ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

45 / 129
 ちょっと遅れました。





第44話:自由と平和の守護者となって

仮面ライダーシンオウ・トライアングルハートとなって駆け出すユートにつづく形で、仮面ライダーサソードに仮面ライダーリューンに仮面ライダーザビーに仮面ライダーバルカンに仮面ライダーサガに加え、仮面ライダーキバーラと仮面ライダーリュウガが魔物に向かって行く。

 

 その偉容は敵なら恐怖しか沸かないが、味方なら頼もしい限りというより他はない。

 

「ヘイセイバーはちょっと趣味じゃないからな」

 

 基本装備もジオウ準拠な為に、シンオウ・ディケイドアーマーから新たにヘイセイバーを扱える様になったが、煽ってんのか? と云わんばかりに音声が酷く凄まじいまでにウザかった。

 

 HEI SEI! HEI SEI! HEI SEI! とか煩い事この上なかったし。

 

 平成をどんだけリスペクトしているのか? しかも聞いた敵からは『HEY! HEY! HEY! って、バカにしてんのか!?』と言われた。

 

 HEISEIであってHEY! HEY! ではないのだが、『パンツめくれ』みたいな空耳なのだろう。

 

 因みに、余りにもウザいから一回しか使っていなかったりする。

 

 ディケイドライドウオッチも、超針回転剣ライドヘイセイバーも……前者は普通にディケイドへと変身をすれば良いだけだったし、後者は前述をした通り使うには喧し過ぎだったからだ。

 

 故にユートはサイキョーギレードで闘っている。

 

 正確にはジカンギレードを左手に二刀流の状態だ。

 

「はぁっ!」

 

  ユートの【緒方逸真流八雲派双刀術】が魔物を斬り伏せる。

 

 ユートが使う元々の技は【緒方逸真流宗家刀舞術】で、狼摩白夜から【緒方逸真流狼摩派鉄扇術】を習い、更に二つの技を活かす為に【緒方逸真流八雲派双刀術】を八雲白迦から習っていた。

 

 ユート――仮面ライダーシンオウ・トライアングルハートの攻撃は高いが、それを飛び越える程のステータス値が魔物を情け容赦無く屠っていくものの、如何せん数が莫迦にならないから時間はどうあっても掛かる。

 

「ユート、分散した方が効率的だと具申しますが?」

 

「そうだな。召喚は二日間くらいなら維持も出来る。シンオウじゃなくファイズで往こうか」

 

 ユートはジクウドライバーを外して三人に分散する。

 

「え、何かアニメで観た感じの娘が二人も出てきた?」

 

 驚く玉井淳史。

 

 短い栗色の髪の毛に蒼い吊り気味な目、そして変身していないからバリアジャケット姿にルシフェリオンを持っている、星光の殲滅者たるシュテル・スターク。

 

 長い黒髪を二本の三つ編みに、赤色のリボンで結わい付けついる眼鏡っ娘、そして学校の制服でも通じそうな魔法少女ルック。

 

 所謂、【メガほむ】である。

 

 アニメとは少し違うルートを通ったらしく、まだユートと出逢った頃はこの姿であったが故に鹿目まどかがアルティメットまどかになる事も無く、ユートがワルプルギスの夜を叩き潰した挙げ句の果てに魔法少女のデメリットを粉砕してしまい、きゅうべぇを追い出してしまったユートに付いて行く決意をしたのがこの世界のほむらだったりする。

 

 結果としてユートとシュテルと古代ベルカに跳ばされてしまい、四苦八苦をしながらもシュトウラ国でクラウスの庇護を受けた。

 

 クラウスが覇王の道を往く事になった後、アシュリアーナ公国に流れて闘いを決意したほむらは、アシュリアーナ公女リルベルト・ル・ビジューと共にユートを王としたアシュリアーナ真王国の王妃となり、シュテルを含む三人にて寵愛を受けてきたのである。

 

 リルベルトは未だに彼方側だったが、この場には【黄昏の魔女】と【暁の魔王】が揃っている。

 

 転生前と同じく【神異】の二つ名を持ち、魔導力をも操る魔導士(ラザレーム)である事も変わらないリルベルト・ル・ビジューは、ある意味で最強の嫁でもあったが、それが故に戦わせる事に躊躇いもあった。

 

 実際にリルベルト・ル・ビジューとギネビィア・ハフェ・シエルの闘いを視ていた身としては、あれを再現させる事は恐怖しかないのだろうから。

 

 仮令、彼の本が既に彼女の中に存在しないのだとしても、それは彼女があの力を振るえない理由にはならないのである。

 

 ユートとしては、大人しく政務と軍務をしつつ午睡でも愉しんでいて欲しい。

 

 だから喚ぶのは基本的にこの二人だけで、ユートも含めた仮面ライダーとして闘う。

 

 三人はそれぞれ、ユートがファイズドライバーを、ほむらがカイザドライバーを、シュテルがデルタドライバーを腰に装着。

 

 ユートがファイズフォンを開いてコードを入力していく。

 

 【5】【5】【5】【Enter】……

 

《STANDING BY》

 

 ほむらもカイザフォンを開いて変身の為のコードを入力。

 

 【9】【1】【3】【Enter】……

 

《STANDING BY》

 

 最後にシュテルがデルタフォンを口元に近付けて変身コードを音声入力、それと同時にユートとほむらも同じ言葉を叫んだ。

 

「「「変身!」」」

 

《STANDING BY》

 

 ユートがファイズドライバーに、ほむらがカイザドライバーに、シュテルがデルタドライバーにそれぞれのフォンを挿し込む。

 

《COMPLETE!》

 

《COMPLETE!》

 

《COMPLETE!》

 

 ドライバーから各々の色のフォトンブラッドが血流の如く流れ、その身体にはインナーとアーマーを纏わせていく。

 

 古代ベルカ時代、真王として列強たる王と闘った仮面ライダーファイズ。

 

 真王妃としてファイズと共に戦場を駆け抜けた【黄昏の魔女】仮面ライダーカイザ。

 

 同じく【暁の魔王】と呼ばれ怖れられながら闘った仮面ライダーデルタ。

 

 今此処、トータスの地にアシュリアーナ真王国の真王と王妃が降り立った。

 

 ユートがシンオウ・トライアングルハートに変身したのは飽く迄も実験で使っただけだし、あっさりと鞍替えをしたのは当然であったから仮面ライダーファイズとして立つ。

 

 ファイズが手にするのは赤い閃光を湛えたファイズエッジ、本来はオートバジンのグリップとして装備されているが、ユートはいつでも使える様にアイテムストレージに仕舞い込んである。

 

 斬っ、斬っ! と連続して魔物を斬り裂いていた。

 

 カイザはカイザブレイガンで、ガンモードにして撃っていた。

 

 元々、魔法少女となっても魔力が低くて魔法に頼れなかった為、ほむらはとある事務所とか色々と銃器などを拝借し、それで魔女や使い魔などを斃してきたのだ。

 

 どちらかと云えばブレイドモードよりガンモードが使い易い。

 

 更に本来のカイザには存在しない左腕の盾、これは魔法少女としてのほむらの装備品だ。

 

 これを使えば時間関係の魔法をある程度だが使用可能。

 

 しかも今のほむらは【閃姫】だから、魔力量という問題は無いと言っても良いだろう。

 

 デルタが持つのはフォンブラスターではなく、ルシフェリオンと呼ばれる魔法杖だった。

 

 高町なのはを基礎とするからにはやはり、高町なのはと同じ能力だという事が大きいのだろう。

 

 ルシフェリオンにより放たれる魔法こそが、シュテル・スタークたる仮面ライダーデルタの戦い。

 

 炎熱変換された魔力が飛んで、魔物を一匹また一匹と屠る。

 

 迅さではフェイトを基礎とするレヴィに劣るが、それもユートとの【閃姫契約】により能力値が大幅に向上する事で補えている。

 

 攻撃力は申し分ないし、防御力もなのはと同じタイプなバリアジャケットで、相当に硬いのがウリだと云えた。

 

 そして未だに本領を発揮していない仮面ライダーサソード。

 

 それはザビーも同じくだ。

 

 カブト系仮面ライダーはホッパーや劇場版の三ピカは除くけど、防御力の高いマスクドフォームと機動力に優れて必殺技をも使えるライダーフォームが有り、当然ながら単純な火力はライダーフォームの方が上だ。

 

 パンチやキックの力はマスクドフォームが高いが、必殺技を使えるのやジャンプ力や機動力が高いのが大きいとも云える。

 

 何より仮面ライダーカブトの敵たるワーム、コイツらも蛹形態から脱皮(キャストオフ)して特殊な能力であるクロックアップが使用可能となる。

 

 それに対抗するのがライダーフォームという訳だ。

 

 それでは何故使わないのか? それは必要が無いから。

 

 この魔物共は蹴り兎や二尾狼、良くて爪熊くらいの性能。

 

 そんな雑魚を率いる小ボス型も精々がベヒモス程度。

 

 仮面ライダーの能力は初期値が低めに設定されているクウガでさえも、蹴り兎や二尾狼や爪熊など雑魚に過ぎないし、ベヒモスとてグロンギ族の【ズ】にすら圧倒的に劣る程度でしかなかった。

 

 況んや、飛べないとはいっても【ゴ】ならエヒトの使徒を大幅に

上回るであろう。

 

 ならばこの様な群れですらない有象無象な魔物、ライダーフォームに成るまでも無いからキャストオフしないで戦っていたし、シアからしたらマスクドフォームでも機動力は確保が出来ており、アイゼンⅡを振り回せば充分だったのである。

 

「コイツら確かに真オルクスでの蹴り兎か二尾狼くらいね」

 

 サソードヤイバーで斬り裂きながらも独り言ちる雫。

 

「おらぁ! だっしゃらぁぁぁぁぁぁぁぁあっ! ですぅ!」

 

 シアは何なら余裕すらあった。

 

 仮面ライダーカリスの色違い、黒が基本なカリスとは逆に白が殆んどな鎧やインナー、仮面ライダーリューンな香織はリューンアローで中距離攻撃、近付かれたならばリムの部分で斬る近接攻撃。

 

 オリジンたるカリスと同じ戦い方をしているが、実は大して披露はしてないけど使徒のリューンも同じ戦い方だったりする。

 

「はっ、はぁっ!」

 

 距離に余り関係無く安定して戦える強味、更にはリューンだからこそ持つのが飛行能力。

 

 使徒リューンは普通に飛べた、それが仮面ライダーにも反映されているらしい。

 

《MIGHTY!》

 

「グラビティシュート!」

 

 ワイルドベスタの【MIGHTY】を使った必殺技、志村純一が変身する仮面ライダーグレイブと同様のものであるが、技の見た目からどちらかと云えばラルクか?

 

「……【蒼天】」

 

 仮面ライダーサガに変身をしたユエは、魔法によるごり押し戦法が変身前以上に目立つ。

 

 仮面ライダーサガになってMPが増大するのもだが、【閃姫】となって魔力値も上がっている

 

 というより【閃姫】となってからは外付けMPが有るが故にか、全くMP残量を気にせず魔法を撃てるのが良い。

 

 あのエネルギータンクは【閃姫】が増えれば容量も増す。

 

 現在は恒星が四個分のエネルギー量だが、この恒星とは地球に於ける太陽の事ではない。

 

 アンタレスレベルの大きさだ。

 

 はっきり云えば、全【閃姫】が一斉に最上位魔法を二四時間体制で毎分撃ったとしても、決して枯渇する事がない程であった。

 

 それこそ、【腐蝕の月光】アーデルハイトが火星の全域をテラフォーミングしても、余裕で有り余るくらいの容量であると云う。

 

  ユエがミレディ――仮面ライダーバルカンに併せる形で魔法を放つ。

 

「ミレディちゃんの必殺技を喰っらえぇぇぇっ! 【炎凰】!」

 

「……【雷龍】!」

 

 二人はライバル的な関係を持ちながらも、割と仲が良くて師弟な関係にもなっていた。

 

 その関係で魔法談義に花咲かせる事も多く、そうなると魔法好きなユートは兎も角として他の者は付いて行けなくなる。

 

 二人の放った魔法は通常魔法の最上級魔法と重力魔法の複合技であり、【炎凰】は火炎の最上級と重力魔法の複合でカイザーフェニックスみたいな火の鳥が飛翔して敵を焼き尽くし、【雷龍】は雷撃魔法と重力魔法の複合技だった。

 

 尚、【炎凰】も【雷龍】もオリジナル? はユートが見せてやったカイザーフェニックスとサラマンドラバーンという、炎の魔法をアレンジしたモノを二人が自分なりに解釈して重力魔法と通常魔法を組み合わせたものだったり。

 

 本当のオリジナルは前者となるのが【DQダイの大冒険】に於ける大魔王バーンの必殺技であり、後者が【輝竜戦記ナーガス】の主人公たるナーガスの必殺技だ。

 

「流石は【解放者】のリーダーに吸血姫よな。では妾も往くぞよ」

 

 仮面ライダーリュウガとなったティオ・クラルスは、バルカンとサガの魔法を見て気合いを入れ直すと自らの魔法を放つ。

 

 まぁ、普通に上級魔法だ。

 

 契約をした訳では無いので飽く迄もティオ・クラルス本人の力量による魔法、仮面ライダーリュウガは仮面ライダーサガとは違って身体能力が伸びるタイプだから、ティオ・クラルス自身の魔力値は特に上がったりしない。

 

 ユートの仮面ライダーは身体系と魔法系、どちらかが伸びる或いは半々などでどちらも伸びるという能力の向上が成される。

 

 例えば、龍騎やタイガやナイトやリュウガが身体系、ファムとか意外かも知れないがゾルダが魔法系である。

 

 仮面ライダーオーディンは最強を目指して、どちらも二倍で上がる辺り徹底していた。

 

 つまりは、ティオ・クラルスの場合だと魔法より肉弾戦こそ本領を発揮するのである。

 

「ふん、埒が明かんの」

 

 ティオ・クラルスがバックルに装填をされたカードデッキから、一枚のカードを引き抜いて左腕に装着された暗黒龍召機甲ブラックドラグバイザーへ装填。

 

《ADVENT》

 

 本来だと契約カードが変化した召喚カード、とはいってもユートの造った仮面ライダーであるが故に始めから召喚カードとして構築をされていた。

 

 そう、召喚カード。

 

『グワァァァァァッ!』

 

 何処からともなく顕れたるは、暗黒の長い巨躯を持つ蛇の様な龍――暗黒龍ドラグブラッカー。

 

「征くのじゃ、ドラグブラッカーよ! 愚昧なる魔物共を焼き尽くし喰らい尽くすが良い!」

 

 主命に従いドラグブラッカーが暴れ始める。

 

 本来の主は優雅だが、本人が貸し与えたからドラグブラッカーも仮初めの主たるティオ・クラルスに従っている。

 

 ユートがドラグレッダー、優雅がドラグブラッカー。

 

 優雅はユートの影故に役割的な感じで主となったが、滅多に表に出ない優雅は持っていても余り意味が無いからと貸した。

 

 その恐るべき黒炎のブレスと牙や爪が、魔物を蹂躙していく姿はどちらが敵か判らない程。

 

 しかもドラグブラッカーは魔物を牙で咬み千切り、咀嚼をしている事から本当に喰らっているのがよく判る。

 

「あのデカイのが主殿が言うておった小ボスじゃの」

 

 再び引き抜かれるカード。

 

《FINAL VENT!》

 

 黒い龍の顔を思わせるクレストが描かれたカード、それは必殺技を発動する為の物だった。

 

 ドラグブラッカーがリュウガの周囲を飛び、リュウガ本人は浮かび上がる様に空中を翔ぶ。

 

「はっ!」

 

 回転しながらドラグブラッカーの前に、巨大な口を開いたドラグブラッカーの黒炎を背中から受ける形で左脚を前に蹴りを放つ。

 

 龍騎と同じくドラゴンライダーキック。

 

 小ボスと周囲を侍る雑魚が一緒くたに消し飛んだ。

 

 仮面ライダーキバーラと成った園部優花、腰に装備されている剣は抜かず別口で太股に装備をする【回帰の短剣】を投げ付けたり、キバーラから供給される魔皇力を物質化させた投擲用短刀を投げ付けていた。

 

 特に投擲用の短剣はエミヤ的な投影魔術みたいな代物ではなく、一般的な投影魔術のアイテムに過ぎない為に無くそうが壊れようが惜しくもなく、故に刺さった短刀にとある術を施してある。

 

「ランブル・デトネイター!」

 

 パチンと指を弾くと短刀に魔法陣が顕れ、その瞬間に爆発を起こして魔物を破壊していく。

 

 IS(インヒューレント・スキル)ランブル・デトネイター。

 

 【魔法少女リリカルなのはStrikerS】に登場するジェイル・スカリエッティなるマッドに造られた戦闘機人、数の子と揶揄されるNo.5に当たるチンクが使っていた先天技能である。

 

 先天技能(インヒューレント・スキル)の名が示す通り、戦闘機人のそれは後天的に発現しないもの。

 

 だけどユートは上手く手にする事に成功をした。

 

 レジアスを味方に付けただけでは原典の流れが変わらないのか、ゼスト隊は捜査をした場所で戦闘機人に襲撃され、原典通りになりそうだったのをユートが逆襲撃をかましてやる。

 

 ゼストは手遅れ、然しチンクと戦っていたクイント・ナカジマと別の場所で戦っていたメガーヌ・アルピーノは確保、チンクも倒して秘密基地に連れ帰った。

 

 敵対者に容赦しないユートは、チンクの幼い肢体をタップリと嬲ってやり、何度もイカせてやった挙げ句の果てに実験だと称して念能力の【模倣の極致(コピー&スティール)】を使ったのだ。

 

 果たして彼女ら戦闘機人のISをコピれるのか?

 

 大概の能力系なら上手く盗れる筈だからと一際、盛大にチンクを 絶頂させてやり彼女の技能を閲覧した結果、ランブル・デトネイターを発見したから簒奪した。

 

 模写ではなく簒奪だったから、チンクは処女と共にISを喪失する羽目に陥る。

 

 ユートは自らが扱える能力を、インストール・カードとして創り出せる為、【ランブル・デトネイター】と無駄に凝った豪奢な装飾と共に書かれたカードを創出し、それを優花に渡してやったのだ。

 

 魔皇力で創ったとはいっても、この短刀が金属なのは間違いないからか、上手くランブル・デトネイターが発動していた。

 

「どうやら上手くやってるみたいだな」

 

 ユートは満足そうに頷く。

 

「そろそろ終わらせよう。先生のオーダーも熟さないとな」

 

 即ち、清水幸利の捕縛。

 

 ユートの中ではとっくに清水幸利が犯人で固まっている訳だが、これは勇者(笑)みたく思い込みや御都合解釈では決してない。

 

「私達も終わらせましょう」

 

 ブラスターモードなデルタフォンを腰から外すシュテル。

 

《READY》

 

 バックルのミッションメモリをデルタムーバに当たる部位の上部スリットに装填すると、ポインターモードへと切り替わる。

 

「チェック!」

 

《EXCEED CHARGE!》

 

 ピピピピピと軽めの音を響かせてベルトのバックルからフォトンブラッドが、ポインターモードなブラスターへとチャージされた。

 

 引き金を引くと三角錐状のポインターが放たれ、巨体な魔物の動きを制約してしまう。

 

「ルシファーズハンマー!」

 

 抑揚の無い声で放つドロップキックこそ、必殺技のルシファーズハンマーで威力は24tと云う。

 

『グギャァァッ!』

 

 Δの紋様と共に赤い炎に包まれ灰となって崩れ落ちた。

 

 オルフェノクではないが……

 

 ほむら=カイザも腰の後ろ部分に装着された双眼鏡、カイザポインターを外して……

 

《READY》

 

 カイザフォンに付いたミッションメモリを装填、ポインターモードに変形させて右脚に装着。

 

《EXCEED CHARGE!》

 

 カイザフォンの【Enter】キーを押すと、フォトンブラッドがカイザポインターへと流れていく。

 

 脚を魔物に向けると、円錐状のポインターが拘束してしまう。

 

「はぁぁぁっ! ゴルド……スマァァァァァッシュ!」

 

 ファイズでは技名など叫んだりしないが、ユートがやっていたから基本的に二人も叫ぶ。

 

 ほむらも見事なドロップキックでゴルドスマッシュを放った。

 

 魔物はΧの紋様を浮かべ青い炎に包まれて灰と消える。

 

 ユートはファイズアクセルからメモリを外し、ベルトのファイズフォンに装填をする。

 

《COMPLETE!》

 

 フルメタルラングが開いて肩へ移動、フォトンブラッドも赤から銀へと変化さてアルティメットファインダーが黄から赤へ。

 

 ファイズアクセルフォーム。

 

「一〇秒間だけの中間フォーム、篤と味わえ魔物共!」

 

《START UP!》

 

 ファイズアクセルの赤いスイッチを押すとタイムが……

 

 何と赤いポインターが一〇〇は顕れて、複数の小ボスをポイントしてしまった。

 

「はぁぁっ! アクセルクリムゾンスマァァァァァッシュ!」

 

 百体を同時に撃破。

 

 魔物共はΦの紋様と共に青い炎に包まれて灰となり崩れた。

 

《THREE TWO ONE TIME OUT》

 

 タイムリミットで自動的に元のファイズへ戻る。

 

《REFORMATION》

 

 アクセルメモリは引き抜く。

 

「まだ多少は残るか」

 

 ユートはファイズの侭ではあるけど刀を手に……

 

「迅き風よ光と共に解放されよ……」

 

 

 とある世界で視た技、悪鬼羅刹の業と忌み嫌われたモノだとか。

 

爆炎(ティルトウェイト)

 

 仲間が居ない方向へ。

 

「鳳龍核撃斬っ!」

 

 刀に爆炎の威力を乗せて放つという秘奥、残った魔物を殆んど炭へと変えてしまった。

 

 残った魔物は雑魚ばかりだし、山脈側へと逃走して行く。

 

「古代ベルカ時代の戦時中以来ですかね、あれを見たのは」

 

 シュテルも冷や汗が流れる。

 

「それじゃ、清水を捜すか」

 

 勢い余って殺してなければ良いと思いながら言った。

 

 

.




 清水を捕まえるまでいかなかった……

勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。