ありふれた職業で世界最強【魔を滅する転生業】   作:月乃杜

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 大迷宮には向かったけど途中で寄り道は必至な訳ですが、原典でも普通にあった出来事がアレンジされているだけですね。

 運営はマジ運対(笑)。





第93話:ありふれた念能力

.

 さて、大迷宮への最後の攻略も間近となっているからにはやるべき事はやってしまわねば。

 

 聖教教会は神殿騎士や戦闘修道女といった者らを送り込み、ユートを亡き者とするべく暗躍などをしてくれていた。

 

 中にはユートや【閃姫(せんき)】を暗殺をしようと城のメイドに化け、飲物や食物に毒を仕込もうとしたりも平然としていたらしい。

 

 それもマチにより悉くが失敗に終わってたし、神殿騎士は男ばかりだけどメイドに化けて忍び込んだ修道女や戦闘を旨とする修道女は捕まえて、城の地下牢へと幽閉してしまい全員を犯した。

 

 敵対者には強姦も厭わないのだから。

 

 修道女と一口に言っても様々なタイプが居り、年齢に限定しても油断を狙ってか一二歳か其処らだったりするし、中には三十路くらいのベテランなメイドに化けるタイプも居る。

 

 戦闘を行うタイプは一五歳~二七歳くらいで、何故か醜女は居なかったからヤるのも愉しい。

 

 処女非処女に関しては流石に一〇代前半の娘は処女だったが、それ以降の年齢は上役に肢体を求められる事が度々あるらしく非処女ばかり。

 

 まぁ、痛みに泣き叫ばれないから【閃姫】にするでもないなら非処女もアリだ。

 

 それにしても清貧を尊べとまでは言わないが、立場を盾に肉体関係を強要とか腐れた教会。

 

 せめて和姦であるべきだと思う。

 

 実際にユートはアシュリアーナ真皇国の真皇(しんおう)としてメイドは何千何万と、六百年間で雇っている訳だけど処女かどうかのチェックも入るし、肉体関係を良しとするか否かも採用時に訊いていた。

 

 更には強制的にメイドとして雇う場合もあり、それはスラムで燻っていたり家出少女だったりと訳有りが連れて来られた形。

 

 原典と異なりシャンテもこういう経緯で拾われた後、聖王教会に見出だされてシャッハ・ヌエラに預けられ師弟みたいな形に収まった。

 

 僅か一日、魔法球を使っての一日が三〇日換算ではあるけど端から視ればそんな僅かな時間にて、暗殺者や戦闘修道女やメイドとして間諜をしていた修道女の全員を、ヘロヘロの腰砕けになるまで

ヤり抜いてしまったので別の意味も含めて脅威を懐かれてしまう。

 

 総勢で千人は居たのに……と。

 

 それは兎も角、修道女は一部を除いてユートに堕とされてしまって逆襲に使われた。

 

 その結果、イシュタル・ランゴバルトを捕らえたのは皮肉にも非嫡子ではあるが()()()……

 

 孫では無くて娘だとは、ユートとはまた違った意味だが下半身がとても元気な爺様である。

 

「さてと、イシュタル・ランゴバルト教皇さんには暗殺やら何やらと世話にもなった事だからな。確りと御返しをしないと真皇の名が廃る……というものだろう」

 

 その表情は笑顔だけど明らかに威圧。

 

 イシュタル・ランゴバルトもそれを感じたか、ゾクリと背筋に冷たいモノを感じていた。

 

 その理由の一つが念。

 

 軽く【練】を発するだけで念を識らない人間には脅威を感じずには居られない。

 

「わ、私を殺すのですかな?」

 

「簡単に死へ逃げられると思うなよ」

 

 ユートはイシュタル元教皇と幹部達を拘束し、神山に於ける教会本部から隔離していた。

 

「さぁ来い、ガタックゼクター! ハイパーゼクター! パーフェクトゼクター! そして三機のゼクター達!」

 

 天高く右腕を掲げたユートが虚空へ呼び掛けるとジョウントを通り、先ずはガタックゼクターがユートの手の内に納まる。

 

「変身!」

 

 ガタックゼクターをライダーベルトに装填をしながら叫ぶと……

 

《HENSHIN!》

 

 ベルトを中心にして装甲がユートの全身に拡がっていき、黒いインナーに青い装甲で赤い複眼を持った仮面ライダーガタック・マスクドフォームになった。

 

「キャストオフ!」

 

《CAST OFF CHANGE STAG BEETLE!》

 

 ガタックゼクターのゼクターホーンを反すと、マスクドアーマーが弾け飛んで中から現れたのはライダーフォームのガタック、横へと倒れていたガタックホーンが頭部に装着してユートは右手へと新たにハイパーゼクターを取る。

 

「ハイパーキャストオフ!」

 

 カブトムシの角に当たる部位のスイッチとなるゼクターホーンを押し込むと音声が響いた。

 

《HYPER CAST OFF!》

 

 ハイパーキャストオフにより、そのモチーフがクワガタである証となるガタックホーンが巨大化をして、胸部が内部にタキオンプレートを収納するガタックプロテクターに再構成、腕や脚のパーツも変化をして仮面ライダーガタックハイパーフォームとなる。

 

《CHANGE HYPER STAG BEETLE!》

 

 更に手にした剣――パーフェクトゼクターに集う三機のゼクター、即ちザビーゼクターとドレイクゼクターとサソードゼクター。

 

 前回のダークゼクターとは違ってシアに渡したザビーゼクター、雫に渡したサソードゼクター、そしてミナ・ハウリアへ渡したドレイクゼクターがパーフェクトゼクターに集った訳だ。

 

 再びゼクターホーンを押す。

 

《MAXIMUM RIDER POWER》

 

 そして青いスイッチから順番に黄色→水色→紫色と四つのスイッチを押していく。

 

《GATACK POWER》

 

《THEBEE POWER》

 

《DRAKE POWER》

 

《SASWORD POWER》

 

 四つの力が合わさり更なる音声が響く。

 

《ALL ZECTER COMBINED!》

 

 持ち手と刃の部位がガチャリと 90゜曲がり、パーフェクトゼクターは剣の形態から銃の形態へと変形をした。

 

「マキシマムハイパーサイクロンッ!」

 

 指に掛けた引き金を引きながら叫ぶ。

 

《MAXIMUM HYPER CYCLONE!》

 

 電子音声と共に銃口から渦を巻きながら放たれるエネルギーは虹色の輝きが美しく、凶悪な威力で少しずつ横薙ぎにされて神山を原子崩壊させながら突き進んでいった。

 

「し、神山が!? 我らの聖教教会の本部が! 莫迦な莫迦な莫迦な!?」

 

 目を見開きながら叫ぶイシュタル・ランゴバルト元教皇、そして絶望の表情で神山を見つめている同じ穴の狢的な枢機卿達。

 

 彼処には元教皇や枢機卿らの御宝やエヒトルジュエの絵画など、半生を費やして手にした物などが保管されていたのだから当然か。

 

 神の名の下に……と貯め込んでいた。

 

 否、エヒト様の御寵であると本気で思っていたのだから始末に負えまい。

 

 因みにあの気色悪い絵画は捨て置いているが、連中の財産はきちんと没収をしている。

 

「そういえば修道女の中にはイシュタルの娘が居たんだが、年齢的には枯れ果てた爺さんの割には随分と下半身が元気みたいじゃないか」

 

「な、何が言いたいのです?」

 

 プスーッ!

 

「っ!?」

 

 行き成り刺されて慌てるイシュタルだったが、何故か痛くも痒くも無いし血も出ない。

 

「不能の短剣、これで正真正銘で枯れ果てたって訳だよ。枢機卿のお前らも同じくな」

 

 全員を不能の短剣で刺して不能にした。

 

 最早、裸の女がお口で御奉仕してくれたとしても決して勃ち上がる事はあるまい。

 

 地位も財産も男の矜持すらも喪って死よりも辛い絶望が襲う。

 

「誰に喧嘩を売ったのかを理解したか?」

 

 間違いなく理解をしたけどそれは既に遅くて、イシュタルは急速に実年齢より老いたのだった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 聖教教会への制裁も終えたユートはリリィに加えてルルアリア、ヘリーナとニアの侍女コンビをも加えた5Pをたっぷりと愉しんでから旅路へ。

 

 ギャラクシーコンボイをモデルにしながらも、ビークルモードはG1な初代コンボイと似ているオプティマスプライムに乗り、リリィとヘリーナを連れてヘルシャー帝国へと向かう事になった。

 

 因みにギャラクシーコンボイは消防車であり、G1初代コンボイはトレーラーである。

 

「私が邪魔をしてしまったみたいで申し訳がありませんわ」

 

「構わんよ。もうお姫様じゃないとはいっても、矢張りケジメってのは必要だろうからね」

 

 天之河光輝の邪魔とは質が違う。

 

「そういえば、重吾さん達に言われていた話なのですが……」

 

「向こうから喚べるなら還せないのか? って話だろ。言った様に次元航行だけでなく時空の壁をも越えられるからには可能だ。でも連中だけで帰ってどうするよ? この世界を支配する愉悦神たるエヒトルジュエをどうにかしないと又候、誰かが召喚されるかも知れない。下手したら地球へと干渉されるかも知れない。だったらエヒトルジュエを滅ぼしてから帰るしか無い。だから僕は残るんだが、連中を帰したとしてどうやってマスゴミや政府からの干渉をどうにかするんだ? 下手に帰れば好奇の視線に晒され、政府からは過干渉をされ、マスゴミは面白可笑しくネタを記事に書くだけだろうよ。トータス以上に住み辛くなるのは火を見るより明らかなんだから我慢して貰うしかないんだよ」

 

「マスゴミが何かは判りませんが、確かに愉快な事にはなりそうにありませんね」

 

「前に住んでいた地で異世界からのゲートが神の力で開いた事がある」

 

「神とはユートさんの世界の?」

 

「うんにゃ、異世界の神で冥王ハーディという。それは兎も角として地球では色々と物議を醸し出したのは確かだね。マスゴミは勿論、日本政府や諸外国。何しろマスゴミからしたら新鮮なネタ、政府からしたら全くとは言わないが殆んど減ってない資源に新たなる開拓地(フロンティア)、欲していたし得られて当然と言わんばかりだったからな」

 

「浅ましいですわね」

 

「今回は自由に出入りが出来るゲートが確立された訳では無く、飽く迄も時空の向こう側だったから行き来が出来る訳じゃないが、日本政府は海外から独占を疑われてバッシングされるだろうし、そうなれば永山達に接触――くらいなら可愛いもので誘拐とかも有り得る」

 

「それは……また……」

 

 余りにも余りな地球という世界の情勢に対し、リリィは閉口するしか無かったのだと云う。

 

「言っておくが決して大袈裟に言っている訳じゃないからな? 外国とか云っても君らは同じ大陸内でヘルシャー帝国と魔国ガーランドとフェアベルゲンと後はハイリヒ王国と紐付けられているであろう中立商業都市フューレンやアンカジ公国、小さな世界でしか見ていないリリィでは理解もし難いんだろうけどね」

 

 勿論、それが悪いとは云わない。

 

 小さな村で一生を終える者だって居るのだし、それを考えればまだリリィは広い世界に居た。

 

「それでも帰りたければ帰してやると言ったら、流石に永山達も押し黙ったよ」

 

「彼らに跳ね避ける力はありませんか?」

 

「高が学生如きにある筈も無いな。はっきり言うが地球に戻れば力で何でも出来る訳じゃないんだから、下手に暴力でも振るえばマスゴミの格好の餌食だろうさ」

 

 地球では政府を相手に、マスゴミ共を相手に、それに……おかしな連中をも相手にしなければならなくなるだろうから。

 

(何しろ、美晴みたいな子の暗殺者が居るくらいだからな……とはいえ、美晴の方は混淆世界の子だとは思うんだがな)

 

 召喚されたとかではなく、この世界に習合された別の原典の存在であろうと思えた。

 

「ヘルシャー帝国まではすぐ……うん?」

 

「どうしました?」

 

「この気配は……パルか? それにミナにラナか。追われているみたいだな……」

 

「追われている?」

 

「行ってくる」

 

 ユートはオプティマスプライムから飛び降り、気配のある方向へとユートは駆けた。

 

 因みに他のメンバーも取り敢えずは飛び降りている。

 

 パル君――一〇歳やラナとミナは気配から明らかに変身はしていない。

 

(どうして変身してない?)

 

 変身は割とすぐに出来る筈だし、ならば変身をしないには理由でもあるのかも知れないと判断、ユートは魔力を脚に宿して加速をする。

 

「変身!」

 

 ユートは仮面ライダー一号が取る変身ポーズを取ると、自らの手にしたカードデッキを顕現したVバックルに装填。

 

 その姿は仮面ライダー龍騎。

 

「よっしゃ!」

 

 そして一枚のカードをデッキから引き抜くと、まるで炎が全身を包むかの如く竜巻くと左手にはドラグバイザーツヴァイ。

 

《SURVIVE!》

 

 ドラグバイザーツヴァイの龍の口となる部分に喰わせるかの様に閉じた。

 

 炎に包まれていたユート――龍騎は仮面ライダー龍騎サバイブに変化する。

 

「一気呵成に征く!」

 

《FINAL VENT!》

 

 ドラグレッダーが顕れてドラグランザーへと変わると、更にバイク形態に変形させたのに乗り込むとアクセル全開で走らせた。

 

「見付けた! パル、ミナ、ラナ! 一気に此方へと駆け抜けて来い!」

 

「あれはまさか!?」

 

 ミナ・ハウリアが気付いた様に声を発すると、ラナとパルの二人と頷き合って加速する。

 

 すぐに交差して三人が駆け抜けたのを確認した瞬間に、ユートはドラグランザーに命じて三人を追っている鎧兜――どうやら帝国兵らしい――連中に突撃をした。

 

「うわぁぁっ!」

 

「な、何なんだ!?」

 

「化け物だと!」

 

 ドラグランザーが火の玉を放って牽制というよりも、その火の玉をぶつけただけで死にそうだが兎にも角にも轢き逃げアタック――ドラゴンファイヤーストームで轢き斃した。

 

『『『『ウギャァァァァッ!』』』』

 

 勿論、そんな事をすれば対ミラーモンスターや対仮面ライダーの為の必殺技だけに、単なる人間が喰らったのだから粉々に粉砕されている。

 

 ブレーキを効かせて停まると龍騎となっているユートはドラグランザーから降り、此方を窺っているパルとミナとラナの方へと歩き出すと同時にカードデッキを外して変身解除。

 

「矢っ張り兄者!」

 

 パル君――一〇歳が嬉しそうに叫ぶ。

 

「総領、お久し振りです」

 

 片膝を地面に付いて頭を下げるラナ。

 

「ユ、ユート様……」

 

 ミナの頬が朱い。

 

 今のユートはフェアベルゲンを纏める総領で、位置的には長老が置かれる評議会より上。

 

 そして女王的な立ち位置となるアルテナ・ハイピストの夫的な立場、ミナとしては()()()()()既に意識をしていただけに堕ちていた。

 

「君らなら斃せたろうに、変身をするでなく逃げていたのは何でだ?」

 

「実はちょいとしくじりまして」

 

「しくじった?」

 

 パル君――一〇歳が悔しそうな表情となりギリッと奥歯を噛み締める。

 

「総領、フェアベルゲンが魔人族により襲われました。魔人族こそ撃退しましたが、すぐに人間族――ヘルシャー帝国の兵士が乗り込んで来まして、あろう事か樹海に火を放ったのです」

 

 パル君――一〇歳に代わりラナが説明。

 

「ほう? 魔人族も魔人族だが、ヘルシャー帝国も亡びたいみたいだな、ハイリヒ王国みたいに」

 

 国王のエリヒドは死亡、王太子ランデルは♂を喪って女に成った上に子を成す事も出来ないし、ルルアリアは王族ではあっても王家の血族ではなかったし、子を成す事は可能だがユートの虜であるリリアーナには期待が出来ない。

 

 事実上、ハイリヒ王国は滅亡状態だ。

 

 但し、幸いな事に民には何の害も無かったから王国滅亡は単純に頭がすげ替わったに過ぎない、寧ろ使途不明金分の税金が減ったから有り難いくらいだったのだと云う。

 

「それで現在は帝国兵を捕らえるべく作戦行動をしていまして、今回も変身は無しで帝国兵を捕まえる為に殺害も極力減らす予定でした」

 

「ああ、そりゃ悪い事をしたな」

 

 轢き逃げアタックで挽き肉にされた帝国兵を視ながら頭を掻くユートに、パル君――一〇歳やラナやミナも恐縮をしながら言う。

 

「いえいえ、兄者に助けられて文句なんて言いやせんや!」

 

「そうですよ総領!」

 

「ユート様に助けられて嬉しいです!」

 

 パル君――一〇歳は目がキラキラ、ラナとミナは頬が一様に紅くなっていた。

 

「それで、パル……」

 

「兄者、少々宜しいでしょう?」

 

「何だ?」

 

「俺の事はこれから『必滅のバルドフェルド』と御呼び下せぃ」

 

「……は?」

 

 ユートがバッと振り向くと……

 

「疾影のラナインフェリア!」

 

「そして私は空裂のミナステリア!」

 

 何故かドヤ顔で、ジョジョっぽい感じに香ばしいポーズを決めながらも名乗るのだった。

 

「パル君、ラナさん、ミナさん? ……ヒッ!? な、何ですかこの威圧感は!」

 

 プルプルと震えるシアにニコリとミナが笑顔、それは飛び切りの可愛らしい誰もが魅了されそうな満面の笑顔を向けてきて、シアはビクリと肩を震わせて一歩二歩と後退さってしまう。

 

「ね、念……だと?」

 

 ミナはいつの間にか念を修得していた。

 

 フッとミナの姿が消える。

 

「ミ、ミナさんが……っ!?」

 

 何故だかシアの背後を取っていた。

 

「羨ましい、シアが羨ましいわ」

 

「な、何を?」

 

「ユート様には充分に可愛がって貰っているのでしょう? そのおっきなオッパイを揉まれたり吸われたりして、その上で挟んだり扱いたりしているんでしょうね?」

 

「ひゃわっ!?」

 

 ミナがシアの胸を揉みながら訊いてくるけど、敏感なシアは先っぽを捻られて蕩けた顔に。

 

 そんな二人の姿にJr.が無い天之河光輝は兎も角として、坂上龍太郎はアダルトビデオなんか目じゃない余りのエロティカルな光景に前屈みとなってしまう。

 

 それを視た鈴が汚いモノでも視るかの如く視線を向けて一言。

 

「龍太郎君、サイッテー」

 

「ぐふっ!」

 

 原典afterと違って好意を懐いている訳では無い坂上龍太郎だったが、女の子からのその発言には精神的なダメージを負ってしまった。

 

 ユートがおっきさせれば紅くなってしまう鈴、他の男がおっきさせても愉しくないらしい。

 

「それで、必滅とか疾影とか空裂ってのはいったい何なんだ? それと名前の後に付けているのも意味が判らないんだが」

 

「取り敢えず名前からインパクトが欲しいなと、一族が総出で考えた次第でやさぁ」

 

「一族総出でか?」

 

「へい、兄者!」

 

 となると、どうやらハウリア一族の全員が今みたいな厨二病を患っているのであろう。

 

「パ、パル君……」

 

「必滅のバルドフェルドですぜ、姉御」

 

 どうやら譲れない願いの様だ。

 

 今もオッパイ揉み揉みされるシアに対し冷静に言うが、一〇歳の身でも矢張り少年には目に毒だったらしくシアの方を見ない。

 

 まだまだポークビッツだから目立たないだけでパル君――一〇歳の♂もおっき中なのだろう。

 

「ミナさん、いい加減で止めて下さい!」

 

 一本背負いで投げるも、ミナはクルクル一回転をしながら着地をしてしまった。

 

「シア、空裂のミナステリアよ」

 

「ウ、ウチの一族が変な感じに~」

 

 厨二病真っ盛りな一族に嘆くシア。

 

「いっそシアも名乗れば?」

 

「嫌ですぅ!」

 

 苦笑いのユートに諭されてブンブンと首を横に振りながら叫んだのだと云う。

 

 取り敢えず話を進める事に。

 

「成程な、帝国兵に亜人族が何人も攫われたか。それでカムを中心にハウリアが何人か態と捕らわれて敵情視察、他は攫われたフェアベルゲンの民の救出をする部隊とパル……トフェルド達みたいな帝国兵を誘き出す部隊に分かれた訳か」

 

 ジーッと視られたので呼び直す。

 

「へい、なので他の部隊から連絡が有ればだいたいの事が判りやす」

 

 どうやら大丈夫らしい。

 

「それなら変身しなかったのも判るが……帝国兵が動くからには皇帝の意を受けたんだろうな奴ら。潰すか、ヘルシャー帝国」

 

「手伝って頂けるんですか? 総領」

 

「どうせリリィをヘルシャー帝国まで連れていく予定だったんだ。攫われたフェアベルゲンの民を回収して送り届けたら向かうぞ……帝国に」

 

「「「はい!」」」

 

 キラッキラな瞳のパル君――一〇歳や、矢っ張り蕩けた表情でユートを見つめるラナとミナ。

 

 パル君――一〇歳とラナとミナを加えた一行は、再びオプティマスプライムに乗り込んでハウリアらしきを捜す事になる。

 

 尚、帝国兵の遺体はユートがメラゾーマにより焼き尽くして灰すら残らなかった。

 

 捜せば割とすぐにハウリアは見付かる、誰なのかまでは流石に判らなかったのだが数人が帝国兵と闘っているらしい。

 

 他にも何人もの亜人族が居る。

 

 森人族に狐人族に猫人族など様々な種族達で、意外なのは土人族――ドワーフの女の子はずんぐりむっくりではなく、身長が低く髪の毛が多いだけで割と普通に可愛らしかった。

 

 四方世界ではずんぐりむっくりだった事も手伝って、ユートは勝手にそちらを想像していただけに目を見開いてしまう。

 

「さて、行きますか」

 

 だけど行く中にミナとラナと序でにネア・ハウリア――外殺のネアシュタットルムは居ない。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「ユート様」

 

「どうした?」

 

「ネンって何ですか?」

 

「ああ、その話か」

 

 どうやら良過ぎるハウリアの耳は決して聴き逃したりしなかったらしい。

 

「いつからかは知らんけど皆には見えないモヤがミナ――ステリアの周りに見えるだろ?」

 

「はい」

 

「それは生けとし生ける存在ならば誰しも持ち合わせる生命エネルギー、即ちオーラと呼ばれているモノだ。精孔というのが開いていないと開花しないにしても、誰でも等しく使える様になるのは間違いない……それが念能力だ」

 

「オーラ……これがですか?」

 

「ああ、僕も念は扱えるからミナステリアの周囲に漂うオーラが見えた。どうやったかはしらないが【纏】は綺麗に出来ているね」

 

「テン?」

 

「オーラを垂れ流すのではなく身体の周囲に留め置き『纏う』技術。念能力の基礎中の基礎となる四大行と呼ばれる最初の一歩というやつだな」

 

「四大行という事は?」

 

「他に三つ。だけど最後のは応用編まで修得してからだな」

 

「それは何故ですか?」

 

「最後の【発】は必殺技みたいなものだからだ。自分の系統に合った必殺技を作るのだから基礎から応用まで全てを修得していた方が良い」

 

「成程……」

 

 最低限、【凝】と【隠】と【堅】は欲しいし、【周】や【流】や【円】なんかも疎かにはしたくない、【硬】も出来ないよりは出来た方が良いに決まっている。

 

 体質か性格上かで扱えない能力も在るらしいのだけど、取り敢えずミナには全てを教えておくのも良いだろう。

 

 亜人族だから魔法は使えないにせよ、念能力であれば扱えるのだろうから。

 

「オリジナルに比べて然程に危険も無い訳だし、ミナ――ステリアは僕の持つ力で彼処に行って貰おうか」

 

 名前を呼ぼうとすると見つめられる。

 

「彼処……ですか?」

 

「僕の念能力――【発】の一つだよ」

 

「っ!」

 

 ミナが驚くのと同時に【HUNTER×HUNTER】を識る全員も驚く。

 

「能力名は『強欲なる島(THE GREED ISLAND)』」

 

『『『グリードアイランド!?』』』

 

 英語でグリードとは七つの大罪である強欲の事を指しており、綴りも同じである為に恐らくそれをイメージして名付けられたのだと思われる。

 

 因みにGREEDはジン、レイザー、イータ、エレナ、ドゥーンの頭文字から、ISLANDも同じく頭文字だけど名前が公表されているのはLに相当するリストくらい、またドゥーンの本当の頭文字はWだけどジンに改名させられたらしい。

 

「【発】の一つって事は他にも有るのかよ!? ってか容量(メモリ)はどうなってんだ?」

 

 ちょっと興奮気味な野村健太郎。

 

「他にも在る。無制限ではないが……そうだな? カストロが10ギガだとしたら僕は10テラくらいは空き容量(メモリ)が在るんだと思えば良い」

 

「チートか? 矢っ張り転生チートなのかよ? 百倍じゃ済まねーじゃんか!」

 

 約千倍となるからそう思うのは仕方がないが、ユートみたいな記憶持ちは記憶無しの転生に比べて魂の拡大率が高い為、何をやるにしても他者より遥かに有利な立ち位置から始められるのだ。

 

 況してや今のユートは疑似転生を幾度と無く繰り返し、通常転生すら二度も行っているのだから念能力の容量(メモリ)も更に増えていた。

 

「他にはどんな能力が?」

 

 雫も気になるのか訊ねてくる。

 

「例えばそうだな、殺して逝かせるか性的にイカせた相手の魂を掌握して能力を模倣か簒奪する【模倣の極致(コピー&スティール)】、自身が扱える能力を他者に与えるカードを創る【修得する切札(インストール・カード)】、自分に女性、女性に自分の快楽を与えて更に増幅させ全身を性感帯にする【女神を縛る鎖(ヴィーナス・ラブミーチェーン)】とかかな?」

 

「せ、戦闘には使えないな……」

 

 【女神を縛る鎖】の部分で紅くなる野村健太郎を辻 綾子が冷めた目で見つめていた。

 

 付き合っている訳では無いのだが互いに意識をし合っている二人なだけに、エロティカルな事を野村健太郎が考えると嬉しくないらしい。

 

「闘う為の念能力は無いのか?」

 

「有るぞ」

 

「どんな?」

 

「【破壊神の降臨(ジェネシックドライブ)】」

 

「な、何かスゲー不吉な名前だな……」

 

 決して敵対側ではないのが救いか?

 

「僕は【模倣者】だ。だから独自性は余り無くて大概は模倣した闘い方になる。これだってちょっと面倒な制約が有るけど使ってしまえば使い易い能力なんだよな」

 

 使わない事が多いけど。

 

「【HUNTER×HUNTER】の世界では念能力を中心に使っていたから、ちゃんと【破壊神の降臨】も使っていたんだけどな……幻影旅団員とかヒソカやクロロやイルミを相手にしてね」

 

「選りに選ってそいつらかよ」

 

 基本が疑似転生なだけに鍛え直しをしなければならないし、どうあっても肉体能力は本体よりも劣ってしまうが故の選択である。

 

「制約って?」

 

「必ず最終融合(ファイナルフュージョン)というバンクを入れる」

 

「……は?」

 

「だから、念能力を使う為には必ず最終融合ってバンクを入れなきゃならんのだよ」

 

 要は変身バンクを入れないと使えない能力で、強力ではあるが非常に面倒臭い。

 

「しかも技名を叫ばんと技が出ない」

 

「うわぁ……」

 

 抑々がユートの認識がそれだから。

 

「話を戻すぞ。ミナ――ステリアにはグリードアイランドという念で創ったゲームをプレイして貰う事になる。魔法球内に構築された島を舞台にしてモンスターを狩り、指定カードと呼ばれるカードを百枚集めてコンプリートすればゲームクリア。ゲームクリアが無理だと考えたらゲーム内の魔法に途中でゲームから出るモノが在るから捜し出して使えば良い。【挫折の弓】というアイテムを使っても出られるし、港から出るというのも可能な様に再現されている」

 

 【挫折の弓】は入手難度がAでカード化限度枚数は11の割とレア度が高いアイテム、装備をしたら矢の本数――最大で10本――だけ【離脱(リーブ)】の魔法が使える物だ。

 

 ぶっちゃけ、【挫折の弓】を手にしているくらいなら普通に【離脱】を手に入れた方が良い。

 

 因みにユートの【強欲なる島(THE GREED ISLAND)】という念能力は、外の世界でユートが(バインダー)を扱えて更にはカードも使える。

 

 カードの殆んどが【創成】で創ったか具現化したかの代物、魔法カードはグリードアイランドでユートが実際に手にして使える状態にした上で、【修得する切札】により構築して造り出して修得をしてから魔法カードにした。

 

 尤も、魔法カードは基本的にゲーム内で使う事が前提に作られているから無意味だが……

 

 ユートが天之河光輝に対して呑気に構えていられるのも、本当に本気でやるのなら入手難度Bでカード化限度枚数22の【縁切り鋏】を使えば事が済むのだから。

 

 まぁ、グリードアイランドのアイテムなんてのはユートも先ずを以て使わないけど。

 

「本当に、どうしても脱出方法すら使えなかった場合だが……ブック!」

 

 ユートが本を出すと開いてカードを取り出し、それをミナへと手渡してやる。

 

「【離脱(リーブ)】?」

 

「これを使えば最悪で戻れる。但し、ゲーム内の【離脱】ではなく此方を使った場合はミナ――ステリアの念を封印する」

 

「っ! ど、どうしてですか!」

 

「ライバルすら居ないグリードアイランド内で、【離脱】すら手に入らないってなら念能力を使うセンスが無いからだよ」

 

「わ、判りました……」

 

 スペルカードはマサドラでカードを買いまくればいずれ手に入るのだが、それにはリアルラックか袋に三枚入りのカードを買いまくれる資金力が必要となってくるのだ。

 

 こうしてミナはグリードアイランドに入って、プレイヤー名:ミナステリアで登録をしてプレイをする事になったが、何故かラナがプレイヤー名:ラナインフェリアとネア・ハウリアがプイヤー名:ネアシュタットルムでプレイする事に。

 

 仕方がないから二人が最低限の念が扱える様に精孔を開き、必要な知識を伝えて【纏】と【絶】が使える様にして送り出す。

 

 原典では【発】をしろとあるが、グリードアイランドでは明らかに初心者用のモンスターなんかも居るし、実際には【纏】か【練】でも可能というか【発】は有り得ないだろう。

 

 例えばウボォーギンの場合は『超破壊拳(ビッグバンインパクト)』を使えと言うに等しい。

 

 どう考えても誤植なり勘違いなりだ。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 ユート達は攫われていた亜人族を救出するべくオプティマスプライムから飛び降り、縦横無尽の活躍で帝国兵共を蹴散らしてやると代表となって話し掛けて来た森人族の少女と話す。

 

 原典ではアルテナ・ハイピストだったのだが、此方での彼女は仮面ライダーバルキリーとなってオルクス大迷宮で動いており、代わり? となって捕まった森人族が居たらしい。

 

「初めましてじゃ、我が名はフリュー・ハイピストという」

 

「ハイピスト? アルフレリックやアルテナと同じファミリーネームだな」

 

「一応は親族じゃな。アルテナの叔母に当たると言えば判り易かろう」

 

「オバサン……」

 

「言っておくが、ワシは肉体的には一四歳くらいで成長が停まっておるからな?」

 

「! ユエと同じ? まさか、固有魔法の使い手なのか!?」

 

「バレバレじゃの。故にワシは独りで暮らしておったのじゃがな」

 

 原典には存在しない上に身内たる父親に当たる族長にして、長老たるアルフレリックやアルテナも知らない固有魔法の使い手のフリュー。

 

 知られない侭に一族から出奔する形で森に暮らしていたのを、行き成り魔人族は現れるは帝国兵に捕らわれるはというとんだ一日だったらしい。

 

「どうやら最近では魔法を扱うのに忌避感も和らいだらしいが、だからと言ってワシがそれを内密にしておったのじゃから父上も立場上は困ろう。故にワシを貰ってくれぬか?」

 

「アルテナが居るんだが……」

 

「伝え聞くにアルテナは女王に成る立場じゃし、ワシは甘いモノさえ食わせて貰えるなら御主を主と仰いでも構わぬよ」

 

 確かにフリューは見た目が可愛らしい。

 

 甘味好きみたいだが、隠れ住む森人族というのは手に入れるのも難儀したのであろう。

 

「父上に言われて偶にアルテナが運んで来てくれる甘味しか食えぬ日々、御主に付いて行けば甘味を心置き無く堪能出来そうじゃからな」

 

 居場所も心許なく、好きな甘味を食べるのも侭ならない日々に終止符を……という訳らしい。

 

「判った」

 

 最後の大迷宮前にヘルシャー帝国へ乗り込むという直前、フリュー・ハイピストという植物操作の固有魔法を持つ【閃姫】候補を手に入れた。

 

 

.




 フリューはメーネと同じ原産のエルフです。


勇者(笑)な天之河の最後について

  • 原作通り全てが終わって覚醒
  • ラストバトル前に覚醒
  • いっそ死亡する
  • 取って付けた適当なヒロインと結ばれる
  • 性犯罪者となる
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