バジリスク~狂賀忍法帖~   作:淫欲童子

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愛する者よ帰り候へ

朝になり

 

「ふぁ~、昨日は良い夜であった。あれ陽炎ちゃんもういない」

 

刃は伸びをすると

 

「さてと陽炎ちゃんの忍法は」

 

刃は陽炎の忍法を意識すると頭のなかに情報がでてくる

 

「ふむ、性的興奮すると吐息から毒が出ると。」

 

「びみょうだな、俺にはいらんがあとだ改造するか」

 

刃はのそりと立ち上がりフラフラと歩き出すと向こうから艶っぽい女性が歩いてくる

 

「お、陽炎ちゃん。おはよう~、昨日は良かったよ」

 

「なっ!刃殿なぜ!?」

 

「まぁ、客で忍だし?」

 

「さ、左様でございましたか」

 

「で、陽炎ちゃん。今夜もどおよ」

 

「し、しかし、他の者の目がありますゆへ」

 

陽炎はそう言い刃から離れ走りだす

 

「これは、加神殿。」

 

「おぉ、如月殿か」

 

「昨晩は陽炎に逃げられましたかな?」

 

「おや、陽炎殿とのこと知っておられたか。いやいや昨日の陽炎殿はそれはそれは愛らしかったですぞ。」

 

「ほほぅ、伊賀には陽炎のような女性でも?」

 

如月左衛門の目がうっすらと開く

 

「はっきり言われては如何か?なぜ陽炎の毒が効いていないのかとなぁ」

 

「答えてくれるのかのぅ?」

 

「なに、ちとばかし昔、様々な毒を飲んで耐性をつけたまでよ死にかけたが陽炎殿ならまさに極楽浄土よ。」

 

刃はカラカラと笑いながら歩いていく

 

「弦ちゃんいる?」

 

「これは、刃殿」

 

「じゃ、帰るよ。浮気したら許さないぞぅ~」

 

「うむ、肝に命じよう」

 

そう言い刃は忍法で空に飛んでいく

 

「やれやれ、嵐のようなお方じゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊賀鍔隠れ

 

 

 

 

 

「いやぁ、楽しかったと。そう言えばなんか忘れていたような?何だろう?」

 

刃は近くの丘に降りると気により掛かる

 

「なんだっけなぁ」

 

「刃様・・・・・」

 

「んあ?蛍火?」

 

肩に白蛇をのせ、紫色がかった綺麗な黒髪の美少女が駆け寄ってくる

 

シャーっ!

 

「痛っ!」

 

刃の指に白蛇が噛み付く

 

「なにをする!」

 

「申し訳ありません。刃様」

 

そう言い刃の指を吸う。舌が指に絡みつき、ゆっくりとねぶられる

 

「蛍火」

 

刃は蛍火の腰を抱きよせる

 

「刃様、これはどういうことにございますか。」

 

「蛍火?」

 

蛍火はジロリと睨むと

 

「体から他の女の匂いがします。指からも刃様と違う不快な味がします。」

 

(しまった!匂い消すの忘れてた!!)

 

「さて、お話を聞かせていただきましょうか?」

 

「ま、まて蛍火!会話にクナイは必要ないだろ!」

 

「いえ、必要ですとも、さぁ、刃様!」

 

刃は全力で走った。恐らく最速記録を叩きだすであろう勢いで屋敷へと帰った

 

ドカン!

 

「だ、誰か!」

 

刃は屋敷の扉をぶち壊しながら転がり入る

 

「「どうなされました刃様」」

 

小四郎と夜叉丸が現れる

 

「小四郎、夜叉!助けてくれ!蛍火が切れた」

 

「夜叉丸、任せた。もともとお前の想い人であろう。これを気に取り返せ」

 

「振られたのにそんなことできるか!小四郎お前がやれ!キレた蛍火は恐ろしくて手がつけれん」

 

「なら」

 

「うむ」

 

「「お力になれませぬ。刃様これにて御免!」」

 

そう言い二人は逃げ出す

 

「カムバーーーーック!!」

 

「どうなされたのですか刃殿」

 

「朱絹助けて!蛍火が」

 

「はぁ、またにございますか。それでは、今宵にでもしっかりと返していただきますぞ」

 

朱絹はため息を尽きながら刃の耳に耳打ちすると。歩いていく

 

 

「助かった~」

 

そう言い刃は屋敷の奥へと入っていく

 

「にぃや、帰って来たのかえ?」

 

「おう、朧。土産だ」

 

そう言い刃は首飾りを投げる

 

「こ、これは!な、な、な、」

 

ボシュンと音を建てて顔を真っ赤にするが写真のはいった首飾りを見続ける

 

「お前もそろそろ年頃、そう言うものを一つくらいもっていてもよかろうに、ほれ、夜とか寂しかろう?愛しの弦之介と共に寝たほうがのう」

 

ニヤニヤと朧を見続ける

 

「なんじゃ帰っておったのか刃」

 

「おう、お幻」

 

「なんじゃ、朧。なにを見ておる」

 

「・・・・・」

 

「朧や」

 

お幻は不思議に思い朧の後ろから覗く

 

「ほう、朧も年頃よのう。しかし些か慎みに掛ける絵ではないかのう?刃よ」

 

「いいんだよ!朧も食い入るようにみているだろ?」

 

「して、刃よ。明日は甲賀弾正とその孫が来るでの」

 

「ほう、随分と急だな」

 

「お主がおらんかっただけじゃ」

 

「あっそ。飯にしようぜ飯」

 

「焦るでない、今朱絹が用意しておるわい。全くお主は幾つになっても童のようなままじゃ」

 

「へいへい」

 

お幻と話しているとゾロゾロと伊賀衆が入って来ると鼻毛が飛び出て、毛むくじゃらのオッサン念鬼が話し掛けてくる

 

「おぉ、刃殿戻っておったか。して、何故蛍火は剥れて刃殿を睨んでおるのだ」

 

ギロリっ

 

「うっ!さては刃殿、また女子をこましたな?どうりで蛍火の機嫌が悪い」

 

チャキ

 

蛍火はクナイをだすと流石の念鬼も黙る

 

「さて、飯を・・・・あれ?」

 

刃は他の膳を見ると、川魚と漬物、旬の野菜が料理されてあるが、刃の膳は米と小魚一匹に具なし味噌汁であった

 

「にぃや、朱絹を怒らせたのかや?」

 

「あ、朱絹ちゃん。俺のオカズは?」

 

「はて、なんのことでしょう。蛍火は止めもうしたが、甲賀から帰ってすぐに女の匂いとは知りませでした」

 

「にぃや、朱絹と蛍火に謝りぃ」

 

「スミマセンデシタ」

 

「「・・・・・」」

 

二人は黙々と食事を取る

 

「おい、小四郎、夜叉、お前ら逃げたよな?」

 

「「ギクッ」」 

 

「魚寄越せ!」

 

刃は腕を伸ばすと二人から魚を奪う

 

「なにをなされるんですか!」

 

「やかましい!お前らは漬物でも食ってろい!あ、朱絹ちゃん米のおかわりを」

 

「御自分でとられてはいかがでしょう」

 

そう言いながら朱絹は米櫃を自分の後ろに隠す、そして米櫃はもう一つあり、蛍火が後ろに隠す

 

「ほ、蛍火。」

 

「・・・・」ギロリ

 

「お幻何とかいってくれ!」

 

「二人に土産とかないのか?」

 

「・・・・・ない」

 

「諦めい」

 

俺がガックリ落ち込むと

 

「して、どのオナゴを抱いてきたのじゃ?ほれ一献」

 

「陣五郎、お前って奴は。いや、黒髪の波がかった、肌の透き通るように白い女でなこれまた具合の良いのなんのって」

 

「ほうほう!して、どのような感じであった」

 

「賀神秘伝四十八手のうち十二手出してしもうたわ。しかし絡み付くようで中々の名器で、一突きごとに奏でる声が」

 

刃が陣五郎の方を見ると陣五郎はどこかへ逃げようとしていた

 

「おい、陣五郎!聞いて無かったのか!」

 

「刃殿!後ろ!後ろ!」

 

「後ろ?」

 

刃が振り返えると笑顔が輝く二人の女性がいた

 

「刃殿?」

 

「刃様?」

 

「お、朧!朧!」

 

「に、にぃや!それは女子も知っておいた方が殿方も喜ぶのかえ?」

 

「今はちがう!」

 

「「御覚悟は?」」

 

「いやぁーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

庭には蓑虫のように簀巻きにされ顔をボコボコに腫らした刃がぶら下がるのであった

 

 

 

 

 

 

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