インフィニット・デモン・ストラトス (I・D・S)   作:フラッシュファントム

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先日、DXMがアップデートされました。

アップデートで追加されたボスが乱入したという話です。

時系列はオーダー6でソロモンが乱入する直前です。


EXオーダー4:ゼルクロアが乱入したらどうなるか

  クラス代表戦は各クラスから代表1名を選出、リーグ戦方式で試合をして勝利数の多い者が優勝となる戦いである。

 初戦は一夏と鈴音の試合で彼は中距離からの射撃戦に徹して鈴音を寄せ付けないようにしている。彼女が使用している機体は近距離格闘が得意で敵の得意分野での戦いは不利だと考えたのだ。戦いは佳境に入り、一夏は接近戦を仕掛けようとする。

 

「そろそろケリをつける!」

 

 彼は跳躍して落下とブーストした勢いを利用、鈴音に近接戦闘を仕掛けた。その瞬間、一夏と鈴音の間にアリーナのシールドを貫通したレーザーが地面に撃ち抜かれた。

 その後、黒い何かが地面に衝突して大きな土煙を巻き上げた。

 

「何だ…」

 

「何なのよ一体、あたし達が戦っているのにどういうつもり!?」

 

 土煙が晴れると共に落下物が黒い人型ロボットであることが判明した。そいつは両腕が切断されており、体の関節部分から激しい火花が飛び散っている事が分かる。更に装甲もボロボロで崩壊寸前だ。

 ボロボロのロボットは何故か彼等を無視してアリーナの中央に何から逃げるように移動をする。バリアの穴から巨大なレーザーが通過。ロボットにそれが直撃すると同時に光に包まれる共に塵すらも残すことなく完全に消滅した。

 

「何……今の!?」

 

「上部からレーザー攻撃!?」

 

 彼等は先程のレーザーが照射された方向に目を向けた時、黒い人型ロボットに酷似した何かがいた。真紅の装甲を身に纏っており周囲に片方に4つずつ、計8つの物体が浮遊している。人型でアーセナルよりも二回り大きくゴツい太い腕と鋭い爪、凶暴な野獣を彷彿させるような禍々しい姿が特徴だ。

 

「データを確認……不明だと!?

 まさか、新種のイモータルなのか!」

 

 一夏は乱入した敵の正体を調べたがデータの無い未知の存在で何も分からなかった。彼は新種のイモータルと判断する。

 この推測は当たりで乱入者の正体は『ゼルクロア』である。ゼルクロアは最近確認された新種の大型イモータルで今までの大型種とは比較にならない戦闘能力を有している。人型ロボットを一撃で消滅させた極太レーザーはその一端に過ぎず、途方もない大きな力が秘められている。

 ゼルクロアは黒いロボットを消滅させて直ぐにアリーナのフィールドに着陸、大地を揺るがす程の強烈な咆哮を上げた。

 その瞬間、一夏と鈴音は身動きが取れなくなった。まるで体が麻痺しているようだ。

 

「機体の制御が……!?」

 

「どうなってるの、これ!?」

 

 ゼルクロアの咆哮は範囲内にいる敵を麻痺させる効果がある。厄介な事にその範囲は広く、咄嗟に避けるのは困難だ。ゼルクロアは身動きが取れない一夏にアシッドクローの斬撃を連続で繰り出した。

 

「ぐわぁぁぁっ!!」

 

 一夏にアシッドクローの連撃をまともに受けてしまった。機体の耐久値が全て削られて戦闘不能。機能を停止した彼の機体は落下して地面に落ちた。彼は停止した機体から脱出しようとした瞬間、ゼルクロアの極太レーザーにより機体もろとも跡形もなく彼は消滅した。

 

「いちかぁぁぁぁっ!!」

 

 鈴音は一夏が目の前で死んだ光景を見て発狂すると同時にスタンが解除された。ゼルクロアは発狂する鈴音に360°ローリングレーザーを放った。これは範囲攻撃で回避は困難だ。

 鈴音は回避しようとするも間に合わずにレーザーを真面に喰らってISと一緒に消えた。ISは操縦者を守る為に絶対防御を発動するがゼルクロアのレーザーは余りにも威力が強すぎて絶対防御のバリアは無意味だった。

 アリーナにいた2人を排除したゼルクロアは先程のレーザーをもう一度放った。レーザーはアリーナのバリアを貫通、観客席に直撃して逃げていた生徒達はあっという間に姿を消した。床にはレーザーの痕がハッキリと残っているが血痕は見当たらない。

 

「嘘……そんな……。いやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「一夏……!!」

 

 管制室にいる山田先生は生徒達が死んだことに絶叫、千冬は弟の死に激しく動揺するがゼルクロアの攻撃は続く。

 奴は管制室に向けて極太レーザーを照射してそこにいた2人ごと破壊した。管制室だった所は瓦礫の山に変わり、山田先生と千冬はそのレーザーに呑み込まれて完全に消えた。

 強烈な咆哮を発したゼルクロアは全身から赤い誘導レーザーを放出、観客席に生き残って逃げていた生徒を一人残らず殲滅する。壊滅したアリーナから空へ移動、再び大きな雄叫びをあげて頭上に閃光を走らせた。

 上空から突然、真っ赤に燃える隕石が勢いよく落下してきた。その隕石はIS学園の敷地全体に降り注ぎ、落下地点の周囲にあった施設を破壊、甚大な被害を齎した。

 そこに教員部隊が到着。悲惨な現場を見て発狂する教師もおり大混乱の渦に包まれている。

 

「なんだこれは……」

 

「嘘でしょ……!?」

 

「兎に角、我々で止めるしかない! 行くぞ!!」

 

 教員部隊のリーダーは皆に発破をかけてゼルクロアを包囲する。しかし奴は強烈な咆哮を放って囲っている教員部隊の動きを止めてローリングレーザーでまとめて排除した。IS学園を蹂躙、目の前にあるものをひたすら破壊して瓦礫の山に変えていく。

 

「これ以上はやらせない!!」

 

 そこへ楯無が背後からゼルクロアに不意打ちを仕掛けるが誘導レーザーとアシッドクローの連撃と極太レーザーで呆気なく散った。

 彼女は水のヴェールで攻撃を受け流そうとしたが誘導レーザーにヴェールが耐えられずに崩壊、そのままクローの連撃と極太レーザーをまともに受けてしまった。

 学園最強の生徒会長ですらも止められず、世界最強のブリュンヒルデを一瞬で失った学園はものの数時間で瓦礫の山と化した。残っていた教員部隊も抵抗するも虚しくローリングレーザーとクローの連撃で全滅した。辛うじて生存していた生徒すらも奴は容赦なく全員を誘導レーザーで殺害、IS学園を飛び去った。

 

 

 

 

  IS学園から飛び出したゼルクロアは日本の都市部に入ると同時にメテオで高層ビル等の建物を破壊。都市は大混乱となり人々は逃げ惑うが崩壊する建物の瓦礫に潰されていく。ゼルクロアは2種類のレーザーで残った建物や瓦礫を更に破壊、同時に残っている人間を容赦なく殲滅する。

 邪魔するモノたちは強烈な咆哮でスタンさせてからアシッドクローの連撃と誘導レーザーで排除する。遠距離から高性能の大陸間弾道ミサイルが多数、放たれた。

 ゼルクロアは巨体に似合わない素早い動きで回避しながら誘導レーザーで弾道ミサイルを全て撃ち落とした。自身を排除しようとする戦艦や戦闘機を極太レーザーで塵に変えて砲撃する戦車はアシッドクローで粉砕、破壊の限りを尽くした。

 アシッドクローは爪に有毒な化学成分が含まれている。これが大気中に拡散、深刻な大気汚染を日本を中心に引き起こした。

 この汚染は人体に深刻な悪影響を与える上に癌や異常な皮膚や呼吸気管の炎症等の病も引き起こす。これが原因で全世界の人口の3割が命を落とした。

 こうした事態に各国はゼルクロアを排除する為に大規模な連合を結成。全戦力を持って排除を試みるも無駄だった。あらゆる戦力は奴を前に呆気なく消滅した。

 イギリスが用意した衛星兵器『エクスカリバー』の攻撃を避けて極太レーザーで反撃。それを容易く撃ち落とした。エクスカリバーは墜落、イギリスの海に落ちて周辺の街や地域は津波に呑み込まれて多くの人が亡くなった。

 連合軍はこの状況に狼狽えながらも反撃をする。亡国企業と名乗っていたテロリストも組織を守るために協力。実働部隊の精鋭が全員でゼルクロアに戦うも誰一人も帰還しなかった。そして連合本部もゼルクロアの攻撃で壊滅、瓦礫の山に変えた。

 天災と呼ばれた束ですらも奴の前では無力に等しく数秒で彼女はこの世から去った。彼女はゴーレムという無人ISを全て戦力として差し向けたがゼルクロアの攻撃により一瞬で全滅。

束も自らの力で抵抗するも呆気なく敗れた。最期はアシッドクローの連撃で体を八つ裂きにされた後に極太レーザーでこの世から永遠に消え去った。

 人間を根絶やしにした後、ゼルクロアは世界各地をさ迷って目に移る生命体を全滅させていった。

  この世界に残っているのはゼルクロアだけだ。世界を破壊した絶対強者は天空に勝利の雄叫びをあげた。

 もしもこの破壊神がこの世界に来たら破滅は免れない。




私はゼルクロアと戦いましたが冗談抜きで本当に強いです。

初見であの動きと攻撃はヤバい。

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