セラーナさんがダンジョンに絆を求めるのは間違っているだろうか   作:スキマ時間

17 / 26
デイドラ界のドジっ子女神

リリルカは、ノクターナルの衣を盗む夢を見た。

リリルカが、朝、目が覚めると、手に頭巾を持っていた。なにか文字が書いてある。

 

セラーナが目覚めるのを待って、昨夜の夢の話しをした。

 

「それなら、その頭巾は『ノクターナルの灰色頭巾』と呼ばれている魔道具ですわね。」

「『Shadow hide ou』と書かれているようですわ。」

編注:ouの前のyの文字は元より失われている。

 

セラーナは頭巾の伝承から秘められた力をリリルカに教えた。

 

ノクターナルの灰色頭巾:隠密強化・生命探知・軽量化

 かぶっている間、あなたはグレイ・フォックスという別人として認識される

 

ふと、リリルカは体がいつもより重いような気がした。それに背中がスースーする。

 

気になって、セラーナに背中を見てもらうと、恩恵が消えていた。

 

「いやああああああああ」

 

「待ちなさい。落ち着くのです。これはノクターナルがあなたを憐れんで与えた幸運かもしれませんわね。」

 

「どういうことですか?恩恵を失うことがどうして幸運なんですか?」

 

「考えてもみなさい。今のままソーマ・ファミリアの眷属でいるかぎり、ならず者どもにあなたは付きまとわれ、眷属に興味すらもたない神のもとでは、レベルを上げることもままならない。」

「ですが、頭巾をかぶってグレイ・フォックスになり、たとえばヘスティア・ファミリアの眷属になれば、ほら、なんにも問題がない。」

 

「ええ!神を欺けるのですか?」

「え?わたしのいた世界だと九大神ですら、欺かれてグレイ・フォックスだと認識していたのだから、何も問題ないですわよ」

 

「そ、そんな非常識な!」

 

リリルカの目がだんだんグルグルしてきた。

 

「鉄は熱いうちに打て、ですわね。ヘスティアに会いに行きましょう。もちろん頭巾をかぶってですわよ。」

「でも、ヘスティアには本当のことを話しましょう。彼女はあなたを受け入れると思いますわ。」

 

「あ、ありがとう。セラーナ」

「さあ、行きましょう」

 

リリルカは泣いていた。

 

.

.

.

 

二人はヘスティア・ファミリアのホーム、廃れた教会にやってきた。

教会では、昨日、ギルドから飛び出したベルとヘスティアが待っていた。

 

「セラーナくん、昨日は帰ってこないから心配したよ。それと、そちらの見かけない子はだれだい。」

 

「この子はグレイ・フォックスですわ。ちょっと事情があるんですのよ。」

 

「さ、頭巾を脱いでいいですわよ」

 

グレイ・フォックスは頭巾を脱いだ。

 

「あれ、さっきまで誰かいたような気がするんだけど。そういえば、君は誰だい。」

 

「リリルカさん、昨日ぶりです。神様、昨日話した女の子ですよ。」

 

「ああ、ベル君が言っていたのは君のことだったのかい。本当に無事でよかったね。セラーナくん、頑張ってくれてありがとう!僕は誇らしいよ。」

 

「ヘスティア様、実は折り入ってお願いがあって参りました。」

「昨日、セラーナさんと従者の契約を交わしたあと、宿でセラーナさんに本を読んでもらったところ、摩訶不思議な事が起きたのです。」

 

セラーナさんはリリルカさんの辛い過去、そして昨日の夢の話、そしてこれからの事を話した。

 

「えええええええええ!僕のライフはもうゼロだよ!セラーナくん。」

「だけど、僕も竈の女神、こんな可愛そうな子をぜったいに見捨てたりしないよ。」

「リリルカくん、安心しな。バレなきゃいいのさ!表向きはグレイ・フォックスくんということにしておくけど、家族でいるときは今まで通りリリルカくんでいいんだよ。無理に自分を偽るのは辛いことだからね。」

 

「か、神様!あ、ありがとうございます。」

 

そのとき、教会にある女神像でドサッと音がした。

 

「なにか大きな音がしなかったかい?」

 

「神様、僕が見てきます。」

 

「うわ!またチミっ子な神様っぽい人が増えてる~」

 

「私の衣を貸し与えた幼子はどこであるか?無事であるか?様子を見に来たのであるぞ。」

 

デイドラ界のドジっ子女神、ノクターナルが顕現した。

 

つづく

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。