セラーナさんがダンジョンに絆を求めるのは間違っているだろうか 作:スキマ時間
ベル君は夢を見ていた。昨日はレベル差があるミノタウロスとの初めての戦闘でとても疲れていたうえに、セラーナさんから『ペリナルの歌』という怖いお話しを聞かされたことで、恩恵の更新もせずに寝てしまった。
ペリナル・ホワイトストレイクという英雄の夢を見た。
そこでは、人類はアイレイドというハイエルフに支配されていた。磔にあったペリフという女性が神キナレスにアイレイド支配からの脱却を願い、神から遣わされた白髪の戦士がペリナルだった。
光り輝く左手で敵を討ち、倒した敵の血を飲んで勝利を祝う。彼は未来の武具を身に着けていたとも言われていた。甥である雄牛モーリアウスも天から下りてきてペリナルに寄り添い、人類の反乱軍は地上を席巻した。
追い詰められたアイレイド達は、デイドラロードであるメリディアの配下オーロランと盟約を結び、金色のハーフエルフ、恐れを知らぬ不死身のウマリルを味方につけ対抗した。
あれ、なんで僕はエルフを皆殺しにしているのだろう?金色のハーフエルフの怖い人と戦っているのだろう?こんなのはいやだ。
そこへどこからか、声が響いてきた。
「わが聖堂が廃墟となっている様を見なさい!」
ベル君はそこで、自分たちの廃教会を幻視した。これは僕たちの廃教会のことを言っているだろうか?
「我を愛してくれる者がいないなら、どうして我が愛が届くのでしょう」
いつもあの女神像はだれなのかなとは思っていたけど、この人なのかな?でも光っているだけで姿がわからない。
「聖堂を奪還しなさい。我が聖堂に光を灯した暁には、褒美をあげましょう。」
「あの~、奪還ってどういうことでしょう?僕たちここに住まわせてもらっているだけなんですけど。」
「この光をそなたに授けます。聖堂に光を灯すのです。」
ベル君は、そこで目が覚めた。手元にはなぜか光る珠が預けられている。
「ほわぁあああああああああ?」
「何事ですの。」
「ベル君、どうしたんだい。怖い夢でも見たのかい?」
「たしかに怖い夢を見たんです。僕が光り輝く左手でエルフのみんなを皆殺しにしてしまう。。。でも、そんなの嫌だって思ったら、なぜか声が聞こえてきて、気がついたら、この光の珠を渡されていたんです。」
「あらまあ、こんな怪しい珠はすぐ捨てるべきですわ。」
「ン?もしかしてセラーナ君、君はなにか知っているのかい?」
「そうですわね。この珠は見たことがありますの。『メリディアの灯』という宝玉ですわ。」
「メリディアという廃れた神が信仰復活の手引きとして適当な者に授けるのですわ。面倒なので、見つけてもそっとしておくに限るのですわ。」
「あぁ、可愛そうなベルさん。すでに手に入れてしまったとなると、おそらく捨てられないはずですわ。」
『エエエエエエ!もしかして呪われたアイテムなのかい(なんですか)?』
「まあ、それに近いですわね。とは言っても、頼まれた場所に置くだけですむので、どうってことはなかったのですけれど?」
「ちなみにメリディアはなにか言ってませんでしたか?」
「「わが聖堂が廃墟となっている様を見なさい!」「聖堂を奪還しなさい。我が聖堂に光を灯した暁には、褒美をあげましょう。」って言ったのですが、問題はその聖堂がこの廃教会っぽいってことなんですよね。」
「なんですとー!」
「なるほど。一つ安心しましたわ。スカイリムのキルクリース聖堂に行けとか言われていたら、解けない呪いみたいになってしまうので、どうしたものかと思いましたが、すぐそこならあんしんですわね。」
「さあ、問題を片付けてしまいましょう」
『ハヒ?!』
つづく