音竜と妖精劇場   作:ハーフィ

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人魚姫もやりたいなー。

猿蟹合戦もやりたいし、白雪姫、眠り姫…童話って多いね!


シンデレラ3

そんなある日のこと。

 

この国の城で舞踏会が開かれることになりました。

 

アミク達の家にもその招待状が届きました。

 

 

早速継母達は舞踏会に行くための準備をします。

 

綺麗なドレスを仕立て、化粧品も高価なものを取り寄せました。

 

 

「エンジェル、シェリー!可愛くなったじゃない!ま、私の方が綺麗だけどね!!」

 

「あはははは!!これはいいドレスなんだゾ」

 

「この化粧品は有名ブランド物ですわね!!」

 

 

彼女達は大盛り上がり。キラキラと星が散っているように見えて、アミクには眩しく感じました。

 

 

じっと見て来るアミクの存在に気付いたのか、継母達は意地悪そうにこちらを見ます。

 

 

「あら、アミクもドレスを着たいの?」

 

「そんな羨ましそうな顔して」

 

「え、えっと…私も、舞踏会に行きたいです…」

 

どうせダメだろうな、と思いながらも頼んで見ると、カレン達は小馬鹿にしたように鼻で笑いました。

 

「貴方のような薄汚い女に着せるドレスなんてなくってよ」

 

「化粧品を買うお金ももったいないゾ」

 

「それに、貴方が舞踏会に行ったって誰も見向きなんてしてくれないわよ!」

 

 

アミクの耳に「アハハハハハ!!」と高笑いするカレン達の声が響き渡りました。

 

 

 

 

 

その様子を憤怒の表情で陰から見ていたマーチ。

 

「薄汚いのはお前らの方だっつーの!!」

 

思わず飛び出してその顔を引っ掻いてやろうかとも思いましたが、そうなって後に酷い目に遭うのはアミクなのでグッと我慢しました。

 

 

 

 

部屋に戻ってきたアミクはボーッと窓を眺めていました。

 

 

「アミク…元気出してなの。あんな奴らの言うことなんて気にしなくていいの」

 

 

「うん…でも、行ってみたかったな…舞踏会」

 

彼女にも欲らしい欲はあったようです。

 

マーチはそのことに安心しながらも、それを叶えられない自分にもどかしい思いをしていました。

 

 

 

「ドレスが、ない…あ!!」

 

アミクは何かを思いついたのか、目を輝かせました。

 

「ドレスがないなら、自分で作ればいいじゃない!!」

 

「おおう、そういう理論になるか、なの」

 

「自分でドレスとか用意すれば、お母様達もきっと行かせてくれるはずだよ!」

 

存外ポジティブな行動にマーチは驚かされる思いでした。

 

 

 

「早速お母様達からいらない服とか毛糸を貰っちゃおう!!」

 

意気揚々と出て行くアミク。

 

 

数十分後。

 

 

 

アザと血だらけになったアミクが帰ってきました。

 

 

「無事に貰ってきたよ!!」

 

「全然無事じゃないの!!」

 

 

聞くところによるとカレンは「貴方にあげるものなんてないわ!!」と空になった化粧瓶を投げ付けてきて、割れた破片が刺さってしまったそうです。

 

次にエンジェルの方に行くと「私って優しいから恵んでやるゾ」と謎の鈍器のようなものと共に古布を投げつけてくれたそうです。

 

最後に、シェリーの方に向かうと「この泥棒猫!!」と理不尽にヒールの踵で殴られたと言うのです。いらない布や毛糸もなんとか恵んでもらえました。

 

 

「立派なDVなの!!訴えられるの!!慰謝料ふんだくるの!!」

 

「マーチ、ここは日本じゃないよ…よし、始めよっか!!」

 

 

アミクは寝る間も惜しんでせっせと服作りをしました。

 

 

マーチもそれを手伝います。

 

 

日課をこなしながらも暇さえあれば服を縫います。

 

 

 

「でも、糸が足りないの」

 

そう、どう見ても毛糸が足りないのです。

 

「だから、皆にも協力して欲しいの!」

 

マーチは目の前にいる猫三匹に頼み込みました。

 

「いいよー!オイラもアミクには世話になってるから!」

 

青い猫、ハッピー。

 

「しょうがないわね」

 

白い猫、シャルル。

 

 

「うむ、そういうことならば任せておけ」

 

腕を組んで頷く黒い猫、リリー。

 

皆、マーチの猫仲間であり、アミクの友達です。

 

 

彼らは食料で困っている所を、マーチに連れられてアミクに食料を恵んで貰ったのです。

 

そんなことがあって彼らとアミクは友好関係になり、マーチのように住み込んでいるわけではないですが頻繁に遊びに来ます。

 

「ありがとうなの!」

 

「勘違いしないでよね。アンタの為じゃなくてアミクに恩を返す為なんだから」

 

「ツンデレ乙なの」

 

「なんですって!」

 

マーチ達は相談して毛糸の入手方法を模索します。

 

「毛糸、本当に残ってないの?幾ら何でも一個もないなんておかしいよ」

 

「そうだな。あの家には高価そうな毛糸などいくらでもありそうなものだが」

 

ハッピーとリリーが聞くと、マーチは歯ぎしりをして答えます。

 

 

「あのクソババァ共、何を勘付いたのか毛糸を隠しやがったの」

 

「うわ、エグいことするね…」

 

「…だったら、私達でその毛糸を見つけちゃえばいいんじゃないかしら?」

 

シャルルの提案にマーチ達は「それだ!!」と声を上げました。

 

アミクは日課もあるし、毛糸を探している暇がありません。それに、目立ちます。

 

ならば、狭い場所にも潜り込める自分達ならば目立たず、毛糸を探してくることができるはずです」

 

 

「よし、『喋るネコネコ隊』の初任務だ!」

 

「え、何それ」

 

「絶妙にダサいの…」

 

「どうでもいいわよ。それより、なんとしても毛糸を探し出すのよ!」

 

『おおーーー!!』

 

ネコ達がアミクの為に密かに動き出しました。

 

 

 

 

 

 

 

 




ちょっとディ◯ニーのストーリーに似た感じになりました。

ナツ達はまだ出ません。というか、誰がどの配役やるかも決めきれてない状態…

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