ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

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 休みのお陰で何とか書けました。





第90話:ありふれた戦争

 

 閨の中での一時を済ませてから後の会話の最中にリリィは訊ねたい事を口に出す。

 

 金髪に碧眼というオーソドックスなお姫様といったスタイルのリリィは、これはこれで魅力的な女の子として映るからかユートは優しくした。

 

 父親を亡くして国を攻められて、更には母親が情婦に堕とされ、弟が大事な部位を切り落とされた上で生涯幽閉という家族が大変な事になるのが確定してしまい、リリィはユートに甘えに甘えまくる事で逃避をしたくなっても仕方がない。

 

 実際、先程まで愛を囁かれながら全身全霊にてユートに御奉仕をしていたのだ。

 

 お姫様が従順に御奉仕をするというシチュエーションだけでもそこそこに滾るけど、それなりの美少女だというのも下半身に血が集まるもの。

 

 結果、たっぷり可愛がった。

 

「あの、ユートさん」

 

「どうした? またランデルやルルアリアの事を物申す心算かな? だとしたら僕のJr.でその可愛らしい口を塞いでしまうぞ」

 

「真面目に話したいのですが……」

 

「言ってみ」

 

「はっきり申しまして、御母様やランデルに対する処遇にはもう何も言いませんわ。敵対するからには敗けた時のリスクも背負うものですものね。御母様はユートさんの肉奴隷、ランデルは一生を童貞で引き篭りになれ……というのも致仕方がないのでしょう。それに私が居ればハイリヒ王家の血が絶える訳でもありませんから」

 

「まぁ、僕とヤりまくって子を成さないと絶えるんだけどな」

 

 それを聞いて真っ赤になるリリィ。

 

 ユートは性欲旺盛でJr.は長くて太くて硬いという逞しさに滾り、肝心の精子は無限リロード可能で精液はどれだけ射精しようが尽きる事が無い、そしてエロゲ主人公も真っ青な凄まじい量を一発一発で出せる。

 

 反面、妊娠はし難いとかある意味で都合の良い体質をしているのだけど、いざ子を成したいとか考えても中々妊娠をしないのも困りものだ。

 

 これを越えて妊娠をする手段は二つ。

 

 一つはハルケギニアの時代にイザベラ・マルテス・ド・ガリア王太女を妊娠させた方法、只管に寝食も忘れて一ヶ月ばかりヤりまくるという事。

 

 今一つはユートとセ○クスをする前後で優雅の精子を受け容れる事である。

 

 簡単なのはユートと女と優雅で3Pをしてしまえば一〇〇%の確率で孕む――とはいえど、普通の感性では同じ顔が相手でもそれには抵抗を感じてしまうものだけど。

 

 最初に確かめた相手はエリカ・ブランデッリ、草薙護堂がやらかしてしまって彼女も共犯者故に同罪として、草薙護堂の遺伝子を拡散しない為に養子とするべくエリカがユートの子供を産む事になった為、さっさと孕ませるべくこの手段を取ったら一夜の行為であっさり妊娠した。

 

 因みにユートが3Pの相手である必要は無く、他の男女でも優雅が割って入れば孕む。

 

 その代償か優雅は絶対に子を成せない。

 

 どれだけヤろうが3P以外では妊娠しないし、遺伝子は飽く迄も優雅のモノではないのだ。

 

 故にリリィが選ぶのは前者で、只管にユートとヤりまくって妊娠をするしかなかった。

 

「あの二人じゃ無いなら何の話だ?」

 

「例えばクゼリーはどうなりますか?」

 

「僕が斃したら普通に肉奴隷化だろ」

 

「ですよねぇ」

 

 強姦は好まないユートも、闘いの果てに勝利をして相手が女性ならば無理矢理にヤる。

 

 蛮行ながら戦場の倣いでもあった。

 

 勿論、それは闘った相手のみの事で無辜の民を襲うのは許さないが……

 

「他の騎士達ですが」

 

「殺すなと?」

 

「出来ましたら。それに万が一にも全滅してしまったら統治にも差し障りますし」

 

「一度だけだ」

 

「……え?」

 

「一度だけ非殺傷設定で斃してやる。だけど次に戦場へと出てきたら二度目は無い」

 

「充分ですわ!」

 

 感極まったリリィはユートに抱き着き、それでも滾った事でまた抱かれて気絶させられた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 宣戦布告から数日後……

 

「な、何だあれは!?」

 

「莫迦な!」

 

「月が増えただと!?」

 

 空に浮かぶ新たな月にトータスの人間族も魔人族も驚愕する事になるが、フェアベルゲンの亜人族は予め聞いていたから驚きも薄かった。

 

 スターモードで全長四〇〇〇kmという巨大さを誇り、トランスフォームして全高九〇〇〇kmという巨人の姿を取る【星帝ユニクロン】の完全に一〇分の一スケールだ。

 

 衛星型超弩級万能戦闘母艦ダイコンボイ。

 

 名前の由来はダイナミック・ゼネラル・ガーディアン一号機の『ダイゼンガー』。

 

 トータスの人間では衛星軌道上に浮かんでいるダイコンボイには攻撃が叶わず、此方側は一方的に戦力をハイリヒ王国へと送り込める訳だ。

 

 宣戦布告をしたし戦争だとユートは言ったが、何の事は無い――これは高度な文明を持つユートと剣と魔法という、原始的な闘い方しか知り得ない存在に対する蹂躙劇にしかならない。

 

 イーグル、シャーク、パンサーの姿を模してる機体がバラバラと王都の近くの草原に降り立ち、忍者みたいな出で立ちの機体が更に降りてきた。

 

 【クストース】――ラテン語で『守護者』を意味する名称で、αナンバーズが付けたものであるから正式な彼らの名称ではない。

 

 イーグル型が『カナフ』。

 

 シャーク型が『ケレン』。

 

 パンサー型が『ザナヴ』。

 

 正確にはオリジナルではなき量産型(アフ)である為、草原にカナフが千、ケレンが千、ザナヴが千という総計で三千にも及ぶクストースが居る。

 

 忍者型は『ジンライ』といい、ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン三号機の設計図から造られたという曰く付きの機体。

 

 中忍なジンライは後に『雷鳳』に改造されているが、量産機たる下忍なジンライを幾つかユートが鹵獲して解析後に流用している。

 

 この場に居るのは対人用にダウンジングサイズされた約三mの機体だが……

 

 元々がクストースはユニクロンの護衛機という仕事をさせるが、ジンライは人型だからサイズを変えて様々な場所で戦闘以外に活躍していた。

 

 正しく見た目通りの忍者だ。

 

 とはいえ、勇者みたいな超AIによる意志までは持たない命令に従うだけの人形でもある。

 

 王国騎士達や神殿騎士は驚くしかない。

 

 てっきりあの数人の神敵が相手だと思ったら、自分達に匹敵する数の金属の塊なのだから。

 

 轟龍改に雷虎改という鋼機人やアステリオンにカリオンにゲシュペンストMkーⅡ、どれもが本来の巨体ではなく三m級にダウンジングサイズされている対人用AI制御の機体達。

 

 当然ながら勇者(笑)が『こんな闘い方なんて汚ないぞ、もっと正々堂々と闘え!』とか、ずれた事を言ってきたが『これが僕らの戦闘方法だ』と言って取り合わない。

 

 時空管理局がアシュリアーナ真皇国に対してのアクションをしない理由、それが管理局と無関係だから扱える質量兵器――正確には魔導兵器だが――を平然と使ってきて今までに何度も煮え湯を飲まされてきたが故。

 

 各領国に守護鋼人としてこれらや龍人機などが存在するし、各領国の衛星型超弩級万能戦闘母艦の前にその世界へ入る事すら出来なかった。

 

 ユートのアシュリアーナ真皇国は無人世界という未開拓世界を開拓したモノ、当然ながらそれは六〇〇年前の古代ベルカ時代から行ってきたから高々、二〇〇年未満の歴史しかない時空管理局がどうこう言う権利は何処にも無い。

 

 寧ろ、歴史を変えない為に時空管理局の設立を赦してやったのだから感謝して欲しいもあのだ。

 

 因みに本来の世界線ではルーテシア・アルピーノの流刑地となった第三四無人世界マウクラン、其処も普通に現在ではアシュリアーナ真皇国による領国とされている。

 

 防衛戦力に無人機を使うのは味方側の人死にをなるべく防ぐ為だが、兵士が不要な訳ではないから雇用問題などの解消も含めて採用していた。

 

 そして始まる戦争という名の蹂躙。

 

《ZEROーTWO DRIVER!》

 

 ヒデンリンカー02が伸長して装着。

 

「僕らも始めようか」

 

 カシャッとバックルのゼロツーリベレーターを展開させる。

 

《LET’s GIVE YOU POWER!》

 

 ユートが装着したのはいつものゼロワンドライバーではなくゼロツードライバー、使用するキーも新たなゼロツープログライズキーである。

 

《LET’s GIVE YOU POWER!》

 

 リリィばかりではなく、雫や香織や鈴やユエやシアやティオやミレディやヘリーナやニアといった面々、そして恵里アナザー改め恵里"ともたっぷり愛し合ったユートだったが、数日間をセ○クス漬けで爛れた日々を過ごしてきた訳ではなくて、ゼロツードライバーやゼロツープログライズキーを製作してもいたのだ。

 

《LET’s GIVE YOU POWER!》

 

 因みに初めてだった恵里"だけど【閃姫】枠ではなく萌衣奴な為、優しく初めてを散らせるなんて事は無くて媚薬を大事な部位に塗り込み、大の字で磔にしてから代わる代わる他の娘との交わりを見せ付け、自慰をどうやってもヤれないで濡らすばかりの状況で完全にデキ上がった状態で磔にした侭で初めてを貫くとか外道な事をしている。

 

《LET’s GIVE YOU POWER!》

 

 悪魔の所業ながら一番最初の激しい痛みの後は何度もイカされ、【閃姫】枠なら回数も加減するのに萌衣奴枠だったから二〇発はイカせたしイッた為にすっかり虜だった。

 

《LET’s GIVE YOU POWER!》

 

 平行世界とはいえ親友の鈴と百合行為をヤらされたし、しかも鈴は雫と香織のコンビの百合行為が羨ましかったのか恵里との百合行為は、正しくそっちの気があったんじゃないか? と思うくらいに情熱的に愛し合っていたりする。

 

《LET’s GIVE YOU POWER!》

 

 元の世界では殺し合った仲でもあるのだけど、まさか平行世界で愛し合うとは思うまい。

 

《AUTHORIZE》

 

 オーソライザーにセタッチ。

 

《ZEROーTWO JUMP!》

 

 ライズスターターを押してプログライズキーの展開をさせると、顕れた黄色と赤色の飛蝗型をしたライダモデルが地面を縦横無尽に飛び回る。

 

「変身っ!」

 

 ゼロツースロットへ装填。

 

《ZEROーTWO RIZE!》

 

 ライダモデルと一体化。

 

《Road to glory has to lead to growin'path to change one to two!》

 

 紅い腕。

 

《KAMEN RIDER ZEROーTWO!》

 

 首には紅いマフラーを模したクォンタムリーパーとゼロツーストリーマ。

 

《IT's NEVER OVER!》

 

 紅いゼロツーアンテナに、紅い複眼のゼロツーアイといった具合に紅が加わっている。

 

「仮面ライダーゼロツー、それが僕の名だ!」

 

 一応は最終フォームな仮面ライダーゼロツーに変身したユート。

 

 そして続く仲間達も変身を開始。

 

「変身っ!」

 

《HENSHIN!》

 

 雫が仮面ライダーサソードのマスクドフォームに姿を変える。

 

「キャストオフ!」

 

《CAST OFF……CHANGE SCORPION!》

 

 ガチャガチャとオーバーアーマーが開いて弾け飛ぶと、紫色を基調とした翠の複眼を持った剣士――仮面ライダーサソード・ライダーフォームに。

 

「ハイパーキャストオフ!」

 

《HYPER CAST OFF》

 

 それは蠍の形をしたハイパーゼクターであり、カブト虫を模した物はハイパーカブトとハイパーガタック用としていた。

 

《CHANGE HYPER SCORPION!》

 

 パーツが増設されたりしたが全体的にサソードの面影は充分残る、これが雫に渡したパワーアップツールの変身となる仮面ライダーハイパーサソードである。

 

「変身!」

 

 リューンバックルのスリットへラウズカード――【チェンジリューン】を読み込ませる香織。

 

《CHANGE!》

 

 カリスとは逆に白を基調とした仮面ライダーリューンに変身し、更なるラウズカードを取り出して本来はカリスに存在しないラウズアブゾーバにカードを装填。

 

《ABSORB QUEEN!》

 

 次にノイントを封じたラウズカードをリードしてやる。

 

《EVOLUTION KING!》

 

 銀色に金色のラインが入る翠の複眼を持っているワイルドカリスっぽい姿、それでいてブレイドみたいなクレストが全体に付いているその姿とは即ち仮面ライダーリューンキングフォーム。

 

「変身っ!」

 

 Vバックルにカードデッキを装填、仮面ライダータイガとなった鈴は更に【サバイブー疾風ー】を手にする。

 

《SURVIVE!》

 

 疾風と共に顕れたるは元の物が巨大化したみたいなデストバイザーツヴァイにセットをすると、全体的に暴風によって包まれていく仮面ライダータイガの姿が大きく変貌。

 

 仮面ライダータイガサバイブに。

 

 萌衣奴枠とはいえ恵里"も闘うべくカードデッキをVバックルに装填。

 

「変身!」

 

 速やかにオルタナティブ・ゼロに変わる。

 

「力を貸せ、蝙蝠モドキ!」

 

『良かろう……ガブリッ!』

 

 ベルトがユエの腰に装着され、新たに与えられたキバットバット二世――【闇のキバの鎧】だ。

 

「変身!」

 

 つまり、仮面ライダーダークキバ。

 

「変身っですぅ!」

 

《HENSHIN!》

 

 シアもザビーゼクターをライダーブレスへ嵌め込んで、仮面ライダーザビーマスクドフォームの姿に変身をする。

 

「今回は見せ場の一つなので普通にやるですぅ、キャストオフ!」

 

《CAST OFF……CHANGE WASP!》

 

 ザビーゼクターを一八〇度回転させる事によりオーバーアーマーが弾け飛んだ。

 

「ハイパーキャストオフ!」

 

《HYPER CAST OFF》

 

 左腰に装着した蜂型のハイパーゼクターの謂わばスイッチを入れる。

 

《CHANGE HYPER WASP!》

 

 増設されたアーマーに光の羽根を持つ強化された仮面ライダーハイパーザビーが、ブンブンッと右手に持ったアイゼンⅡを振り回していた。

 

「変身っ!」

 

 ティオもVバックルにカードデッキを装填して仮面ライダーリュウガに成る。

 

《SURVIVE!》

 

 【サバイブー烈火ー】のカードの効果を受けて、ブラックドラグバイザーが炎と共に新生。

 

 ブラックドラグバイザーツヴァイに変化をして炎を巻き上げながら、Vバックルに装備されているカードデッキも単なる黒から、黒曜石の輝きを放ちその姿は仮面ライダーリュウガサバイブへと進化をしていた。

 

 ミレディがライズスターターを押す。

 

《RAMPAGE BULLET!》

 

「暴れちゃうよ~」

 

 アサルトグリップをユートが使っていたから、ミレディにはアサルトウルフを経由せずに更なる進化形態のアイテム――ランペイジガトリングプログライズキーを渡してある。

 

《ALL RIZE!》

 

 装填されたプログライズキー。

 

《KAMEN RIDER KAMEN RIDER KAMEN RIDER KAMEN RIDER……》

 

「変身!」

 

《FULL SHOT RIZE!》

 

 引き金を引いて放たれる一〇発のSRダンガーと内包されたライダモデル達。

 

《GATHERING ROUND!》

 

 放たれたSRダンガーが狼のライダモデルと共に戻ってきたのを正拳突き。

 

 ミレディの右腕が仮面ライダーのものに。

 

 更に一〇ものSRダンガーがミレディに襲い掛かるかの如くぶつかり、それらも仮面ライダーの形態へと変化をしていった。

 

 そして全てのライダモデルがミレディへと戻るとパーツとなり装着される。

 

《RAMPAGE GATLRING!》

 

 完成された仮面ライダーランペイジバルカン、それは鮮やかなる蒼を基調にする青い複眼を持つ左右非対称の姿。

 

《MAMMOTH CHEETAH HORNET TIGER POLARBEAR SCORPION SHARK KONG FALCON WOLF!》

 

 それは一〇の動物のデータから成るてんこ盛りなフォーム、まるで動物園の如く仮面ライダーの姿は【解放者】のリーダーに相応しい……かも?

 

「すげー」

 

 野村健太郎がパワーアップした仮面ライダーを見て固唾を呑んだ。

 

 何しろ何人か本編に登場しないパワーアップをしているし、ユートとミレディの仮面ライダーは見覚えの無いものである。

 

「くそ、あんな卑怯な力で蹂躙する! これだから転生者は!」

 

 そして未だにアホな事を言い続ける勇者(笑)には皆が辟易としていた。

 

「俺だって居るんだぞ! 変身っっ!」

 

 何だか叫びながらでかいモーションで変身している少年――遠藤浩介。

 

《DAREJA OREJA NINJA! SHINOoooooooooooBI KENZAN!》

 

「忍と書いて刃の心……仮面ライダーシノビ!」

 

 紫を基調とした忍装束を模したアーマーに身を包む、遠藤浩介が変身をした仮面ライダーシノビは只でさえも影が薄い彼の認識を疎外してしまう紫色のマフラーを首に巻くという。

 

 スペックはどう足掻いてもパワーアップ形態へと変身した仮面ライダーには敵わないのだろう、然しながら相手は常識の範囲で鍛えた王国騎士と神殿騎士なだけに充分過ぎた。

 

「浩介……居たのか……」

 

 失礼極まりない科白を宣う永山重吾。

 

「仮面ライダー及び機甲兵団、ハイリヒ王国軍及び聖教教会神殿騎士団へ攻撃を開始せよ!」

 

 命じるのは巨大な空中モニタにその美しい姿を映すリルベルト、前世ではシア・カーンとの間に三人の子供を産んだものの育てた訳ではないし、アシュリアーナ聖王国の聖王女として姉であったラルジェント・ル・ビジューに代わらねばならなかったのもある。

 

 ユートとの互いの前世に於ける契約に基づき、アシュリアーナ真皇国の真皇となったユートの妻として第一真皇妃として、その役割たる政務へと就きつつも趣味の午睡を愉しみながら今の人生を謳歌していた。

 

 その補佐は双子の姉としてアシュリアーナ公国の公女に産まれたラルジェントが就き、軍務関係もリルベルトが統括をしている状態である。

 

 リルベルトとしてはラルジェントもユートの妻――第四皇妃に推したが、本人が固辞をしていたから結局はリルベルトの補佐――宰相の位置に。

 

 リルベルトとラルジェントは魔導士(ラザレーム)

 

 言霊真言(ホツマ・マントラ)による自分の放つ言葉を現実に換える力を持つ存在だった。

 

 神力魔導――神の如く者達。

 

 そして聖王女リルベルト・ル・ビジューはその体内に真なる『秩序法典(オルド・コデックス)』を持ち、最強とも云える魔導士の頂点にすら立てる存在だった。

 

 あの魔導書は既に【焔皇】ギネィビア・ハフェ・シエルと共に宇宙へ還したから今は無いし、【紅の王】たるカイ・シンクの呪いで殺されない限りは老いない死なないという事も無くなった訳だが、ユートと再会をして【閃姫】契約をした為に再び同じ呪いな力を持ってしまうリルベルト、そして双子の共振で契約無しで不老となっているラルジェント。

 

 亜麻色の髪の毛のリルベルトと黒色の髪の毛のラルジェント、ユートとしてはどちらも美味しいとは思いながらも手を出したのはリルベルトのみであり、ラルジェントは何処か怯えた風に拒絶をしてきたから手は出していない。

 

 因みに二人がリアルに一四歳の頃だった為に、【影技】の頃に比べても幼く見える。

 

「退け、退くならば追わない……だけど飽く迄も前に出るならば――――覚悟を決めろ!」

 

 王国騎士は既にガタガタ。

 

「黙れ! 神敵を前に退く我らではないわ!」

 

 神殿騎士はヤル気満々の様である。

 

「そうか……なら、お前達を止められるのは唯一人――僕だ!」

 

「そういう場合は僕達だ! でしょ」

 

 二千を越える騎士とはいえ此方も数千を越え、何ならその気になれば万をも越える。

 

 クストースに吹き飛ばされる騎士達、ジンライに弾き飛ばされる騎士達、ゲシュペンストMkーⅡにぶっ飛ばされる騎士達、仮面ライダーに蹴り飛ばされる騎士達……と散々な目に遭っていた。

 

 その癖……

 

「折れたぁぁぁっ!?」

 

「効かねぇ!?」

 

「何なんだよこのゴーレムは!」

 

「チクショー! チクショーめが!」

 

 単なる鉄剣や鋼剣では刃も立たない。

 

 これがせめてアザンチウムコーティングでもあれば傷くらいは付けたろうに。

 

 カナフ・アフが、ケレン・アフが、ザナヴ・アフが騎士達に攻撃を加える。

 

『『『『ウギャァァァァッ!』』』』

 

 阿鼻叫喚の王国騎士と神殿騎士。

 

 遂には逃げ出す神殿騎士と飽く迄も命令に従い闘う王国騎士、果たしてどちらが正しいのかなど誰にも判らないが、いずれにせよ誇り無く埃に塗れた神殿騎士に命令に従えば騎士だと思っている王国騎士、ユートからしたらどっちもどっちという感想しか出ない。

 

「ハイパースラッシュ!」

 

《RIDER SLASH!》

 

 雫の――仮面ライダーハイパーサソードによる、必殺の一撃が複数人の騎士を斬る。

 

 ハイパークロックアップ付きだから人間の動きが緩慢処か停まって見えたし、雫の動きは元から勇者(笑)より俊敏が高かったから余計に迅い。

 

「おんどりゃぁぁぁああっですぅ!」

 

 近くでシアが仮面ライダーハイパーザビーの姿にていつもの通りアイゼンⅡを振り回しているが、ひょっとしたら彼女は仮面ライダーに成らなくても普通にやれるのでは? と思えた。

 

「ハイパークロックアップ!」

 

《HYPER CLOCK UP!》

 

 どうやらちゃんと使っているらしい。

 

「ハイパースティング!」

 

《RIDER STING!》

 

 まるで蝶が舞い蜂が刺すを地で往く動きを以て神殿騎士を一〇人ばかり、次から次へとザビーゼクターのゼクターニードルで刺していく。

 

 此方も活用しているみたいで良かった。

 

「……トドメ」

 

《ウェイクアップⅠだ!》

 

「……喰らえ!」

 

 遥かな上空へとジャンプして騎士を殴る必殺技――ダークネスヘルクラッシュが決まる。

 

「……ふっ!」

 

 別の騎士にジャコーダーを鞭とするジャコーダービュートで刺し貫き、皇帝の紋章が上空に浮かび上がるとジャンプして通り抜けて騎士を宙吊りにして魔皇力を注ぎ込む。

 

「……女王の判決を言い渡す……死ね!」

 

「ギャァァァァァァァァッ!?」

 

 まぁ、最初の一回は非殺傷だけど……死ぬ程に痛いから漏らしながら気絶した為、寧ろ殺してくれと懇願したくなりそうだ。

 

《FINAL VENT!》

 

《FINAL VENT!》

 

《FINAL VENT!》

 

 仮面ライダータイガサバイブ、仮面ライダーリュウガサバイブ、オルタナティブ・ゼロの三人が同時に【ファイナルベント】のカードをベント、ミラーモンスターのそれぞれがバイク形態へ変化をして走り、それに乗り込むと必殺の一撃として轢き逃げアタックを敢行する。

 

「「「ウガァァァァァァァッ!」」」

 

勿論、一人だけで済まさない。

 

 次々に轢いていく様は余りにも凄惨が過ぎて、モニタで視ていた永山パーティが目を背けた。

 

 オルタナティブ・ゼロのサイコローグが回転をしながら轢く、ブラックドラグランザーが火球を吐き出しながら轢く、デストワイルダーサバイブ(仮)が水晶で磔にしながら轢く。

 

 騎士からしたら魔物が訳の解らない変なナニかに変化しているのだから堪らない。

 

「皆、凄いな~。私も往くよ!」

 

 武器が仮面ライダーワイルドカリスと変わらないから、香織――仮面ライダーリューン・キングフォームに出来るのはワイルドのカードを使う事。

 

 ワイルドスラッシャーをリューンアローと合着させて【ワイルド】のカードをスラッシュ。

 

《WILD!》

 

 そして放たれるワイルドサイクロン。

 

『『『ウワァァァァァッ!』』』

 

 怪人でも何でも無い人間の騎士など一撃を放てば複数人が巻き込まれる。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 バンッ! 立ち上がりながらテーブルを両手で叩く勇者(笑)。

 

「緒方だけなら未だしも、香織や雫や鈴や恵里まであんな卑劣な闘いをするなんて! 矢っ張り、緒方が彼女らを洗脳をしてるに違いないんだ! そうだろ? 綾子!」

 

 そんな勇者(笑)の科白を聴いて辻 綾子は不快そうに眉根を寄せ、それに伴い野村健太郎も不愉快だという表情となり勇者(笑)を睨む。

 

「訊きたいんだけど、どうして相手に合わせて上げる必要があるの?」

 

「な、何を言ってるんだ?」

 

「態々、相手に合わせて舐めプしろって? はっきり言って意味が判んないわよ!」

 

「まさか、君も洗脳を受けたのか? クソ、何て卑怯なんだ緒方は!」

 

 そんな勇者(笑)を見て辻 綾子も野村健太郎も、そして永山重吾も吉野真央も覚ってしまう。

 

((((こいつとは対話が出来ない))))

 

 何と無く判ってはいたし、何なら幼馴染み~ズは既に理解もしていた事ではあるのだろうけど、天之河光輝という男は会話はしても対話にはならない人間だ……と。

 

 会話と対話は似ている様で違う。

 

 会話は云わば言葉のキャッチボール、つまりは言葉を御互いが交わしていれば成立する。

 

 対話とは互いの言葉を互いが理解して交わし合うもので、天之河光輝のそれは会話ではあっても決して対話では無い。

 

 自分の言いたい事を宣い、自分の聴きたい事だけを聴こうとするのが天之河光輝であると理解してしまうと、何だかこいつの言葉の一つ一つが余りにも薄っぺらいものに聴こえた。

 

『俺が皆を守る!』

 

『皆で絶対に帰るんだ!』

 

 耳に心地好い言葉を顔と地球での目に見えている実績がカリスマとなり、永山重吾らもすっかりその気になってしまっていたのだが、これならばユートの言葉を確り聞くべきだったのだと今更ながら考えてしまう。

 

(緒方が転生者で、しかもこの世界に来た時には全く動揺していなかった気がする。つまり転移とか召喚とか初めてじゃ無いって事なんだろうな。要はド素人な天之河の言葉より緒方の言葉の方が余程重要だったって事だな。まぁ、緒方が転生者なんて最近になって知ったからどうしようも無い……って、そういや左腕を斬り落としてくっ付けていた辺りから察するべきだったか……)

 

 自分の阿保さ加減が嫌になる永山重吾。

 

(錬成師ってのも南雲があんなの造れたからには外れ天職と呼ぶには早計だしな)

 

 とはいえ、並の錬成師には其処までの能力など無いのはメルド・ロギンスの言葉から明らか。

 

 勿論だが匠とも云える錬金術師や錬成師なら、似た様な技くらい出来るであろう事は騎士甲冑などを視ればだいたい判る。

 

 その事を鑑みれば国王も教皇も貴族達も無能と蔑んでいた辺り見る目が無い、それは自分達とて同様だから敢えて文句など言わないけど。

 

 そうこうしている内に神殿騎士が潰走をして、王国騎士が項垂れながら降伏をしている。

 

 どうやら戦争という名の蹂躙は終わりを告げたらしくて、天之河光輝が不満そうな顔をしている以外は予定通りの終わり方だったと云う。

 

 

.




 永山達は反省頻りでした。


勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる
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