ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

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 先にアルファポリス様で碌に進まないながらもオリジンになる噺を投稿しました。

 まぁ、宜しければ読んで下さい。






第43話:蹂躙殲滅絶滅タイム

.

 ユートは土の壁を造り出してその上に立つ。

 

 始まる茶番劇とはいえ確りとやるべきなのだから、一世一代の舞台と云わんばかりにウルの町を見下ろした。

 

 サーチャーからの映像を空中に投影されたモニターに映し出し、マイクを浮かべてスイッチオン。

 

「諸君! ウルの町の諸君!」

 

 それは演説。

 

 ウルの町の民に向けた演説は、これからの布石の一つとなる。

 

「見ての通り、事前に通達していた様に魔物が数万規模でこの町に迫って来ている!」

 

 モニターを見れば明らかな為、ウルの町の住人は悲痛な面持ちとなっていた。

 

「だが、貴公らが悲歎に暮れる事など無いと敢えて言おう!」

 

 その科白にどういう事かとざわざわとざわめく人々。

 

「何故ならこのウルの町には貴公らを救うべく、動いておられる方が既に居らっしゃるからだ!」

 

『『『『おおっ!』』』』

 

「貴公らの為に心を砕き食を支えて下さる豊穣の女神、即ち愛子様である!」

 

「ふぇ!?」

 

 突如、名前を『豊穣の女神』という最近付いた二つ名と共に呼ばれた愛子先生は、ビクリと肩を震わせながら間抜けな声を出す。

 

「私は豊穣の女神たる愛子様を護る守護聖騎士、セイントである! 愛子様の命の下にウルの町を護る! 我が牙は牙無き者を護る為に、この身は命の盾となりて闘う者である!」

 

 何だかよく判らない住人だが、愛子のネームバリューはそれなりに大きくなり、顔を知らない町の人間は居ないくらいだ。

 

 そんな愛子を傍に演説をしているユートなれば、町の人間も信用をするしかあるまい。

 

 況してや、今現在の愛子は純白のドレスに腕や首や腰に品の良いデザインな金のアクセサリーを身に付け、頭にもまるでお姫様みたいなクラウンを着けており、本当に女神様と見紛う美しさだった。

 

 足りない身長は厚底なブーツで誤魔化し、ウィッグで長髪を演出している状態であり、仮面ライダーウォズの変身シーンみたいな感じにライトアップされ、キラキラと美しく魅せてくれている。

 

 愛子先生はそもそもユートが戻るなり、行き成り今の装備を渡されて着る様に言われて着替えて来たのであり、まさか豊穣の女神を強調する為だとは思わない。

 

 尚、デザイン元はユートが自らを聖騎士(セイント)と名乗っている事からも判る事だが、アテナ――城戸沙織のアテナ神殿に於ける正装だったりする。

 

 勿論、城戸沙織と愛子先生ではスタイルや身長が違い過ぎるので色々と変えてるが、愛子先生が映える形で作り上げていた。

 

 クリスタベルが……

 

 ユートは予めユーキから聞いていた『豊穣の女神』に関して名前を利用するべく、彼女に作農師として動く様に言ったのだ。

 

 曲がり形にも神と信仰されているエヒトルジュエ、前世では教会を味方に付けるべく動いたけど、国より力を持つ宗教とは斯くも面倒臭いものだから。

 

 そしていつか着せる日が来るだろうと確信して、クリスタベルに愛子先生用女神装束を依頼した。

 

 フューレンを出る際に受け取り今に至る。

 

 クリスタベルは嬉しそうに作っていたらしい。

 

 そしてこの晴れ舞台にユートは陽の目を見た衣装に大満足、実在に着替えて最初に見せて貰った際には、そんな場合ではないのにも拘わらず下半身が盛ってしまったくらいである。

 

 見せた本人は嬉しいやら恥ずかしいやら、真っ赤になってしまった訳だが……今は赤を通り越していて更に紅い。

 

(どういう事ですか!?)

 

 涙目になりつつ口パクして訊ねてくる程だ。

 

 打ち合わせらしい打ち合わせはしておらず、愛子先生には衣装に着替えて傍に立っている様に要請をしただけだった。

 

 愛子先生はユートを戦いに駆り立てた訳で、ならば責任を取れ……ではないのだろうが、やはりやるべき事はやって欲しい処。

 

 それがよもや女神推しだったとは愛子先生も思うまい。

 

「うばぁ……」

 

 何だか凄まじい『愛子様』コールを受け、遂に白目を剥いて気絶をしてしまう。

 

「ちょっと、優斗! 愛ちゃん先生が気絶しちゃったわよっ!? うわ! 魂が抜け掛けてる?」

 

「まだ〆が残ってんのに、仕方がない先生だなぁ」

 

 本人が聞いたら理不尽を感じたに違いない。

 

 ユートはクイックイッと念動力で愛子先生の身体を操作すると、『んっん!』……声色を作る。

 

『我が聖騎士(セイント)よ、貴方の力をウルの町の為に! 」

 

 香ばしいポーズを取らせつつ、腹話術で喋らせながらユートは片膝を付いて……

 

「御意の侭に」

 

 了承の意を示した。

 

「ウルの町の諸君! この剣こそが此度の戦で貴公らに勝利を約束するであろう!」

 

『『『『『ウオオオオオオオオオオオッッ!』』』』』

 

 ユートが一振りの両手剣を天高く掲げながら叫ぶと、呼応するかの如くウルの町の住民達がスタンディングオベーション。

 

「って、あれは【約束された勝利の剣(エクスカリバー)】!?」

 

「エクスカリバーって、アーサー王伝説に出てくる?」

 

「あ、ああ。だけどあれは寧ろ、【Fate/】シリーズに登場しているアルトリア・ペンドラゴンが使うエクスカリバーだぜ?」

 

 玉井淳史は存外と詳しかった。

 

 ユートが使うカンピオーネとしての権能、【麗しの騎士王(アルトリア・ペンドラゴン)】という。

 

 その能力はエクスカリバーを使うモノで、アルトリアが使っていた真名解放は元より、【ハイスクールD×D】に登場する七振りの聖剣エクスカリバーの機能を扱う事も可能とし、更には竜骨として得た鞘が【全て遠き理想郷(アヴァロン)】となっている。

 

 更に云えば、鎧の竜骨がその他の武器を扱う能力に変化した。

 

 即ち、【勝利すべき黄金の剣(カリバーン)】や【最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)】をも使える様になった訳だ。

 

 今回使うのは当然ながら聖剣としての真骨頂、即ち宝具としての最大攻撃たる真名解放である。

 

約束された(エクス)……」

 

 極光を湛えた剣を両手に持って振り上げた。

 

勝利の剣(カリバー)ァァァァァァァァァァァアアッ!」

 

 ユートの言霊を受けてエクスカリバーから湛えられた極光が、極太なる光の斬撃として煌めきを放ちながら振り下ろされた。

 

 その気になれば小惑星を分断、大都市を両断する耀ける斬光が魔物の群れを薙ぎ払い、約数千匹という全体から視ても膨大なる数を消し去ってしまう。

 

『『『『『ウオオオオオオオオオオオオオッッ!!』』』』』

 

 それをモニター越しとはいえ目の当たりにしたウルの町の住民達が歓声を上げる。

 

「見たか! ウルの町の民よ! これぞ愛子様より導かれた我が力――約束された勝利の剣也!」

 

 最早、年寄りなんかは涙すら流す勢いだった。

 

 玉井淳史は『まんまじゃねーか』と呟いている。

 

「さて、次々と往こうか」

 

 ユートは権能を解除して今度は魔法に移行。

 

「あれ? またエクスカリバーを使う訳じゃないのかよ?」

 

 それには優花が答える。

 

「同じ攻撃を作業的にやるより、違う攻撃でメリハリを付けるって言っていたわよ」

 

「マジかぁ? それってつまり、さっきのエクスカリバーみたいな規模の攻撃を複数持ってるって事なのかよ!?」

 

 それは正に恐るべき事実であったと云う。

 

 それに応えるかの如くユートが何やら叫びながら舞いらしきを動きに付け始めた。

 

「カイザード・アルザード・キ・スク・ハンセ・グロス・シルク……灰燼と化せ 冥界の賢者 七つの鍵を以て 開け地獄の門!」

 

「げぇぇっ!」

 

「な、何よ?」

 

「あれは……ハーロ・イーン?」

 

「ハロウィン?」

 

「ハーロ・イーンだよ! 【バスタード】って作品に出てくる強力な魔法だ!」

 

 説明の合間に呪文詠唱が完成。

 

七鍵守護神(ハーロ・イーン)ッッ!」

 

「マジにマジですか!?」

 

 ぶっ放された光線。

 

 異界の七門を開いて流れ込むエナジーを己が身を媒介に収束し、強大無比な破壊光線とする古代語魔法(ハイ・エンシェント)だ。

 

「ってか、確かあれって古代神の名前を羅列してるんじゃあ……」

 

 何故にこの世界で使えているのか甚だ疑問である。

 

「また数千匹が消えたわね」

 

 宮崎奈々が呟く。

 

 七鍵守護神(ハーロ・イーン)により魔物の群れが再び消える。

 

 最早、蹂躙でしかない。

 

「暗黒の玉座以て来たれ風の精霊 古き御力の一つ今その御座に来臨す 闇の王にして光の王 闇より出でて其を打ち砕く者」

 

「どっかで聞いた様な?」

 

 玉井淳史もすぐには判らなかったらしく、首を傾げて呪文詠唱に聞き入っていた。

 

(ソール) この(たなごころ)に来たれ」

 

「ま、まさか……【エルナサーガ】のアレか!?」

 

「アレって何よ?」

 

 菅原妙子が訊ねる。

 

「熱核系の魔法」

 

「熱……“核”……?」

 

「作中じゃ毒素扱いだったけど、謂わば放射能を残留させるんだ」

 

 詠唱が続く。

 

 【エルナサーガ】でヴァーリが使い、エイリーク王が『止めろ、この先は禁呪ぞ!』と叫んだ程に危険性が高い。

 

「万物に先立ち古き生まれの星の素子 此処に契約を重ね 舞いて精霊を遊ばす 寄りて寄りて星の力を示さん 今こそ我が敵の上に神の業火降らさん……」

 

 遂に完成してしまう詠唱。

 

熱核雷弾(シャーンスラーグ)!」

 

 そもそも、雷撃(ソールスラーグ)という魔法は強大な魔法力を持つ王族にしか使えないとされ、更に上の熱核雷弾は凡そ人の扱える範囲を越えている。

 

 前段階の火雷球でさえ山を吹き飛ばす威力、完全版の破壊力や範囲は当然ながら凄まじい。

 

「一気に二万は消えた!?」

 

 熱核雷弾が消える前に黒い塊が顕れた。

 

「まさか、マイクロブラックホール?」

 

 原典でも似た魔法で放射能を除去していたし、ユートも同様の措置を取ったのであろう。

 

 黄昏よりも昏きもの

 血の流れより紅きもの

 時の流れに埋もれし

 偉大なる汝の名に於いて

 我ここに闇に誓わん

 

「ま、魔王様? 魔王様はいったい何処!?」

 

「落ち着きなって。今度は何?」

 

 菅原妙子の質問に玉井淳史が語るあの魔法。

 

「【スレイヤーズ】に登場をする魔王シャブラニグドゥの力を借りた魔法だ! あれこそシャブラニグドゥが居ないと使えない筈!」

 

 【スレイヤーズ】の黒魔術とは高位魔族の存在力にアクセスし、力を引き出して扱う魔法であるが故に、当然ながら力の源たる魔族が居ないと成立はしない。

 

 例えば作中、魔竜王ガーヴが滅びた為に魔竜烈火咆(ガーヴ・フレア)が使用不可能となった。

 

 因みに、その時の事件に関わっていた冥王フィブリゾも滅びている為に、彼の力を借りた魔法も使えなくなっている。

 

 ならばユートはシャブラニグドゥの力を借りた魔法をどうやって使うのか? そもそも使えるのか? という話になるが……

 

 我らが前に立ち塞がりし

 全ての愚かなるモノに

 我と汝の力以て

 等しく滅びを与えん事を!

 

 問題無いと云わんばかりに詠唱を完成させた。

 

竜破斬(ドラグスレイブ)!」

 

 黄昏よりも昏く血の流れより紅い魔力の奔流が、消し飛ばす魔物達を混沌の海へと還していく。

 

「マ、マジかよ……」

 

 玉井淳史は戦慄すら覚えた。

 

「そろそろ随分と減ったみたいだがまだ万単位か。もう一撃くらい撃っとくかな」

 

 ユートは清水幸利を魔物と同時にピチュンしてしまわない様に、一万切ったら仮面ライダーで個体を潰しに行く予定だ。

 

 とはいっても時間が掛かる為、可成りの数をピチュンしておくのは必定。

 

「来い、ガタックゼクター! ハイパーゼクター! パーフェクトゼクター!」

 

 ユートが呼び掛けるとジョウントを通り、先ずはガタックゼクターがユートの手に納まる。

 

「変身!」

 

《HENSHIN!》

 

 ベルトを中心に装甲が拡がり、黒いインナーに青い装甲で赤い複眼を持つ仮面ライダーガタック・マスクドフォームになった。

 

「キャストオフ!」

 

《CAST OFF CHANGE STAG BEETLE!》

 

 マスクドアーマーが弾け飛び、中から現れたライダーフォーム。

 

 横に倒れていたガタックホーンが頭部に装着、ユートは右手へと新たにハイパーゼクターを取る。

 

「ハイパーキャストオフ!」

 

 カブトムシの角に当たる部位、スイッチとなるゼクターホーンを押し込むと音声が響いた。

 

《HYPER CAST OFF!》

 

 ハイパーキャストオフにより、モチーフがクワガタである証となるガタックホーンが巨大化して、胸部が内部にタキオンプレートを収納するガタックプロテクターに再構成、腕や脚のパーツも変化をして仮面ライダーガタックハイパーフォームとなる。

 

《CHANGE HYPER STAG BEETLE!》

 

 更に手にしたパーフェクトゼクターに集う黒いゼクター、それは本来の物とはまた別物たる三機のダークゼクターだった。

 

 再びゼクターホーンを押す。

 

《MAXIMUM RIDER POWER》

 

 そして青いスイッチから順番に四つのスイッチを押していく。

 

《GATACK POWER》

 

《DARK THEBEE POWER》

 

《DARK DRAKE POWER》

 

《DARK SASWORD POWER》

 

 ダークゼクターズの力が合わさり更なる音声が響く。

 

《ALL ZECTER COMBINED!》

 

 持ち手と刃の部位がガチャリと 90゜曲がり、それは剣の形から銃の形となる。

 

「マキシマムハイパーサイクロンッ!」

 

 引き金を引きながら叫んだ。

 

《MAXIMUM HYPER CYCLONE! 》

 

 パーフェクトゼクターはソードモードとガンモード、今では珍しくもない近接と遠距離の両方へと対応した武器、ソードモードだと【マキシマムハイパータイフーン】となり、ガンモードの場合は今回の【マキシマムハイパーサイクロン】という技になる。

 

 銃口から放たれるは渦巻く虹色の美しく凶悪なエネルギー砲で、魔物達を縦横無尽に原子崩壊させながら突き進んでいった。

 

 一万は消滅したであろう。

 

「良し、こんなもんだろう」

 

 ユートは満足そうに頷いて変身を解除した。

 

「残りは数千匹だ。個別に殲滅をしていくぞ!」

 

『『『了解!』』』

 

 ユートの【閃姫】達が応える。

 

 作戦上、ユートが先ずは 敵である魔物を一万以下にまで減らし、清水幸利をピチュンしない様にした上で、残りが一万匹を切ったら個人による殲滅戦へと移行する。

 

 

 減らす為の手段はユートが使うMAP兵器的な攻撃。

 

 それが【約束された勝利の剣】であり、【七鍵守護神】であり、【熱核雷弾】であり、【竜破斬】であり、【マキシマムハイパーサイクロン】だった訳だ。

 

 他にも使っていないだけで手段は幾らか有るが、エヒトルジュエが何らかの手段で視ているらしいとユーキから警告されていたし、全ては見せない方向性だった。

 

 仮面ライダーの最強形態も本来は見せない心算だったが、ガタックだけなら既に初期形態は見せていたから成ってみた。

 

 一応、ミレディ達【解放者】が大迷宮に使っている認識阻害法を聞いて、それを此方風にアレンジしたモノを常に展開はしてるが、エヒトルジュエの使徒リューンみたいなのが直に来れば、普通に見られてしまうであろう。

 

 認識阻害もどれだけ効いているかは判らない。

 

 雫がサソードヤイバーを右手に持ち、左手を横に伸ばしながら喚ぶ様に叫ぶ。

 

「サソードゼクター!」

 

 地面を掘り起こして顕れたのは紫主体の蠍型機械。

 

《STAND BY!》

 

「変身!」

 

 柄に当たる部位にサソードゼクターを填め込むと……

 

《HENSHIN!》

 

 電子音声と共にサソードヤイバーを基点とし、マスクドアーマーを含むインナーと装甲が装着。

 

 仮面ライダーサソードに成る。

 

 香織さ緑色のハートを模しているバックル――ジョーカードライバーを腰に据えるとベルトが伸長して装着。

 

「変身!」

 

《CHANGE!》

 

 リューンというエヒトルジュエの使徒を封じたハートスートのカテゴリーA、それを中央のスリットへと読み込ませた。

 

 電子音声と共にモーフィングが開始され、瞬時に白を基調としたカリスの姿……仮面ライダーリューンへと変わる。

 

 尚、直に戦った事すらある筈のミレディの精神衛生上から使徒の姿になるのは控えていた。

 

「ザビーゼクター!」

 

 右腕を天高く掲げて叫ぶシア。

 

 それに応えてザビーゼクターがジョウントを抜け、素早くシアの白魚の様な見た目にはパワフルとは思えない指が開かれる右手の中へと納まった。

 

「変身!」

 

 左手首のライダーブレスに填め込むと……

 

《HENSHIN!》

 

 ライダーブレスを基点にして装甲がシアを鎧っていき、仮面ライダーザビー・マスクドフォームと成った。

 

「……サガーク」

 

 ユエが喚ぶとサガークがフワフワと飛来、ユエの腰にベルトとして装着されるとジャコーダーを右のスロットへ挿し込み引き抜く。

 

「……変身!」

 

《HEN……SHIN!》

 

 キバット族とは違い人工モンスター故か、機械的な声で応えると【運命の鎧】と呼ばれる最初期に造られたサガを纏う。

 

 仮面ライダーサガと成った。

 

 雫、香織、シア、ユエは最早、既定の路線と云えよう。

 

《SHOT RIZER!》

 

「ミレディちゃんも往っくよ! あのクソ野郎共はぶっ潰す!」

 

《BULLET!》

 

 腰にはエイムズ・ショットライザーを装着したベルトを装備し、プログライズキーのライズスターターを押す。

 

 サイクロンライザーではなく、エイムズ・ショットライザーへと切り換えたのだ。

 

 因みに、指揮官の認証は必要が無いからゴリライズはしない。

 

 背面のライズスロットに装填。

 

《AUTHORIZE》

 

 展開してキーモードに。

 

《KAMEN RIDER KAMEN RIDER KAMEN RIDER KAMEN RIDER……》

 

 自己主張が激しいベルトの音声を聞きながらショットライズトリガーを引く。

 

「変身!」

 

《SHOT RIZE!》

 

 銃口から放たれるライダモデルを内包した【SRダンガー】が、一旦はミレディから離れながらもUターンしてくる。

 

「はぁぁっ!」

 

 それをミレディは殴り付けた。

 

《SHOOTING WOLF!》

 

 青と白を基調に赤いラインを持つ水色の複眼の仮面ライダー……仮面ライダーバルカン・シューティングウルフに変身をする。

 

THE ELEVATION INCREASES AS THE BULLET IS FIRED(放たれた弾丸の様に進化は加速する)! 》

 

「私も行くわ」

 

「優花っち?」

 

「何で優花まで!?」

 

 宮崎奈々と菅原妙子が訊ねてきた。

 

「私も【閃姫】として仮面ライダーの力を貰ったから」

 

「優花っち、それ本当?」

 

「うん。戦う義務は発生しないって言われたけどね、同じ【閃姫】として遅れを取ってるから。役に立たないと香織達に申し訳が無いわよ」

 

 それも含めて義務は無いが、やはり心情的な圧力は加えられそうだったのもあるだろう。

 

 勿論、香織達が圧力を掛けるなんて事はしたりしない。

 

 この場合の圧力とは罪悪感。

 

 オーク貴族ではあるまいし何もせず優遇を受ける、あの厚顔無恥とは違い優花に耐えられる筈も無いのだから。

 

「キバーラ!」

 

「は~い、ウフフ」

 

 小さな白色を基調にした蝙蝠が飛来、優花はキバーラと呼ばれた蝙蝠を右手の指先で摘まんで掲げると叫んだ。

 

「「変身!」」

 

 キバーラと共に変身コールし、その姿は仮面ライダーキバの面影を持つ白に紫のアーマーを持ち、赤い複眼の仮面ライダーキバーラへと姿を変えた。

 

「仮面ライダーキバーラ!」

 

 園部優花が選んだのは即ち……仮面ライダーキバーラだった。

 

 他に比べて出遅れた感があった優花だったが、それならばユートが仮面ライダーディケイドである事を鑑みて、作中のヒロインである光 夏海が仮面ライダーキバーラに変身したのを参考にして、優花も仮面ライダーキバーラに成るのを考えたのだ。

 

 まぁ、光 夏海はなんちゃってヒロインだったりするのだが……

 

「では、妾もやるかのぉ」

 

 長い黒髪を風に棚引かせているスイカみたいな胸を、黒い着物に隠す金の瞳な妙齢の美女が黒くて四角い物を手に立ち上がる。

 

「主殿、有り難く借り受けよう」

 

 禍々しい龍の紋様を描くそれ、即ちカードデッキをバッ! と前に突き出すと、ティオ・クラルスの腰にベルトが顕れた。

 

 龍騎系仮面ライダーが扱うそれは本来は、鏡かそれに準ずる映すモノが必要となるのだが……

 

「変身!」

 

 ユートが造ったそれは鏡などは必要とせず、カードデッキを掲げればベルトが顕れる仕組みだし、ミラーワールドに行かなくても戦いを行えた。

 

 オリジンでもミラーワールド外で戦えたのだけど、此方は始めから外での戦いを前提にしてある。

 

 カードデッキを左側のスロットからVバックルに装填、仮面ライダードラゴンナイトと同じ要領でデッキがバックル内部で回転し、ティオ・クラルスの姿を禍々しいまでの黒い竜の騎士へと変えた。

 

「仮面ライダーリュウガ、参上」

 

 東洋龍みたいなドラグブラッカーと西洋竜なティオ・クラルス、形こそ違え同じ漆黒のリュウ繋がりで緒方優雅が持つ仮面ライダーリュウガのカードデッキをティオ・クラルスに貸し与えている。

 

「ふむ、中々に悪くないのぉ……我が戦いを篤と御覧じると良い!」

 

 

 人型のティオ・クラルスの戦闘は基本的にユエに近い。

 

 【ハイスクールD×D】世界的な言い方ならば、パワータイプのウィザード――リアス・グレモリーに近いといった感じだ。

 

 因みに、リアスの兄のサーゼクス・ルシファーはテクニカル寄りのウィザードである。

 

「さぁ、実験を始めようかって……別にビルドに変身する訳じゃないんだがな。そうなると『何かイケる気がする!』が正しいのか?」

 

 これからユートが変身するのは仮面ライダーシンオウ、仮面ライダージオウの色違いである。

 

 今回は前回の仮面ライダーWとはまた違う実験をしたい。

 

 その為の仕込みはユーキ経由でしてあり、後は変身をするだけの状態にまで持ってきている。

 

 やる事は正しく実験だ。

 

《ZIKU-DRIVER!》

 

 装着されるジクウドライバー、手にはシンオウライドウオッチ。

 

 ウェイクベゼルを90゜回転、レジェンダリーフェイスが現れて能力がアクティベーションされ、ライドオンスターターを押したら電子音声が鳴り響く。

 

《SHIN-O!》

 

 D´9スロットにライドウオッチを装填、ライドオンリューザーを押してロックを解除、ジクウドライバーのメインユニットのジクウサーキュラーを回転させた。

 

「変身!」

 

 装填が成されたライドウオッチのデータをロード、ジクウマトリクスに伝達される仕組みだ。

 

《RIDER TIME……KAMEN RIDER SHIN-O!》

 

 変身したのは仮面ライダージオウの色違い故に、色以外は基本的にジオウとの変わりはない。

 

 ザイトウインドーに表示されるのは……2008。

 

 ユートが初めてシンオウに変身した西暦を示していた。

 

 古代ベルカ時代に造ったはみたものの、最終的にファイズへ変身するだけで終わってしまう。

 

 結局、まつろわぬイングヴァルトが顕れるまで使う事も無くて、死蔵されていたジクウドライバーとライドウオッチ。

 

 西暦二〇〇八年、ミッドチルダの新暦なら五九年にまつろわぬ神として顕れたクラウス・G・S・イングヴァルトとの闘いに於いて解禁をされたのである。

 

 ユートはもう一つのライドウオッチを取り出し、トライアングルスターターを押してやった。

 

《SHIN-O TRIANGLE HEART!》

 

 左側のD´3スロットに装填してユナイトリューザーを回す。

 

《SHIN-O!》

 

《STERN!》

 

《HOMURA!》

 

 ジクウサーキュラーを回転。

 

《RIDER TIME KAMEN RIDER SHIN-O!》

 

《TRIANGLE HEART TIME!》

 

 光が収束されて照射。

 

《MITTHU NO TIKARA KAMEN RIDER SHIN-O! STERN! HOMURA! TRIANGLE TRIANGLE HEART!》

 

「仮面ライダーシンオウ・トライアングルハート!」

 

 見立てという言葉が有るけど、似せて造られたからかユートが想定しない形態、【トライアングルハート】となったシンオウ。

 

「久し振りだな二人共」

 

「はい、久し振りですね」

 

「ホント、久し振りなんですよ」

 

 仮面ライダーシンオウ・トライアングルハートの内部、其処にはユートとシュテルとほむらの三人が揃って立っている。

 

 ユートとシュテルとほむらは、古代ベルカ時代に跳ばされてしまって後の聖王オリヴィエと覇王イングヴァルト、黒のエレミアたるヴィルフリッドと友誼を結んだ。

 

 暫くは平和で周囲が戦争しているなんて思えない程、だからと云わないがオリヴィエやヴィルフリッドとの仲は可成り良かったし、クラウスとも切磋琢磨をする仲で悪くは無かった。

 

 時折、メイドと仲好くするからオリヴィエ達に追い回されたり、ヴィルフリッドとエロイベントが起きて、『花恋姉!』と絶叫してしまったり色々と愉しい日々。

 

 あの運命の日に……オリヴィエが 揺りかごの聖王となる決意と共にクラウスを倒して出て行った時、ユートとシュテルとほむらは聖王の関係者から拘束され、ヴィルフリッドは小旅行で居なかった。

 

 決定的に歯車が違えてしまい、シュトゥラからユートは三人を伴い居なくなり、戦争の被害者達を集めて小さな領主となって戦争に関わり始める。

 

 それは戦争でも捨て置かれていた小さな自治国の姫君を助けたのが切っ掛け、“最初の”【真王妃】とも云える美しい少女。

 

 其処から始まる【真王】ユートの台頭から、“三人”の【真王妃】と顧問戦技官ヴィルフリッドによる真王国の興り。

 

 真王ユートと真王妃シュテルと真王妃ほむらがファイズ系仮面ライダーとなり、顧問戦技官であるヴィルフリッドが鍛えた闘士(ヴァール)が一丸となり、世界に楔を打ち込む事となった。

 

 だが、人々は知らない。

 

 実は最初の真王妃リルこそヤバいまでの存在だった……と。

 

 小自治国家でしかない其処を、ずっと小さな少女領主が護り続けられた意味と、仮にも貴族だった彼女があっさりとユートを引き込んで王妃の位置に就いた意味を。

 

 後の世のアシュリアーナ真王国の、第一真王妃【神異】リルベルト・ル・ビジュー・アシュリアーナ。

 

 嘗て、ユートがその世界にて出逢い……とある秘術で転生をしていたその世界の主人公の母親にして超重要人物。

 

 転生後も魔導力は備えた侭で、再会の約束とその時こそ【閃姫】となる契約を果たすべく、未だに一二歳の身体で超頑張ったのだ。

 

 だから今でも真皇国の国号とはアシュリアーナだし、ユート達が居ない本国を政務と軍務の双方を司り護ってもいた。

 

 姉のラルジェント・ル・ビジュー・アシュリアーナと共に……だ。

 

「実験は成功したな」

 

「聞いた時には驚きましたが」

 

「確かにトライアングルハートなら時間軸さえ飛び越えるものね」

 

 この辺はジオウ・トリニティとも変わらない能力、故に上手くいくのでは? と考えたのだ。

 

「では、報酬は後でたっぷり可愛がって頂くとして……」

 

「今は再会を邪魔する無粋な魔物を狩りましょう」

 

「殲滅タイムだな」

 

 シュテル、ほむらの言葉を受けたユートがニヤリと口角を吊り上げながら言う。

 

 そして動き出す仮面ライダーシンオウ・トライアングルハート、それと同時に【閃姫】達も殲滅に動き出すのであった。

 

 

.




 魔物はまだ数千くらい残っているので個人戦に移行しました。

 仮面ライダーシンオウ・トライアングルハート……仮面ライダージオウ・トリニティの色違いであり、名前はリリカルなのは主体世界だったからだと思って下さい。

 トライアングルが片仮名だけど。


勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる
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