セラーナさんがダンジョンに絆を求めるのは間違っているだろうか 作:スキマ時間
セラーナさんがいうには、廃教会にある女神像に灯を翳せば手放せるだろうということで、二人と一柱は女神像の前に集まった。
「では、翳してみましょう。ベルさん、よしなに」
「ハイ」
シャーン。『メリディアの灯』を女神像に翳した瞬間に珠は輝きを増し、ベル君はふわふわと宙に舞い上がった。
「ほわぁあああああああああ」
「ベルくーーーーん。」
地上からヘスティアが呼びかけているが、教会の屋根を超えて空高く浮かんだベル君は小さな点にしか見えない。
「やっぱり、こうなりましたわね。とはいえ、そのうち戻ってくるから安心してくださいな。」
「えええ、知ってたら、教えてよぉ。セラーナくん」
そのころベル君は...
「新たな信者が参りましたね。さて、我が栄光をこの世に齎す時がきました」
いえ、僕はヘスティア様の家族であって、あなたの信者ではないのですが?
「聞きなさい。我が言葉に従うのです。穢れた闇が我が聖堂に入り込みました。それはあなたが滅ぼすべき闇なのです。」
ええ!それって僕たちのことでしょうか?
「よく灯を持ち帰りました。しかし、まだ喜ぶには早いのです。我が聖堂はいまだ冒涜され続けているのです。」
すみません。あまり掃除していなくて。今度からちゃんと掃除します。
「死霊術師が、この地の迷宮に彷徨う迷える魂を捕らえて操り、迷宮をおぞましき不浄で穢しています。」
えっ?それって僕たちのことでしょうか?
「あまつさえ、その邪術を支えるために、他ならぬ我が秘宝から力を引き出しているのです。」
「ペリナルの魂を持つ者よ、お前を呼び寄せたのは我が戦士となってもらうため。迷宮に入り、秘宝を奪還し、冒涜者を滅ぼすのです。」
「ハ、エェ?僕は?あの恐ろしい夢は現実だったんですか?」
ガタガタ震え始めるベル君。
「定命の者よ。お前はペリナルではないが、お前からはペリナルの魂の欠片を感じる。だが、その道を行くのを避けたいのなら、我が戦士となり、秘宝を奪還し、冒涜者を滅ぼすのです。」
「僕はヘスティア様の家族です。あなたの思い通りにはなりません。」
「一つの蝋燭でも闇は打ち消せるのです。お前がやらないというのなら、他の誰かがやるでしょう。」
「灯がいずれふさわしい魂を呼び寄せます。ですが、お前が賢き者であれば、我が下命を捨て置かぬはず。我が聖堂を住処とするならばなおのこと。」
「うぅ。わかりました。」
「当然です。我が命令なのですから!さあ行きなさい。我が戦士よ。今日から我も、ここに住むことにします。」
「新たな一日が始まります。そして、あなたはその魁となるでしょう。」
パタパタパタ....パタパタパタパタパタパタ。
ベル君が下りてきた。
メリディアも下りてきた.....
修羅場の予感?!
つづく