ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

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 ちょっと遅くなりましたが何とか日曜更新。





第71話:グレイテストタイム!

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 坂上龍太郎(さかがみりゅうたろう)は仮面ライダークローズチャージに変身をしたが、天之河(あまのかわ)光輝は何処か不機嫌そうにそれを見詰めている。

 

「……んで、……ぇが……」

 

「光輝?」

 

 その手に持つのはアナザーウォッチ、絵柄は確かにアナザージオウに似ているかも知れない。

 

《ZIーO》

 

 スイッチを押せば低く濁った電子音声。

 

「変身!」

 

 まるでベルト――ジクウドライバーに挿すかの様にアナザーウォッチを腰に。

 

《ANOTHER TIME》

 

 三つの金色の輪が顕れて回転しながら天之河の周囲を纏わり姿を変えていく。

 

ZIーOⅡ(ジオウツー)!》

 

 胸の中央に【2015】と書かれ、本来であれば複眼に位置する場所に右側へ【ZIーO】左側には【2015】という年号、全体的に白いが肩や胸や襟首には金色も使われている。

 

 そして相変わらずクラッシャーは剥き出しになった歯が不気味であった。

 

 右手に長針を左手に短針を意味する剣を手に、仮面ライダークローズチャージを睨む。

 

 果てしなく何処までも歪みに歪み切ってしまった天之河光輝に、坂上龍太郎は哀しみを湛えた瞳を向けながら拳を構えた。

 

「どうしても敵対するのか、龍太郎?」

 

「お前がそんな力を手放して大人しくしてくれるなら態々、俺が仮面ライダーに成ってまで光輝と闘う理由なんて無かったんだ!」

 

「俺は勇者だ! 力を手にしてそれを行使しなければならないんだ!」

 

「もう、誰もお前を勇者だなんて思っちゃいねーじゃねーか! ソイツの力でねじ曲げなけりゃ、誰も光輝を勇者だなんて思ってねーよ! 天職が勇者なだけの張り子の虎だ!」

 

「黙れぇぇぇっ!」

 

 勇者である事を坂上龍太郎にまで否定されて、天之河光輝は両手の剣を振り翳して駆ける。

 

「光輝……お前……」

 

 親友にまで平然と斬り掛かる天之河光輝を見た坂上龍太郎は、悲しそうな声で名前を呼ぶと力を籠めた拳を揮って剣を止めた。

 

 ある意味に於いて凄惨を窮めた闘い。

 

 坂上龍太郎は親友を死なせたくないからこそ拳を揮い、天之河光輝はそんな想いなど知らぬとばかりに両手の剣を揮う。

 

 今の坂上龍太郎は正に仮面ライダークローズの本当の変身者――万丈龍我と変わらない。

 

 この場に若し桐生戦兎と万丈龍我を見知っているユーキが居たならば、間違いなく坂上龍太郎に

万丈龍我を幻視したのではなかろうか?

 

 拳法家と格闘家の違いこそあれ拳を得意とする処や脳筋な処もそっくりだし。

 

「チィッ、流石に素手は不利かよ……だったら! 来いよ、ツインブレイカー!」

 

《TWIN BREAKER!》

 

 腕のノズルからゼリーが吹き出てそれが武器の形を成していく。

 

 ツインブレイカー。

 

 ツインの名が示す通り二つの顔を持つ武器で、バンカー攻撃を行うアタックモードとビーム攻撃が可能なビームモードが有り、近接オンリーである仮面ライダークローズチャージは離れた位置からも攻撃が出来る。

 

 まぁ、戦隊モノとかなら一つの武器で近接中距離の両機能はお馴染みだろう。

 

 クローズが使うビートクローザーも有るけど、坂上龍太郎は剣を得手とはしていないから特には使わないだろう、これが初期のクローズではなく一段階上であるクローズチャージを渡した理由でもあった。

 

 グレートクローズはクローズの正当進化系列、しかもスクラッシュドライバーではないから当然ながらツインブレイカーは持たず、だからと云って只でさえ仮面ライダークローズより高スペックなクローズチャージから始めさせたのも少しアレなのに、TV版最強の仮面ライダークローズマグマなど使い熟せる訳が無い。

 

 ユートが莫迦みたいな身体スペックでありながらも、か弱い女の子達を抱き潰したりしないのは慣れているからである。

 

 行き成り今現在の廃スペックだったらそれこそ力加減が利かずに、今頃は女の子達の屍山血河のど真ん中に突っ立っていた事であろう。

 

 仮面ライダークローズと仮面ライダークローズチャージは大したスペック差は無いが、仮面ライダークローズマグマは約二倍にも及ぶ事から振り回されかねなかった。

 

 尤も、スクラッシュドライバーによるものだと公開スペックは飽く迄も初期状態のものであり、闘えば闘うだけ戦闘力が増していくシステムを積んでいるから本当に当てにならないが……

 

「喰らいやがれ!」

 

 ブレイグリップのトリガーを引くと二つの砲口からビームが放たれた。

 

「くっ、汚いぞ龍太郎! もっと正々堂々と闘う心算は無いのか!?」

 

「身勝手を言うな!」

 

 相も変わらずな天之河光輝に苛立つ。

 

 此方は何とか止めてユートによる抹殺から護りたいのに、これでは止める事など出来はしないから武器を手にしたのに。

 

 自分が相手になってみて初めてユートの気持ちが理解出来た気がして、坂上龍太郎は実に嬉しくない気分になりながらツインブレイカーを放つ。

 

 砲撃と剣撃では単純なリーチが違うからか闘い難そうなアナザージオウⅡ――天之河光輝からしたら今の坂上龍太郎は卑劣な攻撃をしてくる奴で、きっと()()()()()坂上龍太郎は卑劣漢に堕ちたのだと……そういう事になっているのだろう。

 

 或いは……

 

「くっ、緒方に洗脳されたんだな龍太郎! 何て卑劣なんだ緒方の奴め!」

 

 誰かの所為にするかであろう。

 

 因みにユートが洗脳するなら幻朧魔皇拳を敢えて選ぶ為、見るからに洗脳されていますといった感じにしか思えない。

 

 特に狂乱後は明らかに洗脳を受けていると解るだけのものがある。

 

「うぉぉぉっ!」

 

 ビームを放つが当たらない。

 

「くそ、何で当たらないんだよ!?」

 

「無駄だ龍太郎、仮面ライダージオウⅡには未来を予知する能力が在るんだ! お前の攻撃の軌跡は予め視えているぞ!」

 

 確かに仮面ライダージオウⅡにもそんな能力は在るのだが、天之河光輝のはアナザージオウⅡという怪人枠でしかない――というか仮面ライダーシンより怪物然としたアナザージオウⅡを仮面ライダーとか有り得ないだろうに。

 

 初代に当たる仮面ライダー一号自体はショッカーの怪人だが……

 

(あのアンテナが回ると未来を視れるってか? ならば一度に視れるのは一つの未来だけ!)

 

 せめてもう一人、仮面ライダーかそれに並べる者が居れば完全な予知は難しくなりそうだ。

 

「対象は基本的に一人か、ならば手札が増えれば問題も無いな。尤も、手札が増えるのはアナザージオウⅡも同じだがな」

 

「なっ!?」

 

「誰だお前は!」

 

 行き成りクローズチャージの隣に顕れた存在、青と白の体色に尻尾を持ち黄金の鎧兜を身に纏う仮面ライダーとも違う異形なる騎士、亜人族が近いかも知れないがそれともやはり異なる者。

 

「我が名はマグナモン。我が主の愛しむ女性からの要請により仮面ライダークローズチャージ――汝に与力しよう」

 

「お、俺に? 愛しむ女性って誰だよ?」

 

「今は言えぬ。危険が及んでは本末転倒故にな。

本来は貴殿に与力する必要性は無かったのだが、あの方達ての希望だからこそ私は此処に居る」

 

「我が主ってのは緒方だな?」

 

「その通りだ。我が主がお前を勇者(笑)よりかは評価していたのも与力の理由よ」

 

「俺を?」

 

「今は良かろう。来るぞ!」

 

 再びぶつかり合う。

 

 対象が二つになった所為か予知は精度が落ちてしまったらしく、クローズチャージとマグナモンの攻撃を捌くのがやっとになっていた。

 

 クローズチャージのツインブレイカーも当たる様になり、アナザージオウⅡは苛立たしいと云わんばかりに新たな戦力を喚ぶ。

 

《GAIM!》

 

 おどろおどろしい電子音声で召喚されたのは、落武者宜しくアナザー鎧武であった。

 

「征け、仮面ライダー鎧武!」

 

 だけど天之河光輝は頑なに仮面ライダー呼びを止めていない。

 

「アナザー鎧武か、仮面ライダー鎧武極みアームズなら未だしも……」

 

 アナザー鎧武とは飽く迄も仮面ライダー鎧武の

アナザーライダー、スペック上でもそれに相当したものでしかないのだ。

 

 最強フォームの極みアームズならイケそうではあるが、初期フォームのスペックで魂の籠らないアナザーライダーが如き究極体に等しいアーマー体なマグナモンに敵う筈も無かった。

 

「プラズマシュート!」

 

 かめはめ波っぽい格好で放たれたプラズマ球が

アナザー鎧武を貫く。

 

『Gyaaaaaaaa!?》

 

「やはり弱いな」

 

 ノイズと共に消え逝くアナザー鎧武にマグナモンが言い放った。

 

 葛葉紘汰が変身した仮面ライダー鎧武なら躱すなりしたのだろうに、アナザー鎧武はその侭受けての消滅なのだから言いたくもなる。

 

「所詮はお前のステージじゃなかったな」

 

 そう言うと再びアナザージオウⅡに向き合うが、彼のクラッシャーは何処となく愉悦に嗤っている様にも見えた。

 

「何を嗤う?」

 

「今ので仮面ライダー鎧武を斃した心算か怪物、全然甘いんだよ!」

 

 言い放つと同時に再びアナザー鎧武が。

 

「なっ!? さっきマグナモンが斃したのに? どういう事だよ!?」

 

「成程。アナザージオウⅡの歴史改変能力を以て、アナザー鎧武が斃された歴史を改変したんだ」

 

「はぁ!? 何じゃそりゃぁぁっ!」

 

 マグナモンからの解説に絶叫を上げてしまった坂上龍太郎、アナザージオウⅡである天之河光輝は得意気な感じに胸を張っている。

 

「って、だったら他のアナザーライダーも?」

 

「召喚したら斃しても出てくる無限サイクルとかになりそうだな」

 

「マジかよ……」

 

「そうなると我が主が来てしまうぞ」

 

「うっ!」

 

 それは避けたい坂上龍太郎。

 

「一応、迷宮から出た我が主はゆっくり飛ばして【閃姫】の方々とイチャイチャしながら来てくれているからな、直ぐ様に到着したりはしないにしても既に可成り近場に来ているらしい」

 

「イチャイチャって、まさか緒方って全く痛痒を感じて無いのかよ?」

 

「感じる訳があるまい。破壊者は自ら自嘲を込めて名乗るし、この世界の殆んどの町には結界が張られて改変を受けず、我が主の大切な方々に至っては護符を与えられているからな。ライダーシステムも同様だから坂上龍太郎、お前も歴史改変を受け付けなかったのだよ」

 

「まさか、んな事になっているとはよ~」

 

 つまり、【仮面ライダージオウ】本編に於いて主人公の常磐ソウゴを苦しめたアナザージオウⅡの歴史改変だったが、ユートはアナザージオウⅡに備えた訳では無かったにしろ防備をしていたから、全く以て勇者(笑)の行動にも痛痒は感じてなどおらず大空で、オプティマスプライム飛行モードの一流ホテル並な部屋の中、【閃姫】となった少女達を抱いて快楽を味わっているのである。

 

「まぁ、蟻が恐竜に噛み付いた程度には鬱陶しいと感じはしたろうがな」

 

 尚、さっきから黙って聴いていた天之河光輝はピクピクと青筋を立てていた。

 

 痛痒を与えていない。

 

 女の子とイチャイチャしている。

 

 町には結界が張られて無意味な改変。

 

 まるで虫けらに例えられた事。

 

 その全てが天之河光輝の癪に障る。

 

「貴様! 怪物風情が!」

 

《KUUGA》

 

 顕れたのは仮面ライダークウガ・マイティフォームを模したアナザークウガ、オリジナルと違って他のアナザーライダーと同じく普通のサイズな辺り、天之河光輝の器の小ささを如実に表していると云えるだろう。

 

 ユートに比べればアレも小さい――勇者(笑)の名誉の為に云うと彼のは真っ当なサイズで短小とか粗チンとかではない――天之河光輝なだけにクウガもミニマム化したのかも知れない。

 

「やはり増やすか。私なら一撃の下に葬れるのだろうが、無かった事にされるのはどう考えても些か面倒臭い話だな」

 

 アーマー体ながら究極体級の力を持つが故に、ロイヤルナイツの一角に数えられるマグナモンは通常のアナザーライダー程度、軽く斃してしまえる程度には当然ながら強かった。

 

 仮にアナザーライダーがアナザーディケイドを除く全てが揃っても、マグナモンなら必殺技であるエクストリーム・ジハード辺りで一掃する事すら可能だが、結局はアナザージオウⅡの歴史改変で元の木阿弥では意味が無い処かそれこそ無意味に消耗をしてしまう。

 

 流石に成長期に退化したら殺られるのは此方になるだろうし、そんな斃し方はマグナモンとしても執る訳にはいかない。

 

(やはり我が主を待たねばならんか)

 

 ユートなら確実にアナザーライダーを仕止められる筈、マグナモンははっきり信頼をする目を天へと向けながら現実も見つめる。

 

 更にはアナザーブレイド、アナザーファイズ、アナザー響鬼、アナザーキバ、アナザーアギト、アナザー電王、アナザー龍騎、アナザーカブトという平成一期のアナザーライダーが出揃う。

 

(確か奴は仮面ライダーの知識は無かった筈が、俄知識を刷り込まれているのか……度し難いな)

 

 ユートみたいに神の力を借りたとはいえ自らに取り込み利用しているのではなく、完全に呑み込まれてしまっている天之河光輝を視てしまっては蔑むしかない。

 

「坂上龍太郎」

 

「な、何だよ?」

 

「こうなれば我が主が来るまで保たせるしかないだろう。流石にお前の働きを認めて今回だけなら殺したりはすまい。だから割り切れ」

 

「ぐっ、判ったよ」

 

「万が一にも我が主が勇者(笑)の抹殺に動いたら……擁護くらいはしてやる」

 

「信じるぜ!」

 

 仮面ライダークローズチャージとして闘う今、坂上龍太郎はマグナモンを信頼していた。

 

 始まった闘いはある意味で一方的なものだが、それでもアナザージオウⅡに無かった事にされてしまう斃した事実、次から次へと出てくるみたいに湧き出るアナザーライダー。

 

(所謂、第一期のアナザーライダー以外に出さないのは第二期を出せない?)

 

 そういえばいつの間にかアナザー鎧武は消えて第一期のアナザーライダーのみだ。

 

(召喚の限界か)

 

 ユートなら全仮面ライダーを召喚が可能だったから気付けなかったが、どうやら天之河光輝によるアナザージオウⅡは九体を出すのがやっと。

 

 アナザーディケイドは単に出せないだけであろうと納得する。

 

 考えてみれば当然。

 

 自動車やバイクはガソリンが必要、電車だって電気が必要、自転車とて誰かが漕ぐ事で走るし、生物なら食物を必須とする――即ち動力を必要としていて動力を動かすにはエネルギーが要る。

 

 召喚にも何らかのエネルギーを使っている筈であり、ユートも当然ながらライダー召喚の為にはカードにエネルギーを封入していた。

 

 仮面ライダーディエンドとて流石に無軌道なる召喚は無理で、何処かに限界が存在している可能性があるのではなかろうか?

 

 アナザーライダーの召喚に天之河光輝がナニをどれ程に消耗したのかはマグナモンにも判らない事だが、いずれにせよナニかを幾らかは消耗しているのは間違いなくて、トータスという世界に合わせているなら魔力か生命力――MPかHPだ。

 

(試してみるか?)

 

 予測が間違っていたらピンチに陥りかねないのだが、上手くすれば天之河光輝を消耗させる事が出来るかも知れない。

 

 本物のアナザージオウⅡたる加古川飛流の場合がどうだか、実際の仮面ライダーディエンドがどうなのかは兎も角として、頑として今以上に召喚をしない天之河光輝は或いは……である。

 

 マグナモンもデジタルワールドでは消耗も少なくて、デジタルワールドの食べ物を食べていればそれで良かったりするのだが、リアルワールドでは消耗がそれなりに激しくてリアライズ中の食費もバカにならない。

 

 普段は基本的にDー3の内部にデジタライズをしているのも消耗を避ける為と、Dー3の持ち主たるリリアーナのエネルギーをデジタルエネルギーへと変換して、マグナモン本人は食べなくても済む為に食費の節約になるからだ。

 

「おい、勇者(笑)。我が主なら全ての仮面ライダーを召喚してのけるぞ? なのにお前が召喚するアナザーライダーは半分以下か?」

 

「何だと!? 怪物が生意気な!」

 

 憤る天之河光輝。

 

「ちょ、おい! 何で煽ってんだよ!?」

 

 そして焦る坂上龍太郎。

 

「ならば召喚してやる!」

 

 煽り耐性が無い天之河光輝は簡単に乗ってきたのだが、果たしてそれが余裕からくるものか無理を承知してのものかは判別不可能。

 

《DOUBLE》《OOO》《FOURZE》《WIZARD》《GAIM》《DRIVE》《GHOST》《EXーAID》《BUILD》……

 

 おどろおどろしい電子音声が鳴り響くと同時に召喚され、ノイズが実体を結んで顕現が成されていくアナザーライダー達。

 

 アナザーW。

 

 アナザーオーズ。

 

 アナザーフォーゼ。

 

 アナザーウィザード。

 

 アナザー鎧武が再び。

 

 アナザードライブ。

 

 アナザーゴースト。

 

 アナザーエグゼイド。

 

 アナザービルド。

 

 アナザージオウⅡ本人を含め平成仮面ライダーのアナザーライダー達、アナザーディケイドを除いて一九体が勢揃いをしたのであった。

 

「フッ、坂上龍太郎……少し無茶をさせるやも知れんが気張れよ」

 

「へっ、任せろよ!」

 

 ある意味では戦友となった二人は互いに笑い合いながら――坂上龍太郎は仮面で見えないけど――拳を当て合った。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 オプティマスプライム飛行モード、オプションとの合体によりヨットモードみたいに空へ適応をさせたモード変更により、快適な空の旅をしながらもブレないユートは【閃姫】とイチャイチャをしている真っ最中。

 

 巨大なキングサイズのベッドの上にて、真っ白なシーツも最初は糊も効かせてピッチリしていた筈だが、今やしわくちゃとなってしまったその中に素っ裸で肌と肌の付き合いというか『突き愛』をしているユートと【閃姫】な皆さん。

 

 【異物排除】の効果を持たせた魔導具無しでは最早、いつデキちゃってもおかしくはないくらいに【閃姫】達の胎内はユートの白い欲望によってドロドロにされ、早寝をさせた四歳児のミュウと添い寝をするシングルマザーなレミアを除けば、ユートの舌が這わない部分は無いと云っても過言ではないだろうし、ユートの熱き欲望は胎内は疎か全身をもドロッドロに汚していた。

 

 特にティオはレミアと合流をするまでミュウの保母さん状態だった為、エリセンの町に着くまで我慢を強いられてきたからか漸く数百年越しにまで守られた鋼の処女を散らして間も無いからか、『突き愛』を他より所望されていたくらいだ。

 

 現在は雫がポニーテールを弄ばれながら所謂、後戯の真っ只中であり紅く頬を染めながら雫自身もユートのアレに手を伸ばし、互いに慰め合っている状態である。

 

「ねぇ、優斗」

 

「うん?」

 

「若し私が光輝組じゃなく、普通にフリーだったら声くらいは掛けてくれたのかしら?」

 

 雫は切なそうな表情となりながら上目遣いにてユートを見つめてくる。

 

 正直に云えば可成り可愛らしい。

 

 ユートのJr.がこれでもかというくらいおっきをしてしまい、触れていた雫の肩がビクリッと震えてしまうくらい急激に。

 

「声くらいは掛けたかもね」

 

「ど、どうして?」

 

 今度は期待に満ちているのが表情だけでなく、Jr.を触れている手の動きからも判った。

 

「僕の性癖的にかな?」

 

「せ、性癖ぃ?」

 

 ポニーテールがシュンと元気が無くなる辺り、ちょっとガッカリした感じか?

 

「僕が『ありふれた職業で世界最強』の世界に来る前まで、『魔法少女リリカルなのは』が主体の世界に居たのは話したよな?」

 

「え、ええ……まぁね」

 

 タイトルを言われると複雑な表情となるのは未だに変わらず、やはり暮らす世界が漫画やアニメや小説やゲームなどサブカルチャーに存在していたというのが引っ掛かったらしい。

 

「僕は原典で識る大方の事態を終わらせてからはミッドチルダの方で皆と暮らしていたんだけど、行き成り此方側の地球に跳ばされてしまっていたんだがそれは置いとく」

 

「あ、置いとくんだ……」

 

 そもそも誰の仕業かなど上司(なのはさん)這い寄る混沌(ニャル子)のいずれかである可能性が高く、次点でまた別の神による干渉といった可能性もあった。

 

 ニャル子が天之河光輝に干渉した辺りを鑑みると彼女の仕業かも知れない。

 

「それと性癖と何の関係が?」

 

「高町なのは、フェイト・テスタロッサ、アリサ・バニングス、月村すずか、アリシア・テスタロッサ、八神はやて、リインフォース・アイン、リインフォースⅡ……他にも沢山いるんだけど共通している点があった」

 

「共通項?」

 

「原典ではサイドテールやストレートやボブカットやミドルショートな筈の娘ら、オマケで言えばヴィヴィオやアインハルトなんかもそうなんだが――全員がポニーテールなんだ」

 

「は? 全員……が?」

 

「全員がだ」

 

「で、義妹でやっぱり昔からポニーテールにしていたユーキに訊いてみたら」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

『ボクらがポニテな理由? 兄貴は本気で言っているのかな?』

 

『……何が言いたい?』

 

『兄貴が大好物だからに決まってるさ』

 

『な、んだと……?』

 

『そもそも、今もボクのポニテをふぁさふぁさと触ってるじゃん』

 

『ううっ!?』

 

『こうやって優しく気持ち良くなれる触り方をしてくれるから、皆が(こぞ)ってポニーテールに結わい付けているんじゃないさ』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「そんな風に呆れられた」

 

「ポニーテールが好きなのは理解をしているわ。今だって私のポニーテールをふぁさふぁさしているし、匂いを嗅いでみたり噛み噛みしてきたりとか御風呂で確り洗わないと臭いや味で嫌われたりはしたくないから大変よ」

 

「おおっ!」

 

 確かに雫のポニーテールを弄んでいるのを見ればポニテスキーは確実。

 

「正直、ポニテで自慰みたいな事をされた時にはどうしたものかと思ったわよ」

 

「む?」

 

「出されて髪の毛ガビガビになるんだもの」

 

 ユートは無意識でポニーテールを弄ぶらしく、確かに性癖と呼べるだけのものが有る様だ。

 

「手でなら幾らでもシて上げるし挿入()れたいなら構わない、だからせめて自覚して触れて欲しいと思うのは我侭や贅沢な話かしら?」

 

「謝った方が良いか?」

 

「謝らないで……触られるのは嬉しいから」

 

 頬処か全身を真っ赤にするくらい恥ずかしいと謂わんばかりで、それを隠したいのか或いは曝らけ出したいのかユートの肉体に自らの肢体をくっ付けてスリスリと擦り始めた。

 

 剣術を習うが故に程好く鍛えられた雫の肢体、筋肉もしなやかで柔かく体温も先程の羞恥心から若干高めになっていて、それでいてスキンケアにも気を遣っているのかスベスベとしているから、ユートのJr.の敏感な先端部にも意図的に肌を当てて擦ってくるから性欲が弥増す。

 

 そろそろヤって欲しいのだろうと理解をして、ユートは静かに雫をベッドに横たわらせ唇を重ねると、雫が欲するモノを欲するだけ与えてやるのであった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 時間も丁度良くて全員が風呂を済ませた上で、料理担当のシアや香織の御飯を食べ終えた頃にはハイリヒ王国の王都、王宮の真上にオプティマスプライムが辿り着いている。

 

「さて、今現在は王宮内の謁見の間では天之河と坂上が闘っている」

 

「龍太郎が? ああ、約束か」

 

 納得した雫が頷く。

 

「リリィに付けていた護衛のマグナモンがどうやら加勢したらしく報告してきた」

 

「マグナモンってデジモンよね?」

 

「そう、ブイモンが【奇跡のデジメンタル】によりアーマー進化すると成れるアーマー体ながら、その実力は究極体に匹敵するから身体の大きさも考慮してリリィに付けてたんだ」

 

「そういや、リリィとヘリーナさんにも何だか早めに手を出していたらしいし、最近では私付きの専属メイドだったニアまで抱いたのよね?」

 

「まぁね」

 

「わ、悪びれもしないとは……」

 

 呆れるしかない雫と苦笑いな香織。

 

「既にマグナモンに煽られてアナザーライダーもアナザーディケイドを除き、全て召喚しているらしいから無かった事にされるのもあってそれなりに苦戦中らしい」

 

「それで、どうするの? 殺っちゃう? あの糞野郎の勇者なんでしょ?」

 

 ミレディは殺気を迸らせていた。

 

「マグナモンからの擁護もあってね。約束もしているから今回だけは生かしておくさ」

 

 甘いとは思うものの約束は約束。

 

「僕も今回はシンオウで往くけどね、一分くらいの時間も掛かるから取り敢えず君らは仮面ライダーに変身して牽制を頼んだ」

 

『『『『了解』』』』』

 

 ユートは氣弾を放って屋根に穴を空ける。

 

「降りるぞ」

 

 ノーロープバンジーで全員が王宮の謁見の間へと降り立つが、慣れていない鈴はティオが抱えて降りてやる事になった。

 

 当然ながらミュウとレミアはお留守番。

 

「か、香織……雫……鈴」

 

 醜い白に近い灰色の怪人が三人を見て呟くが、生かしておいて欲しいとは思ったのに今は嫌悪感が先立つ。

 

「何て姿よ、光輝」

 

「無いよ、これは無いよ光輝君」

 

「気持ち悪いよ~」

 

 完全否定の三人に天之河光輝はユートを睨み付けて叫ぶ。

 

「よくも龍太郎だけでなく香織と雫と鈴までもを洗脳してくれたな? 許さないぞ緒方!」

 

「許さない……だって? 許さないのは此方の方だ勇者(笑)よ!」

 

 何だか勇者に成る前のアバンとハドラーのやり取りに似ており、皮肉にもハドラー側が天之河でアバン側がユートの役割となっていた。

 

 ユートの怒りは本当に約束通り殺さずに済ませるか判らないくらいに大きい。

 

「皆、変身だ!」

 

 ユートの意を受けて【閃姫】はそれぞれ変身のツールを以て……

 

『『『『変身っ!』』』』

 

 変身をした。

 

 仮面ライダーサソードの雫。

 

 仮面ライダーリューンの香織。

 

 仮面ライダータイガの鈴。

 

 仮面ライダーバルカンのミレディ。

 

 仮面ライダーサガのユエ。

 

 仮面ライダーザビーのシア。

 

 仮面ライダーリュウガのティオ。

 

 これに加えて仮面ライダークローズチャージな坂上龍太郎にマグナモン、ユートを含めて合計が一〇人にもなるけどアナザーライダーは倍近い。

 

「アナザージオウⅡか。巫座戯た真似を二度と出来ん様に粉々に砕いてやる!」

 

《ZIKUーDRIVER!》

 

 ユートは右と左にスロットを持つジクウドライバーを腰に装着し、闇色のシンオウライドウォッチを右手に、銀色の派手なライドウォッチを左手に持って先ずはシンオウライドウォッチの前面の

ウェイクベゼルを九〇度回転させ、ライドオンスターターを押してやる。

 

《SHINーO!》

 

 次に左手のライドウォッチのグレイテストスターターを押す。

 

《GREATEST SHINーO!》

 

 電子音声と共にグローリースモールが展開されると其処には中央をシンオウ、グローリースモールには一九人の仮面ライダーの顔が在った。

 

 ユートが迷う事も無く二つのウォッチを両側のスロットへ装填をすると、先ずは二つの起動音――アークルとオルタリングによる音が響き更に……

 

《ADVENT COMPLETE TURN UP CHANGE BEETLE SWORD FORM  WKAE UP KAMEN RIDE CYCLONE/JOKER TAKA TORA BATTA THREE TWO ONE SYABADUBI TOUCH HENSHIN SOIYA DRIVE KAIGAN LEVEL UP BEST MATCH!》

 

 各仮面ライダーの代表的な音声が響く。

 

 ブレイドとカブトの間に鳴り響いたチリーンという音は響鬼の音叉だろう。

 

「変身っ!」

 

 ユートがジクウドライバーのライドオンリューザーを押し、ジクウサーキュラーを回転させてやる事で両端のスロットへとセットされたライドウォッチのデータを同心円状に展開ロードをして、ジクウマトリクスへと伝達をさせる。

 

《RIDER TIME!》

 

《GREATEST TIME!》

 

 装填されたライドウォッチが鳴り響いて何故か唄い出した。

 

《KUUGA AGITΩ RYUKI FAIZ BLADE♪》

 

《HIBIKI KABUTO DENーO KIVA DECADE♪》

 

《DOUBLE OOO FOURZE♪》

 

《WIZARD GAIM DRIVE♪》

 

《GHOST EXーAID BUILD♪》

 

《IWAE! KAMEN RIDER GREATEST SHINーO!》

 

 ほむほむ――暁美ほむらの声で祝われる。

 

 その姿は仮面ライダーグランドジオウの正しく色違いな2Pカラー、グランドジオウは全体的に金色が使われているけど此方はライダーレリーフが銀色で周囲が金色、アンダースーツは白色をしてクラッシャーなどが黒い。

 

 仮面ライダーグランドジオウと配色が逆転をしている仮面ライダー。

 

「仮面ライダーグレイテストシンオウ」

 

 嘗て、闇の遺失宇宙船と闘う際に変身をしている仮面ライダーテンマシンオウを除けばシンオウの最強フォーム――最高最善の真王がトータスへと降臨をするのであった。

 

 

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 仮面ライダーグレイテストシンオウ――仮面ライダーグランドジオウの2Pカラー、配色は完全に逆転させた感じになっています。

 グランドジオウには無い特殊能力にはクレストチェンジが有り、これにより召喚をされる存在が仮面ライダーだけとは限らなくなる。

 名前的には【最高の真王】という意味。



勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる
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