セラーナさんがダンジョンに絆を求めるのは間違っているだろうか 作:スキマ時間
そういえば、美の女神がベル君にちょっかいをかけないのは、やはりベル君も。。。。
ベル君たちは三人でギルドに立ち寄り、担当アドバイザーのエイナさんに迷宮で起きたことを伝えた。
「五階層おおおおおおお」
エイナさんがブチ切れた。
「えーと、僕たち、ちゃんと強くなっているんですよ?」
「まだ冒険者になって数日でしょ。ベル君には、そんな嘘をついてほしくない。」
「見せなさい。」
「へ?えーと魔石ですか?」
「違うわ、秘密にするから背中の恩恵を見せて。少しだけど神聖文字を読めるのよ。嘘をついてもそれで分かるわ」
「あらあら、深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ、でしたか?どうなってもしりませんわよ」
「せ、セラーナさん!煽らないでー」
「わ、わたしは席をはずしたほうがよいですよね。」
「じゃあ、リリルカさんとわたしはお二人の熱い抱擁を見ないように席をはずしますわ」
「私は職務として確かめる義務があるんです!!」
誂われて、エイナさんはプンプンと怒っている。
「またまたまた。どうしてそんなに煽っちゃうんですかぁ。じゃあ外で待っててください。」
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「じゃあ、恩恵を確認するわね。上着を脱いでくれるかしら。」
「本当に見るんですか?」
ベル君が太古の暗殺者の軽装鎧を脱いで背中を見せる。
「え、この鎧って、随分禍々しい感じがするんだけど。大丈夫なの?」
「それは、セラーナさんが用意してくれたもので、なんでも前にいたところの余り物なんだそうです。元は随分な由来があるもののようなんですが、僕が着ても仮装にしかならないんだそうです。」
「ま、まあいいわ。それも気になるけど、まずは恩恵の確認ね。」
「え!嘘!この短期間に熟練度が800オーバー?なにをやったら、そんなことになるの?」
「そういえば、ミノタウロスに殴られて、死にかけたところをセラーナさんが僕を担いだままミノタウロスを斃して...ソレカラ...セラーナさんがミノタウロスを使役して...スゴイポーションを飲まされて元気が出たと思ったら麻痺毒を塗ったダガーを渡されて...ミノタウロスを斃すまでが修行だって...なりました...そして恐ろしい夜...僕は僕は.....ああああ」
ガクガクガクガクブルブルブルブル!!!
『ペリナルの歌』を夢に見たことを思い出したベル君は。。。
「ベル君。ベル君。イケナイ、目が、目が、グルグルになってる。戻ってきてベル君!」
思わず、エイナさんはベル君を強く抱きしめた。
「ガチャ」「もう、終わりましたか?」
「わあああああああああ」
正気に戻ったベル君は混乱して走って逃げていった。
「ベルくーん」
「あらあら、やはり熱い抱擁を交わしてましたわね。まあ、このことは乙女の秘密にしておきますわ。」
「はっ!私は何を。。。。いやあああああああ。」
エイナさんも走ってギルドの奥に引っ込んでしまった。
この人、結構黒いな、本当に契約してよかったのかなとリリルカは思った。
そのあと1時間ほどして、顔を真っ赤にしつつ復活したエイナさんにセラーナさんとリリルカさんの二人で迷宮での出来事をしっかり伝えた。
つづく