ギャラクトロンを追ってワームホールに突っ込んだ結果、地球に辿り着いた俺。周囲を見るに、何処かの山の中みたいだ。色々と疑問な部分はあるが、まずは俺の知っている地球なのか確かめなければならない。
そう考えて取り敢えず人の居る所へ向かおうと歩いていると、上空に飛行機のような物が飛んでいるのが見えた。あれは――、
「CREW GUYS?」
機体の側面に描かれた字を読み取ってみると見慣れない組織の名前が見えた。少なくとも記憶している中にはそんな組織は無かった⋯⋯という事は此処は俺の知っている地球ではなく更にその未来か、別宇宙の地球である。という事になる。
というか、あんな速度で飛行する機体は今まで訪れたどの地球にも存在していなかったので、俺の知っている地球では無いのだろう。
等と考えていると、突然地上から空に閃光が走り、上空を飛んでいた飛行機に命中した。恐らく制御不能になってしまったのだろう。飛行機は地面へ向かって落下していった。閃光が発射されたと思われる場所に目を凝らすと透明に見えるように擬態していた四足歩行の怪獣――ネロンガが咆哮をあげるのが見えた。
煙を上げて落下していく飛行機。脱出は――出来ないようだ。細かい状況はよくわからないが、このままだとパイロットが死んでしまうかもしれないという状況で黙っているわけにもいかない。
懐から透き通った白い水晶――アーヴスフィアを取り出す。そしてそれを右腕にあるブレスレット型の神器――アーヴハンドに装填する。
『セット! ウルトラマンアーヴ!』
「希望の光をこの手に掴む!」
そして右腕を天高く掲げると、俺の全身を光が包み、次の瞬間、俺の姿は光の戦士――ウルトラマンアーヴの姿になっており、その手には墜落しかけた飛行機を潰さないように優しく持っていた。
そして此方に向かって吼えるネロンガに向き、構えを取る。少し息苦しい。どの地球でもエネルギーの消耗が早いというのは共通のようだ。早めに終わらせないといけないだろう。向こうもどうやらやる気満々らしい。
という事で此方から仕掛ける。幸い此処は山間部。町の方に比べるとあまり人はいないだろう。電気を纏うネロンガへと走り、蹴りを見舞う。此方にも当然電撃は通ったが、ネロンガも多少効いたようでたたらを踏んでいた。
拳、蹴り、体当たり、プロレス技のような物も織り交ぜながら、ネロンガの体力を削いでいこうとするが、ネロンガも全身を帯電させながら、此方へ尻尾や電撃、体当たりを繰り出してくる。
尻尾を頭を下げる事で回避し、電撃を左手に展開したバリアで防ぎ、体当たりをネロンガの身体を踏み台にすることでジャンプして避けると、そのまま上空へ滞空し、飛んできた電撃を回避しながら思考する。
(やっぱり電撃をどうするかだな)
このまま必殺光線で倒すのもありだが、ネロンガは余程電気を溜め込んでいるのか今も元気に電撃を飛ばして来ている。このまま倒してしまったら溜め込んでいた電気が周囲に拡散されるかもしれない。それを防ぐには――、
(ネロンガの電気を出来る限り吸い取る――つまり!)
「この力の出番って訳だ!」
『セット!ウルトラマンエックス!』
「こいつはちょっと痺れるぞ!」
『ユニオンスフィア!』
『ウルトラマンアーヴ!サイバーザナディウム!』
カラータイマーから翡翠の光が溢れ、全身を包むと次の瞬間俺の姿は先程までとは違い、各所に青いラインが流れる機械的な鎧を纏った巨人となった。
これがユニオンスフィアによって発現する力。ウルトラマンアーヴ・サイバーザナディウム。
ウルトラマンの力が宿る宝玉、アーヴスフィアの力をエレメントとして自身と融合させる。それがユニオンスフィアだ。オーブの光からのミッションをクリアしたことで貰った報酬のような物である。
「電子の光が天地を結ぶ!」
地面に降り立ち、ネロンガへ向かって一直線に走っていく。ネロンガは電撃を飛ばして来るが意にも介さない。
サイバーザナディウムの特性は雷――というよりは電子と呼ぶべきだろう。電脳空間への適応やサイバーアーマーの装着、コンピューターへのハッキングなんかも可能である為、これまでも対宇宙人にはよく使っていた形態だ。
この形態ならネロンガの放つ電撃を吸収出来る為、相性は最高だろう。電撃を吸収しながら両腕にエネルギーを集中させる。そしてネロンガの目の前まで肉薄すると両腕を突き出し、
「ザナディウムインパクト」
この姿での必殺技、ザナディウムインパクトを放った。両腕から放たれた波動はネロンガに直撃し、一瞬の後にネロンガは倒れた。といっても気絶しただけなのだが。
「⋯⋯半端だな」
殺すつもりで戦ったはずなのに、いざ命を奪うとなるとどうしても躊躇してしまう。⋯⋯そのせいで守れなかった命だってあるのにも関わらず。
⋯⋯取り敢えずネロンガを何処かに置いてくるか。
「あははははははは! 見つけた!見つけた見つけた見つけた見つけたァ!」
そしてその様子を見て狂ったように笑う者が1人。その姿はまるで蒼に輝く鎧を纏った魔人であり、
「やっと此方に来たんだぁ。あははははははは――! 愛してる殺したい愛してほしい殺してほしい――!」
「――だから」
その手には先程まで生きていただろう宇宙人の頭部が握られていた。
「今度は絶対逃がさない」
読了ありがとうございます。
ウルトラマンアーヴ サイバーザナディウム
身長:51m
体重:45000t
飛行速度:マッハ8.8
走行速度:マッハ3.6
地中潜航速度:マッハ2.8
水中潜航速度:マッハ1.6
ジャンプ力:850m
腕力:83000t
握力:68000t
必殺技:『ザナディウムインパクト』
ウルトラマンエックスの力でユニオンスフィアを行った形態。電脳空間への適応、サイバーアーマーの装着、電子機器へのハッキング等、様々な分野で使える能力を持つ形態。