ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

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 ちょっと脇道に逸れた……いつもの事かな?





第64話:この世界はジーっとしててもドーにもならない

.

「君らは他の連中を。僕が九番を殺る」

 

「九番……ああ、ノイントってそうよね」

 

 そもそも、リューンみたいな出来損ないは名前というかナンバーを与えられなかった為に自分で名を付けていたが、エヒトルジュエの使徒というのは名前が番号順に並んでいる。

 

 その基礎はドイツ語なだけにエヒトルジュエは厨二病という風評被害? が出ていた。

 

「犯るの間違いじゃないの?」

 

 ジト目な雫に対し……

 

「さて、どうかな?」

 

 取り敢えずは誤魔化した。

 

 全員が腰にベルトを装着する。

 

『『『『変身!』』』』

 

 仮面ライダーサソードMF。

 

「神に会っては神を斬る!」

 

 仮面ライダーリューン。

 

「私は貴女達をムッ殺す!」

 

 仮面ライダータイガ。

 

「英雄になりたいとは思わないけど!」

 

 仮面ライダーバルカン。

 

()はお前らをぶっ潰す!」

 

 仮面ライダーサガ。

 

「……女王の判決を言い渡す、死刑!」

 

 仮面ライダーリュウガ。

 

「そなたらは妾が斃そうぞ!」

 

 仮面ライダーザビーMF。

 

「ウッサウサにしてやりますぅ!」

 

 決め科白とも云えないものやネタも混じるが、彼女らなりの戦いの決意だけは伝わってきた。

 

「此方も始めようか」

 

 ちょっとした()()()をしてから、ユートはスパークレンスを手にした侭に腕をぐるりと回しながら天高く掲げて叫ぶ。

 

「ティガァァァァァァァアアアッ!」

 

 勿論、無意味に巨大化をする気は無く人間大の大きさ――二m程度に抑えておいた。

 

 しかも通常の、銀の顔に赤と紫の体色をしているウルトラマンティガ・マルチタイプではなく、殆んどが暗黒の様な色を持つ光の巨人とは真逆に位置している闇の巨人――ティガダーク。

 

 仮にも神の使徒を名乗るからには光属性が主と考え、闇の巨人たるティガダークの方に変身をしてみたのである。

 

 まぁ、今は巨人じゃないけど。

 

 巨体の維持にエネルギーを割かないからか? 変身可能時間は普段の一〇倍にも及ぶ。

 

『征くぞ、九番!』

 

 普通に喋るティガダーク。

 

 ノイントは二振りの剣を持って二刀流になると戦闘へ突入をした。

 

 ウルトラマンの闘い方は基本的に徒手空拳で、中には武器を扱う者も何人か居る程度。

 

 ウルトラセブン、ウルトラセブン21、ウルトラマンゼロ、ウルトラマンマックスなどみたいな頭に武器を持つタイプも居るし、ウルトラマンジャックなど後付けで武器を獲る場合もある。

 

 ウルトラマンティガは完全な徒手空拳であり、後は光線技を以て闘うタイプだ。

 

 故にこそ、ティガダークへと変身したユートも徒手空拳での戦闘を行っていた。

 

『セアァァァッ!』

 

「その程度で神の使徒たる私に届くとでも?」

 

 ノイントは余裕綽々でティガダークの蹴りを避けるが……

 

「な、なにぃ!?」

 

 更に疾くなったティガダークの勢いに追い付かれてしまい、ノイントは腹――しかも鳩尾に爪先による蹴りを思い切り喰らってしまう。

 

「がはっ!?」

 

 神の使徒だろうが何だろうがステータスの値が高いだけであり、人間の身体を基礎として造られた事に変わりはないが故に、人間の弱点の急所も当然ながら同じ場所に抱えていた。

 

 鳩尾は急所の一つである。

 

「ぐ、うう……」

 

 五〇m越えに加えてん万tな常態じゃないから巨人モードのパワーは持たないティガダークも、然しながらそこら辺の仮面ライダーを越えるだけのスペックは普通に有った為、ノイントの受けたダメージも可成りのものであったと云う。

 

『ダメージで動きがトロ臭くなったぞ!』

 

「ガアアアッ!」

 

 顎への一撃を決めたティガダークはエネルギーを刃に変換する。

 

 超魔生物ハドラーが覇者の剣を装備していたみたいに手の甲から剣が生えた感じになる訳だが、エネルギー刃でありながらその形は確り装飾すら再現された立派な剣を形成していた。

 

 正しく覇者の剣その物だが、ウルトラマンに於いてもメビウスやヒカリやギンガ辺りが似た攻撃をしている。

 

 違いは正しくエネルギー刃なメビウス達とは異なり、ユートのそれは殆んど物質化の域にまで達しているという事だった。

 

 ノイントは二刀流とはいえリーチの差が無くなってしまい、更にはユートの剣術が見た事もないのらりくらりとした動きに変わって戸惑う。

 

 【緒方逸真流】に切り換えたのだ。

 

「くっ、イレギュラー!」

 

『さっきからイレギュラーイレギュラーと煩いったらないな』

 

 イレギュラー云々に関しては全く以てどうでも良い事だが、いちいち口に出されると煩わしいと感じてしまっても仕方がない。

 

『ランバルト光弾!』

 

「くぅっ!」

 

 肩に掠めて傷みに呻くノイント。

 

「イレギュラー!」

 

 手を突き出してきたけど、ノイントがいったい何をしたかったのかがさっぱり解らない。

 

『何だ?』

 

 怒りっぽくなっても無表情を貫くノイントの顔が驚きに染まる。

 

「莫迦な……分解が……効かない?」

 

『ああ、さっきの魔力消費はそれかよ。お前らの固有魔法か? リューンは使わなかったが』

 

「出来損ないには使えませんよ」

 

 どうもリューンみたいなのを出来損ない出来損ないと蔑む傾向が強いみたいだ。

 

(全員、分解とかいう恐らくは対象を問答無用で

原子の塵にしてしまう固有魔法を持つらしいから戦う際は充分に気を付けろ)

 

〔〔〔〔〔〔〔了解〕〕〕〕〕〕〕〕

 

 基本的に判で捺した量産品だから、ノイントに出来た事は他の連中にも可能なのだろう。

 

 一応、ユートはパーティの常態を観られるという技能が有るから心配しながら離れていない。

 

 さっきの魔法も別の世界では有益に使っていた魔法で、その時の仲間が色々と試したりするのが好きで話も合ったから愉しいものだった。

 

 何人かからはユニークスキルも獲られたのも大きかったし、そういえば幼女愛好家な勇者からも実はユニークスキルを獲ている。

 

 積尸気冥界波で擬似的に生命を奪い魂を掌握してやり、其処からユニークスキルを簒奪してしまった上でインストール・カード化して渡せば彼は実質ユニークスキルを喪わないし、元の世界に還っても神に返す分とは別だから消えない。

 

 幼女愛好家でそれを此方に押し付けてくる困り者だが、天之河に比べれば充分過ぎるくらい人格的な勇者であった。

 

『デラシウム光流!』

 

「くっ!」

 

 ランバルト光弾に比べて遅いから上手く避けた……心算だろうがそうはいかない。

 

 尚、タイプチェンジ無しで技を使える理由とはティガダークだから……原典のティガダークは持たないが、そもそもティガダークとはいえ本体となるのはティガのマルチタイプ。

 

 何故だか闇の巨人に変身するとマルチタイプ、スカイタイプ、パワータイプという全タイプの力を併せ持つらしい。

 

 マルチタイプのバランス、パワータイプの力、スカイタイプの疾さが渾然一体となって全体的にマルチタイプより強くなっていた。

 

 昔に成ったばかりのティガダークにそんな力は無かったから、ダーラムとヒュドラとカミーラの闇を取り込んだ影響だと思う。

 

 勿論、原典のティガダークがそんな能力を有している訳はないから、力を純然たるエネルギーとして取り込めるユートだったから……だ。

 

『フッ! ハァァアアアッ!』

 

 体勢が崩れた処へティガダークなユートは先ず腕を腰に据えて次に真っ直ぐ伸ばし、それを横に広げるかの様に水平な常態にしつつカラータイマーからエネルギーをチャージ。

 

『ジュアッ!』

 

 右腕の肘を曲げて縦に、左腕を横にしてL字を作り出して強力無比な黒い光線を放つ。

 

『ダーク・ゼペリオン光線!』

 

 放たれたダーク・ゼペリオン光線がノイントに向かって真っ直ぐ放たれた。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!」

 

 躱すのは難しく何とか防御に徹する。

 

『だが甘い!』

 

 ティガダークなユートが右と左の開かれた掌を拳の常態に握り締めた。

 

『ダークゼペリオン……超・光・波ぁぁぁぁぁあああああああっっ!』

 

 右腕を前に伸ばして拳を開きながら放ったのは【ウルトラマン超闘士激伝】で闘士ウルトラマンや闘士ウルトラマンタロウ、闘士ウルトラマンネオスが使う超光波という極めて強力な技にして、既存の光線技からシフトが出来る優れもの。

 

 何倍にも威力を増した光線がノイントを襲撃してきて、その技の余りの重さに如何な神の使徒を名乗ろうがどうにもならず……

 

「アアアアアアアアアアアアアッッ!」

 

 ノイントはエネルギーの奔流に呑み込まれ吹き飛ばされて敢えなく気絶した。

 

『光の――今は闇の巨人か。その力の前には如何なるモノも膝を折るしかないんだよ』

 

 ユートはノイントが墜落した場所へと移動。

 

『パッと見た感じリューンと変わらんな……』

 

 鎧や服をひっぺがして鑑賞をした結果、完全に見た目は同じ――それこそ顔の作りから3サイズに至るまで、序でに中の具合がどうかも試してみようかと犯る気満々な辺りがユートらしい。

 

「待て! 強姦魔! 今すぐにその女性から離れるんだ!」

 

 振り向けば二十歳になるかならないかくらいの黒髪な青年が立っていた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「また変な世界に来たな」

 

 青年は何度か世界を巡ったが基本的には地球であったのに対し、此処はどうやら地球とはまた違う惑星らしいのが判明している。

 

「うん?」

 

 視れば黒い誰かと銀の女性が闘っていた。

 

「あれはウルトラマン? しかも黒いティガって……ティガダークなのか?」

 

 青年はティガの力を使うウルトラマンオーブ――【スペシウムゼペリオン】を見知っているだけに、ティガが悪さをするのを見るのは流石に気分が良くない。

 

「ああ!?」

 

 戦闘に勝利したティガダークが銀髪の女性から鎧や服を剥ぎ、下着の一つも着けない真っ裸にして所謂、お姫様抱っこの形に抱えて連れて行ってしまおうとしていた。

 

「くっ、ジーっとしても、ドーにもならねー!」

 

 この侭では女性が女としての尊厳を文字通りに犯されしまう、青年はいつもの口癖みたいな科白を叫びながらティガダークの所へ走る。

 

「待て! 強姦魔! 今すぐにその女性から離れるんだ!」

 

 叫ぶとティガダークが振り返った。

 

『誰だ?』

 

 ユートは青年に見覚えが無い。

 

 強姦魔呼ばわりを取り敢えず否定しないのは、敵対者たるノイントを犯る気だったのは間違いない事実だったから。

 

 とはいえ、ウルトラマンの姿では性的な行為も出来ない――寧ろエロ画像が如くヤっている姿など見たくない――から人間の姿に戻る心算だ。

 

『断る』

 

 いずれにせよユートが青年の言う事を聞かねばならない理由そのものが無い。

 

「だったら!」

 

『それは……」

 

 青年は赤い機器と黒い機器を手に、腰のホルダーから弾丸みたいなカプセルを取り出した。

 

融合(You GO)!」

 

 カプセルにはウルトラマンが描かれている。

 

『シュワッ!』

 

 次にウルトラマンべリアルのカプセル。

 

「I go!」

 

 黒い機器に装填。

 

『ウエェッ!』

 

 準備は整った。

 

「Here we go!」

 

 赤い機器のトリガーを引き、青年はカプセルの力の読み取りを行う。

 

 背後のウルトラマンとウルトラマンべリアルが青年と同期した動きをしている。

 

 当然ながらイメージであり、本物の二人が後ろで動いている訳ではないのだが……

 

 再びトリガーを引く。

 

「決めるぜ、覚悟!」

 

《FUSION RIZE!》

 

 機器から音声が流れた。

 

「はぁぁっ、はっ!」

 

《ULTRAMAN!》

 

《ULTRAMAN BELIAL!》

 

「ジィィィィィィードッ!」

 

《ULTRAMAN GEED……PRIMITIVE!》

 

 手を開いてグングンアップされていく目付きが鋭い赤と銀の巨人――ウルトラマンジード。

 

「見た目はシルバー族の典型的な感じだが目付きが悪いな。闇トラマンか偽トラマン?」

 

 ティガダークこそ正真正銘で闇トラマンだというのを棚上げして失礼な事を呟く。

 

 闇トラマンは早い話が闇の巨人の事を云っている為、今のティガダークなユートを指し示していると言っても過言ではなく、偽トラマンというのはザラブ星人などが化けたりしたタイプのモノで偽ウルトラマンや偽メビウスなどがそれだ。

 

 尚、どちらもザラブ星人が化けていた。

 

 ユートは真っ裸なノイントの肢体を()()()()にてガチガチに固めてしまうと、此方も突き出した右手をジードとは異なり拳に握り締めてグングンアップ。

 

 光の巨人と闇の巨人が対峙する。

 

『っと、此方も……はぁぁ、はっ!』

 

 ティガダークが両腕を頭の辺りで交差させると気合い一閃で腕を下ろす。

 

 闇色だったティガダークが銀と赤と紫の体色を持つウルトラマンティガ・マルチタイプに。

 

『なっ! 光のウルトラマンティガに?』

 

 驚きに人間だったら口をあんぐり開けていたかもしれない。

 

『僕には光も闇も関係無い』

 

『そ、そんな……』

 

 光の巨人である矜持か、若しくは闇の巨人に対して何らかの隔意でもあるのか? 彼の光の巨人は衝撃を隠せないでいた。

 

『お前は僕……というか、この姿を見知っているみたいだが僕はお前を識らない。故に名乗れ』

 

『……ウルトラマンジード』

 

『ジード……ね、知らない名前だな』

 

 偽トラマンとは本物を識る者が居ない場所では意味を成さない、つまり彼――ジードは少なくともザラブ星人が化けた様な偽トラマンではない。

 

(あの姿は普通にシルバー族だからな、やっぱり闇トラマンでも無さそうだ)

 

 そもそも闇トラマンは基本的に暗い色調だ。

 

 先程までのティガダークを例に挙げる迄もなく例えば闇の三巨人――カミーラ、ダーラム、ヒュドラがそうだし、ウルトラマンべリアルやダークファウストやダークメフィストやダークルシフェルなどがそうだろう。

 

 例外も居るがだいたいがそれだ。

 

〔優雅兄、聞こえるか?〕

 

〔あん、どうしたよ? 此方は量産品共をぶっぱしている真っ最中だぜ〕

 

 緒方優雅。

 

 本来は前々世で緒方優斗の双子の兄として産まれる筈が死産、その魂は生きていたユートの中に

取り込まれて融合していた。

 

 ユートの魂の階梯が高かった理由である。

 

 融合から長い間は特に意志は認められなかったものの、前世であるハルケギニア時代にフォェボス・アベルと闘う事になった際に死に掛けてしまって一度だけ覚醒をした。

 

 今生では完全覚醒をしており、両面宿儺之神の権能を使えば表に出て仮初めの肉体で動く事すら可能となっている。

 

 その場合は神の闘士的には双子座の冥衣を身に纏うし、それ以外ではドライグバックルを使うのが御気に入り。

 

 ウルトラマンで別れ別れになる場合だと優雅は今みたいにウルトラマンネクサスに成る。

 

 因みにユートは双子座の黄金聖衣、アルビオンバックル、ウルトラマンティガがデフォだ。

 

 ノイントの場所に行く前に少し()()()と称して【閃姫】達の護衛として分かれておいた。

 

 仮面ライダーは基本的に飛べないから。

 

〔ウルトラマンジードって識ってるか?〕

 

〔はぁ? 何で今、そんな名前が出るよ? っていうかまさか……居るのか?〕

 

〔目の前にね〕

 

〔マジかよ……〕

 

 僅かな時間でシナプスのやり取りをして交信をする双子の能力的なアレ、優雅はどんな確率だよ……と呆れたくなった。

 

〔ウルトラマンジード、ニュージェネレーションと呼ばれるM78星雲系のウルトラマンだな〕

 

新世代(ニュージェネレーション)?〕

 

〔今現在……否、もう変わったか? トータスへの転移前まで観ていたウルトラマンギンガを皮切りにウルトラマンビクトリー、ウルトラマンX、ウルトラマンオーブから続くウルトラマンの一人だな。因みにウルトラマンルーブ、ウルトラマンタイガ、ウルトラマンZなんてのもいずれは登場する予定だ〕

 

 尤も、ウルトラマンルーブというのウルトラマンロッソとウルトラマンブルが合体した存在であったり、ウルトラウーマングリージョという妹が居たりするのだが……

 

〔特にタイガはウルトラマンタロウの息子だ〕

 

〔ゼロがセブンの息子だし、第二世代が現れ出したって事かな? 性格にはウルトラマンケンの息子のタロウが第二世代で、タイガとやらは第三世代に当たるのかも知れないけど〕

 

 とはいえ、ウルトラマンやジャックやエースの息子なんてのはまだ聞かないらしい。

 

 無論、レオとアストラも。

 

 意外なのはそもそも恋人らしき相手が居た筈のウルトラマン80にも子供が出てない事。

 

〔取り敢えず、ウルトラマンジードの特徴を教えておくぞ〕

 

〔ああ、頼んだ〕

 

 一番の特徴は謂わばタイプチェンジみたいなもので、ジードライザーのカプセルを入れ換えてやればフュージョンライズし、二つのウルトラマンから特徴を引き継ぐ形で得られるらしい。

 

 ウルトラマンジード・ソリッドバーニング。

 

 ウルトラセブンとウルトラマンレオのカプセルで変身するロボットみたいなフォーム、ティガで云えばパワータイプみたいなものだと云う。

 

 ウルトラマンジード・アクロスマッシャー。

 

 ウルトラマンヒカリとウルトラマンコスモスのカプセルで変身する為か、身体の色は青と銀になるフォームでティガ的にはスカイタイプ。

 

 ウルトラマンジード・マグニフィセント。

 

 ウルトラマンゼロとウルトラの父のカプセルを用いて変身するフォームで、超能力と攻撃力が強化されるとか……ティガではなくダイナのストロングとミラクルを足した感じらしい。

 

 ウルトラマンジード・ロイヤルメガマスター。

 

 テレビ放映版では最強形態とも云えるらしく、ウルトラマンキングとウルトラマンべリアルのカプセルで変身、絶対的な超能力を発動しあらゆる敵を一撃で屠る様だ。

 

 ウルトラマンジード・ウルティメイトファイナルが在り、エボリューションカプセルで究極進化をした形態。

 

〔成程、今は基本形態のプリミティブって事か。舐められたもん……って訳でも無いんだろうけど、テレビドラマじゃないんだからピンチでフュージョンライズとかはやらせない〕

 

 通信を切り戦闘に復帰するユートではあるが、この時に掛けた通信時間は0.00005秒だった。

 

『デヤァァッ!』

 

『ヘアァァッ!』

 

 互いに謎の雄叫びを上げながら戦闘突入。

 

 殴る、蹴る、飛び上がって更に蹴り。

 

 ウルトラマンVS怪獣の戦いには有りがちであるけど、少なくともウルトラマンジードのそれは

基本に忠実であると云えた。

 

『セヤァァッ!』

 

 ティガのパンチに吹き飛ぶジード、然しすぐに起き上がると蹴りを放って来た為にそれを拳にて受け止め、蹴りの勢いを殺さず後ろに往なしてやりぶっ飛ばす。

 

 流石はウルトラマンべリアルを斃したとかいうだけあり、決して弱い訳ではないみたいだが甘さ脆さはまだ目立つが、優雅からの情報では人間として生きた一九年の人生しかないらしい。

 

『出でよ、装鉄鋼(メタルブレスト)!』

 

『なっ!?』

 

 行き成り顕れた銀色の鎧に驚くジード。

 

 ユートはウルトラマンに【ウルトラマン超闘士激伝】な要素も含めており、ノイントに対して使ったダークゼペリオン超光波もそれだった。

 

 ユート自身として超サイヤ人と同じ超化が出来るし、サイヤ人じゃないからそれを【超闘士】と呼んでいる訳だが、ウルトラマンの姿でもそれは当然ながら可能であり超闘士ウルトラマンティガや超闘士ウルトラマンネクサスにも成れた。

 

『肉体を極限にまで鍛え上げた武闘家が武装をした姿を【闘士(ファイター)】と呼ぶ。闘士ウルトラマンティガ――今の僕はそう言える存在だ!』

 

『ファ、ファイター?』

 

 勿論、ウルトラマンジードの元世界に闘士なんて存在していないから戸惑う。

 

『ハァァアッ!』

 

『グアッ!』

 

 突然のスピードアップにジードは付いていけずいとも容易く拳を顔に喰らう。

 

『な、何故……タイプチェンジをした訳でもないのにスピードが上がった?』

 

『簡単な話だよ。お前も地球に住んでいたのなら

漫画なんかは読んだろ? 闘氣を扱う漫画なんかも有ったろう? ウルトラマンの光線は云ってみれば体内エネルギーなんだから、そういう使い方が出来るのさ。事実、ウルトラマンジードも光線を放つ意外に防御したり出来ている筈。装鉄鋼を身に付けると武闘家に成り切った感じに光線用のエネルギーを闘氣みたいに使えるんでね』

 

『そ、そんな……莫迦な……』

 

 余りの衝撃からよろけるジード。

 

 自らを【模倣者(イミテイター)】と嘯くだけにある意味で面目躍如か?

 

『こうなったら!』

 

 ジードの中の人はジードライザーを手にするのだが、ユートは優雅に言っていた通りでそんな暇を与えたりはしない。

 

『ハァァアッ、ハッ!』

 

『うぐぅっ!』

 

 しかもちゃっかり……

 

『ハァッ!』

 

 自分はスカイタイプにチェンジしていた。

 

『っ!? タイプチェンジしたら装鉄鋼とやらが変化した?』

 

 闘士ウルトラマンティガが装備する装鉄鋼とはマルチタイプ、スカイタイプ、パワータイプというタイプ別で変形をする特殊な物。

 

 マルチタイプだと闘士ウルトラマンジャックに近い形状だが、スカイタイプにチェンジをするとパーツが鋭角的になりつつパーツ数が減った印象を受けるだろう。

 

 逆にパワータイプにチェンジをした場合ならば丸まった印象で重装甲に見える筈。

 

 また色も変化する。

 

 マルチタイプは赤と紫と銀の色がバランス良く

配置、スカイタイプは紫と銀、パワータイプなら赤と銀という感じとなるのだ。

 

 装鉄鋼と共にスカイタイプへとチェンジをした闘士ウルトラマンティガに翻弄されるジードではあるが、それなりに戦闘経験を持つからには翻弄されてばかりでは居られないと反撃。

 

 だけど悉く躱されてしまう。

 

 スカイタイプはスピードに特化している為にか攻撃が当たらないのだ。

 

『ランバルト光弾!』

 

『くっ!』

 

 青い円形状のジードバリアで防ぐが……

 

 パリン!

 

『わ、割れた!?』

 

 何処の研究所のバリアかと云わんばかりに軽い音を立てて割れる。

 

『ガハッ!』

 

 幸いにも威力が低いランバルト光弾だったのとバリアで減衰したのとで、腹部への直撃を受けてもダメージそのものは低かった。

 

『くっ!』

 

 起き上がると闘士ウルトラマンティガは又もやタイプチェンジ、再びマルチタイプに装鉄鋼と共にその姿を変えている。

 

『こうなったら! ジーっとしてても、ドーにもならねぇ! ウオオオオオッ!』

 

 獣の如く咆哮しながら全身を発光させ、赤黒い稲妻状の光エネルギーを両手に集中して腕を謂わばスペシウム光線の様に十字に組む。

 

『必殺技に懸けるか? ならば!』

 

 腰を落として両腕を腰に据え、更に腕を前へと伸ばして横へと広げるポーズでエネルギーチャージを行い腕をL字に組んだ。

 

『レッキングバースト!』

 

『ゼペリオン光線!』

 

 そして互いに必殺光線を照射したのである。

 

『レッキングね、光の巨人としては中々に物騒な名前だな……』

 

 Wrecking――破壊や解体を意味している単語だけど、【レッキングクルー】なんて解体ゲームが在ったし何と無く判るだろう。

 

 レッキングバーストは七〇万度の光線技でありゼペリオン光線とも抗する。

 

 闘士ウルトラマンティガが拳を握った。

 

『ハッ! まさか!?』

 

『そのまさかだ、ゼペリオン超光波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああっ!』

 

 L字を解いて開いた拳から更に収束されているゼペリオン光線が放たれ……

 

『ウワァァァァァァァァァアアアッ!?』

 

 ウルトラマンジードは呑み込まれ消える。

 

 視れば、力尽きたウルトラマンジードが人間の姿に戻って気絶をしていた。

 

『ふぃぃっ!』

 

 それを見届けて闘士ウルトラマンティガも人間――ユートの姿に戻る。

 

「やれやれ、面倒臭い話だね」

 

 取り敢えず気絶したジードは縛って転がすと、意識を取り戻して踠くノイントの方へ行く傍らで優雅へ通信。

 

〔優雅兄、そっちはどうなった?〕

 

〔うん? まぁ、取り敢えずは俺が落とした奴を鈴のタイガが潰していく。他は飛んでいても割と何とかしているんだけどな〕

 

〔まだ鈴には早かったか……〕

 

〔仲間になったばかりだし、仕方がねーよ〕

 

 実際、鈴は空を舞うエヒトルジュエの使徒には対抗が出来ていなかった。

 

 ピョンピョンとジャンプするが届く筈もないのだからどうにもならない。

 

〔仮面ライダーは基本的に飛べないしね〕

 

 勿論ながら飛べる仮面ライダーも居た。

 

 仮面ライダークウガだってアルティメットに成れば実は飛べるのだし、飛行性能は兎も角として最強フォームの主役仮面ライダーは飛べる者も割と居たりする。

 

 仮面ライダーウィザードなら内部のドラゴンの力を発揮した時点で跳べたし。

 

〔こうなれば反則臭いが飛翔呪文(トベルーラ)でも修得させてみるかな?〕

 

〔ま、お前さんの【閃姫】なんだからあの義弟みたいに魔改造もアリ……だろうさ〕

 

 嘗ての義弟(ミナト)君はまだまだ弱かった仲間を正しく()()()な魔改造をしていった。

 

 斯く云うユート自身もその恩恵は受けていたのだし、仲間が強くなる分には特に義弟君へ文句を言う心算だって無かったのである。

 

〔そうだね〕

 

 努力しないで力を手に入れたら人間は腐るし、努力しなくなるのは余りに良くない。

 

 だからユートも滅多矢鱈と力を与えたりしないのだが、仮面ライダーの力を【閃姫】や身内に対して容易く与えているのだから今更か。

 

〔オーバーレイ・シュトローム!〕

 

〔あ、決着した?〕

 

〔応ともよ! 量産品共は全て叩いちまったからノイントは確保しろよ? 香織のキングが必要なんだからな〕

 

〔確保済みさ。今からたっぷりと調教してやってから封印するよ〕

 

〔頑張れよ~、性的に〕

 

 プツリと通信が切れた。

 

「さて、エヒトルジュエの使徒ノイント」

 

「くっ、殺せ!」

 

「誰がオークかっ!」

 

 行き成りノイントに『くっころ』されて御機嫌が斜めだが、結局は調教というか犯るべき事を犯るのだから文句は言えない。

 

「別にお前からエヒトルジュエの情報を聞き出そうとか思ってはいない。お前は只、僕の戦闘による猛りをその肢体で受け止めて、我が【閃姫】の力として封印されろ」

 

「う、やめなさいイレギュラー! この身は我が主のモノ! 触れるな!」

 

 触手も斯くやな金色の鎖にグルグル巻きにされて自分では動けないノイントだが、鎖の方がウネウネと動いて勝手に恥ずかしい部分がユートの目の前に開かれていく。

 

 だいたい二時間くらいが経ったろうか?

 

 ヒクヒクと手足を痙攣させながら茫然となってハイライトの喪われた瞳が虚空を見つめており、口元から唾液ともつかない液体が一筋流れていて全身が汗やユートの体液に汚れ、大事な部位からも白い粘液が溢れて意識が半ば飛んだノイントの姿が横たわっている。

 

『私に感情など有りません』

 

 ヤられながら言っていたが明らかに感情を露わとして嬌声を上げ、喘ぎながらも嫌がっていたのにいつしかノイントから求め始めていた。

 

 ユートはノイントに見せ付ける様にブランクのカードを取り出す。

 

「今から封印する。精々、香織の力となれ」

 

「は、い……マイ、マスター」

 

 未だにハイライトが消えた侭ながらも歓喜した表情を浮かべ、エヒトルジュエではなくユートを御主人様(マスター)と認めたノイント。

 

 自ら求めるくらいに僅かな時間で快楽に堕ちてしまったらしい、流石はエセルドレーダでさえも認めただけはあるのだろう。

 

 ヤり過ぎたかと思いつつカードを投げる。

 

 光を放ちながらカードに吸収封印されてしまったノイント――絵柄は銀髪にヴァルキリー姿をして双剣持ち、カテゴリーKのEVOLUTION【NEUNT】と書かれておりスートもハートだ。

 

「これで香織のカードは殆んどが揃ったな」

 

 まだ一三枚は揃わないからワイルドフォームというか、キングフォームには成れないけど聞いた話ではまだ原典小説なら五巻か其処ららしい。

 

 未だに物語的には半分にもならないとかだから特に焦る必要性は無かった。

 

「ちょっと調子に乗って時間を掛け過ぎたしな、さっさと合流しないと」

 

 憮然としたジードの人間体を見つめる。

 

 一応はノイントが何者でエヒトルジュエと名乗る偽神の目論見も伝えたし、そこら辺に関しては納得してくれたのだと思うが……

 

「朝倉 陸……話した通りで奴らは世界を蝕む謂わば害虫、言ってみれば異世界からの侵略者がそれに成功したに過ぎない」

 

「判ってるさ」

 

 成功したからには最早、エヒトルジュエこそが神でノイント達が使徒というのも間違いでは無いのかも知れないが、それに賛同が出来ない勢力群がレジスタンスになっていたり、ユートみたいな

イレギュラーが立ち向かったりしているのだし、何より力を殆んど喪ったとはいえこの世界の正しく守護者――女神ウーア・アルトも健在。

 

 今は男の娘な身体だけど。

 

 つまりは万の年月が経ちながら未だに不完全な支配であり、その神権が続くかも判らない状況になっているのがトータスである。

 

 それにユートはそのエヒトルジュエの神権そのものを侵すべく動いていた。

 

「それで朝倉 陸、君はどうするんだ?」

 

「どうって?」

 

「君が平行世界の地球でウルトラマンべリアルを相手に闘った、正真正銘のウルトラマンだというのは理解したんだけど、君は僕の行いをウルトラマンとして止める……か?」

 

「そ、それは……」

 

 正直、可成り難しい問題だ。

 

 ユート達は異世界人だが侵略者ではなく拉致られただけ、聖剣に封じられた守護女神ウーア・アルトからの承認もある。

 

 翻ってエヒトルジュエは正に侵略者でしかない上に、支配者としては最低な行為に身を浸しているけど間違いなく、彼こそがトータスを万年に亘り支配してきたのも事実。

 

「ウルトラマンゼロ、彼が僕を迎えに来るまでに旅をして自分の目で見てみようと思う」

 

 朝倉 陸はウルトラマンゼロに修業がてら連れて来られたらしく、本来は地球に行く予定が何故か変な時空の歪みでトータスに居た様だ。

 

 恐らくはアイリーンや月奈と同じく勇者召喚の余波、その煽りを受けて跳ばされて来たのではないかと推測される。

 

「そうか、僕も邪魔をされないなら敢えて君とは敵対をする気は無い。取り敢えず互いに不干渉って事で構わないな?」

 

「ああ、それで良いよ」

 

 一緒に旅をしているペガを下手な争いに巻き込みたくなかったから。

 

 朝倉 陸――ウルトラマンジードは勇者(笑)なんて及びもつかない好青年だった。

 

 不干渉だけど万が一、何らかの助けを必要とした時には連絡が出来る様にスマホにしか見えない魔導式携帯伝話機を渡し、ユートは【閃姫】達が待つアンカジ公国の公都へ向かい、朝倉 陸は置いてきたペガという相棒の許へそれぞれ歩く。

 

 それぞれ……歩く?

 

「何で同じ道を?」

 

 何故か同じ方向へ向かう朝倉 陸に訊くと……

 

「相棒のペガがアンカジに居るから」

 

 至極真っ当な理由であったと云う。

 

 

.

 




 朝倉 陸――ウルトラマンジード。

 ウルトラマンべリアルとの決戦から暫く経って再び現れたウルトラマンゼロに連れられ、相棒のペガと共に平行異世界の地球へ向かう筈が勇者召喚の煽りでトータスに来てしまった。


勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる
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