 

「輝光の聖召喚士クリス……禍々しき混沌を討ち祓う為にも征きます!」

 

 それは人類の限界にまで到達した存在、即ちそれは“到達者”と呼ばれる神にも追い縋る先駆者、流石に超越者程では無いにしてもエヒトルジュエと同じ領域には達している。

 

 その為、基本的に【ラングリッサー】に於けるクリスとは同一存在ながら別物と成っていた。

 

 存在的にはエヒトルジュエと同じ領域ながら、彼女は飽く迄も気高く床しい美しさを持つ。

 

 レディンの失策でユートが盗賊からクリスを救った為、バルディア王妃に成らなかった世界線のクリスはユートと共に在り、自らの魂の根源へと触れて限界点にまで到達をしたのである。

 

 輝光の聖召喚士は召喚をしたユニコーンと共に戦場を縦横無尽、自由自在に転移飛翔して宛ら戦場に於ける輝光の女神の如く駆け抜けて行った。

 

 そんなクリスが駆けた傍に金髪オデコで少し、そう……少しだけ胸部の装甲が寂し気な美少女が一振りの剣を手に闘う。

 

電撃呪文(ジゴデイン)ッッ!」

 

 それは嘗て、ユートが疑似転生にてユーキと共に赴いたアストルティアを守護していた勇者姫、その名も高きアンルシアだった。

 

 とはいえ、今のエヒトルジュエの使徒を相手に無双している姿からは想像も付かないくらいに、アンルシアは決して強い勇者だった訳では無い。

 

 能力的に強くは在った、然れど勇者だと信じていた兄を亡くし、記憶をも無くして単なる村娘として裏アストルティアで日々を過ごしていた。

 

 ユートが手を貸して勇者姫として覚醒をしたのは奇しくも、ユートが未覚醒だった事もあってか故郷を失ったあの時と重なっていたのである。

 

 即ち、勇者姫の覚醒は=勇者の()()の覚醒を促していたのだ。

 

 アストルティアでのユートは勇者の弟何ていう曖昧な存在でも、導かれし者達を導く存在でも無ければロトの勇者でも無い。

 

 勇者を助け、勇者を導き、勇者と共に闘う存在――正しく勇者(アンルシア)の盟友であったと云う。

 

 これが女同士ならば真友にでも成っていた処だったけど生憎と男女、いつの日にかアンルシアはユートに淡い想いを懐いていた……のに、何故だかユートはアンルシアがカチコミに行った魔界を統べる新たな大魔王として現れた。

 

 うん、意味不明だね。

 

『裏切ったの? 初めからそうだったの? どうして選りに選って貴方(ユート)が大魔王なの?』

 

 頭の中がごっちゃに成ったのも致し方無しで、生きていて嬉しかったのと大魔王として現れたのが悲しかったが半々、偽者だと或いはよく似た顔の別人だと思いたかったが、勇者の盟友としての力を揮ってアンルシアを護ったからには本物であると肯定するより他に無い。

 

「ギガ……スラッシュ!」

 

 光と雷の力を攻撃力へと変換した斬撃の一閃が使徒共を斬り裂く。

 

 流石は勇者姫、この世界に召喚されて邪神擬きと混ざった何処ぞの勇者(笑)とは大違い。

 

「さぁ、次へ征くわ!」

 

 勇ましくも可憐、全てに決着がついて大人に成ったアンルシアの美貌に男共は釘付けだったし、勇者姫の異名は勇者でありグランゼドーラ王国の姫君である事を雄弁に指し示していた。

 

 美貌と勇者の勇名と王国の姫の権威、盟友という確かな存在が無ければモテたのは間違い無く、胸部装甲が御立派だったならば稀代の悪女にでさえも成り得たであろう。

 

 その剣技は蝶の如く舞い、蜂の様に刺すを地で往くしなやかさは何処かユートの刀舞術を思わせるが、実は真似ていた部分も有るとはいえ元からの闘い方がソレだった。

 

 豪快さと優美さを併せ持ったその闘い方にて、アンルシアは本来での原典に於ける世界線よりもゴリ……もとい、戦闘強者として勇者姫の名を欲しい侭にしていたのだ。

 

 【本好きの下剋上ー司書になる為なら手段を選んでいられませんー】という世界が在る。

 

 実力的な意味合いに於いてはこのエヒトルジュエの使徒と闘える程の者は居ない、仮に護衛騎士を任された人間であっても戦闘力は低い。

 

 とはいえ、ユートと星を結びユートの精を受け容れたならば話は別であるし、ユート謹製の武具や魔導具を与えられればそれは顕著となる。

 

 お気に入りの護衛騎士だった少女達、その中でも家系的に中級でしかなかったけどユートに気に入られ、一五人の夫人に選ばれた上で護衛騎士としての本分を全うした。

 

 それが今、この場に居るユーディットとアンゲリカの二人である。

 

 元々はローゼマインが前の織地と呼ばれている過去にして未来、彼女の護衛騎士として働いていたのだけどとある事情から側近が余ったが故に、護衛騎士をユートに譲っていた。

 

 それに前回の織地とは異なり、二人はユートにより騎士として強くなったり勉学を見て貰ったりなど、二人の感覚的にも随分と御世話に成った事から恩義を感じていたり、護衛対象者が同性だった前回は感じなかった恋慕を懐いたりとあって、断る選択肢を与えられながらも頷いたのだ。

 

 尚、本来の夫人は三人までとされているのだけれど法律の書に細工して、とある立場の者に限り一五人までを夫人と出来る事にしていた。

 

 勿論、建前は用意しての事。

 

 それは兎も角、ユーディットは偽・颶風弓(ガルヴェイラ・レプリカ)を手にして魔力を籠める。

 

「消えなさいっ!」

 

 原典では、前の織地に於いてはローゼマインに指摘を受けていたユーディットだったけれども、ユートが関わった織地では予めユートの方で教えておいたのと、投擲というか中・遠距離攻撃に対して適性が高かった事から弓矢を与えてみた訳であり、その極致となるのが精神力を弦と矢に換える光の弓――颶風弓だった。

 

 アンゲリカは魔剣シュティンルークを持っていたし、それを成長させるのを一つの愉しみともしていたから武器は贈っていない。

 

 贈ったのはクラスカード。

 

 シュティンルークをクラスカード装填が可能な様に改造して、クラスカードを使うとクラスに特化した能力に割り振られる。

 

 シュティンルーク自体もアンゲリカのクラスに併せて変形、例えば剣騎士なら剣の侭だったけど槍騎士なら槍、弓騎士なら弓矢といった感じに成るので持ち換えも不要。

 

 矢も偽・颶風弓と同じ精神力を変換したモノを番える事になる為、矢を持ち歩く必要性も無かったから護衛騎士時代にも重宝したらしい。

 

 乗騎士のクラスカードで騎獣の扱いが凄まじく高まる上に、某・目隠し乗騎士みたいな必殺技をも可能としていて便利だったとか。

 

 剣を持たずとも敵を討つ、これが中々に上手くハマってくれたのが宜しかった様だ。

 

 更に当時は中級だった魔力が領主候補生も斯くやな魔力を獲て、彼女達の子供も大領地の領主候補生をも凌ぐ魔力量を誇った程。

 

 あの世界の理では本来、ユートの魔力量を鑑みれば中級とは子を成せない筈であったけれども、ユート自身が特殊で特異な存在だったから理など無視して子を成していた。

 

 ユルゲンシュミット広しといえど、平民を孕ませた領主候補生はユートくらいであろう。

 

 まぁ、貴族に成れなかった程度の魔力しか無い青色神官ならば兎も角、ユートの魔力量は抑々にして妹扱いだった二周目ローゼマインの数百倍、つまりどう足掻いてもユートの魔力量に追い付ける貴族は存在していなかった。

 

 当然、中級貴族なアンゲリカが釣り合う筈も無かったけど、ユートとヤれば上級貴族並に増えるのだから彼女からしたらヤらない理由は無い。

 

「シュティンルーク!」

 

《SABER!》

 

 アンゲリカがクラスカードを、自身の魔剣たるシュティンルークに増設されたカードリーダーにスラッシュして読み込ませると、シュティンルークの声では無い電子的な女性の音声が響く。

 

 普段の声がエクスカイザーだったとしたなら、電子音声の場合はキュアヤムヤムだろうか?

 

 姿が換わる訳では無いが、シュティンルークには変化が有って武器の種類が換わる訳だけれど、先程までは乗騎士だったから武器は剣の形を保っていたので剣騎士に成っても換わらない。

 

 エヒトルジュエの使徒を斬り付けると、空中を蹴って新たな使徒へと向かうアンゲリカが使ったのは所謂、虚空瞬動と呼ばれている【ネギま!】由来の体術の一種だ。

 

 座学に関しては覚える気が皆無と云わしめる程にポンコツだが、強く成る為の知識ならば溢して堪るものかと無類の学習能力で覚えてしまう。

 

 見た目は側仕えな妹リーゼレータと同様に儚い顔立ちの美少女然としていながら、本当に凄まじいまでの脳筋っ振りを発揮するタイプであった。

 

 因みに、性技の覚えも良かったけどこれは彼女がエロいから……では決して無くて、ユートとの性交は強く成るのに必要不可欠だと解らせたからに他ならない。

 

 ユルゲンシュミットの性交とは基本的に男側が始終リードする形であり、女性側はまな板の上の鯛に徹するのが普通であったらしいが、ユートは御互いに気持ち良く成るべくアンゲリカにも性技の習得をさせたのである。

 

 アンゲリカは再びシュティンルークのカードリーダーにスラッシュ……

 

《RIDER!》

 

 乗騎士として騎獣を呼び寄せると、その背中に乗って戦場を戦乙女の如く駆け抜けて行った。

 

 その付近には人型機動兵器が何機か闘っていたりするが、その付近には生身で闘う者も複数人が存在していて連携を取っている。

 

 金髪に虹彩異色な少女がリーダーシップを発揮して指揮官をしつつ魔法を放ち、人型機動兵器からは何故か【時空要塞マクロス】系列張りに少女の唄う歌が響き、黒髪ポニーテールの少女が刀を使って闘っていたり、見た目がそっくりでありながら銀髪をロングヘアーとショートヘアーに分けていて、ロングヘアーが格闘メインでショートヘアーが魔法をメインに闘う。

 

 更に勇者王ガオガイガーみたいな闘い方をしている機体、他にも魔法を撃っている機体というのが縦横無尽に攻撃をしていた。

 

 碧銀の髪の毛を後ろでバッサリと切りながらも揉み上げの長い少女が双剣を操り、ロングヘアーな金髪を棚引かせながら豪快に長剣を揮う少女。

 

 数えて九人、然しながらその眷属の如く闘っている女性も何人か居て、人型機動兵器に乗っているのも含めて彼女らは同一世界の出身だ。

 

 【異世界はスマートフォンとともに】の世界の出身者、そしてこの九人は本来ならば主人公と成る筈だった望月冬夜の眷族として嫁入りをする事に成っていたが、あの世界に当の望月冬夜が現れなかったが故にユートが引き取った。

 

 別に彼女達を取り上げる為に暗躍をしたとかでは間違っても無い、だけどユートが根本的な原因で主人公には成れなかったのである。

 

 ユートが望月冬夜を害したのでは勿論だけれど無くて、寧ろ神様が間違って落とした神雷から彼を守って神雷を受けてしまったのだ。

 

 しかも神様――特定の表立った名前は無くて、世界神で通っている――はユートが生きているのにも気付かず、慌てて神界へと喚び込んでしまうという大チョンボをかましてしまう。

 

 その後、望月冬夜は消えたユートに訝しい表情をしながらも一般的な生活に戻ったと聴いた。

 

 世界神の許でユートはユーキを通じ、狼摩白夜から聴いた【異世界はスマートフォンとともに】の世界の成り立ち方、即ちユートが神雷から救った少年こそがこの世界に於ける主人公の望月冬夜であり、彼が世界神に送られた星――世界は破滅に向かっているのだ……と。

 

 実はあの世界にはフレイズという結晶生命体に狙われており、いずれは世界の結界を越えてとある目的の為に人類を大虐殺していくらしい。

 

 フレイズを知る切っ掛け自体は数千年前に起きた闘いの中で、遷都前の旧王都に封じられていたフレイズを誤って復活させたからだったのだが、それとは無関係に異次元の向こう側に居た連中が虎視眈々と狙っていた。

 

 それとは殆んどが別口で、望月冬夜の嫁~ズとなる美少女達が窮地に立たされていたのを救い出されたのを切っ掛けに、望月冬夜との絆を育んで仲好く成る事で嫁~ズ入りを果たしているとか。

 

 仮に安全な場所で出逢った娘でも、フレイズが侵攻を開始すれば結局は死ぬ事になるが……

 

 已むを得ずではあるが、ユートは一般人を神雷から救った功績を世界神から与えられる事になった為に、望月冬夜が獲たという神器化したらしいスマートフォンをユートとユーキで持ち合って、御互いに次元間通話を可能として貰う。

 

 これによりユーキが白夜から聴いた原典を伝えて来て、それを基として傷付いたり死んだりしていたかも知れない彼女達を救っていく事に。

 

 結果として元々の世界線で望月冬夜嫁~ズだった少女達は、ユートの【閃姫】候補として仮初めの契約を交わした。

 

 中には一二歳にも満たない幼女も居たから流石に真の契約――性交による身心の同一化――を行うのはちょっとアレだし、仮初めの契約であればディープに行うとはいえ口付けだから、その垣根がまだ真の契約よりかは幾らか低いからだ。

 

 尚、普通に望月冬夜はハーレムを建国した公国に形成していたけれども、飽く迄も嫁~ズのみの九人へと収めていたのに対してユートは嫁~ズを本妻枠とし、側室乃至は愛妾枠的に美女美少女達を侍らせてたのは御約束な既定√だったと云う。

 

 例えばイーシェン国は武田の忍の椿、例えば大樹海はラウリ族が長たるパムなど。

 

 こればかりは日本の常識に縛られた望月冬夜には無理だったろう。

 

 この場にも実は居る。

 

 正式な妻――本妻枠として入った嫁~ズに関しては、ユミナ・エルネア・ベルファストを指揮官に従妹たるスゥシィ・エルネア・オルトリンデ、ミスミド王国の妖精族が長リーン、レグルス帝国第三皇女ルーシア・レア・レグルス、レスティア騎士王国第一王女ヒルデガルド・ミナス・レスティア、魔王国ゼノアスが元王女の桜・ファルネーゼ・フォルネウス、イーシェン神国はオエド出身の九重八重、リーフレース皇国コレットの町のエルゼ・シルエスカと双子の妹のリンゼ・シルエスカが闘っていた。

 

 因みに、桜の本名はファルネーゼ・フォルネウスだったのだが、記憶喪失だった際に便宜上として桜色の髪に因んで“桜”と名付けたのが定着化、桜をファーストネームとしてファルネーゼの方をミドルネーム扱いにしている。

 

 また、面倒だったのもあって望月冬夜が主人公だった世界線に合わせたネーミングで、フレームギアや公国の名前を付けてしまった。

 

 だから、今正にスゥシィ・エルネア・オルトリンデ――スゥが乗っているフレームギアの名前はオルトリンデ、サポートメカと最終融合すると、オルトリンデ・オーバーロードと成る。

 

 それと、望月冬夜が神化していく中で眷属化した嫁~ズには眷属特性が顕れたが、これに関してはユートの【閃姫】に偶に出る輝威(トゥインクル)として顕現をしていた様だ。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 俯瞰した視点……第三視点(ブリック・ヴィンケル)を以て戦場を見回しているユート。

 

「ふむ、皆頑張ってるな。なら僕もサボっていないで殺るかね。シュタープ」

 

 それは指揮棒にも似た棒状のモノ、自身の体内に“神の意志”と呼ばれる見た目には水晶にも思える物体を取り込むと、多少の訓練は必要になるがシュタープなる魔術を使用する杖を出せる。

 

 本来なら死ねばシュタープは喪われて、魔力量次第では女神により本に編纂されて仕舞われるのだけど、ユートのシュタープは女神本神の好意によって留め置かれていた。

 

 正確には女神が複数柱、ユートに付いて行くと聞かないので本体から分離させた謂わば分体での離脱を最高神に認めて貰い、その代表と成ったのがシュタープを人間に与えた女神だったからか、彼女はユートのシュタープを本にはせず体内に残してこれからも使える様にしたのである。

 

 女神~ズは報酬だと宣っていたが、間違いなくユートが神々の箱庭で神々との調停者役をしていた際に、少しずつ様子見をしては会話をしてふれ合いをしてきた結果、ある意味で芽吹きの女神の頭に芽吹きの女神が舞ったみたいな感じに。

 

 勿論ながら女神が全柱では無かったし、況してや夫婦神の女神がそんな事は決してしなかった。

 

 とはいえ、一夫一婦が普通な神々は夫婦神として番っている以外の女神は処女で男神は童貞と、或る意味では貞淑と云えるのかも知れない。

 

 特に始まりの三柱の一柱は、そういうのを厭って自らの髪の毛を上げずにいたくらいだ。

 

 あの世界での成人女性は全員が髪の毛を上げており、寧ろ成人前には上げる事自体が赦されていないらしかったし、成人女性が髪の毛を下ろすのは夫の前でだけという事らしい。

 

 つまり、始まりの三柱の内の英知の女神は子供でありたいと願っていたのだろう。

 

 まぁ、分体に人間に近しい肉体を与えて肉の悦びを教え込んだら懐いて来たのだが……

 

 人の理を知らぬと言いつつ学びもしないとか、どうしようもない女神でも顔立ちは特級品なので愛でるには丁度良く、彼女らの権能も獲られたから取り敢えず普段はエリシオン住まいをさせて、今回はリルベルト・ル・ビジュー・アシュリアーナと共に、エヒトルジュエの創った神域の乗っ取り作戦を遂行して貰っている。

 

「水鉄砲!」

 

 シュタープは呪文により形を換える、それは即ちあらゆる事へとシュタープ一つで対応が可能という事、例えば『ランツェ』で槍化、『メッサー』で小刀化、『シュヴェールト』で剣化といった感じだったし、何なら神々の神器ですらも顕現が可能で――『グルトリスハイト』により英知の女神の尊名を冠した書に変化が可能。

 

 但し、今の呪文はユートの義妹――彼方に於いては実妹という事にしている――が口にしたのが呪文として登録されたらしい。

 

 名前の通り魔力の水をビュッビュッと放つだけの玩具だが、然しながら確りとしたイメージの基に変化させると形や性能も雲泥の差で変わった。

 

「ゴッドライジンバズーカ、セットオン! ファイナルッ! ファイヤァァァァッ!」

 

 身長に近い長さの銃身を持った白を基調としているバズーカ砲に変化、ユートの魔力が一瞬にしてマキシマムレベルにまで充填されて、合図と共に引き金を引いて放たれた魔力砲がエヒトルジュエの使徒共を呑み込んだ。

 

「リューケン」

 

 一旦はシュタープに戻す。

 

「次だ! シュヴェールト! ゲッティルト! ゴッドライジンソード!」

 

 シュタープを二つに分離させた後に剣と盾を出す呪文、合わせ技で盾に剣が伸びるゴッドライジンソードとして顕現させた。

 

雷撃呪文(ジゴデイン)!」

 

 更にジゴデインを剣身に落とす。

 

「ゴッドライジンソード……ブレイズアァァァァップ!」

 

 纏わせた雷を集束させて攻撃力の向上を促し、剣身が漆黒に染まったのを視て盾から重力波を出すと、エヒトルジュエの使徒共をこれにより拘束をしたユートは一気呵成に飛び上がる。

 

「消え失せろ、真・ハイパーサンダークラァァァァァッシュッ!」

 

 普通は敵一体を十字に斬り裂く必殺技だけど、今回は複数体が相手だったから長さを最大化させて十字に斬り裂いた為、巨大な十字の爆発力にてエヒトルジュエの使徒を消滅させていた。

 

 斃した後はこれがゴッドライジンオーであるならば決め科白を発するが、ユートはそんな事はしないで他の使徒を討つべく更に動く。

 

「リューケン」

 

 再びシュタープに戻してから仕舞うと、新たにユートはブレイバックルを取り出して装着。

 

 ふと見遣れば、エヒトル之河ジュエがワナワナと震えながら戦慄を覚えていた。

 

『な、何故だ!? 億を越え、旧式だけでは無く新式も可成り用意した! ウルトラマンとやらへの対策に巨大化させた個体も大幅に強くした! それがこうも容易く討たれているだと?』

 

 香織や雫ならば判るし、何ならクラスメイトはギリギリで認めても構わないと“天之河光輝”の部分が叫ぶが、それでも認められない存在が無双をしていた事が癪に障る。

 

 無能が無双をしているのだ。

 

 紫を基調とした仮面ライダーが隣に侍らされ、両手には明らかに拳銃と判る武器を持って闘っている南雲ハジメ、ありふれた職業でしかないとされる錬成師でしかないハジメは、言語理解という召喚されたクラスメイト全員が持ったスキルと、錬成師の固有技能であろう錬成スキルしか持っていない正しく無能だった筈なのに、いつの間にか仮面ライダーギルスや仮面ライダーアギトに変身が出来る様に成り、今では仮面ライダーに変身をしなくても自らの創り上げた武器で無双した。

 

 天之河光輝の部分はそれが余りにも癪に障った行為で、しかも無能の分際で女を侍らすのも可成りムカつく行為であろう。

 

 ハジメと中村恵里は最終決戦の報せを貰ってからすぐに戻って来て、神代魔法を獲る為の旅の中で幾つものアーティファクトを製作していた。

 

 それは全てでは無いけど、原典の南雲ハジメが創っていたアーティファクト群だったと云う。

 

「直に奴を狙え!」

 

 ワルキューレの姿をした白き翼を持つ戦天使の一人が叫ぶが……

 

「ダメ、ダ~メ。ハジメ君はボクのモノなんだから君達には命処か髪の毛の一本も与えないよ~」

 

 科を作る仮面ライダー王蛇は原典を識る者からしたら『エレエレエレ』としたくなる光景だが、契約モンスターにバクッ! とワルキューレ擬きを一呑みにさせるのは流石というべきであろう。

 

 彼方此方に浮遊設置されたミラーリフレクターと呼ばれるアーティファクト、それは攻撃の反射や此方側の攻撃を偏光させるだけで決して無く、ベノスネイカーを始めとする契約モンスター達をミラーワールドから呼び込む為の物。

 

 エヒトルジュエの使徒もまさか鏡の中から蛇っぽいモノが顕れ、自分達を文字通り捕食をしてくるなどとは思いもしなかったであろう。

 

 ベノスネイカーとメタルゲラスはエビルダイバーみたいに翔べないし、メタルゲラスに至ってはベノスネイカーみたいに跳ぶのも難しい。

 

 故のミラーリフレクター。

 

 アドベントのカードで召喚されたベノスネイカーやメタルゲラスやエビルダイバー、魔力さえ与えておけば腹は満たされる仕様で創造されてはいるものの、ミラーモンスターとしての本能だとも云うべき生命力を喰らう捕食者としての一面は、創造者のイメージからどうしても外せなかった。

 

「流石だね、恵里は……それなら僕も頑張らないとだよね!」

 

 キィンッ! ハジメの腰に顕れたのはベルト、即ちオルタリングである。

 

 ウィンウィンウィンと待機音が響く中でポーズを執ると……

 

「変身っ!」

 

 オルタリングの両腰に有るスイッチを押して、オルタフォースに包まれながら姿を換えた。

 

 仮面ライダーアギト・グランドフォームという基本となる形態だ。

 

 この闘いの場に仮面ライダーアギトは三人程が存在する、一人は津上翔一としての記憶を持った正真正銘の仮面ライダー……の召喚体、二人目はハジメが変身した姿、三人目は狼摩白夜という嘗てのユートの婚約者予定だった者。

 

 白夜は這い寄る混沌に闘神都市へ転生させられた時に、仮面ライダーマリカに変身する為のツールとしてゲネシスドライバーとピーチエナジーロックシードを獲ていたが、ユートに調べたいから交換してくれと言われて喜んで渡した。

 

 その交換したのがオルタリングであった訳で、狼摩白夜は仮面ライダーアギトに成れる。

 

「折角だから神すら越える神滅具の力を魅せてやろうかな?」

 

 バックルに装填するのはスペードスートでは無くワイルドカード、その絵柄は白い龍――白龍皇アルビオンをモチーフとしていた。

 

 バックルからシャッフルラップが伸長して合着されて腰に装着、ターンアップハンドルを引いたらバックルの中央のカードスロットが反転して、金色のスペードが刻印された部位が表側に。

 

 龍を象る絵柄の紋様のオリハルコンエレメントが顕れ、ユートがそれを潜り抜けると其処には真っ白な鎧兜に蒼い光の翼を持った姿へ換わった。

 

《Vanishing Dragon Balance Breaker!!》

 

 神器――“白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)”の禁手たるその威容は即ち“白龍皇の鎧ディバイン・ディバイディング・スケイル・メイル”である。

 

「そして!」

 

《ABZORB QUEEN!》

 

 カテゴリーQのカードをラウズアブゾーバーへと装填して……

 

《CHANGE ACE!》

 

 カテゴリーKでは無くもう一枚のカテゴリーAをスラッシュした。

 

 赤と白の禁断の鎧が融合化。

 

《Welsh Dragon! Vanishing Dragon ! High end final fusion Balance Breake Evolusion!!》

 

 超越神器化したその姿は赤を越え、白を越え、全てを超越した水晶黄金として纏められており、“白龍皇の光翼”と“赤龍帝の籠手”を持っている形で最終青銅聖衣が神聖衣化を果たしたみたいな、豪華絢爛に装飾を成された鎧兜を纏っている状態と成っている。

 

 完全に正反対の二つの力を一つに合わせる事により生誕した、夢幻を以て無限を制する事ですら生易しい耀きが燦然と主張をしていた。

 

“天魔真龍皇帝の鎧”カオス・コスモス・ドラゴン・スケイル・メイル!」

 

 それこそ真なる赤龍神帝グレートレッドや無限の龍神オーフィス、二つの『むげん』の力さえ借りずして二つの『むげん』の力を魅せた鎧、膨れ上がるばかりの悪意が悪喰いと化した存在をも完全に滅ぼした至高も究極も極限すらをも超越した超越神器が再臨をした瞬間であったと云う。

 

 

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 連載してない作品の連中は、読んだり観たりした作品から『こういう感じに進めたい』と考えていたモノであり、万が一にも実際に連載した場合は若干ながら変化する可能性も有ります。

勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる
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