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「へぇ、こいつがジードライザー。ウルトラマンジードに変身する為のツールか」
「まぁね」
アンカジ公都に帰る傍らにジードライザーという陸が使う変身ツールを見せて貰う。
「サンクス」
これでジードライザーを造れるだろう。
「そういや、相棒のペガって?」
「ペガッサ星人って異星人の子供だよ」
少なくとも大人とはいえないだろう、何歳かは判らないが……
「ペガッサ星人か」
ペガッサ星人ならユートも知っている。
「ウルトラセブンと哀しい闘いをした星人だ」
「哀しい闘い?」
元々、ペガッサ星人に地球侵略の意図など無かったのだが、ペガッサシティの軌道上に地球が在ったから地球の軌道を動かして欲しいと考えたけど地球にそんな技術は無い、そうモロボシ・ダンに言われて地球を破壊しようとした。
とはいえダンとアンヌは助けたかったらしく、地球から逃げる様に警告はしている。
だけど地球人にペガッサシティを逆に破壊されてしまい、復讐をするべく動いたペガッサ星人とウルトラセブンが闘ったのである。
一応、死んではいない筈だが……
尚、ウルトラセブンでは地球人の愚かしさというのが強調される噺が多い。
ドラマ内ならノンマルト事件がそうだ。
『ウルトラ警備隊のバカ野郎!』
ノンマルトを攻撃した時の、それを見た子供の科白である。
また、ノンマルト事件を含む様々な悪行だったり実は現行の地球人が侵略者だったりの証拠が詰まった【Ωファイル】、これを巡って地球人側とウルトラセブンとが対立をした。
それでも地球人を愛するウルトラセブンは故郷の仲間に訴えたのだろう、自らが虜囚の身となる事を理解しながら。
フルハシ参謀との友情、キリヤマ隊長への口封じなど色々と板挟みになりながらモロボシダンではなくカザモリマサキとして、懐かしいウルトラ警備隊の制服に袖を通して。
因みに、元ウルトラ警備隊のキリヤマは役者の死亡で登場が見送られただけであり、小説版にはキリヤマ老人がちゃんと登場していたりする。
【Ωファイル】の解放から、ウルトラセブンは死に掛けていたのをカプセルに封じていたカザモリマサキを戻し、モロボシダンからウルトラセブンに変身して宇宙に戻った。
その後、見た目からウルトラセブンがカザモリマサキ元隊員と一体化したっぽい感じで、ウルトラアイを手にウルトラセブンへ変身している。
とはいえ、ウルトラセブン以降のウルトラ戦士をガン無視した設定ではあるが……
アンカジ公国の公都に着いた二人。
ユートの仲間達は優雅がアンカジ宮殿に向かわせた為、取り敢えず此処で朝倉 陸と鉢合わせになる事は無いだろう。
「ペガ、出てきて! 彼は僕らの事情を知っているから大丈夫だよ」
「リク……」
まるで影から顕れた感じで明らかにミニサイズなペガッサ星人が所謂、ダークゾーンと呼ばれる特殊な空間からひょこっと顔を出す。
「本当にペガッサ星人の子供なんだな」
「っ!」
「心配するな。リクも言っていたが、君の事情はちゃんと理解している。虐めたりしないから出てきてくれないか?」
「う、うん。リクが信用してるなら」
ペガがダークゾーンから完全に姿を見せる。
「初めまして、僕は緒方優斗。ユートと呼んでくれれば良いよ」
「僕はペガ、ペガッサ星人です」
挨拶はコミュニケーションの基礎だろう。
「さて、僕も仲間達が待っているからそれ程には
時間を取れない」
ユートは確認しておきたい事がある。
「リクとペガはいつこのトータスに?」
「半年は過ぎたかな?」
「そうだね、六ヶ月くらいは確実に経ったよ」
ユートの質問にリクが確認するとペガも首肯をしながら言う。
「やっぱりエヒトルジュエの勇者召喚が原因っぽいな。ウルトラマンゼロは迎えに来れるのか? このトータスまで」
「其処はゼロを信じるしかないよ」
ウルトラマンゼロはユートの知識通りであるならば、ユートが持つネクサスの上位版たるノアの力を得ているから
とはいえ、地球とトータスが果たしてどれだけ離れているかが問題となる。
少なくとも半年もの間、リクとペガを発見していないのだからまだ見付けられないのだ。
「飯や宿泊はどうしてる? 着ているのは地球の服みたいだが……」
「まぁ、洗濯しながらね。御飯は冒険者になって稼いでるんだ」
「へぇ、ランクは?」
「半年じゃ大して上がらないよ。赤になったばかりだからね」
つまり、最低限の青よりはマシという事。
「余り稼げてないな、それ……」
「野宿に死なない程度の食事を確保が出来ている程度の稼ぎだね」
冒険者は初期だと稼げない。
そういえば鈴木一郎氏はそんな能力をあっさりと手に入れていたな……と考える。
彼はユートがその世界線の地球に降り立った際にバイト先の人、寧ろ彼の幼馴染みで巫女さんな高杯光子との仲の方が深かった。
とはいえ、漫画ならありそうな幼馴染み女性が男に想いを寄せる……的な彼是と歳上で巨乳好きな鈴木一郎氏、残念ながら高杯光子――ヒカルは彼の好みからは外れていたのである。
そんな訳で偶々、出逢って紹介された後は自発的にヒカルとの逢瀬をしてきたが、酒を飲みながら愚痴を聞かされた事もあった。
歳下な幼馴染みで胸も残念なヒカルはどうしても彼の好み的に駄目だったとか。
取り敢えず、長年の想いを持ちながら異世界に本来の召喚された筈の少年の代わりにパリオン神により挿し込み召喚されたユート、前日のデートで頬にキスして貰える程度には仲好くなれた。
翌日には召喚されてしまった訳だが……
ルモォーク王国の転生者王女による召喚だったのは王女本人から聞いた。
通常のサガ帝国による勇者召喚ならユニークスキルが幾らか貸与されるらしいが、一切合切そんなモノは無かった上にレベルも1から必要となる経験値が莫大過ぎて上がらないとか無理ゲーも良い処だろう。
まぁ、元の力がレベル1で【超越者】の称号を獲るくらいに強いから問題は無いけど。
本来の八人目が何処の誰だかユートは識らないけど、取り敢えず襲ってきた魔族を討ち転生者のユリコ王女を拉致った。
紫髪に紫瞳で絶世とか傾国とか枕詞が付きそうな美女だったが、何故か自分の容姿に自信を持てない揺らぎがあったユリコ王女。
故に『こんな醜女を抱けますか!?』とか言われて『勿論』と売り言葉に買い言葉、その日の内に喰っちゃったユートは取り敢えずユリコ王女を秘密基地に匿いつつ、世界情勢を観るべくルモォーク王国を出て動き始める。
判ったのは勇者召喚がサガ帝国で頻繁に行われており、それは【魔王の季節】とやらに合わせている儀式らしい事で、ルモォーク王国はユリコ王女のユニークスキルと鼬人族が持ってきた道具で俄な勇者召喚に挑んだらしい事も判明。
シガ王国の王祖たるヤマト・シガはサガ帝国の召喚勇者だった事。
『ヤマト・シガ……日本人ならシガ・ヤマトだな。何だろう、ヒカル並の腐女子がシガ王国の王祖かも知れないとか思ってしまったんだか……」
所謂、BL的な掛け算である。
少女漫画の【テニ×勇】に【シガ×ヤマト】という掛け算が確かに在った筈で、ヒカルに奨められて読んだ記憶も有ったりするから。
正直、BLは
旅をするのに【鑑定】は役立ったもの。
それから暫くして鈴木一郎氏との再会をして、パリオン神の神託の巫女からユートはパリオン神がルモォーク王国の召喚に介入し、本来ならされない筈の召喚が成された事を聞かされた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「リク、これを」
「これは?」
「鞄は【魔法の鞄】ってやつで、空間拡張がされているから結構な量が入る。中には一千万ルタくらい容れたから暫くは宿泊とかも出来る」
「え、でも……」
「お金は使い切れないくらいに稼いでいるから気にしなくて良い。どうせトータスでしか使えんし散財とも云えんよ」
「助かるけど……」
「な~に、施しってわけじゃない。ウルトラマンゼロに会って彼の変身ツールとかも視てみたいからさ、その時に口利きをしてくれたら嬉しい」
「クス、判ったよ」
ちょっとした欲を出したら苦笑いしながら受け取ってくれた。
「リク、これで野宿しなくて済むね」
「ペガは殆んどダークゾーンじゃないか」
「そうだけどさ」
仲が良さそうで何より。
「序でに下着と服も提供しよう。パンツなんかは洗ったら暫く穿けないんだろう?」
「うっ、それも助かるけど……」
「心配しなくても新品だ。ファンタジーな世界では現代人の困り事っていうと現代の服が着れない事もあるからさ」
「現地の服はどうも合わないんだよね」
「因みに、女の子だとやっぱり下着や生理用品が困るんだろうな」
「あはは、そうだね」
女性の下着や生理用品とか言われても反応に困ってしまうだろう。
リクとペガのコンビと別れたユートは仲間である【閃姫】達の許へと戻る。
「実際、下着も生理用品も必須なんだよね」
【閃姫】から求められるアイテム類でトップに躍り出るくらい必要とされていた。
「そういや、ルルを買った時にも始まっていたから大変だったよな……」
奴隷商人ニドーレンからアリサとルルを買ったは良いが、初夜から行き成り始まってしまったから肩透かしを喰らったものだ。
アリサに綺麗な布を頼まれるがユートはそれで生理用品を渡した。
因みにだが、アリサとルルは腹違いの姉妹でありクボォーク王国の王族の出だったりする。
ルルは侍女のリリが御手付きになった結果で、王族とは認められていなかったが……
「あ、戻ってきた!」
雫がポニーテールを揺らしながら駆け寄って来たり、ユエが逸早く肩車の位置に乗っかってきたりと甘えて来たのを受け止める。
「よう、リクはどうしたんだ?」
「別れたよ。彼には彼の道があるからね」
「そうかよ。じゃあ、俺もお前の中に戻るぜ」
「お疲れ様、優雅兄」
手をひらひらとさせながら消える優雅は即ち、再びユートの中に戻るのであった。
「あの優雅さんって……」
「香織、聞いていないのか?」
「余り話して貰えなくて……戦闘中だったし」
「それもそうか」
ユートが話すのは基本的な事だけだ。
優雅の本来の名前は緒方優雅。
双子の兄になる予定だったが死産してしまい、その魂はユートと融合してしまった事。
ユートがハルケギニア時代に死に掛けた際に、その人格が覚醒をしてしまった事。
今世でも【ハイスクールD×D】世界で消滅しそうになり、やはり覚醒をして【カンピオーネ!】世界で権能により外に出られる様になった事。
結果、優雅は双子座の冥衣やドライグバックルやエボルトラスターを使う分身に近い存在としてユートの中に在る事などをだ。
「成程。確かに優斗が信頼するに足る訳ね」
雫はそれに頷いた。
「……ユーガ、良い人?」
「死んじゃったお兄さんがユートさんの中に生きていたんですねぇ」
「文字通りの意味でのぉ」
ユエとシアとティオも納得したらしい。
「良かったよ~」
鈴は泣き出すくらいに。
「ま、それだけじゃなさそうだけどね」
そしてミレディはどうやら隠された事情に気付いているみたいだ。
「うゆ?」
連れて来られたミュウは理解してなさそう。
実はミレディの考えている通りだが、ユートとしては優雅のそれを明かす心算は現状では無い。
何しろ優雅本人からしたなら、黒歴史というよりかは闇黒歴史とまで云えるくらいに消し去りたい過去の事実なのだから。
ユートも出来れば暴露したくなかった。
「やぁ、ランズィ公」
「改めて凄まじいのだな、君らは」
「危険な存在として教会に突き出すか?」
「はっ、冗談はやめて欲しい。私に自殺願望などありはしないさ。何よりも言ったぞ、恩人に仇を成す者など我らがアンカジ公国に居ない!」
「そうさ、これは公国の民も全員一致した意見だからね!」
ランズィ公がはっきり公言し、リィズ公子も同じく頷きながら言ったものだった。
アイリー・フォウワード・ゼンゲン、アイリー公女など恋する乙女みたいな顔でユートを見ていたりするし、どうやらこの公国にユートへ敵対する人間は出そうにない勢い。
先の闘いで見せた姿に恐れる処か惚れ直すとか中々に胆が据わっている。
そしてユートはまた要らん事を……
「アイリー、また会おう」
「ユート様……」
水色のチョーカーを填めながら言った。
【閃姫】に渡している物の劣化版ではあるが、そのチョーカーは【閃姫】が着けている物と遜色のない出来で、【異物排除】と【物理障壁】と【魔法障壁】が籠められた魔導器である。
ちょっとした女子会を【閃姫】としたアイリーは特に【異物排除】の
勿論、毒物が体内に入った場合やアルコールが入った時に排除する機能は当然だが、男のアレも排除対象となる訳でつまりデキる事を怖れずヤれる避妊具という意味合い、元よりユートはデキ難いが仮にそもそもデキない相手だったとしても、余程でない限りデキるという特質を持っているからには、やはり着けていた方が無難でもあるなだと聞かされていたのだ。
早い話がユートが【閃姫】にそんな魔導器を渡すのは、自分の女を妊娠の心配無くヤりたいからという事になる。
それを渡されたアイリーがどう思うかなんてのは最早言わずもがな。
雫は『あちゃ~』とばかりに手で額を押さえながら天を仰いだ。
ユートの性的特質の一つに【絶対的妊娠】というのが在り、それは性行為が可能な異性であれば確率が低いだけで必ず妊娠するというもの。
正確には常時発動型の権能、ギリシア神話に於けるオリンポス一二神のトップたるゼウスを弑奉って獲た【絶倫神王】という。
何と無く悪意しか見当たらない名前だが、これに関してはグリニッジ賢人議会の議長アリス・ルイーズ・オブ・ナヴァールが譲らなかった。
『何で選りに選って雷霆とかじゃなくソッチ方面の権能を獲てるんですかぁぁああっ!』
真っ赤な顔で怒鳴ってきたからそれで承諾するより無かった。
顔が赤かったのは怒りからだろうか?
嘗てユートが行った異世界の中に肉体的な作りの違いから異種族間交配が不可能、ハーフという概念が無いという世界が存在していた。
例えばフォーセリアやハルケギニアなどみたいにハーフエルフや半翼人みたいな、人間とエルフとか人間と翼人みたいな両方の特徴を持つ半種族が産まれたりするが、その世界では人間とエルフでさえ子を成したり出来ないらしい。
ハイエルフとエルフですら別種族扱いで妊娠はしないらしく、異種族交配は人間と耳族との間で辛うじて可能な程度だった。
尚、ハイエルフは神の眷属で半神として創られた種族であり、神となら一応の交配は可能であると教えて貰っている。
だけどユートの場合はエルフやハイエルフ処か獣人でも交配可能だし、別世界の半人半馬とさえ馬の部分から普通にヤれば妊娠させられるのだ。
これもゼウスの逸話からくる権能故の事らしいのだけど、基本的に子供は相手方の種族の特徴を99%も引き継ぐが故に、亡びそうな種族をある意味で救えてしまう背徳的な能力であろう。
99%が相手側の特徴だからか近親交配も出来てしまう為、次世代の全員がユートの子供だったとしても遺伝子的な問題を生じさせず次世代同士で交配させられるからだ。
種族を問わないのも近親交配もゼウスの逸話を鑑みれば確かに有り得る。
例えば異種族がどうのこうの云う前にゼウスは動物の姿で人間の娘と交わるし、姿を借りた動物の特徴を確りと子供に残しているだろう。
尚、近親交配に関してはアダムとイヴが人類の祖なら二人の子供同士でヤったのか? 何ていうツッコミが元でゼウスは無関係と思われる。
再びキャンピングバスに乗ってエリセンへ進むユート一行、そんな矢先にユートがヤる事なんて特に代わり映えはしない。
最近は【閃姫】が殆んど揃った状態だからか、全員を褥に呼び、乱交に走る事が多くなっていて
いたから最初こそ一対一だった鈴は翌日から始まる乱交とレズプレイに驚愕させられた。
ユートはBLこそ好きではないが、レズプレイは観ていて割と興奮する事が出来るからヤらせる事がよくある為、鈴も三日目からは雫とのレズプレイをさせられている。
とはいえ、ユートが興奮するのは本当らしくて一通り終わった後の激しさ、それが如実に顕していると云えよう。
死屍累々とも云えている惨状にも拘わらず未だ
元気な下半身なユートは起き上がると、バスローブみたいな服を身体に身に付けてキッチンへ向かって歩き出す。
ゴクゴクと喉を鳴らし水を飲んでいると気配を感じてその場へ向かった。
「ティオ、どうした?」
「主殿か」
静かに走行するキャンピングバス故に屋上へと出ても問題無く、何よりバリアフィールドにより風を無効化しているから吹き荒ぶ風を感じる事すら出来ない。
「月見をな」
「月見?」
確かにこの夜空は快晴で月がよく見えた。
「で、黄昏ている理由は?」
「なぁ、主殿よ」
「何だ?」
「妾は主殿の好みから外れるのかの?」
「……は?」
潤んだ瞳に赤らめた頬、そして床に散らばったアルコールの臭いがする瓶の数々から明らかに酔っ払っている。
「妾は胸ならばシアにすら勝ると自負しておるのじゃよ? なのに主殿は胸の無いスズにすら傾倒しておるのに妾は一向に褥に呼ばれぬ」
嫌っていないし別に好みから外れる事も特には無いティオ、あの胸で挟まれるのは良さそうだと常々とまでは云わないが思っているくらいだ。
然しながらミュウを寝かし付ける役割も必要となるし、既に【閃姫】だったりそれを目的に呼んだりした相手は優先的に抱く為にまだ【閃姫】の括りに無いティオは丁度良かった。
「別に抱かれずとも君の目的は僕の目的に沿うんだから、多少の普段働きと戦闘時の戦働きだけでも構わないんだぞ?」
「うぬ?」
「その目的は復讐、エヒトルジュエに対するな。
其処で裏切った連中を恨まない辺り竜人族ってのは高潔というか」
「恨んでおったよ、憎らしかった。暴発し掛かる程に妾は……」
「数百年で頭が冷えた……か?」
「それもあろうが、主殿を利用しようと考えたのも確かよな。主殿程の力を持つならば或いは……と期待もしたものよ」
「そうか」
「怒らぬのかの?」
「一つ言っておくが、僕も感情を持つ生物に違いないからキレる時にはキレる。だけどこれでも僕は何千年も在り続けたんだ。流石に女の子の我侭をちょっと言われた程度、キレたりしないさ」
その割に天之河に対してはキレまくるが……
まぁ、美女の可愛らしい我侭と独り善がりにして正義(笑)の塊な勇者(笑)の我侭では全く別物で、誰がそんな男の我侭を笑って赦すものか。
「フフ、女子には甘いの。そんな主殿じゃからこそ妾も惚れたのやも知れぬな」
「惚れた……ね」
「妾は抱かれてでも目論見を果たしたいから抱かれるのでは無い、妾自身が主殿に惚れたが故にこそ女として閨を共にしたいのじゃよ」
「そうか、ならエリセンに着いてミュウを母親に会わせたら抱かせて貰おうか」
「ふむ、やはりミュウの世話役を御役御免にならねばならぬかや」
「そういう事だね」
「なれば仕方があるまいよ」
そう言ってユートの顎へ右手を優しく添えながら唇を軽く重ねてきた。
「今はこれで良しとしておこうかの」
微笑みを浮かべてペロリと唇を舐め取る仕草はとても艶かしい。
「ふむ、どうやら妾に魅力が無い訳では決して無さそうで安心したぞよ」
ミュウの眠る部屋へ戻るティオの視線は確かにユートの下半身へ注がれている。
「不意討ちは卑怯だろうに」
頭を掻きながら反り勃つ自分の分身をどうやって鎮めたものかと思案した。
尚、寝室で寝起きのユエが吸血と
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
時と所は少し変わる。
それは即ち、ライセン大峡谷。
「ホントに魔法が使えないな」
「そうみたいだ。恵里の降霊術も僕の錬成も使えないからね」
「まぁ、ボクらは一応だけど仮面ライダーに成れば戦えるから問題は無いけどね」
ライセン大峡谷を訪れたのはハジメと恵里というカップル、場所場所だというのに恵里はハジメと腕組みをしながら歩いていた。
「オルクス大迷宮以外で間違いなく大迷宮が存在するとされてるライセン大迷宮、ハルツィナ樹海の二ヶ所だからね。オルクス大迷宮の生成魔法はユートから貰っちゃったから、ライセン大迷宮かハルツィナ樹海をクリアしてみよう」
「うん、そうだね。ハジメ君」
そんな甘々な雰囲気を醸し出す二人に襲い掛かる魔物、シアを追い回した双頭のティラノサウルス擬きダイヘドア、ハウリア族を追い回していたワイバーン擬きのハイベリアが何を思ったのか襲撃を仕掛けて来る。
「ふん、ボクとハジメ君のラブラブを邪魔しようなんていー度胸だよ……変身!」
紫主体の王蛇カードデッキを掲げVバックルを腰に装着、叫びながらデッキボックスをバックルに装填してやり仮面ライダー王蛇に成る。
「はぁ、イライラするなぁ」
気だるそうに首を回しSWORD VENTのカードを
ベント・イン……
《SWORD VENT!》
召喚機たる牙召杖ベノバイザーから電子音声が鳴り響くと、ベノスネイカーの尻尾を模した剣――ベノサーベルが地面に刺さる。
「さてと、邪魔モノなナマモノは殺りますか」
物騒な事を呟き、恐らくは仮面の向こう側にて三日月の様に口許を吊り上げ走った。
一方のハジメはオルタリングを腰に顕現させて構えを執り、いっそ喧しいくらいに待機音が鳴る中で両腰のスイッチを叩く。
「変身っ!」
黒いアンダースーツに金色の鎧、金の二本角を持ち赤い複眼の仮面ライダーアギト・グランドフォームに。
【超越肉体の金】である。
「はぁぁっ!」
恵里とは反対側の魔物へと向かった。
恵里は荒々しい闘い方でダイヘドアを斬って斬って斬り捨てる、更には突進には突進だとでも云わんばかりにカードを装填。
《ADVENT!》
銀色主体なサイ型ミラーモンスターのメタルゲラスを召喚して突っ込ませた。
単純な大きさはダイヘドアの方が何倍も巨体ではあるが、パワーという意味ならメタルゲラスの方が純粋に高かったから蹂躙に近い。
「飛べるのがアンタらだけじゃないって教えて上げるよ!」
ボクっ娘で男っぽい口調は嘗て、義父に当たるチンピラに性的に襲われたくなくて矯正したものであり、今まで普通の女の子口調こそが偽りという名の仮面だった。
意気揚々とカードを装填する。
《ADVENT!》
緋色のミラーモンスターたるエビルダイバーが
召喚され、恵里――仮面ライダー王蛇はその背中へと乗り込んだ。
基本が飛翔体であるエビルダイバーなだけに、こうして仮面ライダーを乗せて翔ぶ事も可能。
《FINAL VENT!》
エビルダイバー用のカードを装填する。
サーフィンしようぜ! とばかりに光るネットの波は潜らないが波乗りの如く走らせた。
「ハイドベノン!」
勢いに乗ってハイベリアを砕いていき、更にはダイヘドアも何匹か潰していく。
エビルダイバー、メタルゲラスとくれば次にだすのは……
《ADVENT!》
王蛇の本来の契約モンスター、ベノスネイカーであろう。
《UNITE VENT!》
発動されたのは結合を意味するUNITEのカードであり、その冠する名前の如く三体のミラーモンスターが合体した。
獣帝ジェノサイダー。
胴体と上顎にメタルゲラスが、尻尾と下顎にはベノスネーカーが、背中にはエビルダイバーという構成になっている。
《FINAL VENT!》
王蛇、ライア、ガイのライダーズクレストを集めた感じの必殺技用カード。
ジェノサイダーの腹部にマイクロブラックホールが生成され、吸収する力が余りに強くて魔物達はズルズルと引き摺られていた。
「ハァァァァアアッ、ドゥームズディ!」
その必殺技により次々と蹴りで抵抗を喪ってしまった魔物がブラックホールに呑まれていくと、それはまるで掃除機がゴミクズを吸収するかの如く様相であったと云う。
欠陥も有る必殺技だが、放てば文字通りの意味で
「ふん、ざまぁ」
やはりオルクス大迷宮の深層に比べて弱いからだろう、恵里はそのスペックを如何無く発揮をして危なげ無く魔物を滅殺した。
ハジメも単純スペックでは仮面ライダー王蛇に及ばないものの、やはり高い能力を駆使して先ずはグランドフォームで格闘戦をしている。
「ふっ、はぁぁっ! たぁぁっ!」
単なるパンチでも七t、キックなら倍を越えた一五tという重さを持っていた。
巨大な魔物で重量もそれなりだろうが、そんな一撃をまともに喰らえば只では済まない。
左腰のスイッチを叩くとアーマーが青に変化をして、オルタリングからストームハルバードと呼ばれる武器を引き抜き振り回す。
仮面ライダーアギト・ストームフォーム。
【超越精神の青】とされる姿だった。
幾つかダイヘドアを潰し更に右腰のスイッチを叩くと、今度はアーマーの色が赤に染まりオルタリングからフレイムセイバーを引き抜く。
【超越感覚の赤】たる仮面ライダーアギト・フレイムフォームだ。
「ふっ、たぁぁっ!」
炎を孕む斬撃がダイヘドアを斬り、近くにまで飛翔してきたハイベリアを真っ二つに裂いた。
次に自ら生成魔法で造ったシュタイフという名のバイクが、仮面ライダーアギトに変身したのと同時に変化したマシントルネイダーに乗る。
実は劇中で【闇の力】テオスが後押ししてから変形が出来るのだ。
マシントルネイダーがスライドしてスライダーモードとなり、恵里がエビルダイバーに乗ったみたいにサーフボードの様にホバリング。
カシャンとアギトの角が六本となり、必殺技の【ドラゴン・ブレス】――早い話が轢き逃げアタックを仕掛けてハイベリアを砕く。
更に残ったダイヘドアに向け……
「はぁぁっ! とりゃぁぁぁあああっ!」
マシントルネイダー・スライダーモードから勢いを乗せて放つライダーキック、【ライダーブレイク】によって片を付けた。
その後は仮面ライダーアギトの侭でその超越感覚の赤に再び変わってライセン大迷宮への入口を発見、然しながら【嘆きの壁】により阻まれてしまい如何な仮面ライダーの攻撃とはいえ全く効果は望めず跳ね返されてしまう。
「そういえば言ってたね」
「緒方君が壁を造ったって話だっけ?」
二人は徒労感から溜息を吐くのだった。
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今回はエリセンまでのクッション回。
勇者(笑)な天之河の最後について
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原作通り全てが終わって覚醒
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ラストバトル前に覚醒
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いっそ死亡する
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取って付けた適当なヒロインと結ばれる
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性犯罪者となる