この素晴らしき世界とリュウソウジャーに祝福を!   作:クロスオーバーマスター

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騎士竜がアクセルの街に襲来!凄まじい力で暴れる騎士竜に冒険者達に成す術があるのだろうか?


第四話 この荒ぶる騎士竜に説得を!

「ガオオオオオオオンッ!!」

 

凄まじい咆哮にギルドが震える。

 

「お、おい…何だよこの鳴き声は…!?」

 

「まさかこれがデストロイヤーもどきの…?」

 

冒険者達は外に出て様子を見ようと再び正門前に続々と集まる。

 

カズマ「おい、騎士竜って強いのか?」

 

バロ「強いよ。騎士竜はドルイドン対抗の最終兵器として、恐竜を特殊な鎧で強化、進化させた恐竜だからね…。」

 

アクア「!見えたわ!あれが…。」

 

アクアの指差した先には…

 

 

 

 

 

 

騎士竜「ガオオオオオオオンッ!!」

 

 

 

 

 

 

銀色地に黒色の装甲で身を固め、二本の角が生えた恐竜…いや騎士竜がアクセルの街に迫っていた。

 

「「グエエエエッ!!」」

 

その側には二体の翼竜のような生き物を従えていた。

 

「で、でけぇ!?」

 

「確かにデストロイヤーに匹敵する大きさだぜ!?」

 

あまりの大きさにすごむ冒険者達。

 

騎士竜「ガオオオオオオオンッ!!」

 

騎士竜は雄叫びを挙げながらアクセルの街に突進してくる。

 

カズマ「いや早い!?」

 

めぐみん「数分しない内に街に着きますよ!?」

 

「このまま街に突っ込まさせてたまるか!?」

 

「撃て撃て!?」

 

ドガガガガガッ!

 

魔法や弓矢を騎士竜に向けて撃ち込む。

 

騎士竜「ガオオオオオオオンッ!!」

 

だが、騎士竜の硬い身体には矢は蚊が刺したような、魔法はちょっとした博打でしかなかった。

 

カズマ「ダメだ!?まるで歯が立たないじゃないか!?」

 

ダクネス「おのれ!この街には手出しさせん!?」

 

ダクネスは正門から飛び出し、騎士竜に立ち向かおうとする。

 

カズマ「おい!?ダクネス!?無茶だあんなデカい相手!?」

 

バロ「踏み潰される!?」

 

めぐみん「それなら我が爆裂魔法で…。」

 

アクア「もうダメよ!?早くこの街を出ましょう!?」

 

カズマ「だああっ!?お前ら少し黙ってろ!?」

 

パニックになるアクアと魔法を撃とうとするめぐみんに対して怒鳴るカズマ。

 

カズマ「何か手は…ダメだ!?やっぱりあんな相手に対抗手段なんてあるのか!?まあ、そもそもこの世界には存在しないはずの騎士竜がいるんだからなぁ…!?」

 

バロ「せめて言葉が通じれば…。」

 

カズマ「!?言葉が通じるって…あいつら喋れんのか!?」

 

バロ「え?う、うん…進化して知性を持つようになったから言葉は理解出来るはずだよ…。」

 

カズマ「それなら…バロ!あいつに話し掛けてこれ以上来ないように説得してくれ!」

 

バロ「えっ!?わ…分かったよ!?」

 

バロは慌ててダクネスの前に出る。

 

「お、おい!?何をする気だ!?」

 

「危ないー!?」

 

騎士竜「ガオオオオオオオンッ!!」

 

騎士竜がダクネスとバロの前まで来た時、

 

 

 

 

バロ「止まって!?僕はリュウソウ族だ!」

 

 

 

 

バロはリュウソウケンを突き出して見せる。

 

騎士竜「!?」

 

ダクネス「…!止まった!?」

 

リュウソウケンを見た騎士竜は急に動きを止めた。

 

騎士竜「……。」

 

「と、止まった!?」

 

「どうなってるんだ…。」

 

「壊れたのか…?」

 

バロ「き、君はどうしてこの街に来たの?」

 

騎士竜「ガオオンッ!ガオオンッ!ガオオオオオオオンッ!!」

 

騎士竜はまるで何か訴えるように吠える。

 

カズマ「どうだ!?何か分かったか!?」

 

バロ「どうしよう…さっぱり分かんない…。」

 

「「「ズコッ!?」」」

 

苦笑いしながら答えるバロ。だが、少なくともこの騎士竜には確かに話を聞くだけの知性はあるようだ。

 

めぐみん「しかしこのデストロイヤーもどき…もといこの騎士竜と言うゴーレム?なのでしょうか…?知性を持っているなんて珍しいですね…。」

 

ゴーレムは基本的に土や機械の塊のため知性は持ち合わせていないが、見た目が同じようなこの騎士竜に知性があることに驚く。

 

ダクネス「話が通じるのは助かるな…。」

 

めぐみん「そうですね…デストロイヤーは話が通じるどころの騒ぎではありませんしね…。」

 

騎士竜「ガオオンッ!ガオオンッ!ガオオオオオオオンッ!!」

 

カズマ「しかしこれでは…どうすりゃ良いんだ…?」

 

知性があるものの言葉が通じなければどうしようもない。

 

ダスト「しかしあんなデストロイヤーもどきに知性があることにも驚いたが、あいつは一体何者なんだ?」キラッ✨

 

するとダストと言う冒険者の首もとで何かが光った。

 

カズマ「!?お前それって!?」

 

ダスト「わっ!?おい!?」

 

カズマはダストの首に下がっている物を掴んだ。それは恐竜の頭を模した鍵だった。

 

カズマ「これは!?」

 

ダスト「え?ああ、この前のダンジョンで見つけたんだ。これがどうかしたのか?」

 

カズマ「バロ!これ、リュウソウルだろ!?」

 

カズマがバロにリュウソウルを投げる。

 

パシッ!

 

バロ「ありがとう!でも何のリュウソウルだろ?」

 

バロはリュウソウルをリュウソウケンの恐竜の頭を模したツカの口にリュウソウルを挿入する。

 

〈リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!コタエソウ!ペラペーラ!〉

 

キィィンッ!

 

リュウソウケンから光が溢れ、騎士竜を包み込む。

 

 

 

 

 

 

 

カルノーガ「拙者カルノーガでござる!折り入ってそこのリュウソウ族の貴殿に相談してきたのでござる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「喋ったああぁぁっ!?」」」

 

突然、喋りだした騎士竜カルノーガ。しかも侍口調で饒舌に話すため余計に驚く冒険者達。

 

バロ「コタエソウルだったんだ…でも、好都合!」

 

カルノーガ「この様な風変わりな場所でリュウソウ族の者に会えるとは感激でござる!」

 

カズマ「あのさぁ…カルノーガって言ったか?何たってこの街を壊そうとしたんだ?」

 

カルノーガ「む?ああ、そのことか拙者はこの近くの平原の遺跡で眠っていたのだが…。」

 

カズマ「平原…。」

 

 

 

 

 

 

 

カルノーガ「眠っていた遺跡で凄まじい爆発音と衝撃波が何度も伝わってきて、ロクに眠れなかったのでござる。」

 

 

 

 

 

 

「「「ーーー」」」

 

またしても固まるカズマ、めぐみん、バロ。

 

カルノーガ「拙者はドルイドンとの戦いに備えて眠っていたのだが、先程も申したようにその爆発音で目を覚ましてな…。」

 

バロ「ど、どうしよう…僕達がこの騎士竜の封印を解いたみたい…。」

 

カズマ「ま、まあ、話が通じただけでもマシだって…また眠って貰おうぜ…。」

 

カルノーガ「拙者の眠っていた遺跡が壊れてしまったのでてっきりドルイドンの仕業かと思ってな…。」

 

「「「ーーー」」」

 

更に固まるカズマ達。遺跡まで壊してしまったようだ。

 

カルノーガ「目覚めて外に出たら古い城があって、この街から邪悪な気配を感じ取ってドルイドンかと思ってここまで来たのでそうろう。」

 

バロ「そうか…デュラハンの城の近くにカルノーガの遺跡が…それをめぐみんの爆裂魔法で壊しちゃったんだ…。」

 

ダクネス「邪悪な気配とは恐らく先程までいたデュラハンのことだろうな。」

 

アクア「つまり原因はデュラハンだったのね。」

 

カズマ(それと俺達のせいでもありますけどね…。)

 

カズマの顔が罪悪感と責任感で引きつっていた。

 

「しかしこいつどうする…。」

 

「こんなデカいのがいたらなぁ…。」

 

ここまで大きな騎士竜がいたらさすがに迷惑だろう。

 

カズマ「何とかならないかバロ?」

 

バロ「ん~?」

 

バロも考えるが名案は思い付かない。

 

カルノーガ「まあ、取り敢えず邪魔にならないとこにいるでござる。」

 

カルノーガはそれだけ言うと何処かへと去っていく。

 

カズマ「何か…これまた呆気なかったな…。」

 

バロ「僕達のせいだけどね…。」

 

めぐみん「むう…。」

 

何とも言えない状況だった。その後…

 

 

 

 

 

バロ「また借金した!?」

 

カズマ「この駄女神が…肩代わりしたくせしてまた…。」

 

アクアがまた借金をしたらしい。

 

アクア「だって!?人は沢山食べないと死んじゃうのよ!?」

 

カズマ「お前は駄女神だろうが!?」

 

カズマがアクアに怒鳴り付ける。

 

アクア「だからクエスト行きましょ!ねっ!?」

 

カズマ「ったく、バロが入ってからまあまあなパーティーになってきたのにこいつが元からパアに…!?」

 

カズマは頭が痛そうにする。

 

バロ「苦労してるんだね…。」

 

カズマ「お前だけだよ、そんなこと言ってくれるのは…。」

 

カズマは目尻に涙を浮かべる。

 

カズマ「で、クエストってのが水の浄化?」

 

アクア「そうよ!私は水を司る一級の女神よ!こんなの楽勝よ!」

 

カズマ「どうやって浄化すんだよ。」

 

アクア「水に浸かって半日経てばオッケーよ!」

 

カズマ「却下!」

 

アクア「お願い!?手を貸して~!?」

 

カズマはアクアを見限ろうとする。

 

アクア「浄化は本当よ!出来るから!?皆は浄化する湖に居るって言うワニ型のモンスターから守ってくれれば良いのよ!?」

 

カズマ「あ?ああ、それなら…。」

 

カズマは何か妙案を思い付く。

 

 

 

 

 

アクア「あの~…これは…。」

 

アクアは檻の中に入り、湖に浸かっていた。これがカズマの妙案でこれならモンスターに襲われないと言うことだ。

 

バロ「あんなんで大丈夫なの?」

 

カズマ「安心しろ。モンスター捕獲用の檻だ。そう簡単には壊れん。」

 

取り敢えず檻に入ったままアクアは湖の浄化をする。

 

めぐみん「何もなくて暇ですね…。」

 

バロ「Zzz…。」

 

カズマ「たまには良いだろ。これで報酬貰えたら万々歳だ。」

 

アクアの浄化が終わるまで暇を持て余す一行。

 

カズマ「おーい、アクア。大丈夫か?トイレとか行きたかったら言うんだぞー。」

 

アクア「平気よー、アークプーリストはトイレに行かないし。」

 

めぐみん「因みに紅魔族もトイレには行きません。」

 

カズマ「お前らは一昔前のアイドルか。そんなに言うなら日帰りでは帰れないクエスト受けて本当にトイレ行かないかどうか確認してやる。」

 

めぐみん「止めてください!?」

 

アクア「ぎゃああっ!?」

 

バロ「んがっ!?何!?」

 

アクアの悲鳴が聞こえてきて、湖の方を見てみるとワニ型のモンスター達が檻にかじりついていたのだ。

 

アクア「助けて~!?お願い!?」

 

檻の中から助けを求めるアクア。

 

ダクネス「待ってろ!?今助けに行く『ガブガブッ!』ぐああっ!?///」

 

バロ「…何かダクネス、自分からワニに食べられに行ってない?」

 

カズマ「……。」

 

もはや何も言わないカズマ。

 

アクア「た、助けて~!?何か檻がミシミシ言ってる~!?」

 

ダクネス「くっ…屈する訳には…!?///」

 

カルノーガ「何やってるそうろう…。」

 

そこへなんとあの騎士竜カルノーガが湖に来た。

 

バロ「あ、カルノーガ。ちょうど良かった、そこにいる人達を助けてくれる?」

 

カルノーガ「任せるでそうろう!はああっ!」ブウンッ!

 

ドパアアンッ!!

 

「「ぎゃああっ!?」」

 

カルノーガは長い尻尾で湖にいたモンスターもアクアもダクネスも薙ぎ払ってしまった。

 

キラッ!✨

 

バロ「?『パシッ!』…これは…やった!リュウソウルだ!」

 

カズマ「お、良かったじゃないか。今度は何ソウルだ?」

 

バロ「今、試すよ。」

 

バロはそのリュウソウルをリュウソウケンの恐竜の頭を模したツカの口の中に挿入する。

 

〈リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!チーサソウ!ミニミニッ!〉

 

シュルルッ!

 

カズマ「って、ええっ!?」

 

めぐみん「騎士竜の身体が!?」

 

なんと騎士竜カルノーガの身体が三分の一までに縮んだのだ。

 

カルノーガ「おおっ!?か、身体が…縮んだ!?」

 

バロ「わあっ!これでもう人に迷惑をかけることないよ!」

 

アクア「……。」

 

小さくなったカルノーガを尻目にアクアは檻の中で沈黙していた。




次回、あの冒険者がバロとカズマに決闘を申し込む!?

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