ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

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 伝話は誤字に非ずです。





第13話:リリアーナ姫と伝話しよう

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 取り敢えずは落ち着いた事もあって、ユートはアイテム・ストレージの中から携帯魔導伝話(マナフォン)を取り出す。

 

「スマホ?」

 

「否、マナフォンって呼んでいる。携帯魔導伝話機というやつでね、魔素さえ在るなら普通に通話が出来る代物だよ」

 

 雫の質問に答えながら、ユートは番号を押す。

 

 トゥルルルルという変哲もない呼び出し音が響いてるのが聴こえてきており、香織が現代文明の利器を使うのに好奇心を刺激されたのか口を開た。

 

「えっと、緒方君」

 

「どうした、白崎?」

 

「誰に掛けてるのかな?」

 

「うん、リリィ」

 

「「「……」」」

 

 三人が沈黙する。

 

「それって、リリアーナ・S・B・ハイリヒ王女殿下の事……だよね?」

 

「他にリリィなんて知り合いは居ないな」

 

 リリーという錬金術士の知り合いなら、ユートにも心当たりはあるのだが……

 

「ど、どうしてリリィと? それは彼女は気さくだから誰とでも普通に話しそうだけど……」

 

「え、そりゃ……夜中にはヘリーナも加えて、色々とハッスルしているからね」

 

「「「ブフゥーッ!」」」

 

 三人同時に吹き出すが、これは仕方ない話だろう。

 

 何しろ相手は一国の王女であり、幼いとはいえ王子が居るから本来は政略結婚をする身である。

 

 そして基本的に王候貴族は純潔を尊ぶ為、王女様というものは処女を守るのも仕事だと云っても良い。

 

 それを毎晩ハッスルとかヤっちゃってどうする! などと、三人は思い切り叫び出したくなるのを抑えるので精一杯だったと云う。

 

「リリィとシちゃったの? え、えちぃ事を」

 

「一週間で随分と仲好くなれてね、オルクス大迷宮に入る数日前に喰った」

 

 クラァッと雫は意識が遠退きそうである。

 

 万が一にでも妊娠していたら大事になる事請け合いであり、日数的には仮に孕んでいても自覚症状すらも無い筈だ。

 

「もしもし、リリィか?」

 

〔はい、勿論貴方のリリィですわ〕

 

 完全に堕ちてる!?

 

 愛子先生が白目を剥いてしまった。

 

「漸く此方も落ち着いて、こうして連絡を取ってみたんだが……」

 

〔はい、此方からも報告をしたい事が幾つか。ですがやはり御無事でしたのね。愛子達はどうなりました? ユート様が居らっしゃる以上、心配は要らないと思いますけど〕

 

「まぁ、三人共無事だよ」

 

〔それは良かったですわ、ランデルが荒ぶって仕方がありませんもの〕

 

 ランデルは第一王子で、つまり次期ハイリヒ王国の国王で、香織に一目惚れをしたらしく初日から随分と熱い視線を送っていた。

 

 当人には全く気が付かれていなかったけど。

 

「第一王子はどうでも良いんだ。勇者(笑)一行はどうなったかな?」

 

〔はぁ、先ず香織を喪って勇者である彼は沈み込んでいましたが、最近になって復活しています〕

 

「勇者(笑)自身も割かし、どうでも良いかな?」

 

〔……ですか。え〜っとですね、勇者一行が十数名と騎士団員が数名、死亡してしまいましたわ〕

 

「何っ! ウチの連中が? 十数名も死んだ?」

 

〔……御冥福をお祈り致しますわ〕

 

 そんなやり取りで一番に反応したのは、我らが愛子先生であったのは寧ろ当然の流れだろう。

 

「生徒が……十数名って、死んだ? 何故!?」

 

〔今の愛子さんですか? ベヒモス戦でユート様が落ちた際に、抑えられていたベヒモスが解放されてしまいました。その結果として重量級のベヒモスに押し潰された者、頭の赤熱に燃やされた者が居たそうです〕

 

「という事らしい」

 

「そ、そんな……そんな事って……嗚呼、どうして? どうしてですか!」

 

「言っちゃ何だが、小悪党四人組も位置的に死んでると思うから、あいつらに関しては自業自得だな」

 

「自業……自得……?」

 

「リリィも言った通りに、抑えていた僕を攻撃したりするからそんな状況に陥る羽目になった。なら奴らに関しては自業自得としか、言い様が無いだろうに」

 

「そ、それは……」

 

 可哀想なのは小悪党四人組に巻き込まれた連中だ。

 

 何の瑕疵も無く、ユートが排除された煽りを喰らったのだから。

 

「然し、十数名……ねぇ。園部優花、宮崎奈々、菅原妙子、遠藤浩介、南雲ハジメ、谷口 鈴、中村恵里、今言った中で死亡者は?」

 

〔いえ、居ませんわ〕

 

「そうか、不幸中の幸いというべきかな?」

 

 愛子先生にとっては不幸でしかないが、ユートからしたらそれなりに挨拶をする仲だったり、友人だったりとそこそこに仲が良いのが今の面子だ。

 

 とはいえ、中村恵里に関しては谷口 鈴の親友ポジという意味でしかない。

 

「男の名前が二人も!?」

 

 雫が戦慄を覚えている。

 

「南雲君!?」

 

 そして、処女を喪失して挙げ句の果てに何度も中へ出され、とてもハジメに顔を見せられないと落ち込んでいた香織だが、やっぱり気にはなるらしく反応。

 

「ハジメと遠藤とは仲が良いんだよ」

 

 ハジメは仮面ライダー、他にもゲームや漫画や小説の話で盛り上がれる人材、遠藤浩介は地球に居た頃からステルス性能が凄まじいレベルで、ステルス・モモの技能でも付けたら無敗の間諜になれると、スカウトを目的に近付いたのだが、此方も割と話が合った。

 

 尚、ステルス・モモとは何処ぞの麻雀漫画に出てくるライバル高校のメンバーの一人で、麻雀をやってなくても消える恐るべき少女の事である。

 

「それに基本的にハジメとは仮面ライダーを観たり、漫画を一緒に読んだりとか遊ぶ事なんか多かったし、何よりハジメの両親である愁さんと菫さんの所では、一緒にアルバイトもしていたからな」

 

「アルバイト?」

 

「愁さんはゲームの会社で社長、菫さんは超人気少女漫画家だからな」

 

「そういえば!」

 

 香織はどうやら心当たりがあったらしい、

 

 谷口 鈴は割とジョークを言い合う仲で、優花程ではなくともそれなりに話す相手でもある。

 

 尤も、それで優花がやきもきしていたりするけど、ユートも気付きながら放置していた。

 

「ハジメがどうしているか判るか?」

 

〔ヘリーナから聞いた話では自室に籠っているとか。何かを造っているらしく、鉱石などを王宮の錬成師から幾つか分けて貰っているそうですわ〕

 

「へぇ、約束を守っているんだな。感心感心」

 

〔約束……ですか?〕

 

「ああ、とある物を完成させたら御褒美を上げようってね。きっと完成させる、アイツは普段はのんびりしているが、やる時にはきっちりやるからね」

 

〔それと……〕

 

 何だがリリアーナが言い淀む辺り、ハジメに何かがあったのかも知れない。

 

「どうした?」

 

〔恵里がハジメさんの部屋に入り浸っておりまして、その……二日程前になりますが、ヘリーナがメイドに聞いたらシーツがぐちゃぐちゃになり、赤い染みが……点々と〕

 

 明らかに事後である。

 

「それは……ハジメにおめでとうと祝福を贈るべき、なんだろうかねぇ」

 

 祝え! とか?

 

「相手は勿論……」

 

〔恵里です。その日から、彼女とハジメさんの距離感が縮んでいましたから〕

 

「そうか」

 

 中村恵里はユートから見ても可愛らしい容姿だが、腹に逸物抱えている腹黒さを見抜いていた。

 

 それさえ無ければコナを掛けたかも……と思う程度には悪くない容姿。

 

(天之河に好意を向けていた筈だが、何かの策略にしては処女まで捧げるのは、ちょっとやり過ぎだよな。天之河に捧げたい筈の処女を捧げてまで? 或いは、マジに惚れたのか?)

 

 ユートは鈍感難聴ではないから余程、上手く隠していない限りはだいたい好意の推移が判る。

 

 流石に白亜達、実妹やら親族のそれは判らなかったりするし、事実として白夜や白音や白雪といった好意を持ってくれていた、分家の女の子の好意に気付いてはいなかった。

 

「どうしてそうなったか、その過程とか判るか?」

 

〔何でもあの日、ユート様がオルクス大迷宮から戻らなかったあの時に、彼女はハジメさんに命を救われたそうです。勇者様は全く目もくれなかった中で彼だけが命懸けで〕

 

「そういう事か」

 

 ユートの調べでは彼女、中村恵里が天之河光輝へと好意を向ける理由は判らなかったが、恐らく『守る』関連で某かがあったのだ。

 

 だが、天之河光輝は中村恵里を護ろうとしなかった上に、ハジメが命懸けで護った事で彼女の中で何かしら働きがあり、天之河光輝に失望してハジメへ好意を懐いた……と考えられる。

 

(まぁ、ハジメはヘタレな処があるから中村恵里から迫ったんだろうな)

 

 大当たりだったと云う。

 

「他に報告は?」

 

〔数日後、勇者様方が再びオルクス大迷宮に挑むという話になりました〕

 

「残りの十数名でか?」

 

〔はい、全員参加が教会より義務付けられまして〕

 

「クズ共が!」

 

 ユートの聖教教会に対する好感度は、既にマイナスに振り切っていた。

 

 愛子先生が居れば作農師に遠慮して、教会としても無理は言わなかったろう。

 

 だが、この世界線に彼女はオルクス大迷宮の奈落の底であり、ユートも原典を識らないが故にどうにもならなかった訳だ。

 

 とはいえ、教会に見切りを付けるに丁度良い分水嶺となった。

 

〔報告は以上ですわ〕

 

「そうか。なら遠藤に伝えてくれないか?」

 

〔遠藤……確か浩介さんでしたか?〕

 

「教会を調べろ……と」

 

〔は、はぁ〕

 

 よく判らないが、ユートが言うなら伝えるまでだ。

 

 通信が終わり携帯伝話機のスイッチを切る。

 

「色々と動きがあったよ」

 

「あの、南雲君の話をしていたみたいだけど!」

 

「ハジメに彼女が出来た」

 

 ピシッ!

 

「……え?」

 

「御相手は中村恵里」

 

「え、恵里ちゃんがって、どうして!?」

 

 狼狽える香織にユートは『狼狽えるな小娘ぇっ!』とか、思わずやりたくなるのを押さえ付ける。

 

「あの日にどうやら命懸けで救われたらしい。帰ってからの中村はハジメに対して随分と世話を焼いているみたいだね。因みに二日前にはベッドイン」

 

「ぐふぅっ!?」

 

 処女喪失並のクリティカルヒットを喰らう。

 

 既にユートに処女を捧げてしまい、ハジメに会わせる顔が無いとか思いつつ、やはり好意を捨て切れない香織だったが、まさか彼女を作られるとは思いもよらず轟沈した。

 

「……白崎がハジメに告白して付き合っていた場合、僕は君から対価は取らなかったろう。ハジメは友達だから身内に入るしね」

 

「うう……」

 

「まぁ、仮に告白をしてもフラれた可能性が高かったんだけどな」

 

「なっ! 何で!?」

 

 これでもハジメに対して随分と心を砕いた心算で、好感度はそれなりに高いと思っていただけに、ユートの言葉は承服出来かねる。

 

「ハジメは学校で可成り、見縊られていたよ」

 

「それは知ってるわ」

 

 雫が答えた。

 

「故に、【二大女神】とか言われてる学校の人気者、白崎香織に構われているというのが、連中には許せない事だったんだろうね」

 

「そ、そんな……」

 

 香織の与り知らぬ所で、ハジメが疎まれていたとか言われて、驚いてしまうのは気付いてなかったから、はっきり言えば、アウト・オブ・眼中だったからだ。

 

 眼中に無い連中の気持ちなぞ、そもそも香織に解る筈もなかったのである。

 

「君が構う度に殺気を漲ぎらせる莫迦共、常に特に酷かったのが小悪党四人組のリーダーと天之河だった」

 

「小悪党四人組、檜山君達の事かな? それとどうして光輝君が?」

 

「小悪党四人組のリーダーは君に執心していたから、君がハジメに構うのが許せなかったのさ。天之河なら仕方ないと思っていても、ハジメを相手にするのなら自分でも良いと、手前勝手な事を考えていたみたいだからな。天之河は生粋からの厨二病でね、ヒロインとして君が傍に侍るのを当然としていた。後はサブヒロインとして八重樫を傍に侍らせたかった。とはいえ、自分でも無意識にやっていたみたいだがね。だから、白崎がハジメに構うとぐちぐちと言っていただろ? ヒロインが優しいから構うのだと思っても、面白くは無いから文句を言っているんだし、自然とハジメへの当たりはキツくなっているのは、小悪党四人組が虐めをしてもまるでハジメが悪いかの様に言っていた」

 

 これも雫は理解していたからか、苦々しい表情になってしまう。

 

 そう、ヒロインは香織で自分はサブヒロイン。

 

 侍るのが当たり前程度に思われていた訳だ。

 

「取り敢えず明日、階層を降りるから準備はしといてくれ」

 

 嘆く愛子先生と項垂れる香織、困った表情となってしまう雫に、ユート以外は現状で無関心なユエ。

 

 雫はそれでも嬉しかったのか、サソードヤイバーをゴシゴシと磨いていた。

 

 夕飯は香織が泣きながら作った物を食べ、シャワーも浴びると各々が自由行動という事になる。

 

 暫く座禅で精神修養をしていたら……

 

「あの、緒方君」

 

「どうした、先生?」

 

 愛子先生がバスタオル姿でやって来た。

 

「抱いて貰えますか?」

 

「そりゃ、先生達の役割はそうだから構わないけど、今夜は随分と積極的に来ているな」

 

「先生失格だとは解っていますが、やっぱり生徒達が死んだと聞いて頭の中が、ぐちゃぐちゃなんですよ。だから、今だけで良いですから忘れさせて下さい! 向こうと合流したら先生で居たいですから、今だけは貴方の女として嫌な事も、理不尽な事も全部忘れさせて欲しいんです……」

 

 涙の跡と赤く充血した瞳から、今まで泣いていたのは一目瞭然である。

 

 本当に忘れたい訳では無いだろうが、きっと本当に頭の中がぐちゃぐちゃになってパニックなのだ。

 

「良いよ、エッチな事しか考えられないくらい滅茶苦茶にして上げるよ」

 

「え、それはそれで困ってしまう様な……」

 

 だけどもう遅い。

 

「キャァァァッ!?」

 

 特設したベッドに押し倒され、愛子先生は只の愛子としてユートに抱かれてしまうのだった。

 

 愛子先生が抱かれてから二時間後、取り敢えず気絶した彼女は違う布団に寝かせておくと、今度は香織がやって来て顔を真っ赤にしたかと思うと百面相を始めたり、何だか忙しそうにしていたり。

 

「何してんだ?」

 

「ひゃわっ!」

 

 声を掛けられて吃驚したらしく、肩をビクッと震えさせて振り返る。

 

「あ、緒方君……」

 

「用事があって来たんだろうに、何で百面相なんかをしているんだ?」

 

「うっ!」

 

 視線がウロウロとあっちこっちを彷徨わせるけど、意を決したのか瞳を確りと前へ見据えた。

 

「抱かれに来ました!」

 

「……ハジメに彼女が出来たのが哀しくて、忘れさせて欲しい……とかか?」

 

「な、何で!?」

 

 そりゃ、さっき愛子先生が似た理由で来たからだ。

 

「ま、僕は抱けるなら理由は問わんよ。マグロじゃあ愉しくないし、色々と使わせて貰いたいしな」

 

「ふぇ?」

 

「折角だから色々と教え込んでやるよ」

 

「それはそれで困ってしまう様な……」

 

 二時間前にも愛子先生が同じ事を言っていた。

 

 という訳で言い訳は不要で押し倒す。

 

「うひゃぁぁぁっ!?」

 

 二時間後、今度は雫が。

 

「示し合わせて来てるのか君らは? ってか、八重樫はユエの後とか言っていなかったか?」

 

「順番、ユエさんに譲って貰ったのよ」

 

「まぁ、別に構わないが。八重樫は合流しないで付いて来るんだな?」

 

「ええ、私は貴方が好き。自分自身でも単純だと思うんだけどね。まさか幾ら、お姫様願望みたいなものがあったとはいえ、初めての相手だからって好きになるとか思わなかったわよ」

 

「普通は好きになってから抱かれるしな」

 

「強い力が欲しいと思ったのも確かなのよね」

 

「ジョグレス進化をして、今の状態な訳か」

 

「ジョグレス進化?」

 

「ジョイント+プログレスの造語だよ」

 

「進化はどっから来たの? 脈絡が判らないわ」

 

「デジタルモンスターってのが居てね、成長をすると進化と呼ばれる世代が上がる現象が起きる。通常進化の他にアーマー進化とか、ジョグレス進化が有るって訳だね」

 

「へぇ」

 

 よく解っていなさそう、というより興味も無いのかも知れない。

 

「ま、良いか。好きになってくれたのは割と嬉しい、やっぱり好意が有るか無いかは反応に違いがあるし」

 

「そ、そう? 優花とは……未だなのよね?」

 

「好意は持ってくれてる。だけど焦っても失敗するだけだからね、ゆっくり仲を縮めていこうと思ってた」

 

「優花ともスるのよね?」

 

「向こうが望めば……な。別にヤりたくて仲好くしている訳じゃない」

 

「そっか……私とヤるのは愉しい?」

 

「充分に美少女で胸も大きいし、肢体の線も女の子として美麗なんだ。愉しめなかったら嘘だろう?」

 

「ありがと」

 

 どちかともなく唇を重ね合わせて、グチュグチュと舌を絡ませていく。

 

 熟練の舌使いとはいかないまでも、まだ初々しさの残るこれも悪くない。

 

 一生懸命に舌を動かし、ユートの反応で色々と頑張っている様は、確かに愛情を感じたものだった。

 

 ユートの手が胸に触れ、愛撫を始めると更に舌が激しく絡み、身体を固く縮こませるのは慣れていないが故であろう。

 

 それから二時間が経ち、本人が言っていた通り気絶をせずに耐え切り、肢体の全てを使ってユートとの睦み合いを熟す。

 

 とはいえ、息も絶え絶えとなって紅い顔でグッタリとベッドに俯せ状態だ。

 

 ユートはその侭、雫を寝かせてやると特設シャワーで身を清める。

 

「……待ってた」

 

「そうか。どうして八重樫に譲ったんだ?」

 

「……ゆっくり時間を気にせず愛して欲しかった」

 

「成程な」

 

 次が待っている状態は、ユエとしてもせっつかれるみたいだったのだろう。

 

「……初めてだから」

 

「じゃあ、取り敢えず互いに確かめ合う事から始めてみようか」

 

「……ん、来て」

 

 再生の力が強いと行為の真っ最中に言われたけど、体力は確かに回復が凄い事になっている。

 

 それだけに割と遠慮する事無く、ユエの小さな肢体を存分に愉しめた。

 

 大きければ大きいなり、小さければ小さいなり愉しめるのだから、ユート的には身長も胸も大小に拘りを持っていない。

 

 ユエは確かに初めて。

 

 再生の力も流石に処女膜までは再生しないらしく、一度貫いてやったら二度目の破爪は無かった。

 

 とはいえ、再生力で破爪の痛みもすぐに治ったらしいから、即激しい動きをしても平気な様だ。

 

 それに見た目は一二歳でありながら、表情は妖艶で可愛らしさと淫靡さを併せ持つ為、ユートの下半身の分身は盛大にハッスルをしてくれる。

 

 数時間、タフなユエとは時間を確かに気にする必要も無く、ユートは彼女から奉仕を受けて充分に愉しませて貰うのだった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 仮面ライダーサソードとなり雫は、魔物との戦いに獅子奮迅の活躍を見せる。

 

 とはいえ、可成りマニアックなプレイまでさせられてしまい、実際は羞恥心から暴れていたに過ぎない。

 

 約束通りだから文句など言えないが、余りの恥ずかしさに朝食中はずっと俯いていた程だ。

 

 ユエも変身をして戦う。

 

 仮面ライダーサガに成って戦えば、使っている魔法の威力が増大する上に消費も抑えられるから便利だ。

 

「……ん、緋槍!」

 

 しかも、ユートと昨夜に【閃姫契約】を済ませて、恒星数個分の大容量エネルギーを扱える様になっているが故に、そもそも消費に関しては考えなくてもよくなっている。

 

 バンバン、最上級魔法を出鱈目に放っても御釣りがくるのだから。

 

 ジャコーダーを伸ばしたりして、武器としても普通に使っているユエ。

 

 サソードとサガのコンビだけでも、オルクス大迷宮の攻略は充分に過ぎた。

 

《KAMEN RIDE AGITO!》

 

 だからユートは基本的にカメンライドを色々使い、普段は余り使ってはいないカードも使っていた。

 

《FORM RIDE AGITO……FLAME!》

 

「はぁぁっ!」

 

 ディケイドアギトに変身して、更にフレイムフォームとなったユートはすぐに剣を使ってティラノサウルスに似た白い魔物を斬る。

 

「大した強さじゃないが、出てくる量がおかしいな」

 

「しかも、何か皆が花を咲かせてるわね」

 

「……可愛い」

 

 仮面ライダーとして戦う三人が口々に言う。

 

「こりゃ、寄生されているのかも知れないな」

 

「どういう意味?」

 

「状態異常に傀儡とか有るだろ?」

 

「まぁ、言わんとする事は判るわね」

 

「要はそれだよ。さっきから引っ切り無しに現れる、だけど法則性があるんだ。とある方向に向かおうとすると、ティラノサウルス擬きやラプトル擬きが増えている傾向があってね」

 

「つまり、其処へは行かせたくないって事よね」

 

「黒幕が居るって処だろ」

 

 ユートは検証の為に……

 

閃熱呪文(ギラ)!」

 

 まるでレーザー光線みたいなギラを放った。

 

 ピチュン! 根元から花が落ちたラプトル擬き。

 

「グルッ……グガァァァァァァァァッッ!」

 

 すると丸っきり親の仇と言わんばかりに、ラプトルが花を踏み潰し始める。

 

「な、何よ突然?」

 

 ラプトルの行き成り過ぎる凶行に、雫は呆然となりながら見守る。

 

「やっぱりな」

 

「……どういう事?」

 

「花が落ちたこの様子からして、どうやら操られていた間の意識も確りとある」

 

 ユエからの質問に答え、更に呪文の準備を始めた。

 

「喰らえ! 氷獄呪文(マヒャデドス)ッッ!」

 

 巨大な氷の刃が雨霰と、容赦無くラプトルモドキへと降り注ぎ、やはり爬虫類だったのか敢えなく全滅をしてしまう。

 

「……ユート、魔法も割と凄い?」

 

「これでも異世界で魔法使いが貴族をやってる場所で子爵位だったし、別の世界では賢者……と言っても判らないかな? 魔法使いと僧侶の呪文全般を扱う事をやっていたからね」

 

「い、異世界ですか?」

 

 愛子が震える声を出す。

 

「そ、異世界。僕にとって地球以外の世界とか珍しくも無いんだよ」

 

 異世界転移は何度も経験しており、それ処か異世界転生すらしていた。

 

「それで、どうするの?」

 

 雫が訊いてくる。

 

「今の内に黒幕の処まで、一気に駆け抜ける!」

 

 既に場所は掴んだ。

 

 余計な戦いはせず中ボスが居るだろう場所へ。

 

 幸い仮面ライダーなら、脚の疾さの値も当然高い。

 

 魔物を操る黒幕が只で行かせる訳も無く、ラプトルだけでなくティラノサウルスも嗾けてきた。

 

「凍獄っ!」

 

極大閃熱呪文(ベギラゴン)ッ!」

 

 それらは露払いとばかりにユートとユエ、魔法使いコンビの火力でぶっ飛ばして始末する。

 

 尚、ユートが斃した魔物は自動的に魔石が手に入っており、剥ぎ取りは現状では面倒だからやらない。

 

「此処が黒幕の本拠地か。ああ、変身は解除するな。恐らく魔物みたいに花を咲かせて操られるぞ」

 

「変身してたら操られないって事?」

 

「八重樫、正解だ。本物は兎も角として、此方は僕の想像した通りに創造する事が可能だ。状態異常なんて当たり前なデバフに対処をするのは寧ろ常識」

 

「常識とまで……」

 

 毒に麻痺に石化に混乱、傀儡化なんてのも経験している身としては、デバフに対抗処置をする必要性を感じるのは当然の話。

 

「問題は先生と白崎か」

 

「まさか、あの首輪で防げないって事?」

 

「可能性としてね。あれは可成り適当に造ったから。仕方がないからこれを貸すけど、合流したら返して貰うからな」

 

 香織と愛子先生に渡したのはガシャット。

 

「これは?」

 

「量産型の仮面ライダー、ライドプレイヤーに変身をするツールだ」

 

 香織かはの質問に答え、使い方の説明をする。

 

 何の事はない、スイッチを押すだけだった。

 

 スイッチを押す。

 

《KAMENRIDER CHRONICLE》

 

「変身っ!」

 

 電子音声後に再び押す。

 

《ENTER THE GAME! RIDING THE END!》

 

 また電子音声が響くと、二人は画一的な姿に地味な色をしたライドプレイヤーに変身した。

 

 

.




 そろそろオルクス大迷宮は締めたい処。


勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる
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