インフィニット・デモン・ストラトス (I・D・S)   作:フラッシュファントム

18 / 25
黒鷲データ
 ヘッド:ソードブレイカー
 ボディ:デュランダル
 プロセッサー:メモリアップⅢ
 アーム:スティレット
 レッグ:ハルバード

武装
 RW:アストライオスⅡ(突撃銃)
 LW:アメノムラクモ(太刀)
 SW:オーガブレイク(キャノン)
 AUX:追加弾倉
 RP:テンペスト(アークガン)
 LP:カグツチ(フレイムスロアー)

時系列としては学年別対抗戦~林間学校の間です。


EXオーダー編
EXオーダー1:霧纒の淑女VS黒鷲


  俺はデータ収集の為にアリーナに向かっていたがその途中で生徒会長に呼び止められた。

 

「一夏君、突然だけど私と模擬戦しない? 貴方……弱いから私が稽古をつけてあげる」

 

 生徒会長は挑発を交えて模擬戦を持ちかけた。大抵の人がこれを聞くと上から目線でムカッと来るがそんな安い挑発は通用しない。

 

「生徒会長から模擬戦を申し込まれるのは大変光栄でございます。弱い私に稽古をつけて頂きありがとうございます。アリーナで待っています」

 

 俺は丁寧な口調で模擬戦を受け入れ、今の段階で誰も使っていない第3アリーナに足を運んで黒鷲(アーセナル)の調整、今回使う武器を選定を進める。

 スペシャルの武装が使えるようになったのでその試射も兼ねた模擬戦ができると思うと心が躍った。スペシャルは特殊兵装で敵に異常状態を引き起こす癖のある武器ばかりだが使いこなせたら極めて強力な物となる。

 

(今回はアークガンとフレイムスロアーを中心に使おう)

 

 アシッドガンの『オロチ』も使用できるがアーセナルを溶かす強力な酸を有しており大気汚染が発生する可能性を懸念してこの世界での運用はしない。

 オロチが引き起こす毒状態は敵に蓄積ダメージを与えるだけでなく防御力が低下する効果がある。アーセナルすらも腐食させる毒をまき散らそうものならアリーナが使えなくなるだけでは留まらないと思ったのだ。

 今回使うアークガン『テンペスト』はRP、フレイムスロアー『カグツチ』をLPに格納している。因みにSWはキャノン『オーガブレイク』でAUXは追加弾倉だ。

 黒鷲の調整を終えて黒鷲を装着、ピットからフィールドに飛び出した。地面に着地して手に持った武器を見た。

 

(この模擬戦は、面白くなりそうな気がするな)

 

 俺はRWの突撃銃(アストライオスⅡ)とLWの太刀(アメノムラクモ)を構えた時、生徒会長がISを纏ってアリーナに降り立った。

 

「一夏君、お待たせ。あら、あの時と姿が違うからお姉さんびっくり!」

 

「これは私の機体の仕様なので気にしないでください。

 本日は宜しくお願いします」

 

 生徒会長が使うIS『霧纒の淑女(ミステリアス・レイディ)』は装着者の肌が多く露出されているがナノマシンで構成された水のヴェールで機体を覆うことで防御力を確保している機体で噂によると1人で組み上げたらしいが詳しい事は不明だ。

 相手が誰であっても俺は全力で戦う。そう決意をすると同時に試合開始のブザーが鳴り響いた。生徒会長は水を螺旋状に纏ったランス『蒼流旋』に内蔵されている四門のガトリングガンで銃撃を仕掛ける。

 俺はブーストで後退しながらガトリングの銃弾を避けながら突撃銃で応戦するが生徒会長は左に滑るように動いて避けた。そこから突撃銃の最適射程から攻撃を当てる為に跳躍、距離を詰めながら銃弾を放った。

 最適射程とは使用する武器が最も高いダメージが与えられる距離で突撃銃は中距離、マシンガンは近距離で当てると威力が上がる。これは使用する武器によって距離が異なる。

 

「甘いわ!」

 

 彼女は銃弾を体を反らして避けると同時にガトリングで反撃しながらこちらに接近。俺は咄嗟に太刀で蒼流旋による突進攻撃を防いで鍔競り合いをする。

 互いに力を込めるが引き分けで仰け反るだけだった。そこから突撃銃で生徒会長を牽制するが水のヴェールによって防がれた。

 更に彼女は水を纏わせた蛇腹剣(ラスティー・ネイル)を鞭の如く横薙ぎに振って追撃をする。蛇腹であるが故に相手と距離があっても攻撃が届くのだ。

 

「なにっ!?」

 

 蛇腹剣は黒鷲の胴部を切り裂いて耐久値を削り取った。削られた数値は大した量では無かったがこの状態は好ましくないと思った。

 俺は突撃銃で牽制しつつSWのオーガブレイクによる砲撃を放つも銃弾は水のヴェールで防がれ、砲弾は受け流されてしまった。接近戦を仕掛けようにもガトリングと蒼流旋の刺突、蛇腹剣の斬撃で困難だ。

 生徒会長は接近戦を仕掛けないこちらを見て勝負を決めようとガトリングで掃射をしながら瞬時加速で一気に接近。左手に持った蛇腹剣を振り回して逃げ道を塞いだ。

 

「決めるわ!」

 

 彼女が接近戦を仕掛けた時、俺はこれをチャンスに変えるべく行動する。

 

「今こそ試す時だな!」

 

 そう宣言すると同時にRWの突撃銃をRPに格納したテンペスト、LWの太刀をLPに格納したカグツチに持ち替えた。生徒会長は武器を持ち替えた事に一瞬、驚いた。

 

「武器を持ち替えた!? でもっ!」

 

 彼女はそれに構わず瞬時加速で急接近するもそれが仇となる。RWのテンペストのトリガーを引いた瞬間、銃口から電気が放たれた。更にLWのカグツチのトリガーも引いて炎を放った。

 

「えっ!?」

 

 生徒会長は電撃と炎が襲い掛かった事に動揺するが直ぐに瞬時加速で後退しようするも何故かそれが出来ずスラスターが爆発を起こした。俺は彼女が戸惑っている事に構う事無く容赦なく電撃と炎を浴びせ続ける。

 

「なにっ、どういうこと!?」

 

 生徒会長は異常が発生した原因を確認して愕然、霧纏の淑女はスラスターがエネルギーを過剰に取り込んで損傷、使用不可になってしまった。

 そんな事が起きていた事を知る術が無い俺は弾が尽きるまで電気と炎を只管に浴びせる。彼女が距離を離そうと動くたび、それに合わせてこちらも移動して一定の距離を保ち続けた。

 生徒会長は蒼流旋の刺突で反撃するもそのダメージを気にすることなく攻撃を続ける内にテンペストの弾が無くなった。その瞬間、彼女はスタン状態になった。

 

「ケリをつける!」

 

 弾切れになったテンペストを生徒会長に投げつけると同時に太刀をRWに装備してブーストで接近する。身動きが取れない彼女は横一閃の一撃をまともに受けてしまった。

 機体が正常であれば水のヴェールで防御できたが制御不能に陥り、身動きが取れない今の状態では防げなかった。これにより彼女のエネルギーは尽きて勝負が着いた。

 

「私の勝ちですね。ありがとうございました」

 

 生徒会長に勝利を告げた後、戦闘データをまとめる為にアリーナから去った。

 

 

 

 

  その夜、俺は自室で今回の戦闘データを確認すると彼女が纏っていたナノマシンで構成されている水のヴェールに異常が起きていた。調べると電気と炎による外部の異常な環境下に晒された事が原因だった。

 

「ナノマシンで構成された水のヴェールか……。アークガンとカグツチの同時攻撃を受け続けたら異常が起きてもおかしくないよな……」

 

 ナノマシンは精密機器なので極端な高温や電気刺激に弱いと思った。この世界でアークガンの電撃とカグツチの炎を受ける事を想定した精密機器は存在しない。

 アーセナルが使っているアークガンは浴びせ続ければ大型イモータルをスタン状態にできるのでISが搭載しているナノマシンを狂わせることは造作もないと思った。

 またカグツチの炎はイモータルやアーセナル戦を想定しているので極めて高い温度だ。霧纏は水蒸気爆発を起こす清き激情(クリア・パッション)が使える。水蒸気爆発を起こせる温度までなら制御は可能と思われるがカグツチが放つ火炎の温度は想定外だったと推測した。

 スラスターが爆発した理由は瞬時加速する際に後部のスラスター翼からエネルギーを放出して内部に取り込む段階でアークガンの電気とカグツチの炎も一緒に取り込まれていた。それが機体の許容量を一瞬で超えてしまったと俺は考えた。

 この模擬戦を通してスペシャル武器の使用を模擬戦の時は控えようと思った。

 

「知らなかったとはいえ……これで勝利したのはあまり良い気分ではないな」

 

 武器の特性が勝利に貢献していた事に複雑な気持ちになった。

 俺が次に生徒会長と戦う時はスペシャルを使う事無く勝利をすると心に誓って眠りに着いた。




アークガンとカグツチはかなり相性が良いと私は思います。アークガンは敵に攻撃を当たっている間は弾を消費=カグツチの射程圏内です。
アークガンが命中しているときにカグツチを当てれば敵を電撃火炎地獄の刑を執行できます(笑)
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